最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第六話

「・・・ほう?」

 

セシリアの決闘宣言にフロイトは嬉しそうに笑う。

いい加減シミュレーターも楽しめるような強い奴がいなくて飽きてきたのだ。

やはり戦闘は本人とのやり合いに限る。

 

「それで何時やる?いい加減シミュレーターも飽きてきたんだ。シミュレーターのお前はその辺の雑魚と一緒だったが・・・本人ならどうだろうな?」

 

そんなフロイトの態度がセシリアの逆鱗に触れた。

 

「言ってくれますわね!もし貴方が負けたらわたくしの小間使い───いえ、奴隷にしますわよ!」

 

「面白い事を言うじゃないか。いいね。そうでないとやり甲斐がない」

 

流れとはいえ勝負をすることになったフロイトとセシリアに千冬はやはりこうなったかと額を押さえる。

だがそんな千冬の心情を知ってか知らずか・・・フロイトは一夏を見た。

 

「おい。そこのお前」

 

「えっ?・・・お、俺?」

 

「丁度良いお前も出ろよ。その方が面白い」

 

「は、はぁ!?なんだよそれ!?」

 

セシリアとフロイトとの決闘に弟の一夏も巻きこまれた。

 

「と、言うわけだ。真耶。後は任せる」

 

「・・・え?・・・えぇっ!?」

 

しかも面倒事を全て山田先生に丸投げした。

 

「予想より問題児だぞ・・・これは・・・」

 

千冬はフロイトのやることに大きなため息をついた。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

放課後

 

「ヴェスパー君とんでもない子ですね・・・」

 

「束でもあそこまで身勝手・・・ではあるが流石にあの問題児の相手は疲れる・・・」

 

学校の初日からとんでもないことをしでかしたフロイトに二人はため息をついた。

確かに前の学校でも問題児扱いされていたことがわかる。

 

「でも・・・成績は優秀なんですよね」

 

「ああ。恐らくはその成績で他の先生達を黙らせていたんだろう。その辺りは昔の束を見ているみたいだ・・・」

 

『天才』には問題児しかいないのかとついボヤキたくなるが、そんな二人の前をフロイトが通った。

 

「あれ?ヴェスパー君?」

 

真耶がフロイトに声をかけるが、真耶の声が聞こえていないのかそのまま通り過ぎていく。

フロイトが向かう場所。それは方角的に───

 

「アリーナに向かいましたね?」

 

「ああ。恐らくはシミュレーターを使うつもりなのだろうが・・・」

 

こんな門限ギリギリの時間までシミュレーターを使うのかと、フロイトの努力に関心すべきなのかと称賛するべきなのか馬鹿だと言うべきなのか少々反応に困る。

 

「少し覗いて行くか」

 

「・・・そうですね。門限ギリギリですし・・・ヴェスパー君にも言っておかないと」

 

そして二人はアリーナへと向かった。

少し歩くとアリーナから光が漏れ出ている。

そして二人は光が漏れ出ている扉を開け、そこで見たのは驚愕しか思い浮かばない光景だった。

フロイトはラファール・リヴァイヴでシミュレーションとはいえ“勝ち抜き戦“をしていた。

五十人の勝ち抜き戦で、フロイトは次々と撃墜数を重ねていく。連戦になる為、集中力が欠いていき最終的には撃墜されることが多い勝ち抜き戦を───フロイトは笑みを浮べながら仮想敵を撃墜していく。

その中にはブルー・ティアーズもあったが、いともたやすく撃墜スコアにされていた。

僅か四十分。門限ギリギリとはいえ、時間内に勝ち抜き戦を終わらせたフロイトは入口近くにいた千冬達に気が付くと、フロイトは二人に声をかけた。

 

「ああ、あんたらか。俺になにか用か?」

 

「・・・門限だ。流石にこれ以上はシミュレーションは使えんぞ」

 

「そうか」

 

そう言ってフロイトはISを装備する。

 

「・・・ヴェスパー。話を聞いていなかったのか?」

 

「別にギリギリまでやっていてもいいんだろう?なら、そうさせてもらう」

 

そう言って再度シミュレーションをプレイしようとするフロイトに声を投げる。

 

「シミュレーションは好きに使っても構わない・・・が、門限は守れ。いいな?」

 

そう言って千冬は身を翻した。

 

「いくぞ。山田先生」

 

「えっ?でも良いんですか?」

 

「ああ。どうせあの馬鹿は話を聞かん。それに門限が過ぎたらアリーナの電源は落ちる。そしたらあの馬鹿も止めるだろう」

 

返事を返さないフロイトを後に二人はアリーナを後にした。

そして千冬は一度、振り返る。

ISに乗るフロイトのその顔はとても楽しそうに笑みを浮かべていた。

 

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