ザビ家の次男   作:ヴィヴィオ

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はにゃーん様、結婚式と襲われるの巻

 

 

 

 

 

 宇宙世紀78年、12月後半。アクシズ及びアクシズに連結された多数の小惑星群がサイド3に到着した。後発部隊として拿捕したジュピトリスを量産し、資源の移送を行っている。何より、アプサラスⅣによる小惑星の牽引を行って大量の資源をサイド3へ持ち込む予定だ。予想以上の高スペックであるアプサラスⅣを使ったとんでもない輸送計画である。まあ、キシリアより提案された時は驚いたが補給は問題無いという事だ。

 さて、ジオン本国に到着したのだが、既に俺とハマーンの結婚を始め、色々と情報を出して式の準備が整っているので直ぐに式典を始めた。こちらに来るまでにハマーンのウエディングドレスなど必要なものは全て用意したしな。

 そして、今は代々的にギレンの兄貴がテレビの前で情報を流している。

 

「諸君、本日は皆に目出度い知らせを行う。ジオン・ズム・ダイクンとトア・ダイクンの遺児、キャスバル・レム・ダイクンとアルテイシア・ソム・ダイクンが見つかった」

 

キャスバル達の事から始まり、ガルマとアルテイシアの事に移っていく。彼らが本物である事もDNAの証明書付きで表示し、経緯などを嘘と本当を織り交ぜて本当の事として話していくギレンの兄貴。

 

「我が弟、ガルマ・ザビとアルテイシア・ソム・ダイクン。サスロ・ザビとハマーン・カーン、セラーナ・カーンが本日、結婚しジオンは一つになる。これはジオンの栄光への道の始まりである!」

 

人々を先導するのは流石だ。世界中に発信されたこの言葉でジオンが一つになったと思われるだろう。実際に今までの功績を反映していなかったダイクン派達にも利子をつけての昇進や昇給を与えている。優秀な人材はどんどん上に行けるという事だ。これはアースノイドやルノリアンも同じだ。

 

「若輩であるが、私も皆と力を合わせ今は亡き父の残したスペースノイドの自治の為、力の限りを尽くす事を約束しよう」

 

キャスバルにマイクが代わり、彼も演説をしていく。そして、この件の最後には2人で熱い握手を交わす。

 

「あの、これからお願いしますね」

「ああ、任せてくれ。僕は君を全力で幸せにしてみせる」

「はい」

 

アルテイシアとガルマ2人の仲も問題無いようだ。アルテイシア自身も生き別れた家族であるキャスバルと再開し、怯えながら隠れて暮らす事も無く堂々と本来の名前を名乗れる環境を手に入れた事と、ガルマの優しさに触れて満更でもないようだ。それにジオン国民の為だという事もあるしな。

 

「サスロ様」

 

声に振り返ると純白のウエディングドレスを着たハマーンがやって来た。その後ろにはセラーナや成長したステラ達も居る。ハマーンや俺にニューロチップを埋め込むついでに流石にプル達と同じ10歳くらいには成長させた。これから戦争をさせるのだから一桁では長時間の戦闘に支障ありという事が技術部からデータが提出されたからだ。強化した肉体とはいえ限度があるのだ。コクピットやパイロットスーツも成長に合わせて規格を変更しないといけないという問題もあるしそれに合わせて成長しにくくなるように調整しておいた。老化遅延の技術だが問題無いだろう。

 

「綺麗だ、似合っているぞハマーン、セラーナ」

「あ、ありがとうございます」

 

髪の毛を下ろして純白のウェディングドレスに身を包んだハマーンとセラーナは凄く可愛かった。褒めてやると真っ赤になって俯くのもまたいい。姉妹同時に娶るというある意味では凄い事を行うのだ。

 

「ステラも着たい」

「あ、私も」

「確かに着てみたい」

「うん」

 

ステラ、セラーナ、フォウ、サラの順に同意していく。セラーナを除く彼女達もドレスだが、マリナだけは何時もの軍服を着ていて周りを警戒している。今回の式典には地球連邦からも人を呼んでいるのだ。

 

「マリナ、準備は?」

「問題、確認できず。全て順調と判断。ネズミも把握」

「ネズミ、嫌い。潰す」

「ステラ、ネズミの意味が違うからね」

「?」

「この場合はスパイって事だよ」

「スパイ……敵、潰さなきゃ」

「間違ってはいない」

 

物騒な会話だと思うが仕方ない。何が起こるかわからないのだ。そんな事を考えていると2人の演説が終わり、本格的な結婚式へと移っていく。主役である俺とハマーンはマリナ達を連れて式場へと向かう。

ズムシティに作られた巨大な礼拝堂でカメラが入った前で、俺とハマーン、セラーナは神父の言葉に誓って口付けを交わす。その次にガルマとアルテイシアだ。俺とガルマは互いの相手をお姫様抱っこにして外に出て国民全てに夫婦になった事を示す。俺は片手に一人ずつ。ガルマは両手でだ。ガルマに関してはパワーアシストを使っているが。

 

「おめでとう」

「ありがとうございます」

「ありがとう、父様」

「2人が同時に行くとは驚いているよ」

「私もお姉ちゃんと同じがいいからね」

「セラーナは本当にお姉ちゃんっ子だな。サスロ様、2人をよろしくお願いします」

「ええ、任せてください」

 

名前に関してはセラーナはそのままカーン家の性を名乗る。カーン家の跡継ぎが居なくなるからだ。何れは俺がそっちに行ってもいいが、今はまだザビの性の方が都合がいい。

それから挨拶回りなどを行ってその日は帰った。

初夜という事もあり、今日は2人だけだ。充分な愛撫をして楽しませて貰った。ハマーン達によってロリコン化された俺は途中から野獣になってしまってハマーンとセラーナがヘルプを呼んだ。ヘルプで呼ばれたマリナ達ともした。同人とかでプル達とやってる奴も居るんだ、うん、問題無い。

 

 

 

 

 

ハマーン

 

 

 

 

 

 男は獣という事を身を持って知ってしまった。よく考えたらあんな大きな身体を持つサスロ様に私とセラーナだけで挑むのに無理があった。私達はまるで玩具のように好き勝手に動かされてしまうし。だからさっさとニューロチップを通してマリナ達にヘルプを要請して乱交にしてもらった。絶倫だったサスロ様を相手にシスターズも投入して頑張った。やっぱり、戦いは数ね。

 

「ん~~っ!?」

 

サスロ様の体液塗れで寝ていたベットから起き上がると、アソコがジンジンして痛い。痛みを我慢して周りを見渡すと凄い事になっている。まさに獣……ううん、魔獣やケダモノに間違いない。

 

「でも、攻略完了と」

 

隣で寝ているサスロ様の頭を撫でた後、キスをしてから痛みを我慢してベットから出る。広い特注のベットなので他の子を起こさないように慎重に外に出る。

 

「目覚めたか」

「おはよう、マリナ」

「おはよう、ハマーン」

 

部屋の隅で背中を壁に預けて居るマリナ。服装は私と同じく裸で身体から液体を出しているけど気にせず武器を構えて警戒している。

 

「どうしたの?」

「今、追加の人員を呼んでいる。それまで警護は私との任務」

「ありがとう。でも、まずはシャワーを浴びて着替えようね」

「しかし……」

「綺麗な姿でサスロ様を起こした方がいいから」

「了解。シャワーを浴びる」

「じゃあ、一緒に浴びよう」

「その方が早い。合理的だ」

 

マリナと一緒に身体を洗って綺麗にする。やっぱり身体は痛いので着替えてからナタリーの所に向かった。

既にお昼くらいにはなっていたのでナタリーは起きていた。ナタリーは私の専属技術者件お姉ちゃんだ。

 

「ナタリー、痛み止め頂戴……って、居ない。仕方ないか……でも、用意はしてくれてる」

 

流石、ナタリー。助かる。彼女が用意してくれていた痛み止めを飲んで外に出る。ご飯の準備くらい妻がした方がいいしね。

 

外に出てタクシーに乗って買い物に向かう。到着すると向こう側から複数の男性が止まった車から降りて歩いて来た。その内の一人は見覚えがある。穏やかそうな外見でとてもハンサムな人だ。でも、外見とは違って中は真っ黒かな。

 

「これはこれはハマーン様ではないですか」

「貴方は地球連邦から来た特使の方ですね」

「はい。実に丁度良かった。ハマーン様、実は貴方に折り入ってお話しがあります」

「どのようなお話しでしょうか?」

「ええ、平和についての大事なお話しです。軍部を司るサスロ様の妻である貴方に是非とも聞いて頂きたいのです。貴方方の為にもなりますし、これから何処かに行かれるご様子。どうぞお送りいたします」

 

嘘臭い。というか、送るというのは嘘。小娘だから与し易いと思ったのかな。考えてる事も私を虜にしてサスロ様を操ろうとしているみたい。うん、俗物だね。さて、私の取れる選択肢は多くない。無理矢理車に連れ込まれる。他の人の迷惑にもなるし、抵抗はしない方が被害が少なくなる。普通ならどうしようもないんだろうけど……サスロ様の妻である私を見くびってもらっては困る。

 

ジェミニにアクセス。緊急事態により各種項目をスキップ。遠隔操作でプロトタイプ・キュベレイを起動。サイコミュシステム起動。試作型ファンネルを……これはまずいから試作型ソードビットをコロニー内部に放出。必要項目全てスキップ。

 

緊急シークエンスを発動させたからジェミニが録音や追跡など全部やってくれる。アクシズの技術力とサスロ様認定、ニュータイプレベル9を甘く見ては駄目。

 

「それでは参りましょうか」

「はい」

 

車に乗ると直ぐに動き出していく。

 

「我々が掴んだ情報ではまもなくジオン公国は戦争を始めるそうですね。我々地球連邦と30倍以上の差があるというのに正気とは思えません」

「そうですか? 詳しい事はわかりませんが、勝機があるから戦うのでしょう。それに連邦政府が融和策を行えば変わると思いますよ」

「いえ、ジオンの上層部はモビルスーツなどという玩具に夢を見ているのですよ。貴方のような美しいお嬢さんが戦争で悲惨な目に遭うのは耐えられない。是非とも私に協力して頂きたい」

 

顔を近づけてくる男性。何時、消そうかな。いや、生かしておいた方が価値がある? どうなんだろ。わからないならわかる人に聞けばいいよね。という事で、マリナ。ジェミニ経由で接続お願い。

直ぐに繋がって事情を理解した人から指示を貰う。私はその通りに話しながら学んでいく。

 

「ありがとうございます。それでも私のような小娘には止められませんよ」

「ええ、戦争を止めるのはこちらで行います。貴方には軍の配置状況を教えて頂くだけで構いません」

「分かりました。平和の為なら仕方ないですね」

「ええ。それとこれを差し上げましょう。楽しくなれる道具です」

「ありがとうございます」

 

私は手を差し出して握手して貰う。気持ち悪いけど、サスロ様の為、ジオンの為に我慢して耐える。だから、だから、私に全て見せろ、俗物!

 

「そういえば、連邦軍はどのような所に配置しているのですか? 戦争が起こると分かっているなら準備はしていますよね」

「はい。それはもう。月基地を拠点にしております」

(本当は既に迂回してサイド3左側奥にあるデブリ帯に隠れて艦隊が布陣している。こいつの情報さえ有れば直ぐにでもジオンを落としてやる)

 

ふーん、実験台には丁度いいかな。

 

「ありがとうございました。それでは私は戻りますね」

「まあ、待ってください。手伝ってくれる御礼を差し上げますよ」

「御礼、ですか?」

「ええ、あんな男よりとっても気持ちよくしてあげますよ」

「結構です、俗物」

「え?」

「要らないと言ったの。さっさと汚らわしい手を離せと言っている」

「小娘、貴様っ」

「これはセクハラですよ」

「ふふふふ、いいだろう、そっちがその気なら」

「あっ!?」

 

私は押し倒されて服を掴まれて破かれる――前に告げてあげる。

 

「ジェミニ、これより防衛に入る」

「なに? 頭でも狂ったか? あんな木偶の坊に抱かれるような奴だから――」

「刺し貫け」

 

車の天井や壁、ガラスを貫いてビームで作り上げた刀身を持つソードビットが侵入してきて男達を突き刺す。特使の男も腹部を刺し貫いてやった。

 

「ぐっ、ぎゃああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「これが血か……命を消すっていう事も早めに覚えた方がいいよね。安全な今なら」

「ぎ、ぎざま、これは……がっ!?」

「っ!?」

 

車に衝撃が走ったかと思うと急停止した。前の方を見ると大きな槍を上からボンネットをへこませながら突き刺しているマリナの姿が見えた。

 

「くそっ!?」

 

黒服の男達が銃を取り出して私に向けようとする。その瞬間、複数の場所から銃弾が撃ち込まれて貫かれる。一人か二人は私はもソードビットで殺した。身体は震えるけれど、殆どの操作をジェミニに預けているので、作戦に従って効率よく制圧してくれる。

 

「き、貴様ら、私にこのような事をしてっ、ただで済むと……」

「それはこっちのセリフだな」

 

言葉と同時に車の穴だらけの天井が吹き飛んだ。

 

「人の女に手を出そうとして生きて帰れると思うなよ」

「サスロ様っ!!」

「がっ!?」

 

私はソードビットをぶつけて男の下から抜け出してサスロ様に向かって飛び出す。サスロ様は私を優しく抱きしめてくれる。

 

「無茶しすぎだぞ、ハマーン」

「ごめんなさい。でも、場所はわかったよ」

「助かったが、今度からはせめてマリナをつけろ」

「わかった」

 

私の頭をクシャクシャと力強く撫でてくれる。やっぱり、男の人は守ってくれるくらいたくましくないと。

 

「お、お前達は終わりだ!! これで戦争は回避されない!」

「それがどうした。なあ、ハマーン」

「うん、もう準備できてるしね。あ、アイナ聞こえる?」

『聞こえてますよ』

「準備は?」

『出来ています。シローが座標をくれって言ってます』

「うん。エリア56ポイントX1356Y365に地球連邦軍の艦隊が隠れてる」

「なっ!? ば、馬鹿なっ!!」

『了解。シロー』

『入力は終わった。元帥閣下、指令を』

「撃て」

『『了解。発射シークエンス開始!』』

 

楽しそうにシローさんとアイナの声が聞こえてくる。

 

「な、何をしているっ!?」

「お前にも素晴らしい情報を見せてやるよ」

 

そう言ってサスロ様がアプサラスⅣの映像を見せてあげた。それも主砲を放つ所を。

 

「なっ、なんだこれは!? ま、まさか……」

「わざわざ敵しかおらず、民間人も居ない場所に布陣してくれているんだ。こちらから攻めて無駄に兵力を下げる必要もない。なら、まとめてご退場願うだけだ」

「うん、そっちの方が効率的だよね」

『それと貴様の痴態は全世界に放映した。同時に我々は地球連邦軍に対して宣戦布告を行なった。国民も怒りの感情が高まってくれているからな。こっちが用意した手段が無駄ではないか』

 

ギレンお兄様が通信に苛立ちながら割り込んできた。

 

「ジェミニより通達。別のプラントを提示」

『ふむ。なるほど、どうせ死んでもらうなら父上にも役に立って貰うか。ジオングは完成しているのだろうな?』

「もちろんだ。副座式にするのか?」

「イエス。前線に単騎で突入して貰い貴重なデータを得ます。その後、全メンバーに送信。より安全な性能アップがはかれます。なお、同乗するのはシスターズ1体で充分です」

『サスロ、これはそちらの領分だ。任せる』

「了解。技術班に連絡……いや、この際だ。アレを試すか。ニュータイプ研究班に連絡して生体兵器ポットの準備をさせろ。父上には文字通り、ジオンの守護者となってもらおう」

 

黒いです。真っ黒です。こんな小物よりもよっぽど身内の方が怖い。

 

「さて、それじゃあ戦争を始めようか」

「遂に、ですね」

「ああ、そうだ。数十年に渡って準備してきた未来を勝ち取る為の戦いを開始する」

 

私とセラーナのつなぎ用として作成されたプロトタイプキュベレイ、正式名称クインテット・キュベレイで沢山倒して皆を守ろう。そして、サスロ様が作り出したジオンの、アクシズの技術力が世界一だと連邦軍に教えてあげる。

 

 

 

 

 




ただのキュベレイじゃ面白くありませんって事でクインテット・キュベレイですよ。
このキュベレイは元々、量産型キュベレイを改修してシュペール・サイコミュ・システムという1人のパイロットで複数のMSを制御するシステムを搭載した人数が少ないジオンには持って来いの技術です。パイロットは本機をマスターMSとして、サブユニットを積んだ4機の量産型キュベレイをファンネルに見立て思念誘導するというとんでも技術!! しかし、パイロットには異常な負担がかかるため再三にわたって暴走事故を起こし、パイロットが廃人となったため計画は放棄された計画です。
いきなりこれは大丈夫かと思われるかも知れませんが、これ、シスターズシステムとほぼ同じなんですよね。一人で無理なら並列で。という事で姉妹で同じニュータイプになり、強化を受けたハマーンとセラーナの二人なら扱えると思います。膨大な情報の処理はニューロチップが処理しますし、それでも足りなければシスターズとジェミニが処理してくれます。という事で、いきなりこちらにしました。

現在、決まっている機体。
サスロ:大型ササビー(?)未定
ハマーン+セラーナ:クインテット・キュベレイ
マリナ+シスターズ:ゼロ・ジ・アール+ノイエ・ジールⅡ
ステラ:未定
フォウ:ゼロ・ジ・アール
サラ::高機動型ゲルググ
ガルマ:試作型ザクⅢ
マリオン:シュネー・ヴァイス
キャスバル:ノイエ・ジールⅡ
アイナ:ビグザム
シロー:ノイエ・ジール
ノリス:ノイエ・ジール
ガトー:ノイエ・ジール
デギン+シスターズ:グレート・ジオング
ドズル:ビグザム

ステラに何乗せよう!!

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