微睡み論破〜終わりの絶望と銀河鉄道〜   作:魚ノ芽朔

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最終章になります。
どうぞ最後までお楽しみ下さいませ。


CHAPTEREXTRA 人に人生のストックなんて無いんだよ、それは皆同じ運命

注意

 

この小説は、ダンガンロンパシリーズの二次創作物です

以下の項目にご注意下さい

 

◆グロ表現

◆前作(白鳥論破)のネタバレ

 

それでも良い方はどうぞ

 

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CHAPTEREXTRA 人に人生のストックなんて無いんだよ、それは皆同じ運命

 

START?

 

▶YES

 

NO

 

Now Loading…

 

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全ての記憶を呼び覚ませ。

 

過去から逃げるな。

 

自分達がやった罪から逃げるな。

 

記憶に無い?

 

あぁ、そうだろうな。記憶を消されたんだからな。

 

良いだろう、全て教えてやる。

 

俺達は、罪人だ。

 

人を殺し回った────────────

 

『絶望の使徒』なのだから。

 

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「────────────は?」

「────────────…今、何と?」

「ですから、貴方達は……」

 

『お前達の何より大切なクラスメイト…『超高校級のエスパー 石神 皙(イシカミ ナツメ)』が死んだショックで絶望に墜ち、『絶望の使徒』になって人を殺し回ったんだ。』

 

「石神、」

「なつめ、」

「──────…学園長」

 

『────────────…それで、俺達学園側は手分けしてお前達をこのプログラム……「更生プログラム」にかけようとした。だが……どういう訳か、このコロシアイシステムが入り込んだ。それでも何とかプログラムを作動させ…現在に至るんだ。』

 

「──────…あ、」

「私達……」

「──────…いや、待てや。今思い出したんやけど…じゃあ何で『石神皙』に似た『ナツ』が居るんや。まさか…」

 

『…そのまさかだ。ソイツはお前達の監視役だ。そしてそこに居る空見……いや、「不二宮石榴アルターエゴ」は、そのサポート役だ。そして、そこに居る和田町…いや、』

 

「そこは私に名乗らせてよ、義兄さん。」

 

「にい、さん?」

 

「──────…そう、私は純浦海礼学園長の義理の妹であり……君達の担任。元超高校級の保健委員、純浦千璃(スミウラチアキ)なんだ。」

 

《元超高校級の保健委員 スミウラ チアキ》

 

「担任の、先生…だったのですか。」

「私達を助けに来た、とはそういう事でしたのね…」

「ていうか女の人やったんかい…」

 

『──────…そうだ。そして…今、一つの問題がある。』

 

「何や、何が問題なんや。」

「勿体ぶらないで下さいまし。…どうせ、一筋縄ではいかないものでしょう。」

 

『──────…流石、察しが良いな。……実は、お前達をそこから出そうとしたんだが…跳ね返されてしまってな。』

 

「…は?」

「私達、出られないのですか…?」

「…いや、一つだけ方法があるだろう。なぁ、学園長?」

 

『…あぁ、一つだけ方法がある。それは──────』

 

「俺とアルターエゴごと、強制シャットダウンする、だろ。」

 

「…は?」

「それってつまり……貴方達は消えてしまうのですか?」

「…まぁ、そういう事だ。」

「う、」

 

「嘘や、嫌や!そんならずっと此処に居る方がええ!」

「そ、そうです!二度と逢えないなんて嫌です!」

 

「……凜希、アリス」

 

「…どうせそんな事だろうと思った。……お前はどうしたいんだ。お前だって、消えたくないだろうに。」

「お願いです、消えるなんて言わないで。貴方達が居なくなったら、私達はどう生きていけば良いのですか?」

 

「………水戸鴉、日彩」

 

「……貴方だって、消えたくないでしょう。それなのに、消える事を選択するのですか?他に何か、方法が……」

 

『無いんだ。強制シャットダウンするしか、方法が無いんだよ。…俺だって、こんな選択したくない。』

 

『嫌だよ、何で消えようとするの?お願い、消えないで!』

 

『消えて良いと思ってんのかよ。あれだけ俺達を追い詰めておいて、あんたは消えて良いと?ふざけんな。』

 

『ねぇ、なっちゃん。あなたはどうしたい?』

 

『みんながこう言ってるけど…きみには、覚悟は決まってるんでしょ?…ね?』

 

「お前達……」

 

俺は……無力だ。

 

ゲームマスターとして、色々出来る事はやって来た。

 

だが、そのせいでコイツらに別れの惜しみを思い出させてしまった。

 

────────────…おい、『俺』。

 

見てんだろ。聞こえてんだろ。

 

アイツらに、何か言ってやれ。

 

『俺』では何も届かない。

 

『お前』の気持ちを、ぶつけてやれ。

 

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キインッ

 

『やっと俺の出番か?待ってたぜ。』

 

「あぁ、頼んだ。俺ではどうしようも無いから。」

 

『────────────…なぁ、お前。ホントはやり残した事、言いたい事、残ってんだろ?』

 

「……それは」

 

『やっぱりな。それじゃあタダで消えさせてはやれねぇなぁ。』

 

「……でも」

 

『良いか、言いたい事あんならぶつけてやれ。俺みたいにハキハキじゃ無くて良いんだ。アイツらならちゃんと汲み取ってくれる。な?』

 

「…分かった。」

 

『じゃ、ちょっとばかし身体借りるぜ。次逢う時はあの世だかんな!簡単に来んなよ!』

 

ヴヴッ

 

ヴヴッ

 

「……少し、経歴が違えば。俺もあんな感じだったのかな。はは、それも面白い。」

 

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隣には思い詰めた顔をした千璃先生とアルターエゴ。

 

そして正面には……

 

「お願い…消えないで……」

 

『お別れなんて嫌だよ……』

 

泣いて泣いて、目を腫らしながら懇願するクラスメイト。

 

頼むから泣くなよ。

 

コイツだって覚悟は決まってんだ。

 

送り出してやれよ。

 

そんな気持ちを込め、俺は大きく息を吸い──────

 

 

 

「甘ったれてんじゃねぇぞテメェらあぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」

 

一同「!?!?!?!?!?!?!?」

 

そう叫ぶと、みんな驚いた顔をして俺の顔を見る。

 

そりゃそうだ。コイツはそんな大声出した事無いんだから。

 

こんな大声、『俺』しか出さねぇよ。

 

その顔、忘れたとは言わせねぇぞ。

 

「なっちー…?」

 

「おいおい、『俺』を忘れたとは言わせねぇぜ?……俺はコイツでありコイツじゃ無い、『本物の石神皙』だ!」

 

「…え、」

 

「ホンマか!?ホンマモンの皙か!?」

 

『嘘、そんな事って』

 

「あぁ、そうだ。俺はずっと、ずーっとコイツの中に潜んでお前らの様子を見てたんだ。俺は死んでからずっと、お前らの事が気掛かりで成仏も出来ずに現世に置いてけぼりにされてた。だけど……学園長達のお陰で、ここまで来る事が出来たんだよ。」

 

『…なっちー』

 

「だからこそ言わせて貰うぞ。いつまでも甘ったれてんじゃねぇ。お前らは俺が居なくたって生きれんだろ?何人殺したかなんざ知らねぇが、人を殺したんならその罪を償え。自分の罪から逃げんじゃねえよ。おちおち死んでも居られねえじゃねえか。」

 

「…ごめんなさい」

 

「私達はただ、貴方を護りたかったんです…」

 

「あぁ、そうかい。そりゃ勝手に死んだ俺も悪かった。元はと言えば俺が独りで海に向かいさえしなけりゃこんな事にはならなかった。そこは俺も反省してる。…俺のせいでこうなったんだな。ごめんな。」

 

「謝らないで下さい……私達だって悪いんですから。」

 

『なっちゃんもきみ達も悪くないよ。……これが因果なんだから。』

 

「そうだ。俺は死んじまったが、お前らはまだ生きてるんだぞ。人に人生のストックなんざねぇ、それは全ての生き物に共通するもんだ。全員、いや全人類が生まれ変わっても同じ人生なんざ送らねぇ。全員、全人類、全生物が同じ運命を辿って生きてるんだよ。だから……だから、ここで永遠に生きていくなんざ言うな。外に出て、罪を償って、前向いて歩いて生きやがれ。」

 

「……石神くん」

 

「──────…何だ?千璃先生。俺に、何か言いたい事でもあんのかい?」

 

「私、キミの遺体を発見した時ね……『あぁ、助けられなかった!』って気持ちと……『勝手に死んでごめんなさいって、言うんだろうな』って思ったんだよ。…合ってた?」

 

「……っはは、流石千璃先生。…当たりだよ。俺だって死にたくなんざ無かった。でも、死んじまったもんはしょうがないんだ。……人が生き返るなんて奇跡、起きるはずが無いんだから。」

 

「…そうだね。」

 

「さーて、そろそろ俺も成仏するわ!三途の川で突っ立ってる先生達追い返して来るから、期待しとけよ!お前らすぐ来たら全力で追い返すからな!?せいぜい長生きしろよ!マジで!──────じゃあな!」

 

『…バイバイ!』

 

『……じゃあな。』

 

シュウウウウウウ…

 

「────────────…さようなら、皙さん。」

 

「──────…さて、お前達。覚悟は決まったか?」

 

「えぇ、決まりました。」

 

「アタシ達は外に出て、罪を償いながら生きていく。」

 

「例え許されなかったとしても……きっと、大丈夫ですから。」

 

「──────…そうか、なら良かった。」

 

「……おい、石神」

 

「何だ、水戸鴉。」

 

「ここから、プログラムから出て……ちゃんと、酔郷学園を卒業して、夢里機関に入ったら。お前……いや、お前達2人をちゃんと復活させてやる。復活出来たら叩き起してやるからな、覚悟しとけ。」

 

「──────…!っはは、楽しみだ。なぁ、アルターエゴ。」

 

「…うん!とっても、楽しみ!」

 

「…フン。」

 

「────────────…さて、そろそろやるぞ。用意は良いな?」

 

コクコク

 

その応答を見た後、俺は『アイツ』のように、大きく息を吸いこう告げる。

 

 

「お前達、ここまで良く頑張った!我々アルターエゴ一同、お前達の卒業を祝福する!外に出たら、せいぜい面白可笑しく生きるんだぞ!分かったな!──────…これにて、酔郷学園第116期生、更生プログラムを終了する!!!」

 

バァンッ

 

俺は、強制シャットダウンのボタンを押した。

 

皆、悲しそうで寂しそうで、それでいて満足そうな、晴れやかな面持ちだった。

 

そして、全員がプログラムの外へ出て行く。

 

そして、俺と宇宙……いや、不二宮石榴アルターエゴは。

 

 

「──────…また、いつか逢おう!」

 

「またねー!」

 

 

その姿が見えなくなるその時まで、一筋の涙と共に手を振り続けた。

 

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さようならは言いません。

 

私達は何れまた逢える。

 

これで終わりだなんて思えないから。

 

だから、泣かないで。

 

心優しき人。

 

私に色彩を与えてくれた人。

 

外に出てもきっと、覚えている事でしょう。

 

だから、貴方達も私達を忘れないで下さい。

 

忘れたら怒られるのは、お互い様でしょう?

 

もし、忘れたりなんかしたら許しませんからね。

 

あぁ、そうだ。

 

一つだけ、言えなかった事は。

 

『貴方達』を、愛していたという事でしょうか。

 

…結局、言えず仕舞いでしたね。

 

……いえ、これで終わりません。

 

絶対、絶対復活させてみせます。

 

だから、それまで待っていて下さいね。

 

皙さん。宇宙さん。

 

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CHAPTEREXTRA

 

人に人生のストックなんて無いんだよ、それは皆同じ運命

 

END

 

脱出者

 

5名

 

 

《消滅》

 

不二宮 石榴 アルターエゴ

 

ゲームマスター 石神 皙 アルターエゴ

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

アイテム獲得

 

悲しくも楽しかった、数々の思い出

 

全てのプログラムを終了した者へのプレゼント。

確かに在った2人との、何よりも大切な…大切な思い出。




お読み頂きありがとうございました。
次はエピローグになります。よろしくお願いします。
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