斉藤社長「アイドルやめるね、おけ」
…嫌な夢を見た。まだ私の記憶が戻っていない時の夢、感情的で、自己中心的で夢に夢をみている苦い思い出の記憶。
なんて、少しナイーブになってみたが、所詮は自分の記憶ではないのでどうでも良かったりする。
しかし自分の記憶が戻る前の記憶は初めてみたのだが、うん、何故か原作のアイとは異なる性格をしていた。
…これはどういう事なんだ?
私は原作のアイに憑依したのだと思ったが、どうやら違うようだ。
これはちょっと困る。私の当てにしていた原作知識の大半が約にたたないのかもしれない、なんてことがあれば私の死ぬ理由が原作と隔離してしまうかもしれない。
仕方ないこうなったら少し作戦を早めよう。そうと決まれば即行動だ。
「いいぞ」
「…は?
嫌待ってそんな速攻で決める!?」
「うん?お前が言ったんだろ。稼げなくったら辞めるって」
「いや確かに言ったけど…」
「取り敢えず、今すぐって訳にはいかない。
B小町は一端休止してモデルや役者の仕事に移行するか。お前を使いたいって言ってくれてる人が多いからな。丁度いいだろ」
…まって理解が追い付かない。
「…どういうこと?斉藤社長はドームに行かせたかったんじゃないの?」
「そりゃあな。だけどな俺はお前がどこまで行けるかそれが知りたかった。それだけだ。…てかこれ前も言った気がするが…」
どうしようもうだいぶ後戻りできないくらいに
原作崩壊してる気がするんだけど。
…ま、いっかきっと未来の私が何とかする。
…多分
移行は案外スムーズにいった。B小町も私抜きでもそこそこやっていけるみたいだ。流石に私がいた時からは比べ物にならないけど。
私は今山奥にいる。拐われたとか、そういうのではない。
前に斉藤社長が言ってた役者の仕事というのが、ここの山奥で演技すると言うのだ。
正直に言う。私は憑依してからモデルの仕事しかしていない、つまり演技とかマジ無理ということだ。自慢じゃないが、前世では木の役をやっていたくらいのものだ。ふっ終わったな…
しかも私の演じる役は観光ガイドに成り済まして大量殺人を犯す言うなれば悪役である。
正直に言っていいか?
絶対に私以外に適役いただろ!?
自慢じゃないが私はオリコン一位に輝いたアイドルグループのセンターだぞ!?
そんなこと思いながらも仕事なのでなにも言えない。しかもこれめっちゃギャラがいい。
まぁやらない手はないということだ
「はい!もう少しで山の頂上ですからね!皆さん頑張ってください!」
「あちらに見える宿が皆さんが今日泊まるところになります」
「鍵が開かない?ええ大丈夫ですよ。それが正常ですから」
「ははは、面白い事を言いますね?全員で私にかかればお前に勝ち目はない?ええ確かにそうかもしれませんねぇ?」
「ねぇお嬢さん。みーんな死んじゃいましたね?お嬢さんのお母さんもお父さんもみーんな。でも大丈夫です。だってすぐにあなたもそこに行けるんですから?」
重曹を舐める天才子役視点
アイツとの出会いは業界ではかなり
有名な作品で『だれもかれも』という。
撮影が最初だ。
まぁ原作がサスペンスホラー系の漫画でかなり人気があり実写化に踏み切ったというわけだ
まぁ実際は何でも今人気のB小町というアイドルのセンターであるアイってヤツを役者としても売り出したいからということらしい。
業界ではよくあることだけど、こういうヤツは大抵演技が下手だ。
だからわたしはめっちゃダメ出ししてやろうと
思っていた。…始まる前までは
アイツは気持ち悪いくらいに演技が完璧だった。
最後のシーンなんて本当に怖くて涙目になりながらも演じきったが、あれは自分でもよくやったと褒めたかった。だってアイツのまえでは自分を保つことですら難しかったのだから。
…でもそれが悔しくて悔しくて腹が立った。なんで私が天才子役である私がこんな、ど素人に負けたのかだから直接聞いてやった。
なんでお前はそんなに演技がうまいのかと
「ふーん。あれうまかった?」
「正直今回のなんてギャラが良かったからやったようなもんだし、
当分はモデルだけにしようかなぁって思ってたんだけど」
「お、お金が欲しいの?」
「そ、若いうちにお金貯めて速攻で隠居しようかなって思ってるの」
「…じゃあさ私が養ってあげようか?」
「うーん。
流石にこんな子供に養われるのはなぁってまぁ
大人になっても養ってくれるって言うんだったらいいよ」
なんで私はこんなことをいったのか?それは多分きっとこんなやばい奴が世間に知れわたってしまったらきっと大変なことになるから、私が責任を持ってコイツを養わなければならないのだ
「この天才子役が養ってあげるわ!!
感謝しなさい!!」
無自覚に独占的発動してしまった重曹ちゃん
『だれもかれも』は何かフィーリングで名付けた
追記
戦士(偽)さん誤字報告ありがとうございます