ザビ家の次男   作:ヴィヴィオ

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通信

 

 ハマーン・カーン

 

 

 結婚が決まり、3年。アクシズに来てから2年目の年を迎えた。U.C.76年に入ってアクシズはどんどん大きくなっていく。2年前から開発されていた小惑星が完成して接続されたから。モビルスーツやモビルアーマー、戦艦の生産ラインも年々増え続けている。そんな中、私はレーザー通信室で久しぶりに遊んで貰った近所のお姉ちゃんと話している。彼女とは家族のような付き合いをしている。

 

『元気にしてる?』

「うん。こっちは楽しくやってるよ」

『そう、ならいいんだけど……』

「ゼナさんこそ士官学校はどうなの?」

『楽しいわよ。それに好きな人も出来たし……』

「本当!?」

『ええ。ハマーンには悪いのだけど』

 

 ゼナさんに好きな人ができた。良かった。

 

「そんな事ないよ」

『でも……』

「自分から行くって言ったんだから気にしなくていいよ」

 

 私がサスロ様の所に行かなければ大変な事になるのは何となく理解できたから、自分から行くと言った。ザビ家の要請を断ればそれだけで殺される場合もあるらしいし、ギレン様ならセラーナ達を皆殺しにして私を連れて来るという事も平気でするってメイドさんが言ってたし。

 

『そう……でも、元気そうで良かったわ』

「うん。友達も居るし、ゼロ・ジ・アールとか動かすのも楽し――あっ」

『そのゼロなんとかってのは何かしら?』

「き、聞かなかった事にして。そっ、それより、セラは元気そう?」

『まあ、いいわ。セラは元気よ。そうそう、今度そっちに遊びに行くって言ってたわよ』

「本当!?」

『ええ。おじさん達も一緒にそちらに行くからね。私はこっちに残るけど』

「そうなんだ……でも、78年に出て79年にはそっちにサスロ様が行くらしいから、私も行くよ」

『楽しみにしているわ』

 

 セラやお父様達もこっちに来るんだ。少し楽しみ。レーザー通信でたまに話せるけど、やっぱり直接がいい。

 

『そうそう、サスロ様とはどうなっているの?』

「えっと、一緒に寝てるくらい……」

『寝てる!? 普通に寝てるだけよね?』

「? 寝るのに普通も違うのもあるの?」

『いえ、そうよね……なんでもないわ』

「変なお姉ちゃん」

 

 ゼナさんといっぱい話して、私はマリオン達の所にいく。マリオンとアイナは今日も実地で訓練している。2年間、ずっと訓練したお陰でアイナもサイコミュ装置を起動しなければゼロ・ジ・アールも使えるし、アプサラスに関しては使いこなせるようになっている。マリオンと私もニュータイプっていうのに覚醒して力も強くなっている。

 

「大丈夫です」

「こっちは直ぐに」

「お待たせ~」

 

 整備の人と話しているアイナとマリオン。

 

「ハマーン、パイロットスーツを着ないと駄目よ」

「うっ、わかった」

「後、薬も飲む」

「は~い」

 

 更衣室に向かってパイロットスーツを着る。可愛らしい猫耳みたなセンサーが付いた奴なので着るのは嫌じゃないけど、少しきつい。まあ、前よりも薬を飲んでからはきつくらないんだけど。ちなみにパイロットスーツは可愛くないって言ったら、サスロ様が作ってくれた。猫耳はバイオセンサーという機体のコントロールシステムの補佐を行う機能に特化したサイコミュ装置の試作型らしい。機体のサイコミュと合わせて難しい軌道も難なく行えるようになったから面白いんだよね。ザクじゃ物足りないくらいだし。

 着替え終わったら、今日の予定を確認する。ニュータイプ専用機、α・アジールとノイエ・ジールの開発テスト。ノイエ・ジールはゼロ・ジ・アールをニュータイプ以外にも使えるようにして、武装を増やして更に追加でスラスターを増やした汎用機。

ニュータイプ専用モビルスーツも作るって言ってたし、楽しみ。今日も頑張って働こう。

 

 

 

 

 

 執務室で仕事を行いながら施設の改造案を作っていく。クローンの生産用小惑星に居住区用の小惑星の開発。クローン技術に関しては一応完成といっていい。ロールアウトは目前で、経過も安定しているしニュータイプ能力も高い水準で習得している。後は訓練次第という所だ。なによりこのクローン達は一部を除いて意識が希薄で、管理個体によって運営される事になる。とあるのシスターズやモビルドールシステム、ビットのような感じになる。個は全、全は個という感じになれば素晴らしいが、これは理想だな。まあ、問題は他のも合わせてだが、人手が足りない事だ。

 

「提督、ギレン総帥から通信です」

「繋げ」

「はっ」

 

 待っていた連絡が入ったので直ぐに繋いで貰う。

 

『久しぶりだな、サスロ』

「2年ぶりか兄貴」

『そうだな。もう少しこまめに連絡を寄越せ。ガルマが会いたがっている』

「ガルマか……」

『そうだ。まあ、これは決定事項なのだが、そちらに今度お前の補佐としてマハラジャ・カーン達を送る事になった。この時、ガルマも名代としてそちらに向かう』

「それはまた……」

 

 ガルマが来るのか……一応、鍛えてやるか。シャアに殺させてやるのも勿体無いし、どうせなら専用機でも用意してやるか。しかし、ザクだと面白味は無いが、ノイエ・ジールでは運用に問題があるだろう。

 

『ザクの生産はどうなっている?』

「ザクのビームマシンガン装備なら800機、動作テストを終了してドロスで送れる」

『ドロス……空母か。搭載数は200……4機もあるのか?』

「既に生産させているからな。問題はパイロットとこちらの人手だ」

『ふむ。労働力が足りてないのか?』

「労働力自体はモビルスーツやパワードスーツでどうにかなっているが、やはり技術者が欲しいな」

『技術者か』

「確か、ジオニック社と負けた会社があったよな」

『ツィマッド社か』

 

 ツィマッド社はツダを作って評価を争って負けた会社だ。モビルアーマー制作が得意なMIP社(エム・アイ・ピー)は既に買収して技術者をこちらに連れ込んでいる。他にも兵器関連会社の連中は連れて来ている。

 

「アレを買収してこっちに送ってくれ。出来ればジオニック社の連中もだ」

『ジオニックに関しては希望者だけだな。ツィマッド社は問題無いだろう。ガルマが向かう時に向かわせる。それと教導機動大隊をそちらに向かわせるからザクを引渡して訓練してやれ。そちらの方が使い慣れているようだからな』

「わかった。戦艦も複数作ってあるからそれを動かす人員も頼む」

『任せておけ。我々の決起の時は近い。頼むぞ』

「もちろん。連邦には負けんよ」

 

 通信を切り、送られて来た航行予定表に目を通す。さて、これからどうするか。サダラーンは直ぐに動かせるのが5隻。迎えに行かせた方が速いな。護衛も用意すれば安全になるだろうしな。

 

「ハインツ」

「はっ」

「サダラーンを5隻、用意して本国に向かう航路を向かわせろ。本国から来る連中を途中で迎えるように」

「護衛と補給はどうしますか?」

「補給はドロスを向かわせるが、護衛はそうだな……」

 

 テーブルに備え付けられている通信機に番号を入力して呼び出す。

 

『どうしましたかな』

「ノリス、悪いがアイナ、ハマーン、マリオンを連れて本国から客を迎えに行ってくれ」

『機体はどうしますか?』

「ノイエ・ジールとゼロ・ジ・アールを持って行ってくれ。それと中間地点で演習を行なってくれ。彼らが来る頃にはドロスも付いているだろうから、練習させながらこちらに向かってきてくれ」

『対戦相手は私達ですかな』

「ああ。好きなだけ揉んでやれ。後、技術者やガルマも乗っているから、そいつらはサダラーンでこっちに送ってきてくれ」

『了解しました』

 

 ノリス大佐なら皆を任せても大丈夫だろう。こちらはその間にクローン達をロールアウトする。名前を決めないとな。しかし、書類がなくならい。

 

「ハインツ」

「なんですか?」

「この量はなんとかならないのか?」

「なりません。小惑星を次々に改造したり、新型機をどんどん作っているからですよ」

「いや、必要な事だしな。さっさとロールアウトさせるか」

「また何か怪しい事をしているんですか?」

「クローン達のロールアウトだよ」

「ああ、あの子達ですか。人形趣味やロリコンとか言われる原因の1つの……」

「うるさいよ。男のクローンなんてごめんだ」

「それは確かに。しかし、彼女達が予定通りの性能を発揮してくれればかなり楽ができますね」

「全くだ。ジオンの兵士不足を解消できる」

 

 まあ、食糧生産プラントの作成も完成して食料自給率もかなり上がったし、クローン技術を使った畜産で新鮮な肉も食えるようになった。昔は地獄だったが。

 

「さて、この書類をさっさと片付けるとしようか」

「そうですね」

 

 俺とハインツは必死に書類を処理していく。

 仕事や食事が終わり、夜ハマーン達と一緒にベットに入る。

 

「お姉ちゃん達が来るんだって」

「聞いたさ。早く会いたいだろ?」

「それはもちろん、でも……」

「迎えに行けるように手配した。行って来るといい」

「いいの?」

「ああ。ノリス大佐に率いて貰うから、彼の言う事はしっかり聞くんだぞ」

「アイナ達も?」

「そうだ」

「やった」

 

 喜ぶハマーンの頭を優しく撫でてあげながら軽くキスをする。

 

「あっ……」

「ほら、もう寝ろ。明日から準備で忙しいからな」

「うん……」

 

 ハマーンは顔を真っ赤にしながら眠っていく。戦争までのカウントダウンが聞こえてくる。本来の一年戦争には存在しない俺やハマーン達に技術が乱入して巻き起こす戦いはどうなるかなんてわからない。だけど、絶対に生き残ってやる。

 

 

 

 

 

 

 

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