斉藤社長視点
アイが妊娠した。そう聞いた時俺は驚いた
勿論妊娠したこともだが、アイがそういう相手を
作ったことに対しての方が驚きは大きかった。
あの自分が快適に生きることしか考えていない
あいつが、自分を縛るような事を衝動に任せてするようには思えなかった。
あいつは、星野アイは最初に会った時からそうだった
あれはアイにアイドルにならないかと誘った時の事だった
『ふーん。それ稼げる?』
声を掛けて最初の一声がそれだった
何とか建て直しお前の才能なら絶対に稼げる、そう言った
『うーん、そう言う意味じゃなくてさ。根拠を言ってよ。流石に私の才能が凄いってだけじゃ理由が薄いでしょ?』
俺は曖昧ながらも自分の即席で作ったプランを言ったがあまり反応は良くなかった
『うーん。何か見たことあるんだよなぁ。確か夢では』
急にブツブツいい出したアイ。断るろうとしているのか。と不安になるが
『私さ、孤児なんだよね。孤児になる前は母親と暮らしてたんだけど暴力、暴言等々まぁ虐待する典型的な親だったんだ。でさ、このままじゃダメだって思ってある日に匿名で、母親が万引きをする事を警察に言ったんだ。警察は半信半疑だったけど最近万引きの数が多すぎたから一様見回りに言ってたんだって。それで、私の母親は無事に捕まったんだ。そんな私は虐待のせいで生きる為に嘘で塗った私が出来上がりましたとさ。』
『ねぇそんな私がキラキラしたアイドルになれるわけないでしょ?』
いいじゃねえか。
嘘で塗った人生上等。なんならアイドルにとって嘘っていうのは盾なんだよ。そうじゃなきゃ。
皆が皆自分をさらけ出して生きていけるわけじゃなねぇ
だからお前にアイドルに、嘘つきになってほしい
『まぁいっか。…いいよ。やるよアイドル。ただし、稼げなくったら辞めるから』
あぁそれでいい
アイ視点
私には将来の夢がある。それは自分が幸せに過ごすこと。
およそこの年の子供が見るような幸せではない。
結婚して幸せになる?
母親のようにはなりたくない
アイドルやモデル等のキラキラした職業に就く?
自分が顔が良いのは自覚しているが、あんなキラキラしたものになれるとは到底思えなかった。
私の思う幸せは人並みに稼いで、人並みな生活を送ること
これが出来ればきっと後悔はないだろう。そう思って生活していた
しかしそんな、願いもある日見た夢のせいで私は私の人生は塗り替えられた
金髪の子供がいた。一人は瞳がアクアマリンのように輝く頭が良さそうな子供だった。
もう一人は瞳がルビーのように光る元気が良い子供だった。
二人は私の事をママ、お母さんと呼ぶ。私は今16歳でそういう相手もいない。けどそう呼ばれるの見るのは嫌いではなかった
次だ
金髪の髪にサングラスをかけた明らかにそっち方面の人にしか見えない人と薄いピンク色の髪の人妻ぽいひとがいた
金髪の人はいつも呆れたような顔をしていつもバカアイドルと、言ってくる。人妻ぽい人はアイさんまたやらかしたんですか?と、もはや呆れを通り越した顔をしていた
そして私はいつも笑って誤魔化す
そんな光景が続くにつれ段々とこの光景が終わるのは惜しい、そう思ってしまうようになった
これ以外でも色んな夢を見た。どれも私は幸せそうで遂には夢のなかの私に嫉妬してしまうほどだった。
だからきっと斉藤社長が声をかけてきた時にはもうあの光景を現実にしたいとそう思ってしまっていたのかもしれない
「…ねぇ斉藤社長。なんであの時アイドル辞めるの許可したの?アイドルをドームに行かしたいんじゃないの?」
「あぁ。そうだな。確かに思ってたさ、だけどそれ以上にお前がどこまで行けるか。それが知りたかった。それだけだ」
「…ふーん。あっそ」