最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第三十五話

フロイトが戻ると、部屋にはシャルルがいた。どうやら少し前に戻ってきたらしい。

 

「えっと・・・よろしく、フロイト」

 

「ああ」

 

シャルルと同室となったフロイトは互いに短く挨拶をすると、フロイトは鞄を机の上へと投げ捨て、椅子に座った。

 

「晩飯は食べたのか?」

 

「ううん、まだ。少し前まで質問攻めにあってたから食べてないよ」

 

「そうか。なら、風呂に入ってから飯を食べに行こう。今なら食堂も開いている」

 

「うん、分かった」 

 

そう言ってシャルルは準備をし始める。そしてフロイトは自分が使う“ラファール・リヴァイヴ”を机の上に置く。

そしてフロイトはシャルルを見た。

 

「そう言えば風呂はどうする?先に入るか?俺はどっちでも構わんが」

 

「あ、僕は後でいいよ。フロイトが先に使って。だってさっきまで格納庫に行っていたんでしょ?」

 

「わかった。なら、先に使わせてもらう」

 

「うん」

 

そしてにこっと笑顔を見せる。

だがフロイトは気にすることなく、そのままバスルームへと入っていった。

フロイトがバスルームに入っていったのと同時───シャルルは机の上に置かれたフロイトのIS───ラファール・リヴァイヴに目を向ける。

 

「・・・・・」

 

授業の訓練で見たフロイトのラファールの動き。

恐らく内部を相当弄っている筈だ。

十分もあればデータは抜ける。が、少々後ろめたい気持ちくらいにはなる。

 

「はぁ・・・」

 

嫌だなぁとシャルルは思う。

この後、織斑一夏の白式のデータも盗らないといけない。

後ろめたい気持ちでシャルルはフロイトのISからデータを取ろうとしたその時───。

 

「なに溜め息をついているんだ。データを取るなら早く取ればいいだろう」

 

「・・・・ッ!?」

 

後ろからのその声にシャルルは勢いよく振り向いた。

そう。そこにいたのは先ほどバスルームに入っていったフロイトだった。

 

「い、いつからそこに?」

 

「お前が溜め息をついていた所からだ」

 

「さ、最初から・・・」

 

フロイトのその言葉にシャルルは顔を引き攣らせた。

そしてそんなシャルルにフロイトは言った。

 

「ああ。あと、お前が”女“だということもな」

 

「・・・・ッ!」

 

フロイトのその言葉にシャルルは身体を強張らせた。

そしてそんなシャルルにフロイトは笑みを浮かべる。

 

「おいおい、そんな分かりやすい反応をするなよ。それに俺はお前が女だっていうことを言うわけがないだろう?」

 

「・・・えっ?」

 

困惑するシャルル。

そしてそんな彼女にフロイトは提案した。

 

「お前がデュノア社からのスパイだということは知っている。デュノア社が経営危機だということもな。───だからお前、俺をデュノア社のテストパイロットにしてみないか?」

 

その提案はシャルルにとって極上の提案であった。

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