遊戯王 存在しないモンスターズ   作:コジマ汚染患者

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これにてプロローグ終了。
次回からはめっちゃ時間が飛んで遊戯王 存在しないモンスターズという謎の番組()が始まるぞ!作者の都合次第だが2章分くらいは設定作ってるから、ヴレインズ位は続けられるんじゃねぇかな(適当)


A.ジャッジの指示に従ってください

どうも、記憶喪失系美少女、Dネーム機械万歳です。

 

なんか仕事終わりに店長から謎の勧誘を受けています。

先程は、俺の今後についてリョウさんからの提案を聞くという話だった。最初の2つについては結構説明してくれたから納得というか、理解はできたんだが......。

 

「あの、話が見えない、です」

 

「ああ、説明はする。......んだが、その為にはまずアンタに事前知識が必要だな」

 

そう言ってリョウさんは一度席を離れ、少ししてメモとペンを持ってきた。その後何やらメモにペンを走らせつつ話の続きを始める。

 

「まず、アンタは『プロデュエリスト』ってのは知ってるか?」

 

「名前から、想像はでき、ます。でも、知識と、してはわかんない、です」

 

「んじゃあ、『カード・プロフェッサー』ってのは?」

 

「......同じ、です。名前なら、わかります」

 

プロデュエリストってのは普通にプロのデュエリストって事だろう。それよりも俺にとって興味を引いたのは、カード・プロフェッサーの方だ。

 

カード・プロフェッサー。OCGのあった世界で、遊戯王の漫画にでてきた集団がそう名乗っていたはずだ。賞金のかかった大会とかに出るような、いわゆる賞金稼ぎ。漫画でも外伝的なものに出てたから記憶に薄いけど、確か傭兵的なものでもあったっけ?

 

「それじゃ、2つについてちゃんと説明する必要がありそうだな。......しっかり聞いとけよ」

 

俺がコクリと頷くと、リョウさんはメモに簡単に説明を書きながら説明してくれる。

説明を元にすると......

 

プロデュエリスト。

文字通りプロとして活動するデュエリストで、基本的な活躍の場はテレビ中継が入るような大規模な大会。

スポンサー制度が導入されていてスポンサーが着いたら初めてプロとしてデビューできる。

当然強さが重要で厳しいところもあるけど、どうやら強ければ未成年でもプロとして活動できるほどにゆるい部分もあるらしい。一般人からすれば有名なスポーツのスター選手のような存在でもあり、スポンサーが居ないのに人気だけでプロになれるくらい凄い人もいるとか。

テレビとかが興行として盛り上げるために用意したランク制度が設けられており、大会以外での収入にはこのランクの高さも関わってくる。副業の制限とかも無いから、エグい人だと自分が社長しながらその会社をスポンサーにしてプロやってる猛者もいるらしい。

 

カード・プロフェッサー。

アングラな部分のため存在はあまり公にはなっていないが、世界中でプロデュエリスト以上の人口がいると言われている職業だそうだ。

主な仕事は、依頼を受けての企業同士の利権争いの場での賭けデュエル。負けが信用の失墜に繋がるため、プロよりも断然勝ち負けに厳しい。

プロフェッサーの名前の通り、種族・属性・デッキなどの分類の中から一つのみに絞った知識量がずば抜けている者が多数存在し、使うデッキもほとんど固定の種族属性・コンセプトに絞られている。

そうなると当然の事ながら対策を取られることもあるので、余程デュエルの実力が高くなければ続けていけないらしい。

プロと違い完全にフリーの決闘者のため、「私はカードプロフェッサーです」と公言すればなれるお手軽なところもあるとか。

ただし当然実力がなければ企業等から目をつけられることもないため、そんなところはプロと変わらない。

 

「......あの、それで、なんでそんな世界に、俺を?」

 

話を聞くだけでも相当エグい世界だ。プロはプロで大成できなきゃ一瞬で消えるし、カード・プロフェッサーに至ってはもう言いたい放題だ。そう名乗ればそれで良いって、もはや資格云々も無い無職じゃね?

俺が恐る恐る疑問を述べると、リョウさんはなおも真剣な表情でペンをこちらへ向けてくる。

 

「アンタは全く自覚してねぇみたいだからこの際はっきり言うぞ。デュエルの腕、カード知識、戦術。アタシとのデュエルからずっと見てきたがアンタはどれをとってもレベルがクッソ高ぇ!」

 

「......?」

 

「そう、アンタだよアンタ!」

 

思わず自身を指さしながら首を傾げた俺に、リョウさんが机の向こう側から身を乗り出しつつ再度ペンを向けてくる。

俺のレベルが高い???......俺がァ????

 

「......その反応、自覚無しかよ」

 

「確かに、ここでは、まだ初戦以外、無敗。でも、俺レベルの、デュエリストなら、割といるんじゃ.....」

 

そう言うとリョウさんは、大きなため息をつきつつドッカ、と席に座り直し頬杖つきながらこちらを睨む。

 

「ああ、そう......。まずその辺の常識から教えねぇと行けねぇのかよ。いいか?アンタがバカみてぇに薙ぎ払ってるうちの常連共や客はなぁ?実は上澄みも上澄み、ここいらじゃ1番レベルの高い集団なんだぞ!?」

 

「......はぁ?......はぁ???」

 

思わず2度聞き返してしまう。えぇ......?あのお客さんたちが......上澄み???

嘘だろう、冗談だろうと思いながら見るがリョウさんの表情は変わらない。うっそだァ、言い方は悪いが、彼らが上澄み......!?

 

あまりの事実に唖然とする。いやだって、おかしくないか?1ヶ月間、運営補助や人数合わせの対戦やってきたわけだから何となく色んな人のデッキは見てきたが、コンセプトらしいコンセプト決めてデッキ組んでたのは常連さん達だけだぞ!?

 

他の人らは大体懐かしさに戦慄するくらい懐かしいモンスターを使ってたり、装備カードで強化して殴る、それを伏せカードで防ぐ、みたいなビートダウンとも言いづらいレベルのビートダウンばっかだぞ!?

常連さん、特に月月火水木金金さんなんかはそれなりに手強いデッキ組んでるけど......他の人らが上澄み?

 

的なことを、この場に彼らが居ないのを良いことにあけすけに語ると、リョウさんはまたしても大きな大きなため息をこぼした。

 

「お前、そんな事考えてたのか?あのなぁ......いや、見た方が早いか」

 

そう言って、またしてもリョウさんが席を立つ。今度持ってきたのは、店で普通に売られているカードパック。それも、10パックほどまとめて持ってきていた。

 

「これ、奢るから開けてみな」

 

「?は、はい」

 

言われるままに、ハサミとパックを受け取り開封する。何が何だか知らんけど、これがこの世界に来て初のパック開封か......。

 

さて、記念すべき1パック目は何が......

 

『ひょうすべ』

 

『ガーディアン・バオウ』

 

『スキル・サクセサー』

 

『大皇帝ペンギン』

 

『ゴキボール』

 

..................まぁ、うん。こういうパックもあるよね。気を取り直して2パック目、

 

『ゼラの戦士』

 

『赤い忍者』

 

『戦線復活の代償』

 

『燃える藻』

 

『ゴキボール』

 

........................3パック目、

 

『チューン・ウォリアー』

 

『シャイン・エンジェル』

 

『エクシーズ・エントラスト』

 

『ペンデュラム・リボーン』

 

『ゴキボール』

 

「......クソパック!!」

 

思わず全力の台パンをしてしまう。こちらを見るリョウさんの目はあー、やっぱり。みたいな色が見える。いや、そんなことより何だこのパック!?収録内容がてんで読めない、しかも渋すぎる!

というか、なんで3パック連続でゴキボールくるんだ!ありえないだろ!?

 

「ここまでゴキボールに愛された奴初めてみるわ」

 

「......言わないで、ください」

 

「ま、クソパックだってのは同意だな。ちなみにこれ、現行最新パックな」

 

「は!?」

 

思わずうなだれていた頭がはね起きる。嘘だろう......!?てっきりだいぶ型落ちのパックを開けさせられたと思ってた、というか入ってたカード的に古すぎるだろ!?

 

その後も、渡された残り7つのパックを開封していくが......

 

「......」

 

「おうおう、こりゃひでぇな」

 

「収録が……収録内容が分からなすぎる......!」

 

出るわ出るわ、前世で存在や名前、効果は知ってたけどこれどうやって使うの?ってカード、そもそも知らないコアすぎるカードの山。

穿孔虫ってなんだよ......イースター島のモアイってなんだよ......!

というか、もう途中で気づいた。恐る恐るリョウさんの方を見ると、帰ってきたのは察した様子の苦笑い。

 

「これ、まさか収録内容......」

 

「そのまさか。このパックに収録されてるカードの種類は、文字通り全種。これまで発表されたカード、そうだな......大体1万種か。あらゆるカードが全部ランダムで封入されてんの」

 

「嘘だろ......!?」

 

ああ、分かった。分からされた。ここで今まで見てきたデュエリスト達のレベルが低い理由。それだけじゃないとは思うが、これが多分1番でかい理由だろう、そもそもこれ強いカードだけ集めるの無理ゲーだ。

遊戯王が俺のいた前世と同じレベルで成長してきたのなら、マジで1万種類以上。そんだけ膨れ上がった種類の中から、カードパックに入ってるのは5枚だけなんだ。1万分の5の割合で強カードを引き当てるのなんて、それこそ宝くじじゃないか。

 

「ちなみに、ゴキボールまた出たか?」

 

「......『ゴキボール』は出なかった、です。代わりに、『ゴキポール』が、出ました......」

 

「......その、なんて言うか。ドンマイ?」

 

そんな中で、容赦なく3枚出てきたゴキボールにはもはや怨念すら感じる。俺嫌だよ、3枚当てたからってゴキブリデッキ組むの。

 

「ちなみに、他にパックって?」

 

「あるぜ。ただ、滅茶苦茶高い。さっきアンタが開けたパックは1パック50円。んで、セレクションパックっていうさっきのより強いカードが当たりやすいパックもあるけど、1パック1000円以上だな」

 

「......オリパレベルかよ」

 

ありえない、何だこの異常なパックの格差は。というか、セレクションパックってのも見せてもらったがどう考えても割に合わない。開けた時一番最後のカードがゴキボールじゃないことに安心したが、気を抜いてみてると真ん中の方で『対峙するG』がいたの見た。このパックももう信じられない。

 

「どうだ?レベルが低いとか言ってたが、自覚できたか、現状が?」

 

「はい......。コレ見てると、今まで見た人達確かに上澄みですね」

 

実際すごいと思う。ここから当たり前のように装備ビートデッキ組めただけあの人らすごいわ。済まない、『ブラッド・ヴォルス』に『幸運の鉄斧』装備させてたお兄さん。普通にデストロイリボルバーでデストロイしたのが悔やまれる。

 

......あれ、じゃあなんで?

 

「なんで、貸し出し用の、ストレージはあんなに、充実していた、ですか?」

 

「あー?そりゃストレージなんだから、高ぇカードも入ってるだろ」

 

「?」

 

「あ?」

 

なんだか話が噛み合わない。そう思い少し話を聞いていると、更にエグい話になっていた。

 

この世界では、何とストレージとは安いカードをバラ売りする物では無く有用だけど傷ありな訳あり商品とかをそこそこな値段で売っているものだったらしい。前世のカードショップではよく見た、「特価」とか書いてあるカード達だ。

べらぼうに高いわけじゃない、でも毎回手が届くようなものでもない。ちょっと奮発して買えばデッキがグンとまとまる。そんなカードが集められたのが、こちらで言う「ストレージ」だったのだと言う。

 

「つまりてんちょ、最初からそれなりに、配慮してデッキ組ませてくれてた......ってこと!?」

 

「当たり前だろ、いくらアタシでもマジに産廃みてぇなカードだけでトーナメント出そうとするわけねぇだろ」

 

呆れた様子のリョウさんを横目に、頭を抱える。

このカード事情を考慮すると、俺のフェイバリットデッキを自腹で揃えようと思うと......アカン、何十年かかるのやら。

 

「おーい、そろそろ話戻してぇんだが?」

 

「は、はい。えーと、その、どこまでいってますっけ」

 

「アンタにプロを目指さないか、って話した所から全然進んでねぇよ!アンタ全然常識がねぇからな!」

 

ああそうだ、プロを目指さないか、という話だった。......いやでもなぁ。カード事情とか、俺の持つ知識が結構すごいってのは分かったけど......。それだけでプロでやって行けるとは思えない。

だって、こっちではすごいすごいとリョウさんは言うが、前世ではただの一般デュエリストだった者だ。そんな奴が上手くやっていけるわけない......

 

「あの、プロじゃ、無くてカード・プロフェッサーの方なら?」

 

「ああ?いや、そっちこそ無理だ。どうやってアンタを企業に売り込むんだよ。アタシはプロの方なら多少伝手はあるけど、そっち方面は全くだぞ」

 

「......賞金稼ぎをして、注目を浴びる、とか?」

 

「甘い」

 

バッサリと切って捨てられる意見。思わずムッとするが、確かに現実的では無い。賞金の出るような大会には既にカード・プロフェッサーになっている人も出るらしく、そういった人達は賞金だけじゃなく俺が考えたように企業に実力を売り込むためのパフォーマンスの場として見ている奴が沢山いるらしい。

 

そこでは、賄賂・イカサマ・違法カード、エグいのから姑息なのまで様々な不正が飛び交うアングラな世界だそうだ。

 

「ああいった場所は知識やデュエルの腕だけでどうにかなる所じゃねぇのさ。その点プロなら、スポンサーさえどうにかすればアンタなら直ぐランキング圏内までいける。それは断言出来る」

 

「......その心は?」

 

「見た目が良い」

 

その堂々とした宣言に、思わずガクッとずっこける。しかし、そんな俺にまたしてもリョウさんが詳しく説明してくれる。

 

何でも、プロデュエリストは基本大勢の目に留まる場所で戦うため、見た目のインパクトというのが非常に大事らしい。中にはどぎついメイクしてる人とか、普段と全くキャラの違う人もいるらしい。なんというか、生き残るのに必死なんだなぁ.....。

 

「その点、アンタはスタイルも顔も良い。経歴もこれまでの戦績も一切が不明っていうミステリアス要素もあるから、印象に残しやすい。ここまで要素があるなら、ノウハウをある程度知ってるアタシがプロデュースしてアンタがデュエルして、って形でプロの世界に飛び込んでいけるはずだ」

 

どうだ、乗るか?そう言ってリョウさんはこちらの返答を待つようにじっと見つめてくる。

 

いやぁ......プロかぁ〜。強い人らとデュエルできる、ってのは良いよなぁ。でもなぁ、負けられない要素が増えちゃうしテレビに出るって断言されてる以上取材とかみたいな面倒事も増えるだろうしなぁ......いやいや、そもそも勝てる前提で話してるけど、俺の借りてるデッキ全然強くないじゃん。せめて愛用してたデッキと同じレベルまで引き上げられないと話にならなさそうだしなぁ......待て待て、そこまで上げても相手はプロ。さすがにティアクシャとかピュとかまで行かなくともサモサモキャットベルンベルンDDBとか地獄門ケプラー宇宙展開とかはやってくるかもなぁ......。そうなるとまぁ簡単にひねられてそのままあっという間に干されて終了なんてこともあああああ嗚呼亜ア

 

そうして考えること実に10分間。リョウさんがじっと見据えている中悶えに悶えた俺は、そっとため息をつき答えをリョウさんに伝えたのだった。




Q.結局TSっている?
A.作者のモチベに繋がるからいる。

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