イケメンに弱い宿儺様   作:エレメント

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バレないわけがない

 少年院。

 闘いの最中、【気配察知】が作動して、虎杖は敵に気づいた。次の瞬間、【警告】作動していた。

 

「《釘崎は後ろへ、伏黒は左へ。飛べ!》」

「呪言!?」

 

 警告、使えるのか。受肉するというのは想像以上に厄介な事なのだな。

 ただ、警告は自分には使えない。虎杖は腕を切られてしまう。

 

「伏黒、釘崎! 逃げろ!! 後は俺がなんとかする!」

「なんとかするってどうやってだよ!!」

「このままだと全滅だぞ、いいから言うこと聞け!」

「でも!」

「ほら、俺、切り札あるし! 人いると使えないんだよ!」

「っ! あとで話してもらうからな!!」

 

 二人が走り去った後。

 

「やはり虎杖も俺のギフトを使えたな。ということは……虎杖。絶対に五条の素顔を見た状態で五条と話すな。やばいから。本当にやばいから」

『あ、ああ。口が勝手に動いた。あのレベルでヤバいのか?』

「精神に作用するから、あれより酷いと言える。気をつけろ」

 

 そして、特級を倒して呪物の指を飲む。

 いい子な俺は心臓を抉り出すこともなく、戻れないということもなく、普通に戻った。

 

「虎杖!」

「なんとかなったろ?」

「どうやった!? さっきの呪言は!?」

「呪言って何?」

「俺達の事を操ったろ!」

「あれは……」

 

 そこで、虎杖は話そうとして、口を隠す。

 

「き、切り札は内緒」「はぁ!? 後で話してもらうって言ったろ!」

 

 うーん、どう言い訳しよう。

 迷っている間に、あれよあれよという間に虎杖はあの呪符だらけの牢獄に逆戻りした。

 

「宿儺と代われないって聞いてたけど?」

「ええと、そこはほら、突如目覚めた宿儺パワーで」

「悠仁? 僕の目を見て言ってご覧」

 

 目隠しを外した。その美貌が顕になる。うわ、終わった……! が、頑張れ! 頑張れ悠仁!!

 

「君の意思で宿儺に代われるかい?」

「えっと、でも、俺は、宿儺を守るって」

 

 しどろもどろになる悠仁。やばい。やばい。やばい。

 

「代われるかい?」

「か、かわれます」

「守るって、宿儺と約束したのかい? どうして」

「それは……言えない」

 

 悠仁が顔をそらすのをアゴクイする。ぎゃあああああああああ俺までダメージを!!

 イケメン警報発令! 美貌避難勧告! 美貌避難勧告!!

 

「どうして」

「こま、困ってたから。あいつ、多分、悪いやつじゃなくて! 悪いやつから守ってくれるなら目撃者がいないときに限り呪霊からは守ってくれるって。俺が封印ちゃんと出来てるように見せかければ、秘匿死刑も伸びるかもって!」

「両面宿儺は呪いの王だ。甘言で惑わしているだけだよ。だいたい、何から守るっていうのさ。宿儺より悪いやつって誰」

「ぐっ」

 

 舌を噛み切ろうとしたので、五条が指を突っ込んで止める。

 その際に、ずらしていた目隠しが元に戻って俺と悠仁はほっとした。

 しかし、ちゃんと守ろうとしてくれたんだな……。

 感動した俺は、悠仁の腕に口を顕現させた。

 

「あまり悠仁を虐めるな。俺が無理やり頼んだことだ。悠仁が今の所、俺を完全に抑え込めるのも事実だし、人を殺して悠仁を不利にするつもりもない」

「ならば、縛りをするかい?」

「いいだろう。悠仁及びその周囲に危険が及ぶか悠仁の許しなき限り、俺は表に出ない。ただし、悠仁が尋問された時、この縛りは無効とする。それでいいか?」

「よっぽど知られなくないことがあるんだね? それに仲も良さそうだ」

「俺は引っ込むぞ」

「おや、逃げるのかい?」

 

 逃げるに決まってるだろ、悪いか!

 

「宿儺、庇うつもりで庇われちゃったな」

「仲いいんだね。でも、正直実力を隠されるのは困るな。これは答えたくなければ答えなくてもいいけど、呪言も使えるの?」

「んー。それくらいならいいかな……。あれは【警告】。警告する時だけ、効率的に指示できるってだけ。多分」

「んー」

 

 目隠しを外してジロジロと見る。ひぇっ

 

「そんな術式、見当たらないけどなぁ。他に何かある?」

 

 そうだな。【気配察知】と【逃げ足】だけは言ってもいいぞ。

 

「【気配察知】と【逃げ足】」

「ふぅん。それは訓練で使える?」

「使える!」

 

 それから話は訓練に移っていった。尋問は終わりかな? よくやった悠仁!!

 

 

 それから、しばらく五条預かりということで監視されながら映画鑑賞の修業をする事になった。映画鑑賞は俺も楽しいのでよろしい。

 

 ここで問題が起きた。

 映画には時折美貌の持ち主が出てくるのである。そりゃーそうだ。

 映画にイケメン美女が出なかったら誰が出てくるっていうんだ。

 美貌の人間がナニカ言う度、俺達はフリーズしてぬいぐるみに殴られる。

 

「これ、ギフトに逆らうの、無理じゃない?」

「可能だったらこんな苦労してない」

「例えば、五条先生が素顔で死ねって言ったらどうなんの?」

「それをされたから封印されたんだろうが」

「マジか……マジか~!!」

「俺の苦労がわかったか。お前も巻き添えだから助けろください」

 

 そこで、俺と悠仁は中と外でビクッと跳ねる。

 

「「げっ 五条先生が帰ってきた」」

「気配察知凄いね。どう? 進んでる?」

「あんまり……」

 

 観察されているっ 観察されているっ

 

「もしかして悠仁、綺麗な顔の人すごく好き?」

「そそそそそそそそそ、そんな事はある、かな」

「ふーん。僕の顔とかも好きだったりする?」

「先生の顔は格好いいと思いますよ」

「ふぅん」

「じ、尋問は駄目ですからね!! なに目隠し取ってるんですか!」

 

 やばいやばいやばい。

 

「いや、単なる世間話じゃん。それにしても、【気配察知】も【逃げ足】も【警告】も、全然術式見えないんだよね。不思議だな」

「あー。ギフトだし」

「ギフト?」

「そういう物らしいです。技とかじゃなくて。加護の類で、いいものもあれば悪いものもあって」

「ふーん。きれいな人が好きになる、とか?」

「げぇっほげっほっげほっ」

「え、その反応、ウケるんだけど。本当に?」

 

 そして、虎杖の顔を捕獲。

 

「宿儺に代わってもらっていいかな?」

「はわわわわわわわわわ」

「ちょ、本当に? ギフト名、言ってくれないかな? お願い」

「び、【美貌に弱い】……」

 

 この後死ぬほど笑われ悠仁と共に引きこもった。

 五条の保護の約束は得られました。

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