最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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ガンダムSEEDの映画を見に行って内心、大爆笑していた作者です。

ありゃ笑うわ!フリーダム過ぎるわ!!笑


第三十四話

キーンコーンカーンコーンと授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。そんな中、簪はチャイムが鳴り終わると同時、机に突っ伏した。

 

(・・・全く授業の内容が頭に入らなかった)

 

今日の簪はフロイトとシャルルのことが気になり過ぎて授業に全く集中出来なかったのである。

 

(フロイト、今日は来るかな)

 

放課後。それは簪とフロイトの時間である。

簪にとっての楽しみの一つだ。

簪は鞄の中に必要最低限の荷物だけを入れ、そのまま第一格納庫へと足を進める。

そして格納庫の入口扉を開けると、いつもの場所にフロイトがいた。

 

「よう」

 

「お、おまたせ」

 

簪はそう言ってフロイトがいる打鉄弐式の前へと腰を下ろし、開かれたモニターへと視線を向ける。

今の弐式はジェネレーターのエネルギー供給率が武器の方まで回っていない状態だ。

無理にジェネレーターを変更させたせいで細かい調整をしなければ武器が碌に使えないのだ。機体の起動と動作は出来ていたので動かすことだけは出来る。

そんな状態の中フロイトが伸びをする。随分と前からここにいたらしい。

 

「なかなかうまくいかんな。出力自体は問題ないくらいにあがったが、どうも供給効率の伸びが悪い。またパーツを買い足すか」

 

パーツを買い足すというその言葉を千冬が聞けばキレ散らかすだろう。

欠伸をするフロイトの横で簪はここにはいない千冬に心の中で合掌する。

そして互いに弐式のモニターとにらめっこをしていたが、どうしても供給率の伸びが安定せず手詰まりになっていた。

そんな状態であっという間に時間が過ぎていき、時計の針が六時になろうとした所で───

 

「・・・今日は止めだ」

 

「えっ?」

 

突如、フロイトがそう言って簪は困惑した。

いつもなら八時までやることが多い中、六時というかなり早いタイミングでフロイトから切り上げの言葉を聞くとは思いもしなかった。

そんなフロイトに簪は言う。

 

「今日は調子悪いの?」

 

「いや、調子は関係ない」

 

フロイトはそう言いながら立ち上がる。そして首を回しながら言った。

 

「今日は部屋に同居人が来る。千冬には今日くらいは部屋にいろと言われてな。それでだ」

 

「同居人?それって───」

 

「ああ。シャルルだ」

 

アイツか。

フロイトのその言葉に簪は一瞬、朝のことが脳裏に浮かんだ。

そしてそんな簪を見ていないのか、フロイトは道具を一箇所に纏めながら口を聞く。

 

「しかしまあ、千冬の奴は中々面白いことをする。”デュノア社のスパイかもしれないヤツを俺の下に置くとはな”。いや、スパイだと分かっていてやったと言うのが正しいか。弟だとどうしても甘くなるから俺にあの”女“を任せたと言った所か」

 

その瞬間───

 

ピシッ───と、簪の頭からヒビ割れた音が聞こえた。

デュノア社のスパイだとかなんかヤバイ単語がきこえてきたが、簪が反応を示したのはそこではない。

 

「・・・おん、な?」

 

そう。シャルル・デュノアが女の子だということにだ。

様子がおかしい簪に対し、フロイトは表情一つ変えることなく話を続ける。

 

「ああ。シャルル・デュノアは女だ。仕草こそ男っぽくしているが、歩き方や体幹は女のソレだ。それに女っぽい男は見たことあるが、同年代であんなに華奢じゃない」

 

フロイトのそんな説明が簪の頭の中を右から左へと抜けていく。

そしてその話を聞くたびにピシッ、ピシッ、とヒビ割れるような音が簪の脳内に響き渡っていった。

 

「まあそんな訳だ。今日は帰る。またな」

 

そう言ってさっさと帰っていったフロイト。

そして残された簪は───

 

「・・・・・・・・」

 

フリーズしていた。

そして再び再起動した時、この場にいない千冬に向けて呪詛のように呟いたと言う。

 

織斑千冬───許すまじ───と

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