最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第七話

あれから日が過ぎた。

結局、フロイトは千冬が言った門限を守ることは一度もなかった。流石に好き勝手し過ぎたのか、フロイトは決闘の日までシミュレーターの使用禁止を言い渡されてしまい、暇を潰すしかなかったのだが・・・

 

「・・・暇だな」

 

授業が終わったらすぐシミュレーションが毎日だったフロイトに、これほどつまらないものはない。

どうせ部屋に言っても話相手はいないし、暇を潰そうにもISに乗ってからはゲームなどの娯楽もつまらなくなった。

 

「武器パーツでも変えるか」

 

そう呟いてフロイトは格納庫へと向かう。

一応自身の専用機が出来るまでの間、ラファール・リヴァイヴを好きにしていいと言われ、インナーパーツを変えようとしたところ、それは辞めろと止められてしまっている。

無視していたらISを取り上げるとまで言われてしまっているので、フロイトは武器の入れ替えしかできないのだ。

数人程度いる格納庫で適当な場所を占拠し、フロイトは自身のISをいじり始めた。乗るのも楽しいが、こうやって武器やインナーパーツを選ぶのも楽しい。

ACのアセンブルも好きなように組んでは戦い組んでは戦いで、とても楽しかった。

流石にスネイルのネチネチとした小言は五月蝿かったが。

あれやこれやとフロイトが満足するまで弄っていたら、何時の間にか夜の八時頃になっていた。

 

「もうこんな時間か」

 

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。

門限もとっくの前に過ぎてしまったし、飯もまだ食べていない。

部屋に帰った所で寝る以外にやることもない。

何処で暇を潰そうかと考えていたフロイトは、ふと格納庫の端に誰かがいるのに気がついた。

 

「・・・ん?」

 

水色の長めの髪の生徒。彼女の前にあるのは、装甲は一部外され細部は違うがおそらく打鉄だろう。

フロイトはそのISが気になり、彼女がいる場所までカツカツと歩み始めた。

カタカタカタカタと、キーボードを素早く打ち続ける音が響く。

彼女は後ろから近づくフロイトに気付くことなく、目の前の画面に意識が釘付けとなっている。

そんな彼女の後ろからフロイトは無遠慮にその画面を見た。

マルチロックオンシステムに大量のミサイル。そして荷電粒子砲による高火力と打鉄の高耐久を生かした遠距離射撃特化機体。

かつてスネイルが鹵獲した封鎖機構のバルテウスと似たような武装にフロイトは面白がるように呟いた。

 

「ほう・・・中々面白いアセンブルじゃないか」

 

「───ッ!?」

 

突然後ろから聞こえたフロイトの声に少女はバッ!と振り返った。

赤い目に眼鏡をかけた少女。

だがフロイトはそんな少女には気にも止めずその設計図データを見て、独り言のように呟く。

 

「打鉄の高出力と高耐久を生かした遠距離射撃機体か。マルチロックオンシステムで複数人に対するミサイルの制圧攻撃は悪くないが、近距離戦に薙刀は弱いな。重量面を気にしないのなら近距離射撃武器のショットガンを持った方がいい。それなら多少離れていても散弾なら近距離でも当たる。後は・・・荷電粒子砲は威力は高いが、オーバーヒートした時に中距離戦がほぼ出来ないだろう。それなら火炎放射器を持て。継続的に相手には圧をかけられるし、視界不良も起こせるから出来るならその方がいい。設計図はそれでいいとしてシステム面は・・・なんだ?マルチロックオンシステムが出来上がっていないのか?それに機体も見る限り、製作も上手くいっていないみたいだな。製作機体にお前の技術が追いついていないのか。このままだと当分完成しないぞ」

 

「・・・・ッ!うるさい!」

 

フロイトの余計な一言に少女が噛みついた。だが、フロイトは少女をチラリと視線を寄越しただけですぐに画面に目を向ける。

 

「おいおい、本当の事を言っただけでムキになるなよ。お前は経験が浅い。機体を作りたいならまずは興味を持て。対抗心だけで作ろうとしても上手く行くわけないだろ」

 

フロイトとてACやISの事を最初から知っていた訳では無い。ACに乗る事が好きだから。もっと乗って強くなりたいから。その派生で技術面にも手を出しただけで興味がなかったらそんなことを覚える必要はない。

AC馬鹿と言われればそれまでだが、何事も興味を持つというのが肝心だろう。

 

「お前の考えたデータは面白い。だから俺にもみせろ」

 

それがフロイトがこの学園で始めて自分から話を持ちかけたファーストコンタクトだった。

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