最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第十四話

「ねぇ・・・フロイト」

 

「なんだ」

 

「フロイトはその・・・専用機を貰ってない・・・の?」

 

その日の放課後、簪はふと気になったことを口にする。

それはフロイトが専用機ではなく、量産機体のラファール・リヴァイヴを使い続けていることだった。

二番目とはいえフロイトも男性操縦者。何処からの企業から是非作らせて欲しいとオファーが一つや二つある筈。

それなのにフロイトは専用機ではなく、未だに量産機を使い続けている。それが気になったのだ。

そんな気まぐれな簪の質問に対し、フロイトは画面に視線を向けた状態で答えた。

 

「オファー自体は確かにあったな。だがどこの企業も俺が望んだ機体を作れそうにないって言われてコイツを使い続けているだけだ。組み換えられるならそうしたいが、千冬からは学校の備品を武器以外で弄るなと言われている。理由はそんなものだ」

 

勝手に弄ったら取り上げられるしなとボヤくフロイトに簪は聞き返す。

 

「フロイトは・・・どんな機体が欲しいの?」

 

「全身のパーツや内装を他の会社の機体でも共用出来る汎用性とドローン兵器。後は大型の拡張領域って所か」

 

「・・・それは・・・無理」

 

フロイトの望む機体を聞いて簪は頬を引きつらせた。

それは確かに無理難題だ。ビット兵器などイギリスが最近になって開発した兵装であるし、全身のパーツを他会社の機体と共用出来る汎用性となると、他会社と協力せざるを得なくなる。

それはもうISを貰って簪のように作った方が早いというものだ。

 

「お前もそう言うか。だからまあ、使いやすいラファールを使っているんだが・・・もの足りなくてな。デュノア社の連中とのコネがあれば設計は俺がしてあとの製作は任せられるんだが」

 

第三世代相当の機体の設計図を作ると言ったフロイトだが、世界を股にかけた大企業アーキバスでもこの男は手に余りすぎて放し飼い状態にされていたくらいだ。

もし、フランス政府やデュノア社がもしフロイトを抱え込んだとしても、どのみち飼いきれないだろう。

というかフランス政府とデュノア社の胃に穴が開く。

 

「もし、そうならなかったらあの噂を頼るしかないが」

 

「・・・噂?」

 

首を傾げる簪にフロイトは答えた。

 

「ああ。俺の知り合いにジャンク屋のリーダーがいてな。確か・・・ジャンカー・コヨーテスだったな。そこのリーダーをやっている知り合いが亡国機業って所から技術と金とIS一機を持ち逃げしたって噂だ。本当かどうかは知らんが」

 

ソイツは男だしなと答えるフロイトに対し、簪は言う。

 

「・・・・それを信じてやるならデュノア社にオファーした方がいいと思う」

 

「・・・・そうか」

 

残念そうな顔をするフロイトだが、もしその話が本当なら国際問題である。

コヨーテス。どこかで聞いたことあるような・・・と首を傾げる簪であった。

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