ザビ家の次男   作:ヴィヴィオ

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ロリコンになりました。

 今日も楽しくゲーム三昧! と思って目覚めたら……憑依転生していた事実を知り、はや数年。俺はサスロ・ザビとなっていた。ロボット兵器バンザーイといいたいが、死亡フラグ満載だし、生き残る為に手段を選べない。という訳で、死なない為に赤ん坊の頃からマルチタスクを練習し、4歳までに文字を覚えて技術書を読みあさり、身体を鍛えた。ザビ家の権力を利用しての恵まれた環境での英才教育を受けたのだ。

 現在はサイド3にはおらず、木星で開発と発展を行っている。情報機関? 知った事か。生き残るために幼少の頃から木星に行ってニュータイプと化したのさ。ついでにアクシズを改造してモビルアーマーの開発とクローン技術、ニュータイプ技術、エネルギー関連をメインに数十年間研究している。目指す場所が分かっており、未来の知識を持った俺とMIP社を含む研究者達をアクシズという檻に閉じ込めてガラパゴス化を巻き起こしてやった。これによって、モビルスーツは知らないが、モビルアーマーに関してはかなりの技術革新が起こっている。それに近場にヘリウム、セシウム等もいっぱいあるからミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉を作りたい放題。これを利用して必死に研究した。もちろん、本国では一般に殆ど技術を流さず極秘に研究している。こちらで報告した技術を問題無いと判断された物だけ劣化させて流用されている。本来なら監査など派遣されるが、そこはザビ家の次男である俺がトップなので問題ないし、ギレンの兄貴などには兵器データを公開したりしている。蜂起を79年に定め、皆で必死に準備をしている段階なのだ。

 そして、現在73年。26歳を過ぎて未だ独身なのだが……本国に戻って来たらいい加減嫁を取れと言われた訳だ。

 

「お前もいい年だ。嫁を取れ」

「そうですわ、お兄様」

「どうしてもか?」

「ああ。サスロ、お前は木星に入り浸っているが、いい加減にこちらを手伝ってくれ」

「だが断る! 兄貴の邪魔はしていないだろう」

「それはそうだがな」

「いいから、嫁を取れ。このさい貴族ならば誰でも構わん」

「誰でもいいんだな?」

「うむ」

 

 親父であるデギンと兄であるギレンに妹であるキシリアにテコ入れされたので考えてみる。嫁ですか、嫁ですよね。可愛い子がいいが、年齢的にまずい……いや、待て。ロリもいいじゃないか。この年代だとペドだけどな。

 

「では――」

 

 俺が言った事にもう反発されたが拒否し、こちらで開発したモビルスーツのジェネレーターの製造データを渡して納得させた。元々渡すつもりで帰って来たので、ちょうどいい。これで稼働時間が増えてだいぶ楽になるはずだ。

 

「ああ、まさかお兄様がロリコンだったなんて……」

「引くぞ……」

「はいはい」

 

 適当に流して頼んでおいた。その間に俺は没落したサハリン家へとやって来た。目的は決まっている。

 

「お待たせして申し訳ございません」

「構わん。こちらがアポも無しに来たのだからな」

「はっ」

「さて、サハリン家の現状は知っている。そこで私に協力してくれればザビ家の方で援助しよう?」

「本当ですか?」

「ああ。といっても、最初は俺個人での援助となる。俺と木星でモビルアーマーの開発をしてもらいたい」

「モビルアーマー……それに木星ですか」

「ああ、そうだ」

 

 急激に没落したサハリン家の当主となったギニアス・サハリン。

 

「それと協力してくれれば君の病を治せる可能性もある」

「っ」

「俺は木星でクローン技術の開発に勤しんでいてな。それを使えば悪い所を培養して入れ替える事もできる。妹や技術者を始めとした者達も全員連れてこればいい。向こうでの生活も保証する。悪い話ではないだろう?」

「それはそうですが……」

「俺はお前達の技術力を買っている。俺と契約して共に生き残ろうではないか」

「……開発して欲しい物のデータは?」

「これだ」

 

 アプサラスⅠからⅢの思い出せるだけのデータや仕様と実際にこっちで仮組みしたデータを書いた紙を渡す。

 

「これは……素晴らしい! 私が考えていたものと同じではないか! 問題点の解決も……」

「どうだろうか?」

「よろしくお願いする!」

「同志よ、よろしく頼む」

「こちらこそ!」

 

 ガシッと握手して俺とギニアスはアプサラスに付いて話しまくった。

 今日はサハリン家に泊まり、ノリス・パッカードや妹のアイナ・サハリンとも知り合った。直ぐに彼らには木星へと向かう準備をして貰う。

 

 

 ザビ家に戻り、情報機関を利用して1人の少女を探させる。探すのはマリオン・ウェルチ。彼女をさっさと確保しておきたい。まあ、ザビ家の権限を使えば直ぐに見つけられるだろう。

 自室で兄貴から回された仕事を片手間で行って設計図を書いているとドアがノックされた。

 

「入れ」

「失礼たします」

 

 リアルメイドが入ってくると、その後ろにピンク色の髪の毛をツインテールにした可愛らしい小さな女の子が入ってきた。

 

「は、初めまして……ハマーン・カーンです」

「よく来た。内容は理解しているな」

「は、はい……サスロ様の奥方になると……」

「そうだ。実際の式は数年後だがな。それと木星にも一緒に来てもらう」

「も、木星ですか……」

「ああ、そうだ」

 

 ロリハマーンこと、はにゃーんに近づいて抱き上げてソファーに座らせる。接触による感じから覚醒こそまだだが、ニュータイプである事は間違いない。どうせシャアが要らないというなら俺が貰ってしまえと思ったのだ。ハマーンは実際問題、強キャラだしな。おかっぱはあんまり好きになれないが、ツインテールの状態でこれから好みに教育すればいい。まだ6歳なのだし、木星で育てれば更に能力も上がるだろう。

 

「そ、その……よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく頼む」

 

 それからハマーンの相手をしながらアクシズに関する仕事を行っていく。アクシズはマハラジャ・カーンではなく、俺が自分で作っているからだ。ザビ家としてもそっちの方がいいしな。

 

 

 2ヶ月後、俺達は数隻のグワジンに乗って火星と木星の間にあるアクシズへと向かった。マリオン・ウェルチも浮浪児になっていた所を拉致って来られたので問題はない。

 

「マリオン、遊ぼ」

「うん」

「気を付けろよ」

「は~い」

「はい」

 

 ハマーンの遊び相手としてもマリオンは連れてきて良かった。まあ、遊びといってもモビルスーツのシミュレーターをやって貰っているんだけどな。もちろん、アイナも一緒になって遊んでいるし、英才教育を施している。

 

「さて、子供達が行った所で私達は……」

「ああ、アプサラスの設計を行おう。まずこちらの技術だが……」

 

 ガンダリウムαとIフィールドジェネレーターなどの技術を伝えて行く。現在、俺はゼロ・ジ・アールの開発とクローン技術、ニュータイプ研究をメインに行っている。アステロイドベルトは資源が豊富だし、技術者も多数募集している。ガンダリウムに関しては特殊な重力下で従来のチタン系合金を精製する事で、様々な特性を有する事がわかっていたので時間をかけるだけで簡単に精製できた。β以降は現在研究中だ。

 

「ふむ。Iフィールドジェネレーターは必須だな」

「消費電力が大き過ぎるな。装甲はガンダリウムαでいいとして、対ビーム用にIフィールドも欲しい。ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉も追加するか」

「そうだな。しかし、これだと遅くなる。スラスターをもっと取り付けねば」

「では、ゼロ・ジ・アール用に開発中の大型スラスターを配備しよう」

「しかし、せっかの大型なのだからもっと火力を増やしたいな」

「これ以上の火力を持たせるのか?」

「やるなら徹底的にだ」

 

ギニアスの言葉ももっともだ。

 

「ふむ。ではエネルギーの関係からして太陽光でも……ソーラ・レイを作ってみるか?」

「なんだそれは?」

「シリンダー内に二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等を充填した炭酸ガスレーザーだ」

「面白そうだな」

「連邦は全自動で行うCAD=CAMシステムを使ってくるから、こっちも対抗できる物を作らねばならないと思っていた。ちょうどいいし研究してみるか?」

「アプサラスに搭載するかは置いておいて確かに作っておいたほうがいいな……」

 

 どう考えても物量を誇る地球連邦が勝つはずだ。始めからアクシズも参戦していればどうにかできるだろう。こちらは残り6年で準備を整える。

 

「ギニアス、ジオンはこのまま行けば確実に負ける。そうならない為にも我々は急がねばならない」

「そうだな。勝つ為に手段は選んでいられない。ノリス」

「ここに」

「アイナに戦闘技術をしっかりと叩き込んでくれ」

「よろしいのですか?」

「構わん」

「こちらもハマーン達を頼む。俺も教えるが、手が空くのは少ない」

「了解しました」

 

 ノリスに鍛えて貰えれば戦闘技術の習得は早いだろう。それに他にも手を打つべきだな。アムロ・レイやその家族、カミーユ・ビタンの暗殺とかな。覚醒する前ならば殺すのは容易いだろう。ガンダムに関しては奪取を狙ってみるのもいいかも知れない。

 

「どうした?」

「嫌、なんでもない。アプサラスはこれでいいだろう。こちらはゼロ・ジ・アールを完成させたい」

「宇宙専用の大型モビルアーマー……それもニュータイプ専用機か」

「といってもゼロ・ジ・アールに関してはほぼ完成しているから発展型となるノイエ・ジールというのを開発したい。ゼロ・ジ・アールはニュータイプに関する研究だけだし、意見を聞きたいくらいか」

「ニュータイプか。眉唾物ではないのか?」

「俺がそうだから実在する。自身を実験体にしてある程度は出来たが、やはりデータが足りん。だからこそ、ハマーンとマリオンを連れて来たのだが」

「あの2人もニュータイプだと?」

「そうだ。このシミュレーターの成績を見てみろ。初心者がこれだ」

「確かに凄いな……」

 

 シミュレーターとはいえ、初めての戦いで兵士を1対多数で撃破している。

 

「この設計図に書いてあるのがニュータイプ専用機ゼロ・ジ・アールか。アプサラスはニュータイプでなくても扱えるようにしておいた方が良さそうだ」

「そうだな。それとノイエ・ジールは一般人でも一応は使える」

「ふむ。どちらにしろ完成を急いだ方がいいだろう」

「そうだな。79年にはノイエ・ジールは完成させているのが望ましい」

「よし、未来の為に頑張ろうではないか」

「もちろんだ」

 

 木星に着くまでの間も木星から連れて来た技術者とギニアスが連れてきた技術者達と一緒に設計を行っていく。

 そういえば、ノイエ・ジールのパイロットを考えて居なかったな。アナベル・ガトーをこちらに引き込みたいものだ。今のうちに頼んでおくか。そうするとドズルに代わりをやらないとな。ビグザムもさっさと作るか。

 

 

 

 

 

 


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