テグサーマン   作:クロッカーズ

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《登場人物》
・富田トウマ…文武両道な高校生。テグサー1に変身する。
・飛田慶喜…天才的な頭脳を持つ高校生。
・三千院穂乃花…トウマの幼馴染みである女子高生。テグサー2に変身する。
・森涼…冷静沈着な成人女性。卓越した剣術の持ち主。テグサー3に変身する。
・大城茜…天才的なバイクセンスを持った女子高生。テグサー4に変身する。
・レミー・旋風…小生意気な少女。自称『社長』。
・マツナガ…ジン・ガイア帝国の兵士。
・コブンロ…マツナガの部下。
・イーヴィル・ディーン…ジン・ガイア帝国のエリート兵士。
・イリア・ラントム…高飛車な若き女性社長。メデューザに変身する。
・モーラ・フォーゲル…ラントムチームの姉的存在。ロックオン・スナイプに変身する。
・ジョージ・スミス…陽気でチームのメーカー的存在。キャノン・ダイザーに変身する。
・浦島ヒロシ…物静かな男。ダイ・ソードに変身する。
・甲斐田光雄…トウマ達のクラスメイト。


第十五話『集束』

「うおおおおおっ!!」

 

無謀にもオオヤドカリヤンに突っ込んだテグサー1。その手は蒼い炎で揺らいでいる。その後をテグサー3とディーンが続く。

 

「撃竜拳!!」

 

「天下無双刀・一閃斬り!!」

 

「ディーン・ブレイカー!!」

 

三人は一斉に飛び上がり、各々強烈な拳、斬撃、音波を放った。しかし、パワーの下がった彼らの必殺技は致命傷にならず、全て身体で受け止められてしまった。

 

「オオヤド~!!」

 

オオヤドカリヤンは必殺技を放出した三人の隙を狙って光弾を放った。

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

光弾の直撃を受けた三人のアーマーに激しい爆発が起こる。その衝撃で三人は砂浜に墜落した。

 

「くっ、どうやらパワーは満タンのようだね…あんな生臭いの食べて、よく腹を下さないもんだ」

 

三人の内、素早く起き上がったディーンは軽口を叩く。その傍らでテグサー1は勢い良く立ち上がった。

 

「そんなら、体内に直接ぶち込むだけだっ!!」

 

「トウマ、どうするの!?」

 

テグサー1の元に、メデューザが駆け寄る。

 

「イリア、スケールヘヤーで奴の口をこじ開けてくれっ!!開いた所にディーンと俺で撃竜波とディーン・ブレイカーを撃ち込む!!」

 

「成る程、それなら可能かも…飛田、どう!?」

 

メデューザは通信で飛田に聞いた。

 

『それなら、確実にイケます…!いくら奴でも、体内となれば勝ち目はありませんから!!」

 

「決まりね…スケールヘヤー!!」

 

メデューザはスケールヘヤーでオオヤドカリヤンの口の端を捉え、思い切り引っ張った。しかし、端が僅かにめくれるだけで、口内まで露出しなかった。

 

「だ、駄目だわ…メデューザのパワーじゃとても…」

 

「それなら…!!」

 

メデューザが諦めかけたその時、テグサー1とディーン以外の両社は各々スケールヘヤーを掴んだ。そしてロックオン・スナイプはメデューザの背後に回ってメデューザを支えた。

 

「よし、行くぞぉ!!」

 

「おおっ!!」

 

「ちょ、ちょっとなにを…!?」

 

メデューザの質問に答える事なく、テグサー3の合図と共にスケールヘヤーを持った全員は足腰を踏ん張り、綱引きの要領で一斉に引っ張った。

 

「オーエス!!オーエス!!」

 

「お、オーエス!!オーエス!!」

 

「オーエス!!オーエス!!」

 

「「「オーエス!!オーエス!!」」」

 

テグサー2の掛け声に触発された全員は気合を入れて同じ掛け声を上げた。すると、オオヤドカリヤンの口は知力負けし、徐々に開き始めた。

 

「やっ、ヤド!?」

 

余裕の態度を持ち、油断していたオオヤドカリヤンは人間のパワーに焦りを覚えて暴れ始めた。まるで、動物病院に来て注射を恐れる犬猫の如くだ。しかし時既に遅く、口はありったけのエネルギーを流し込むには十分に開き、攻撃要員の二人は飛び上がってトドメの臨戦態勢をとっていた。

 

「受けてみろ、ヤドカリ野郎!!これが俺達の…」

 

「最後の一撃だぁっ!!」

 

テグサー1は口内に向けて撃竜波、ディーン・ブレイカーを同時に放った。凄まじい轟音と共に、オオヤドカリヤンの口に光線と音波が流し込まれる。

 

「ぐ、ぐ、グギャアアアア!!!」

 

強烈な異物が体内を貫き、オオヤドカリヤンは悶絶の雄叫びを上げて体内から大爆発。殻も身も、跡形もなく消し飛んだ。

 

「やった…やったぁ!!」

 

パラパラと散らばるオオヤドカリヤンの残骸。その中でディーンはいの一番で大いに喜ぶ。他の物は安堵の表情を浮かべてその場へ座り込んだ。人間の姿であっても天性の体力を持つ彼とは違うのだ。

 

「これで、GooGooZのコンサートに間に合う…!!さ、急ごう皆!!彼女達が待っている!!」

 

この様相はまるで、遊園地ではしゃぐ子供と連れ添う大人のようだ。テグサー2が苦笑の声を上げると、テグサー1は立ち上がってその場を去ろうとした。

 

「あ~、そうだな…まだ時間には間に合うな…んじゃ、行くとしますか」

 

「おうっ!!」

 

誰かの掛け声の後、皆も続いた。その姿は、まるで昨日のいがみあいが嘘だったと思える程であり、横一列に並んで楽しげに会話を始めていた。

 

しかしその時であった。飛田から通信が入ったのは。

 

『いや、駄目だ…』

 

「…どうした、飛田?」

 

『周囲のエネルギー計数が減っていない…!?いや違う。別の何かが、空から来るっ!!』

 

「な、なんだと!?」

 

テグサー1が驚愕したその瞬間、激しい爆撃で巻き上がる砂浜が、彼らを襲った。

 

「う、うわぁぁぁっ!!」

 

「きゃああっ!!」

 

予想外の襲撃に叫ぶ戦士達。その中で、ディーンは攻撃が降ってきた先である上空を見た。

 

「この攻撃、ま、まさか…!?」

 

彼が驚愕した瞬間、空にかかる雲の隙間から、異形な怪人達が三体、姿を現した。

 

「な、なんだアイツらは…!?おい、ディーン!?」

 

怪人達の物々しい雰囲気に、不安を感じたテグサー1はディーンの肩を握って質問した。

 

「か、幹部級だ…!!それも、特上級の奴らが何体も…!!」

 

「か、勝てない…例えフルパワーの俺達が何体、束になっても…」

 

「な、なんだと!?」

 

絶望に打ちひしがれ、膝を砂浜に落としたディーン。情けない彼の様子を見て、幹部級はニヤリと笑った。

 

「ふっふっふっ、あいつらかのう、バドリードが言っていた強き戦士とは…」

 

見下しながら指差すのは、イルカ型怪人デッドフィン。

 

「ゲーハッハッ!!だがあんな奴ら、我が爪で一撃よぉっ!!」

 

チーター型怪人ガウスピードは爪を振って自身の力を誇示している。

 

「それにしても、オオヤドカリヤンを倒すとはな…わざわざ海外から帰ってきた甲斐がある相手だ。今まで以上に皆殺しにする価値があるというモノ…」

 

威勢のいい二人の間で、火炎鳥型怪人バーンバードは冷静に現状を分析、笑う二人に冷静に指示を出した。

 

「デッドフィン、お前は鈍重な奴が多いラントム社を狙え、ガウスピード、お前は機動力のある旋風重工の奴らだ。そして、テグサー1とディーンは私がやる」

 

「チッ、おいしい所はお前が持っていくのか…まぁいい、負けても助けてやらん、ぞっ!!」

 

言い終える前にガウスピードは一気に地上に降り、テグサーチームの前に着地した。

 

「く、来るぞっ!!各自、散開して囲め…」

 

テグサー3が言うより早く、目にも止まらぬ早業でガウスピードはテグサー3に急接近。隙だらけの胸部を強靭な脚で蹴り倒した。

 

「うわっ!!」

 

凄まじい衝撃で空中で回転しながら吹き飛ぶテグサー3。

 

「涼さん!!キャッ!!」

 

テグサー2が心配する暇もなく、ガウスピードは爪で彼女と横にいたテグサー4の装甲を一気に引き裂いた。

 

「キャアアアアッ!!」

 

空から降りてくるデッドフィンの口から発する強烈な超音波。

 

「「ぐ、ぐわああああっ!!」」

 

音波を浴びたラントムチームの戦士達の装甲はその衝撃でヒビが入り、身動きが取れない危機に瀕していた。

 

「ディーン・ブレイカー!!」

 

ディーンはデッドフィンの背中に強烈な一撃を浴びせた。

 

「むうっ!?」

 

デッドフィンは多少の傷が付き、攻撃を止めてディーンの方を向いた。その隙にラントムチームは態勢を立て直す為に一旦下がり、銃撃の準備を始めていた。

 

「く、喰らえっ!!」

 

メデューザの合図によるラントムチームの一斉射撃。デッドフィンはミサイル、ガトリング弾、キャノン砲にライフルの弾などを全身に浴びる事となった。

 

「や、やった!!」

 

爆風を纏うデッドフィンを見て喜ぶディーン。彼の背中に浮遊するバーンバードが迫る。

 

「…他人の無駄な抵抗を喜んでいる場合かな?」

 

「なっ、し、しまっ…!!」

 

バーンバードは脚でディーンの首根っこを四の字で挟むと、背中の羽根でより高く飛び上がった。

 

「ぐ、ぐあああ!!」

 

空中で悶えるディーン。脚が掛かっている彼の顔は熱で溶けた鉄の様に爛れていた。

 

「フッ、どうだ?私の脚は?寒空の中では中々効くだろう?」

 

「あああああ!!ああああああ!!」

 

凄まじい熱でもがくディーン。彼の元にテグサー1が駆け付けた。

 

「野郎ぉっ!!」

 

「邪魔をするなっ!!」

 

バーンバードはテグサー1に向けて手を伸ばし、掌から炎の竜巻を放った。

 

「ぐああああっ!!」

 

迫る竜巻に、テグサー1は両腕を交差して防御の姿勢をとった。

 

「く、くそぉぉぉ!!チェンジ、ウイングパーツ!!」

 

かなりの熱風で装甲が溶けそうだ。そこでテグサー1はウイングパーツを装着して前方に飛翔し、竜巻の中心に突っ込んだ。

 

「なっ、なに!?」

 

竜巻を越えて迫るテグサー1に、驚愕するバーンバード。

 

「うぉぉぉぉっ!!」

 

次の瞬間にはテグサー1の拳がバーンバードの顔面を殴り飛ばしていた。

 

「ぐぉあっ!!」

 

衝撃と轟音。ディーンを離して吹き飛ぶバーンバード。その身はゴロゴロと砂上で転がり、辿り着いたのはボロボロのテグサーチームを前に深く屈んで襲い掛からんとするガウスピードの足元であった。

 

「おい、どうしたよバーンバード?手を貸してやろうか?」

 

「そうだな…やはり、面白い相手は皆で協力するに限る。そうだな、デッドフィン?」

 

テグサー1はバーンバードの話を聞いて、ラントムチームの方を見た。そこでは、僅かに傷がついただけでラントムチームに執拗な暴力を加えているデッドフィンの姿があった。

 

「おうっ!!こんな雑魚を相手した所でなんにもならんわっ!!今、そっち行く!!」

 

デッドフィンは手に掴んでいたキャノン・ダイザーを乱雑に投げ飛ばすと、テグサー1の元へと跳んだ。そして、強靭な腕のヒレでウィングパーツを切りつけた。

 

「ぐわっ!!」

 

強烈な一撃に、ウィングパーツの翼はもがれてしまう。

 

「まだまだっ!!」

 

今度はガウスピードの鋭利な爪がテグサー1のヘルメットを切り裂く。

 

「ぐっ!!」

 

幸い、僅かに傷つくだけであったが内部のトウマにはかなりの衝撃が走った。視界が、ぐらりと歪む。

 

「トドメだっ!!」

 

間髪入れずに入る、バーンバードの強烈な蹴り。熱と力によってテグサー1の装甲に足の跡が焼きつき、吹き飛ぶ。

 

「ぐぅああああっ!!」

 

その先にいたのは他のテグサーマン。そして、ラントムチームが集まっている場所であった。

 

「と、トウマ大丈夫!?」

 

テグサー1は傍にいたテグサー2によって抱き起こされた。しかし彼は深いダメージによって上手く起き上がれないのが現状であった。

 

「クックック、どうやらお前達テグサーマン達もここまでのようだな…」

 

人間達の無力さを嘲笑うバーンバード。

 

「そもそも、我々新生命体、ジン・ガイア帝国に逆らうのが間違いなのだ、旧文明の人類達よ?貴様らは我々に淘汰される運命にあるのだからな」

 

「さて、トドメを刺し、この世界を蹂躙させて貰おうか?もう二度と、人類に希望をもたらさんとする為になぁ~?」

 

ゆっくりと迫るバーンバードと幹部級二名。テグサー1達は彼らに対して立ち向かおうとしても蠢くしか出来なかった。

 

「ぐ、畜生…!!俺達も、皆もこれまでだって言うのかよ…!!」

 

悔やむテグサー1。それでも幹部級は容赦なく迫る。タイムリミットは刻々と近付こうとしていた。

 

15-2

 

「ど、どうすればいいんだ…どうすれば!?」

 

コンサートは今か今と待ち構えるステージの前で、飛田は必死でキーボードを叩いていた。その様子を、後ろのクラスメイトは心配そうに見つめていた。

 

「ど、どうしよう?もしかしたら、こっちにも来るんじゃ…」

 

「いやぁ…怖いよぉ…」

 

「兎に角、今は信じよう。信じるしかないよ…」

 

「い、今の俺達にはそれしか出来ないのか!?」

 

その時、レミーが急に立ち上がった。

 

「そうだ!!皆!!一つだけあるわ!!トウマ達に出来るたった一つの事が!!」

 

レミーが提案する中、テグサー1達には変わらず幹部級三人が差し迫っていた。

 

「ち、畜生…ここまでか!!」

 

テグサー1が諦めかけたその時、通信越しにメロディーが聞こえた。最近聞いたばかり、それなのに印象深く、心に残るあの静かなるイントロが。

 

「な、なんだ…!?これは、GooGooZの曲か!?」

 

そばにいたキャノン・ダイザーは驚愕する。他のメンバーも同じ様なリアクションをした。

 

『寒い夜、希望の扉、明日を開くのはだ~れ~?』

 

驚愕と同時に始まる、GooGooZのリーダー、飛鳥の始まりの歌声。ステージではコンサートが始まり、観客のクラスメイト達とマスコミが聞き、そのすぐ傍でレミーが通信用のマイクをGooGooZに向けていた。

 

『うぉぉぉぉっ!!飛鳥ちゃあああああんっ!!』

 

『玲香さ~ん!!!』

 

『巴ちゃ~ん!!』

 

「あ、あいつら…」

 

静かなイントロは一転して、アップテンポな曲となり、一斉に沸き立つ観客。通信越しでテグサー1がそんな彼らの元気な声を聞いていた。長く続く間奏。飛鳥はマイクを強く握りしめた。

 

『今、テレビでご覧の皆さん!!今この時でも、誰かの為に戦っている人がいます!!私達はそんな方々に直接のお手伝いは出来ませんっ!!でも…それでも、何かは出来る筈ですっ!!だから私達、歌いますっ!!少しでも希望となる為にっ!!皆さんの頑張りの為にっ!!』

 

『聞いて下さいっ!!『大丈夫』』

 

『繰り返され~る~悲しい日々。そんな時、僕達はいつもうつむいていた~。そうしていれば、過ぎる時間、誰かが何とかすると思っていた~』

 

『でも、それでも~、あなたは手を差しのべて僕に言ってくれた~。「君は一人じゃない」って~』

 

『あなたは気付かせてく~れた~。私の頭上にはいつも光があるって事と、すぐそばには絆があるって事を~』

 

『だから私も~、あなたの様に皆と共に歩むってきーめーたー!!』

 

『『uh~fight!!』』

 

GooGooZの澄み切った歌声。クラスメイト達が一斉に叫んだ合いの手。その声をテグサーチームの通信から聞いた幹部級は足をピタリと止める。それと同時に、フィナーレとなるサビが始まった。

 

『輝く青春、明日への扉!!過ぎた悔しさも想いに抱いて、飛び出すよ!!』

 

『『ハイッハイッ!!』』

 

『大丈夫!!君は一人じゃない!!共に進もう希望へと!!』

 

『ah~、未来へ突き進むのは~上を向く君の想いだけ~!!』

 

「な、なんだコレは!?なんだと言うのだ!?」

 

バーンバードは不機嫌そうに足で砂浜を蹴った。

 

「ケッ、こんなモン、まやかしに過ぎねぇよっ!!下らん茶番だっ!!」

 

ガウスピードもまた苛つき、爪を振り回した。

 

「二人共、こんな鬱陶しい物を先にぶっ壊さんか?目の前にいるこいつらなどいつでも倒せるしな」

 

デッドフィンの提案に幹部級二人は頷く。そして、テグサーチーム、ラントムチームの間を通り抜けて歩みを進めた。その時、不意に誰かがデッドフィンの脚を掴んだ。力は微力であったが、デッドフィンと残りの二人は一旦歩みを止めて足元を見た。その手はメデューザの手であった。

 

「き、貴様…!!離せ、離さんか…!!」

 

デッドフィンは一方の足でメデューザを蹴り飛ばす。しかし、メデューザの手は傷つき、ズタズタになろうとも、離す素振りを一切見せなかった。

 

「離さない…!!絶対に離すモンですか…!!あの子達は私達が守るんだから…!!」

 

「そうかそうか、ならば死んで貰おうかっ!!」

 

苛立つデッドフィンは必殺の超音波を放とうと大きく口を開く。メデューザは死を覚悟した。

 

「ぐ、うぅ…」

 

「「「た、隊長!!」」」

 

それは、仲間達も同様であった。

 

だが、その時であった。

 

眩いて煌めく緑の光が彼の視線を邪魔したのは。

 

「な、なんだ…!?」

 

強烈な閃光を浴びながら、幹部級三人は光の出所を見た。そこには、全身が揺らめく程の眩い緑の光で包まれ、力強く立ち上がったテグサーマン四人の姿があった。

 

「こ、この光は…!?もしかして、この地域に住む人々の想いがバイオ・ユニットに集中して…!!」

 

通信越しでその姿を見た飛田もまた驚愕した。こんな装備は搭載していない事はとっくに熟知しているからだ。疑問に思った彼が必死でキーボードを叩き、その頃にはレミーが横から顔を覗かせた。それと同じくして、通信にテグサー3が呟きが入ってきた。

 

『み、見える…』

 

「えっ、なにが見えるんですか、涼さん!?」

 

『皆が見えるんだ…私の道場の門下生が…』

 

テグサー3の装着者、涼は光の中に道場でGooGooZを応援する子供達の姿を見た。

 

『本当だ…私にも見えるよ、必死で一緒に歌うクラスの皆が…』

 

テグサー2の穂乃花もまた、光の中でGooGooZと共に自分達を必死に応援するクラスメイトの姿があった。

 

『あ、ははは…よかった、おばちゃんもおじさんも無事だ…見てくれてるんだ』

 

テグサー4の茜は気掛かりであったバイク屋の二人がテレビを見てくれている事に、光の中で安堵した。

 

『そうだ、俺達は負けてられねぇ。迫ってくる奴に背を向ける事なんて出来ねぇ…それが、コイツを装着したモンの使命だ…!!希望も、明日も全部、俺達が守る…!!』

 

『戦って、戦って、守り抜いて!!それから明日を掴むんだ!!』

 

「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

テグサー1、トウマが光の中で叫ぶと同時に他の三人は雄叫びを上げた。

 

「トウマ!!最後に私達の想い、受け取って!!」

 

「おうっ!!」

 

テグサー2の合図と共に、2、3、4は全身を包み続ける光をテグサー1に放った。その為、テグサー1の光はさらに激しく、燃え上がる。

 

「な、何だあの力は!?お、恐ろしい…!!」

 

眩い閃光にデッドフィンは狼狽えた。その時、彼の横でバーンバードは羽根を広げ、飛び立とうとしていた。

 

「な、なにをしているバーンバード!?ま、まさかお前!?」

 

「嫌な予感がする。俺はここでおさらばさせて貰うぜ」

 

「な、貴様ぁ!!」

 

デッドフィンの憤怒を無視してバーンバードは膝を曲げて羽ばたこうとした。しかし、飛び去る事は出来なかった。いや、正確に言えば足が地から離れる事はなかった。

 

「な、なんだ…!?まさか!?」

 

バーンバードはテグサー1を見た。そこには両腕を突き出し、胸の装甲を開いて撃竜波の構えをするテグサー1の姿があった。

 

「や、奴の力が我々を引き付けているのか…!?止めているのか!?」

 

テグサー1は腕と胸に徐々に力を溜める。そして完成させた。緑に煌めいて輝く、彼と同じサイズ程の、球体の光のエネルギーの塊が。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!行くぞぉぉぉぉぉっ!!」

 

「想・竜・だぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

ズァオッ!!

 

テグサー1はエネルギーの塊『想竜弾』に両の手による正拳突きをし、反動で弾は一直線に突き進む。歪む弾は道中、砂浜の砂を熱で溶かし、減速する事なく幹部級三人へと一直線。一気に纏めて命中させた。

 

「「「う、うわぁぁぁぁっ!!!」」」

 

三人は光の中に消えた。それでも力が有り余る想竜弾は唸る轟音と猛進と共に凄まじい衝撃波を産み、砂を天高く巻き上げ、その先の海を割り、更に奥の無人島の山を抉り、天高く飛び立つと、空で激しく、超広範囲に大爆発。その際に生じた閃光は地上に向けて伸び続け、地上のテグサー1を包み込んだ。

 

「う、うぉっ!!」

 

彼は閃光に目を瞑った。そして、次に目を開いた先にあったのは、広大に広がる宇宙であった。

 

15-3

 

「な、なんだここは…!?今までいた浜はどこだ!?」

 

今までの爆発音、閃光からガラリと変わって、静寂なる宇宙。聞こえる音はテグサー1の駆動音と自身の声、見えるのはポツポツと光る星だけであった。

 

「い、一体俺は…?ん!?」

 

テグサー1は背後から覆い被さる影に気付き、振り向いた。

 

「げぇっ!?」

 

背後にあったのは隕石。それも、所々緑の宝石の様な鉱石を付けた異様で、自身の身長より遥かに巨大な隕石であった。

 

「ぶ、ぶつか…らない!?」

 

テグサー1は間近の隕石が当たる事なく、自分を通り抜けた事に驚きを隠せないでいた。

 

「ど、どうなってんだ!?隕石が俺をすり抜けたのか!?いや違う、俺の体に実体がなくて通り抜けたと言うのか…」

 

「だ、だとしたら…ここは俺達のいる今じゃない…って事か?」

 

テグサー1は隕石が落ちる先を見る。そして、驚愕した。

 

「あの隕石が落ちる先…地球じゃねぇか!?しかも、落下先はどう見ても日本…まさか!?」

 

テグサー1が気付いたその瞬間、彼の視界は光に一気に吸い込まれ、一面の白となった。

 

「ハッ!?ここは…!?」

 

次に視界が開いた時、テグサー1はクレーターの中心にいた。辺りを見回すと、辺りには半壊して燃え上がる高層ビル、寸断された高速道路、横転した自動車が連なっていた。

 

「まさか、隕石が落ちたばかりの街か…!?」

 

テグサー1は思い出した。ここは以前茜やディーンと共に戦った場所でもある隕石の落下地点である事。そして、目の前にある隕石が煙を上げている点から十年前である事を。

 

「い、一体なんだってんだ…!?俺はテグサー1、いや、バイオ・ユニットになにを見せられてんだ!?」

 

『近々に蘇る…十年前の真実が…』

 

「こ、この声は!?」

 

テグサー1は思い出した。二回目に戦った時、自身の脳裏にどこか懐かしい老いた男の声が響いたのを。

 

「だ、誰だ俺に話しかけたのは!?それに、過去のビジョンを見せて、俺になにを伝えてぇんだ!?」

 

間を置いて、謎の声はゆっくりと話し始めた。

 

『目の前にあるのが真実ではない…戦いの世界に、死角に隠された残酷な真実が待っている…』

 

「な、なんだ、なにが言いてぇんだっ!?」

 

『それに気付いた時、お前は絶望する…全ては力が制するのだ…』

 

『そう、宇宙が今までそうしてきたように…』

 

「答えになってねぇぞっ!!その真実を教え…ハッ!?」

 

テグサー1は目の前の隕石が浮き上がったのを見て、言葉を詰まらせた。次の瞬間、隕石は鉱石部分から幾多もの植物の蔓を伸ばし、テグサー1を絡め取った。

 

「ぐああああっ!!」

 

テグサー1は必死にもがく。しかし、蔓はびくともしない。気が付けばテグサー1の周囲は暗闇となり、あるのは隕石と彼、そして周囲で光る二つの閃光であった。

 

「あ、あの光は…!?」

 

テグサー1が疑問に思うと同時に、光は伸びる蔓によって貫かれ、瞬く間に消えた。そして次の瞬間、隕石の上部が割れ、ヒトの上半身となる炎が現れた。炎は口と思わしき箇所でニヤリと笑うと、テグサー1に両腕を伸ばした。

 

「う、うわぁ…バイオ・ユニット…お前はなんなんだ」

 

迫る魔の手に、『トウマ』は戦慄。思い切りのけぞったが、それでも幻想は変わらなかった。

 

「俺に、何を見せたいって言うんだぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『私はTE粒子。宇宙を知る者…そして…』

 

『―トウマッ!!』

 

「はぁ、はぁ、はぁ…?」

 

穂乃花の叫びがトウマを目覚めさせた。彼が気が付くと、彼自身は既に変身を解除、目の前にいるのは同じく変身を解除した仲間、静かなる砂浜。そして、彼の頭は同じく変身を解除した穂乃花の膝枕の上にいた。

 

「あ、あれ…?俺は一体…?一体どうなったんだ、あの隕石?」

 

「なに言ってんのトウマ!?あの幹部級倒した後に倒れて、十分も意識がなかったんだよ!!」

 

「そ、そうだったのか…」

 

穂乃花の話を聞いて、トウマは起き上がった。穂乃花を見ると、彼女は涙ぐんでいた。

 

「よかった…もしこのままトウマが起き上がらなかったらってそう思ったら…」

 

「あぁ~悪かった、次は倒れない様にするぜ。ところで、皆無事みたいだな」

 

トウマは自身を囲っている仲間達を見た。彼らの表情は疲れもあったが、それよりも安堵の表情を浮かべている…といった様子であった。

 

『トウマさん、大丈夫ですか?病院とか行った方がいいんじゃ…』

 

手元のテグサロイドから、トウマに向けて飛田が通信を送った。

 

「い、いや大丈夫だ。それより、最後に放った技。あれはなんだか分かるか?」

 

『う~ん、バイオ・ユニットは人々の想いの強さからテグサーマンを強化するのですが、まさか、あれ程の出力が出るとは…なにしろ、後ろにあった、残ったオオヤドカリヤン達の死体も焼き尽くし、砂浜をも消し飛ばす程でしたから…』

 

「えっ、そうだったのか…そうだ飛田、俺、バイオ・ユニットの力らしきモンで変なの見たぜ」

 

『変なの?』

 

「ああ、なんか十年前の隕石の騒動の映像でさ、そこから変な化け物が…」

 

『そんな事より、トウマ!!皆!!よくやった、マジで!!』

 

トウマの話を遮って、突如樋田が飛田の横から割り込み、顔を覗かせた。

 

「おう、樋田か。そっちは大盛り上がりだったみたいだな」

 

『あぁ、今テレビ局じゃ感謝と元気を貰ったってメッセージで溢れかえっているそうだ!!そこでさ、皆と教室で打ち上げやらないか!?お菓子とか用意してるからさっ!!』

 

「教室で打ち上げって…いいのかよ、勝手にそんなコトして?」

 

『大丈夫、後から来た先生から許可が出たからさっ!!残念ながらGooGooZは帰ったけど、俺達で騒ごうぜっ!!』

 

「まぁ、俺達はいいかも知れないけど、ウチの奴がなんと言うか…」

 

トウマは画面から目を離して涼の顔色を伺った。視線の先では腕を組みながらサムズアップする彼女の姿があった。

 

「いいってよ。それじゃ今行くわ」

 

『オッケー!!それじゃ、待ってるぜ!!』

 

通話は終わった。すると、ディーンが近寄った。

 

「それじゃあ、俺はここで失礼するよ、もう少し人間の行く末が見たいからね」

 

「ああ…あっ、ていうかお前衣食住はあれからどうしてんだ?」

 

「大丈夫さ、こっちはサバイバル経験者だから山の物とか食べて生きている。人の物盗ったら泥棒だしね」

 

そう言いながらディーンは背を向けた。だが、その行く手を阻む者がいた。モーラであった。

 

「待ってディーン。行く当てがないなら私の元職場に保護されない?三食出すわよ」

 

「え、GRNに?いいのかい?」

 

「いいわよ。あなたみたいなのが下手にうろついたら騒動になりかねないし、もしこの戦いが終わった際にお互い平和を願う者がいるっていう証明が欲しいのよ。そうすれば無駄な争いをしなくていいし…少々窮屈な生活になるけど、いいかしら?」

 

「そういう事ならこちらとしても助かるよ。ただ、帝国の情報は持ってないよ。外に出ずっぱりだったんだから」

 

「別に期待してないわ。それじゃあね重工の皆。これからも強く生きてよ?じゃディーン、行こうかしら」

 

ディーンはモーラに連れられ砂浜を後にする。少しの静寂の後、涼が口を開いた。

 

「トウマ、私と社長もここで失礼する。本家社長に報告したいからな。後は高校生だけで楽しみな」

 

「了解だ。よし、それじゃあ俺達も行くか!!」

 

15-4

 

トウマ達高校生組がラントムチームと涼、そしてレミー、ディーンと別れ、高校に着いた頃には外は既に漆黒の闇夜に包まれていた。

 

「「「かんぱーいっ!!」」」

 

そんな中でも、陽観高校の教室の光は灯り続けている。トウマのクラスメイト達は蛍光灯の下で、ジュースがなみなみと注がれた紙コップでお互いの健闘を讃え合った。

 

「やれやれ、こりゃあ明日にも校長にどやされるな…まっ、楽しそうな顔見れたからいいか…」

 

クラスメイトから少し離れた場所で、担任は愚痴を溢す。しかし、その顔はどこか嬉しそうであった。

 

「…ぷはーっ!!それしても、本当にありがとうよ、お前らのお陰で希望を失わずに済んだぜっ!!」

 

ジュースを一気に飲み干した樋田はトウマ達を褒めちぎる。

 

「うんう~ん!!今の穂乃花達はマジヤバだよ~!!あ~私もテグサーマンになろっかなぁ~!!」

 

樋田の横で、クラスメイトの桃子はツインテールを振り乱して羨望の眼で穂乃花を見る。

 

「あはは…涼さんに言っておくよ…」

 

桃子のハイテンションに、流石の穂乃花でもタジタジ。その場にいない涼に全てを託した。一方、その背後でゴリ山と茜は二人きりで対面していた。

 

「お、おう…流石は俺を一発で倒したキックの持ち主だぜ。さ、流石だったよ、うん…」

 

「あはは、なにビビってんの?折角の打ち上げなんだから楽しもう?」

 

「あ、あ、おう!!そうだな!!」

 

茜に明るく振る舞われたゴリ山は調子を取り戻し、すぐそばにあったペットボトルのジュースを一気飲みした。

 

「おお~すごいじゃん!!」

 

「へへ…どんなモンでい!!」

 

茜に褒められたゴリ山はドヤ顔で応えた。

 

「それにしても皆、よく頑張ったよな!!やっぱり俺達は一丸となればどんな困難にも打ち勝てるんだ!!」

 

「ありがとよ、トウマ!!それと飛田!!今まで喋った事ないけどお前、結構すごい奴だったんだなっ!!」

 

「へ?いや、それほどでも…えへへ」

 

樋田に褒められた飛田は、まんざらでもなかった。

 

「それ、その中核となったテグサーマンを胴上げだーっ!!まずはトウマからっ!!」

 

続く樋田の指示で男女問わずクラスメイト達は一斉にトウマに群がった。

 

「おい、おいおい、よせよっ!!」

 

照れくさいトウマは逃げるように後ろに引き下がった。すると、彼の背中に誰かがぶつかった。見ると、静かに苛立つ甲斐田の姿があった。

 

「あ、あぁ、悪い悪い。怪我なかったか?」

 

甲斐田の返事はない。

 

「そ、そんなに怒らんでも…そりゃぶつかったのは悪かったけどさ…」

 

「あ、そうだっ!!今回の設営、お疲れさんっ!!色々お前も大変だったと思うけど、お互いよく頑張ったよな…」

 

「…黙れ」

 

ようやく口を開いた甲斐田の一言にトウマは思わず聞き返す。

 

「え?」

 

クラスメイト達は一瞬にして静まり返った。

 

「全く、君達にはガッカリだよ。十何年、なにを思って生きてきたんだ?」

 

「大体、歌なんて質のない物になんの価値があるというんだ?歌えば、腹が膨れるのか、それとも明日にでも帝国に勝てるという見込みはあるのか?今回は退けたが、それがなかったら、単なる自己満足にしか過ぎないんじゃないか?現実から目を逸らしてるだけじゃないか?明確な解決策がないよ、解決策が」

 

「そ、そんな事は…ないんじゃないか?あの歌で元気を貰えたってメッセージが来たって聞いたぞ」

 

トウマは否定した。自身に対してではないのは分かっているが、背中に、クラスメイトの冷ややかな視線が刺さる。それでも、甲斐田は話を止めない。

 

「そんなの、なんとでも言える。例え批判ばかりが圧倒的だろうと、一報だけそれがあれば、それだけを言って皆が言ったと言えばいいんだから」

 

「皆、冷静に物事を考えたらどうだ?この十年に渡る戦い、そもそも一体なにが原因かって…確か攻めて来た直前、あるニュースが…」

 

「手前ぇ、いい加減にしやがれ!!」

 

激怒した樋田がトウマを押しのけ、甲斐田の襟首を掴んで持ち上げた。

 

「自己満足でなにが悪いっ!!もしそうだとしても、失敗しても、少しでも動かなくちゃ始まらないだろうがっ!!元気になれないだろうがっ!!」

 

「フッ…」

 

「な、なにが可笑しい!?」

 

甲斐田に嘲笑された樋田は襟首を振った。それでも甲斐田のにやけ顔は変わる事はない。

 

「正に力に操られている、って感じだね…それじゃ、あの子達、GooGooZと同じだ。夢だの希望だの、そんなのを餌に正に傀儡のように権力に操られ、それを見た者達は同じ様に希望なんて質のない物にすがって現実から逃げ、考えもせずに出来もしない事を一致団結して立ち向かう、なんて言うんだ」

 

「いいかい、希望だの意志だの、そんなのは現実から目を逸らさせ、隠蔽する物にしか過ぎないんだ。つまり、こんな青春の思い出なんてのは全くの無駄なんだ。力こそがこの世界で生きる術なんだ。断言しよう、君達を守ったテグサーマンは間もなく負ける。それも、敵の攻撃などではなく…」

 

「この野郎ぉっ!!」

 

逆上した樋田は甲斐田の方を殴り飛ばした。その衝撃で甲斐田は背後の机に激突、周囲の女子生徒は「きゃあっ!!」と悲鳴を上げた。

 

「樋田ッ!!」

 

「やめんか樋田ッ!!高校生にもなって暴力に頼るなっ!!」

 

トウマは慌てて樋田を羽交い締めにし、担任は彼の行いを窘めた。それでも樋田の怒りは収まらず、今にももう一発キメないとと言わんばかりに興奮していた。

 

「甲斐田ぁ、手前ぇに他人のなにがわかんだ…!!ブツブツと教室の隅で陰湿している手前ぇに…!!」

 

「フン…一人だから落ち着いて理解する現実もあるんだ…ダチとつるんで未来があるなんて傷の舐めあいしている、お、お前なんかに…」

 

「こ、この世界の事なんてわかりゃあ、しないんだぁっ!!」

 

上擦った声で叫びながら、甲斐田は教室を飛び出し、暗がりの廊下へと消え去った。彼に残され、がらりと変わって静まる教室。その時、桃子がいの一番に声を張り上げた。

 

「なんなのアイツ…!!折角の気分が台無しなんですけど~!!第一、GooGooZは『物凄い勢いで行く』って意味で付けられたのに、それをくぐつだなんて…」

 

「ま、まぁまぁ…それより、折角の打ち上げなんだし、盛り上がって行きましょう!?さ、仕切り直し仕切り直し!!」

 

率先して桃子に続いたのは飛田。その様子に、トウマは少々驚いていた。

 

「お前、珍しく仕切るじゃあねぇか…GooGooZの事言われても怒らなかったし…」

 

「へ!?あっ、そういえば…まぁ皆さんの勢いに負けたから…ですかねぇ!?」

 

「いや、知らんがな…」

 

トウマと飛田の背後では、クラスメイトが仕切り直して騒いでいた。これまでの怒り、悲しみ、苦労を忘れるように。そんな中、飛田は一人心の隅で考えていた。

 

(甲斐田君が言った意味、どういう意味なんだろう…それに、テグサー1のあのパワー…お父さんは一体何故バイオ・ユニットを造ったんだろうか…)と。

 

しかし、飛田は、その考えを後回しにした。一時の平和を享受しようと、騒ぐクラスメイトの中に飛び込んで。

 




皆さんどうも!!

三話連続で進んだストーリー、如何だったでしょうか?

今回は、ハイライトと共に失礼致します!!


【挿絵表示】


ここまでご覧頂き誠にありがとうございました!!
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