「かんちゃんかんちゃん、なんか嫌なことでもあった〜?」
「えっ?」
簪は本音にそう言われて困惑する。
そんな反応をする簪に本音は言った。
「いや〜、かんちゃんの顔にそう書いてあってさぁ〜。嫌なことがあったのかなって〜」
「・・・そんなに私、分かりやすい?」
「うんうん、わかりやすいですなぁ〜」
うんうんと頷く本音に簪はカァと、顔を赤くする。
「それでかんちゃんは何があったんですかなー?またフーくんと絡みですかなー?」
「・・・うん。ちょっとだけ」
そう言って顔を暗くする簪。
そしてそんな簪に本音は言う。
「なら食堂でご飯食べながら聞くねー」
「・・・ありがと、本音」
昔からの付き合いである本音に少しだけ気が楽になる簪。
そして久しぶりに本音と食堂へと向かう。今日は本音にフロイトに対しての愚痴を聞いてもらおう。
そう思いながら簪は食堂へと向かったのだが───
◇◇◇◇
「おう珍しいな簪。お前が食堂に来るとは思わなかった」
「こんばんは」
「・・・・・・・」
いつもフロイトと一緒に座っている自分の席にシャルル・デュノアがフロイトと楽しく晩ごはんをしているのを見るまでは。
ビキビキビキッ!と、簪の脳内から音が聞こえてくる。
なんで私の場所に貴女がいるの?と詰め寄りたくなるが、簪はすんでのところで飲み込んだ。
ぷるぷると震える簪に対し、フロイトは近くの席の椅子を隣に引っ張り出して言う。
「今から飯にするんだろ?なら、こっちに座れよ」
隣に置いた椅子を叩くフロイトに対し、簪は───
「うん」
即答だった。寸分の間もない即答だった。
そして簪はフロイトの隣に置かれた椅子へと腰を下ろし、日替りセットが並べられたお盆を机の上に置く。。
「なら、私の分も持ってくるねー」
そんな簪に対し、本音も近くの椅子を持ってきてシャルルの横へ座る。
(かんちゃんは分かりやすいなー)
フロイトの隣に座れてポヤポヤとした雰囲気になる簪を見て、本音はよかったねーと内心で呟く。
と、そんな幸せですと言わんばかりの雰囲気の簪の視界内に一夏達の姿が映った───のだが、どうも様子がおかしい。
そんな簪に本音は言った。
「かんちゃん、どうしたのー?」
「・・・あれ」
彼女の指を指す方へフロイトを含めた三人がそちらへと顔を向ける。
そこにはなんか修羅場ってる一夏達がいた。
というかアレの顔、青くなってない?
一夏をアレ扱いする簪は一夏の周りを見る。
篠ノ之箒にセシリア・オルコット。そして凰鈴音。
どうやら彼女達が作ったお弁当を食べていたようだ。一夏の手にサンドイッチが握られていたのだが・・・美味しそうなサンドイッチを食べたであろう一夏の顔がどうして青くなるのか分からない。
そんな一夏達を見てシャルルは困惑し、本音はあれー?と呟いていた。そしてフロイトに関しては爆笑している。
「な、なんか・・・すごいことになってるね?」
「おりむー大丈夫かなー?」
「やっぱり面白いな。アイツは」
「・・・趣味悪いよ、フロイト」
そう言って簪はご飯を頬張るのだった。
うん、おいしい。