ガラスの小鳥は轍を刻む   作:昭和のパンサラッサ

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卒論が1000文字(誤字に非ず)書けたので初投稿です。
……とりま一週間位は投稿無いと思って下さい。パン君がJC取った場合のみ書くかもしれませんが


八話

 ――ガシャン!!

 

 特徴的なゲートの開く音と共に青と黒、二つの影がターフを駆け出して行った。

 青の影が果敢に序盤から積極的に先頭ハナを主張し、それを泰然とした走りで黒の影が追走していく。

 

「――良かったのかい?あんなに本気で走らせて。

担当の妹のことだからと彼女の噂は前々から少し気に留めていたけれど、併走とは名ばかりのあんな模擬レースもどきに出して良い状態だとは聞かなかったよ?」

 

 そんな光景を見つめる視線が二対。

 内片方は昨年己の担当にティアラ四冠を成し遂げさせた立役者であり、名を河平と言う。

 本人は全て担当のお陰で自分は何もしていないと己へ向けられる評価を過分と言って憚らないが、それでも誰が見ても気性難な彼の担当に重賞を七連勝、内G14勝させた腕前は評価されるものであり、今や学園全体から下にも置かれない扱いをされている。

 

 そんな彼は心配しつつも、しかし何処か諫めるような声色で己の後輩トレーナー――鳥林にそう問いかけた。

 

「良いと思いますか?

こっちは漸く怪我の療養期間で落ちた筋量も戻って、さぁこれからメイクデビューに備えるぞ!って時期に四冠ウマ娘と併走()させて下さい、ですかねぇ……。

しかも『併走』とか言ってる割に権力乱用しまくって東京レース場貸し切るわ、走るコースも芝2400mを選ぶわ……そんな併走聞いた事ないですよ……ほんと、一体なんでこんなことに……」

 

 そんなことをボヤキつつ、何処か遠くを見るような眼で彼は数日前のことを想起した――

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「『姉様と併走したいです』ぅ?」

 

 トレセン学園のとあるダートコースにそんな素っ頓狂な鳥林の声が響き渡ったのは、夕暮れもそろそろ迫ろうかと言う午後五時の事だった。

 

「……君が姉様と呼ぶ人物と言えば俺にはあのメジロラモーヌしか思い浮かばない訳だが、つまり君は彼女と併走したがっている、そう言う認識で良いのか?

実はメジロ家親戚の誰かを他にも姉様呼びしていて、その人の事だったりしない?」

 

 そう問いかける鳥林の声色には何処かそうであってくれ、と願う様な気持ちが込められていたが、しかしその願いはメジロアルダンの『私が姉様と呼ぶのはあの人一人だけですよ』との言葉にぶった斬られる。

 

「……『併走』なら、まぁ問題ない。

あれはレース中に起こる"追い比べ"とは違い、競り合うことによってウマ娘の競争本能を引き出しつつ根性を鍛えることが目的の、あくまで"トレーニング"だからな。

強すぎる相手とやって心折れる事例――所謂"格付けが済む"事も有るようだが、メンタルの強い君なら問題無いだろう。後は単純に能力の差が有り過ぎてトレーニングにならない可能性もあるが、まぁ命じて無理やりやらせるわけでも無し、そこはトレーニングの趣旨を無視してまでジュニア級のウマ娘をぶっちぎらないだろうと相手の良識を信じるものとして――」

 

「……」

 

「で、君に質問なんだが、本当にメジロラモーヌさんとは『併走』で済みそうか?――数日前、『彼女のドリームリーグ参入――言ってしまえば半引退が告知されたこの状況』で。

ちょっと一緒に走って、ちょっと競り合って、最後には予定調和の如く君が負けて……本当にそれで終われそうか?」

 

 そう、実はこの春、メジロラモーヌはシニア級で一度もレースを走ることなくドリームリーグへの移籍を発表している。

 彼女のトレーナー曰く、『一度は改善した筈の体の弱さが去年の夏から再び見え隠れしており、秋華賞とエリザベス女王杯はかなり無理した状態で走っていた。今後はレース間隔が長く取れて焦ることなく体造りに励めるドリームリーグで活動していきたい』とのことだ。

 

 世間でも大きな波紋を呼んだこの話題、鳥林は兎も角メジロアルダンにとっては無関係な訳では無かった。当然メジロラモーヌに憧れていたウマ娘達に色々詳しいことを教えてくれと言われたし、それで無くても元々メジロアルダンは自身の姉に対して一言では言い表せない並々ならぬ想いを抱いている。

  

 流石に自分も苦しむ体質が原因とのことなので"逃げた"とは思わなかったが、それでも釈然としない想いは抱えており、此処三ヵ月トレーニング以外でも割と彼女と交流していた鳥林は、確信までは持っていないにせよその想いに気付いていた。

 

「『嫉妬すら追いつかない。憧れすら届かない。』――世間様が君のお姉さんの走りを称して造ったフレーズだが……しかし君はそうじゃ無い、そうだろう?」

 

「……隠せませんね、トレーナーさんには。

仰る通り、やるとなれば併走とは言いつつも仲良しこよしで隣を走るだけのつもりは有りません。場合によっては――いえ、例え姉様が勝負に乗って来なかったとしても私は全てをぶつけて勝ちに行くつもりです。――例え勝機が、万に一つも無かったとしても」

 

 何時も通りの意志の強い瞳でそう語る彼女に、鳥林としてはただただ溜息を吐くしかない。

 

「…一応聞いとくけどさ、俺が駄目だと言ったらお前……君は止まってくれるのか?

言った通りメイクデビューは六月を予定している。俺としてはこんな所でメンタルもフィジカルも酷使するようなレース……トレーニングは避けたいなんてものじゃ無いんだが?」

 

「……一応トレーナーさんの意見を尊重するつもりです。

私の言っていることが是迄貴方と共に積んで来たあらゆる全てを崩すが如き提案だという事は分かっていますから」

 

(そういうこと言うならもうちょっと汐らしくしてくんないかな~~)

 

 彼女の瞳が語っていた。

 

 ――貴方なら私の背中を押してくれますよね?、と。 

 

「………………」

 

「………………」

 

 どう考えても断るべき提案であるのだが、しかし鳥林はそう簡単に一蹴も出来なかった。無論それは、彼女からの信頼などが理由では無い。

  

 言っては何だが此処で増減する程度の信頼など一時のトレーニング効率を左右する程度のものでしか無く、これまでの積み重ねが崩れる可能性に比べたらどうでも良いものだ。

 

 問題は、父母にトゥインクルシリーズへの参入を否定されているメジロアルダンの心中において、姉はただ憧れや嫉妬の対象では無いと言う点である。

 

 協力者であり、共犯者であり、先達であり、親以上に家族であり……要は先程も言った通り一言で言えない程複雑な相手なのだ。

 

 そんな相手と、ただの一度も競うことなくすれ違うことになった心の瑕は何時まで残るのだろうか?

 

(血が繋がって無いならまだしも姉妹だもんなぁ……最悪半年は落ち込んでも驚かんぞ…)

 

 厄介な姉を持ったものだと思うものの、でもそんな姉が居たからこそ彼女はここまで強く覚悟ガンギマリに育ったのだろうと思うと、やっぱりそう簡単には否とも言えず、結果として彼の口からは再び溜息が漏れた。

 

「……一日時間をくれ。リスクとか色々考えた上で明日また判断を伝えるよ」

 

 そうは言いつつ、彼の答えなどもう決まっているのだが。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「……まぁ、『負けは無い』勝負ですよ……負け惜しみの類ですけどね」

 

「一矢は報いるってことかな?シニアの強豪でも厳しいことを、ジュニアの……いや、メイクデビューも出ていないジュニア未満の君の担当に出来るとは思えないけれど……。

あぁ別に君の担当が弱いって言ってるわけじゃないんだけど、流石にね?」

 

 実際河平に悪意など欠片も無かった。

 とはいえ、メジロラモーヌの走りを一番近くで見て来た彼の自信――信頼は並大抵のものでは無く、或いは"ソレ"は、見る人によっては傲慢だとすら映るだろう。

 

 もっとも、己の担当が未だチャレンジャー未満であることを自覚して送り出した鳥林からしてみれば、言われるまでも無い既知の事実でしか無かったが。

 

「違いますよ。

言ったじゃないですか、負け惜しみの類だって。報いてくれるのは――――貴方の担当メジロラモーヌです」

 

 

 

 なんてことを互いのトレーナーが喋り合っているとは露知らず、青と黒の影――メジロアルダンとメジロラモーヌはホームストレッチ前の直線を超えて第1コーナーへと入って行く。

 

 先頭はメジロアルダン。

 彼女は序盤にも関わらず9割の出力という殆ど末脚を使う時と変わらない足を使うことと、そして姉の弱点を突くこと、加えて"ルールをおかしくすること"で何とか先頭を守っていた。

 

『姉が雲の上ドリームリーグに行く前に一度くらい一緒に走りたいって気持ちは分かるが、先ずこっちがひな鳥ですらなく未だ卵の中メイクデビュー未出走だってことを理解しろ。

何かの間違いでヒヨコが鶏に駆けっこで勝つことは有るかもしれんが、卵と鶏が駆けっこしたってどうしようもないだろ?』

 

 彼女の脳内に己のトレーナーの声がリフレインする。

 

(そう、だから姉様には足枷を嵌めて貰いました、対し此方は走るための足を用意しました――なのにッ……!)

  

 コーナーに入ってからもメジロアルダンの速度は緩んでいない。当然体の制御は殆ど効いておらず、それでも外に向かおうとする足と、そして何より外に行きたがる本能を無視して最内を進む中、しかし然程離れても居ない距離にメジロラモーヌが追走してきていた。

 

 当然だ。彼我の差は只のジュニア級とシニア級の差では無い。

 片や飛ぶ練習すら儘ならない硝子細工の雛鳥と、片や四冠を達成しその蹄跡を歴史に刻んだレースの愛人。

 

 血縁と言うだけで比べるには余りにも格が違う。

 

(ですが…そんな姉様にも弱点が無い訳ではありません) 

 

 メジロラモーヌは晴れ女だ。

 彼女がこれまで走ってた十二度のレースの内、バ場が良以外になったことは二度しか無く、またその二度も稍重で留まっている。

 

 しかしその稍重の時のレースと言うのが問題であり、片や勝利こそしたものの二着との差はクビ差、もう片方に至っては9着と惨敗している。

 無論どちらのレースも『ウマごみを捌くのが遅れた』という理由付け自体は出来るものの、裏を返せばバ群を適切なタイミングで捌けなくなる程度には意識を足元に向けていたと言う事でもある。

 

 故に当然今のバ場は稍重であり、そうなる確率が高い日を天気予報から鳥林とメジロアルダンは決戦の日と決めたのだ。

 

 また、今行っているのは便宜上だとしても"併走"である。

 模擬レースでは無いし、当然本番のレースでも無い。つまり普段メジロアルダンがダートのトレーニングで使っている蹄鉄が使えるのだ。

 

 ――グリップ力が高く、荒れたバ場でも地面をしっかりと掴むことが出来るあの蹄鉄が。

 

 相手からは牙を抜き、逆に此方は付け焼刃で武装する。

 その上でメジロアルダンが後先を考えず――それこそ正に"途中で潰れても良い"とでも言う様に全力で走る事により、現状何とか併走レースの体裁は保たれていた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

(アルダン……の考え、では無いわね)

 

 向こう正面を走る中、メジロラモーヌは僅かずつだが、しかし確かに下がり行く妹を視界に捉えながらそんなことを思った。

 

(この子一人で作戦を立てたなら、少なくとも2400m走り切れるよう作戦を立てる筈ですもの。こんなに無理してまで私とは競り合わない――いえ、そもそも普通に走り切れる距離を指定した上で全力で挑んで来た筈……この子のトレーナーは一体何を狙っているのかしら?)

 

 今回彼女が妹に誘われた併走レースを受けたのは肉親の情と、そして罪悪感からだ。

 

 若し彼女が今年も引退せず、そしてその次の年の現役でいたならば、一応姉妹で対決する可能性はあった。宝塚……は流石に無いにしても、菊花賞を回避するなら毎日王冠や秋天、或いはJC、有マ……競い合う戦場自体は、確かにあったのだ。

 

 ――"互いに"そういう話をしたことも、ある。

 

 それを長くターフに居たい、レースを愛したいからと反故にしたのだから、それで妹の心に何らかの区切りが付くのであれば、一度くらいは一緒に走る事に否は無かった。

 

 ――例えそれが、レースとも呼べない一方的な狩りになったとしても。

 

(と思っていたのだけど……これは、レース……よね?)

 

 まだ最終直線でも無し、末脚は使っていないとはいえ、それでも特段緩めてもいないメジロラモーヌの速度に、どうしたことか彼女の妹は付いてきている。

 無論妹の"ソレ"が後に続くものでは無いと彼女は分かっているのだが、しかし今の状況が不可解な以上確信は持てない。万が一、億が一にも有り得ない事だが、それでも"若しかしたら"このまま付いて来るかもしれない。

 

 ――であればそれは狩りでは無く、レースであり、そしてレースであればメジロラモーヌは"愛するしかない"。

 義務では無い、ただ彼女の心の有りようがそうさせるのだ。

 

 心の奥底で、僅かに顔を見せる妹への期待。目的の分からない、妹のトレーナーへの不信期待。  

  

 綯い交ぜになりつつも、メジロラモーヌは今この瞬間、現在の状況をレースだと認識した。

 

(アルダンとの差は二バ身…という所かしら。

開いては来ているけれど、もう目の前はコーナー。"若し"第一、第二コーナーでのコーナリングを再現されたなら――)

 

 一瞬脳裏に浮かんだ、"抜かれる"という有り得ない光景。

 

 ――愛が芽生える。

 家族にでは無い。今、自身が走っているレース併走に対してだ。

  

 

 

 

 芽は育ち、枝は伸び、葉は茂り、蕾は開き愛して、愛して、愛して、愛して――

 

 

 

 ――そして愛は、メジロラモーヌへと還る花は咲く

 

 

愛と熔けよただ熔けよ

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

『貰えるものは貰っておけ、ですか?』 

 

『そうだ。

気持ちの整理の為にただ負けました、じゃ得るモノが何も無いからな。折角のG1ウマ娘との併走レース、学びにつなげていこうじゃないか』

 

『……ですが、姉様はただ普通に走るだけで私に勝てます。

二人でのレース……いえ、併走でしたら使える策も限られますし、それが有効に働くとも思えません。あの人から何か引き出すなんて……』

 

『いいや、一つだけ有る。君のお姉さんが、絶対に隠せないモノが――』

 

 

 

「これが姉様の…領域ッ……!!?」

 

 昔、メジロの本邸でメジロアルダンは己の姉が絵を描いているのを見たことが有った。

 絵の具を無秩序にぶちまけた様なそれを見て、彼女は姉は絵が下手なのだと解釈したが、しかしこの時になって漸く己の過ちに気が付いた。

 

(この光景を見てわかりました、あれは、姉様の心象風景そのもの!)

 

 

 

 ただが支配するその空間は、メジロラモーヌが一歩踏み出すたびに愛を確かめる度にその色彩――と呼ぶにはかなり毒々しいが――を増していく。 

 

(なんて一途な愛悍ましい、覇気……ですが領域の発動、しかと確かにこの胸に刻みましたよ私の勝ちです)

 

 姉の背が離れていく中、メジロアルダンの速度が鈍って行く。

 事前に言われていたのだ、『倒れる時は減速してから倒れろ』、と。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

『桜花賞で、オークスで、秋華賞で、エリザベス女王杯で――いや、彼女が出走していた"全てのレース"で彼女は過集中ゾーン、俗に言う"領域"に入っていた』

 

『12もサンプルが有るんだ。残り1000mを切った際の異様な加速がその効果だという予想は容易かったが……しかしそのトリガー、発動条件とでも言うべきものが全く分からなかった』

 

『コーナーだろうが直線だろうが、好位だろうが中団前方だろうが、1000mを超えた時点で即発動。頭の可笑しい加速でどのレースでも一着を取って行く』

 

『だけど、君が話す彼女の事と、何より君の頑固さ一途さで合点がいった。彼女は只、レースに出るだけで過集中状態に至れる存在だった、それほどの愛をレースに注いでいた……それだけだったんだ』

 

『……はっきり言って、資質の化け物具合で言えば彼の皇帝シンボリルドルフを凌駕していると思う。

今説明していても正直怖れと言うか畏れというか……いやうん、君のお姉さんにこんな事を言うのもどうかと思うが、ぶっちゃけ悍ましさが先に来る』

 

『まぁとはいえ、有難いことに彼女はレースでさえあれば領域を発動してくれる。

1400m死ぬ気で――それこそ1400mすら保てば良いという様な、そんな速度で走って、残り1000mまでに彼女の認識を併走から"レース"へと変えろ。

――2000mじゃだめかって?1000mまでに彼女の意識を変えられる自信が有るならそれでも良い――寧ろその方が良いが……無理だろ?

後は本番さながらのレース場で出来れば良いんだが…まぁ冗談だ』

 

『兎に角領域を見て、その一端でも感じられたのなら、それはもう君の勝ちって事で良いだろ。

レース後にジュニア相手に本気になるなんて、とでも煽ってやれ――――あぁ最後に、倒れる時は減速してからにしろよ?』

 

 

 

 

「――――姉、様?」

 

 メジロアルダンが目を開けると、大好きな彼女の姉の顔が其処には有った。

 

「……貴女を一番理解しているのは私の筈なのに、どうして"途中で燃え尽きる"可能性に考えが至れなかったのかしらね」

 

「……トレーナーさんの…思惑が混ざっていたから、じゃないでしょうか?

昔の私であれば…きっと普通に最後まで走ることを優先したと思います。勝利条件の変更なんて…思い付きもしなかった…」

 

「随分と、褒めるのね――その男の事を」

 

「そうでしょうか?

ですが最近の姉様が話す河平トレーナーとの惚気擬きに比べればまだましかと」

 

 気付けば言うようになったわね、と返すメジロラモーヌの顔は、しかし言葉に反して笑っている。

 

「多分これも、トレーナーさんの影響だと思います。

あの人は…微妙にモノをズケズケと言って来る方なので」

 

「惚気はもう良いわよ……それよりも、足は大丈夫かしら?かなり無茶して走っていたようだけれども」

 

「……多分、なんとか。明日辺りコズミ――筋炎や筋肉痛――くらいは出るかもしれませんが」

 

 未だ倒れたままのメジロアルダンはその状態のまま足を上げ下げして――

 

 ――そして自分が、姉に膝枕されていることに気が付いた。

 

「アッ!えっと!……ど、どきますね!!」

 

 もう最後にして貰った事など記憶の彼方にしか無いその行為に、脳が一瞬フリーズするも、それでもなんとか動こうとしたのは令嬢足る者の意地故か。

 

 ――もっとも額を抑えられるまでも無く、純粋な疲労により動けなかったのだが。

 

「あのね、アルダン。コズミは"くらい"で済ませられる様な症状じゃないの。

貴女の様なまだ体の出来上がっていないウマ娘は特に、ね」

 

 だからまだ大人しくこのままで居なさい、と。メジロラモーヌは大慌てで此方に来ているトレーナー二人を見ながら妹の頭を撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、まさか姉様がジュニア級の私を相手に本気になるなんて……ヒッ…いえ、何でもありません……」




姉様が全然わからん。持ってないからネットの情報と後は想像で書いてる。
最後の膝枕とか迷走し過ぎて筆の乗る儘に適当に書いてた。絶対やらないと思うけど許して。


後領域出てくんの早くない?と思われるかもしれませんが、史実で実際にこの時期――メジロアルダンが二歳(三歳)の時の四月――にメジロラモーヌが引退するので、流石にそれに関するイベントは挟みたいなって思ったらまぁこんな感じになってました。
とはいえ流石に見ただけで使える様な物でも無いので、あくまできっかけ作りの一環とでも思って下さい。
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