ザビ家の次男   作:ヴィヴィオ

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ハマーン様、決意する!

 

 

 ハマーン・カーン

 

 

 

 私はセラーナとマリナと一緒に見つけた本の通りサスロ様にご奉仕した。眠っているサスロ様の、その、アレを舐めたりしたの。起きたサスロ様は混乱していたけど、そのままマリナとセラーナと一緒に押し込んだ。シーマさんに相談したらその方がいいって言ってたし。これと同時に毎日皆で好きや少女好きと耳元で囁き続けた。すると数ヶ月後には抵抗しなくなって身を任せてくれた。更に時間が経つと手を出してくれるようになった。最後まではしてもらっていないけど。

 

「さて、会議を始めます」

「うん」

「議題はこの子達についてです」

「よろしくお願いします」

「よろしく」

「ん」

 

 新しい3人の女の子。サラとフォウ、ステラ。特にステラはサスロ様にべったり。強化された弊害だと聞いている。でも、上下関係はしっかりと教え込まないといけない。というわけで色々と話していく。すんなりと私とマリナの言うことは聞いてくれる。そのように最低限、調整されているらしい。

 

「じゃあ、後はよろしく。私はちょっと連絡してくるから」

「任せる」

 

 私は部屋から出て通信室へと向かう。途中で兵士に合うけど私は基本的に顔パスなので気にせずいける。通信室に着いたら本国に通信を入れて要件を伝えると直ぐにある人が映し出される。事前にマリナを通して連絡を入れてある。本当にシスターズネットワークは便利だよね。

 

「ギレン様、この度は……」

『必要ない。これからお前もザビ家の一員になるのだからな。それで、要件はなんだ?』

「はい、サスロ様と戦争前に結婚する為に戸籍を少々弄って欲しいのです」

『ふむ。確かにその方がいいか。戦時中により特例で認めるつもりだったが、よかろう。こちらで処理しておく』

「お願いします。それとマリナ達の事も……」

『アレは無理だ。戸籍を弄るにも元が無い。用意する為に動いているが、時間が掛かる。まあ、戦争となれば戸籍の習得は容易い。実績を上げさせれば特にな』

「分かりました」

『それとお前にはサスロが暴走した場合、止めて貰いたい。必要ないとは思うがな』

「もちろんです。夫を正すのは妻の役目ですから」

 

 今のアクシズの技術力の進歩とか、はっきり言って異常だってお父様が言っていた。倫理観も無視してひたすら技術的発展を行なって来たアクシズ。本国から送られて来た軍人を進歩した技術で作成された兵器に慣れさせてそのデータを元に新たな機体やシステムなどを高速で作成し、修正していく。ジェミニのお陰でもあるらしいけど、一週間ごとに技術が更新される魔窟アクシズと言われているのはサスロ様を筆頭にした科学者達のせいだと思う。そんな人達が暴走したら大変な事になるってわかってる。

 

『では、そちらはよろしく頼む。私は準備をしておこう』

「よろしくお願いします」

 

 通信を切って私はサスロ様の元へと向かう。サスロ様は今、モビルスーツを作っている。作っているモビルスーツはジオンを象徴する物らしい。

 

「サスロ様」

「ハマーンか、どうした?」

「はい。それがジオングですか?」

「そうだ。MSN-02ジオング。高機動タイプだ」

「足は無いんですか?」

「足は飾りだ。それが偉い人には……」

「え? サスロ様は偉い人ですよね?」

「そうだな。うん、なんでもない」

 

 脚部を無くし、高機動ブースターやスラスターを増設して宇宙空間専用の機体として作られているみたい。それにサイコフレームも搭載しているみたい。そのせいでザクより5メートル以上も大きくなっているとの事。

 

「ファンネルは装備させないんですか?」

「させるさ。首、胸部、腰、両腕が分離し、ファンネルの代わりになる。ある機体を参考にしたが、扱いは難しいだろうな」

「面白そうですね」

「乗ってみるか?」

「いいんですか?」

「ああ。どうせ他にも色々と機体は作っているからな」

 

 どれだけ作ってるんですか……ここの技術者達はやっぱりおかしい。

 

「これの他には何を作ってるんですか?」

「今、作成しているクローンの子専用機としてクィン・マンサと俺の親衛隊で使おうと思っているサザビーだろ。あと、俺専用機としてシナンジュを作成している。シナンジュは間に合わないだろうけどな」

「……よく作れますね」

「俺は概要を教えれば後はシスターズがジェミニを使って優先して作ってくれる。こちらに数十人は割いているからな」

 

 よく考えたら、ジェミニにアクシズの全技術が集積されて効率化良く強化、運用されているんでした。それらを余すことなく利用する事ができるシスターズが作り出す機体はアクシズの全技術を収束させた機体という事だし、おかしいのは納得できちゃった。

 

「凄いですね」

「ふふふ、どうだ素晴らしいだろう!」

「ええ、ですが……私の専用機は?」

 

 服を掴んで上目遣いで見上げてみる。

 

「うっ……ハマーンには俺と同じ機体をあげるからな」

「シナンジュですか?」

「うむ。キュベレイも考えたが、アレは機体性能が……火力が低いからな」

「セラーナやマリナには?」

「セラーナにはゼロ・ジ・アールとノイエ・ジールの後継機α・アジールを用意する予定だ。マリナはシスターズが居るから適当にだな。むしろ、専用の戦艦を作成している」

「戦艦ですか?」

「そうだ。俺達の旗艦になる」

「それは楽しみですね」

 

 マリナ専用の戦艦……絶対に普通じゃないです。

 

「サスロ元帥、ギニアス技術将校より通信です」

「む、ギニアスか。繋げ」

「はっ」

 

 ギニアスさんが興奮した状態で満面の笑顔をしていた。絶対にへんな事があった。

 

「どうした?」

『聞いてくれ親友よ! 遂に完成したぞ!』

「何がだ?」

『アプサラスだ! アプサラス!』

「いや、あれは既に完成しているだろう」

「ですよね」

 

 確か、Ⅲまでテストを行なって残りは地球で行う事になっていたはず。

 

『アプサラスⅣだよ、Ⅳ!』

「待てこら! お前、確かコロニーレーザーやソーラ・レイに変わる地球攻撃用兵器の設計を任せていたよな。コロニー落としをしない為に」

『うむ。だから作ったぞ! 小惑星を丸々アプサラスに改造し、大型化に次ぐ大型化で超長距離射撃が行え、計算上の威力は艦隊を一撃で呑み込み、背後の拠点を攻撃できるのだ!』

「エネルギーと操縦はどうする気だ!」

『シスターズを使い、サイコミュでほぼ全自動で行う。材質にもサイコフレームをふんだんに使用しているからな』

「データの更新が早いと思ったら……」

『既にサイコフレームの小型化を行えるだけのデータは集めたぞ。今、ジェミニが設計図を作成している。まあ、あれだ。起動実験を行うから、シスターズを貸してくれ。何、100人くらいで済む』

「100人って、全体で397人しか居ないのだが……まあ、使えなければそれまでだしな。本国にこれ以上近づけば実験もそうそうできんか」

「あの、あの大きさでモビルアーマーなのですか? もう、そんなレベルじゃないですよね」

「だな。機動要塞だよな」

『当然、動き回るからな。大量のスラスターやブースターが取り付けてある。問題は太陽光をエネルギーとして使って撃つからな。太陽光が当たる位置にあれば連射とはいかないまでも短い感覚で撃つ事ができる』

「まあ、しばらくは使用禁止だな」

「ですね」

『何故だ!?』

「被害を考えてください、被害を!」

『くっ……まあ、いい。切り札はあった方がいいだろう。それに内部にはモビルアーマー工廠もある。生産拠点としても使える』

 

 本当にギニアスさんはとんでもないな。病気が治ってから精力的に働いていると思ったらこれだし。アイナ、大丈夫かな?

 

「なら、こっちの開発を手伝って貰おうか」

『わかった。私の副官にグレミー・トトというのも連れて行く』

「グレミーか、わかった」

『うむ。そちらで開発中の機体にえらく興味をそそられたらしいからな。っと、そろそろ時間だ。私はこれからアイナと食事をしてくる。では』

「ああ、行ってこい」

「いってらっしゃい。アイナによろしくお願いします」

『うむ』

 

 ギニアスさんとの通信が終わって、サスロ様が何とも言えない表情をしている。

 

「大丈夫なんですか?」

「ああ、問題無い。それに開発が加速するしな」

「そうですか……あっ、一つお願いがあります」

「なんだ? 俺にできる事ならできる限り叶えてやるが……」

「じゃあ、私とセラーナにもニューロチップを埋め込んでください」

「ニューロチップを?」

「はい。これからできる事はしておきたいです。戦争になるのですから、使える技術は使わないと」

「わかった。セラーナも納得しているならいいだろう。俺もここをギニアス達に任せられるなら一緒にニューロチップを付けても大丈夫だろう。それに2人や皆にだけ危険な事をさせるのも問題だからな」

「サスロ様……ですが、それは……」

「大丈夫だ。いざとなればスキャニングしてクローンを作成するようにジェミニに指示を出してある。何の問題も無い」

「はい」

 

 スキャニング? また変な技術が……魔窟すぎよ、アクシズ。それから、私とセラーナもサスロ様と一緒にマリナ達、シスターズにニューロチップを取り付けてもらい髪飾りを貰いました。ツインテールにはこれでしようと思う。ニュータイプ能力の底上げもできたのでより強力になれた。それにしても、脳内に高性能コンピュータがあるというのは非常に便利だった。テストも楽チンだし。それに身体も強化してもらえたので無茶な軌道もできるようになったらしい。これで戦争は勝てるはず!

それと聞いた話では既に科学者の人達は殆どニューロチップを装着しているらしい。ジェミニの子機として技術の収束とそれによって起こるブレイクスルーの為に大喜びらしい。本当に怖い。私達がしっかりしないとアクシズは魔王城みたいになってしまう。

 

 

 

 




巨大機動要塞型モビルアーマー・アプサラスⅣ!
量子コンピュータとサイコミュ装置をふんだんに使用した決戦兵器!
強力なニュータイプがおらず、人力で動かすには1万人ほど必要だという変なモビルアーマー。無論、バスタービットも完備しており、自力でエネルギーチャージの時間を稼ぐというとんでも仕様。ミーティア? なにそれってレベルの兵器です。
ごめんなさい、やり過ぎですよね。でも、大型兵器って破壊される運命なのです。撃っても1、2回が限度なのでよ!

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