最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第三話

カタパルトからフロイトが操るラファール・リヴァイヴがアリーナの空へと飛翔する。

今日、初めてISに乗ったと思えないその軽快な動きに、真耶は驚いたような表情を作る。

 

「あの・・・ヴェスパー君って今日、初めてISを操縦するんですよね?織斑先生?」

 

『その筈だが・・・まるで最初から乗ったことのあるような動きをするな。それに動きに無駄がない』

 

フロイトが動かすラファール・リヴァイヴの動きはおよそ初めてISに乗った動きではない。

凄いですよね・・・ヴェスパー君と呟く真耶に対し、千冬はフロイトを警戒する。

そんな彼女等にフロイトから通信が入った。

 

『お前が今回の相手か。ISでやり合うのは初めてだ。退屈させてくれるなよ』

 

『山田先生はああ見えて元代表候補生だからな。たとえお前がどれだけの実力があろうがすぐ負ける』

 

『ほう?それなら楽しませてもらおうか』

 

「い、行きます!」

 

言葉こそ会ったばかりの彼女だが、その目は鋭く冷静なものだ。その切り替えにフロイトは笑った。

先に動いたのはフロイトだった。真耶に目掛けてブーストと急上昇により真耶の上を取ったフロイトは、肩に担いだように装備されたグレネードランチャーを真耶に目掛けて発射する。

 

「───ッ!?」

 

そのあまりにも急な先制攻撃に真耶は少しだけ反応が遅れ、直撃こそ免れたものの、爆風は彼女を襲う。

その攻撃を回避した山田先生の真後ろをグレネードランチャーの爆風で作った煙幕を利用したフロイトは手にしたアサルトライフルの照準を山田先生へと向け、その引き金を引く。

ドンッドンッ!と火薬の音がアリーナ全体に響かせ、その弾丸は的確に山田先生が操るラファール・リヴァイヴに当てていく。

 

「はっ!」

 

急な先制攻撃に油断をしていたとはいえ、山田真耶も元代表候補生。すぐにフロイトに向けてアサルトライフルの引き金を引いた。

 

「思ったより反応が速いな。流石は元代表候補生か。期待出来る」

 

そう言って左手に装備されたブレードで山田先生を片付けようとフロイトは一気にブーストをかけた。

 

近接戦を仕掛けようとするフロイトに対し、真耶は手にしたアサルトライフルから即座に別の銃器を展開する。

 武装の高速展開───俗に言うラピッドスイッチを行いながら彼女はフロイトに照準を行おうとする。だが、視界に投影されたレティクルを合わせようとしても、目標であるその機体は既にその場にはいなかった。

 

「どこにっ」

 

 センサーの警告音が鳴ると同時に、横殴りの衝撃が再び身体を貫いた。

 今度は吹き飛ばされながらも、しっかりとグレネードを構えたフロイトの姿を彼女は捉えていた。

 

「───イグニッションブースト?」

 

呆然と真耶は呟く。

それに手にしていたブレードからいつの間にかグレネードに切り替わっている。まさか───ラピッドスイッチまで?

初心者が乗ってすぐ出来る動きではない。

そんなフロイトの出鱈目さに驚愕で呆然とする真耶の耳にフロイトの声が聞こえてきた。

 

「実力だけでいえばメーテルリンク程度か。期待外れだったな」

 

そう呟いたフロイトは真耶に向けてその引き金をもう一度引いた。

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