最強のエンジョイ勢が空を駆る   作:鉄血

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第八話

そして翌週。セシリアとの対決の日がきた。

 

「・・・やっとやり合える」

 

ほぼ一週間。

シミュレーターを禁止されたフロイトは簪という少女と一緒にIS製作をしていたのだが、正直な所、製作するよりも動かす方が何倍も楽しい。

隣ではもう一人の男性操縦者───織斑一夏とISを開発した篠ノ之束の妹・・・名前は誰だったか。

まあ、思い出せないならその程度の人物だろう。

そう切り捨てたフロイトはアリーナの外に視線を向けると同時、三人がいる第三アリーナ・Aピットに誰かが駆け足で入ってきた。

 

「お、織斑くん!織斑くん!」

 

駆け足で入ってきたのは副担任の山田先生だった。

いつもより輪をかけてあわてふためいているが何かあったのだろうか?

興味なさげにフロイトな耳を傾けると、面白い話が聞こえてきた。

 

「そ、そ、それでですねっ!来ました!織斑くんの専用IS!」

 

ほう?アイツに専用機体が来たのか。

 

「織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」

 

しかも本番でモノにしろと?

 

「・・・面白いな」

 

───ああ。これは面白い。

その話を聞いていたフロイトは笑みを浮かべた。

今回のこのやり合いは退屈しそうだったが、専用機がもう一機増えるのは予想外だった。

 

「退屈しないで済みそうだ」

 

初見で戦う奴ほどゾクゾクするものはない。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「なんだ?あの動きは」

 

あんな素人みたいな動きで追い詰められる代表候補生にフロイトは失望した声を上げる。

あんな実力で代表候補生?それなら元代表候補生だった山田真耶の方がいい動きをしていた。

それにドローン兵器の使い方に関しては宝の持ち腐れだ。

先の戦闘を見てやる気をなくしたフロイトはゆっくりと身体を起こす。

先の興奮が嘘みたいに冷めたフロイトはラファール・リヴァイヴを身に着けると、ピット・ゲートへと進む。

そしてゆっくりと身体を浮かせ───

 

───一気に加速した。

 

「───来ましたわね」

 

セシリアが顔を上げる。その顔はあの織斑一夏に見せた顔とは違い、自分を認められないと言った顔をしていた。

 

「逃げずに来ましたのね。てっきり逃げたのかと思いましたわ」

 

挑発するようにフロイトへ向けてそう言うが、フロイトはつまらなそうな顔をしたままだった。

 

「さっさと始めよう。見ていてつまらない相手とやり合いをしても無駄だ」

 

そう吐き捨てたフロイトにセシリアの怒りのボルテージが上がった。

 

「そうですの。それなら───」

 

アラートが鳴る。相手が射撃態勢に入った証拠だ。

だが、そのアラートも今はただ鬱陶しい。

フロイトはそのアラート電源を切ったのと同時───

 

「お別れですわね!」

 

キュインッ!とレーザーの耳をつんざくような独特な音。

その瞬間にはもうフロイトはその場に居なかった。

 

「な───」

 

セシリアがフロイトを見失ったのはほんの一瞬。

だが、セシリアがフロイトを見つけた時は肩につけられたグレネードキャノンが至近距離で発射された瞬間だった。

ドォンッ!!と、爆炎と耳鳴りがするような爆音が響き渡る。

そして動けないセシリアに最大出力のパイルバンカーが炸裂した。

巨大な杭がブルー・ティアーズに直撃し、機体もろともセシリアの身体が勢いよく吹っ飛んでいく。

そして吹っ飛んでいったセシリアに向けてフロイトは──

 

「もう終わりか。本当にたいしたことないな」

 

つまらなさそうにグレネードキャノンの引き金を引いた。

フロイトとセシリアの決闘は一瞬で勝者が決まった。

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