イルミネ、海賊王を目指す。   作:バナハロ

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ワンピースカード、最新パックの抽選が当たりました。弾けます。


応用力こそ最強。

 改めて、ゲームを再開する。

 ワンピースカードの1ターンはざっくり言えば以下の通り。

 1、リフレッシュフェイズ

 2、ドローフェイズ

 3、ドン‼︎フェイズ

 4、メインフェイズ

 5、エンドフェイズ

 の五つだ。

 先行のめぐるはリフレッシュフェイズとドローフェイズがないため、ドン‼︎フェイズからである。

 

「先行1ターン目はドロー出来ないだけじゃなく、ドン‼︎カードも1枚しか補充出来ない」

「普通は2枚なの?」

「そう、2枚」

 

 灯織の質問に頷いて答えている隙に、めぐるは1ドン‼︎を追加。

 改めて、めぐるの手札はカタクリ、フランペ、ゼウス、力餅、タマゴ男爵。めぐるの後ろから手札を覗き込む真央は真剣な顔で説明してくれる。

 

「良いか? 右上の数字分かるな?」

「うん」

「それが、このカード達を召喚するのに必要なドン‼︎カードの枚数だ」

「え、じゃあ……」

 

 カタクリは4、フランペは2、ゼウスは3、力餅は1、タマゴ男爵は4だ。つまり、出せるカードは1枚だけ。

 

「じゃあ、この力餅っていうのを使えば……」

「いや、よーく見てみ。カードを」

 

 言われて、よーくカードを見てみる。その絵では、あまり見覚えのない人が何処かで見たことあるような気がする人を黒い拳で力強く殴り飛ばしている。

 だが、手札の中にカタクリがいることで気が付いた。もしかしてこのカード……。

 

「……あっ、もしかして」

「そう。このカードは……」

「これ殴ってる人カタクリか! じゃあこれカタクリの技カードってこと⁉︎」

「そう! この技は名前の通りとても力が込められた技で、あのドフラミンゴの攻撃を悉く弾いたギア4の防御力を貫通す……って、違ェよ」

 

 途中までノリノリで説明してくれたが、すぐに黙った。まぁまだカタクリが出てくるところまで読んでいないのでほとんど意味が分からなかったが。

 

「文章を読め文章を。カウンターってあるっしょ?」

「うん、ある」

「その効果は敵が攻撃してきた時にしか使えないってことだ。今は発動できない」

「なるほど……そういう、限定的な効果もあるんだ」

「ついでだし、先に説明しておくか……よし、全員注目」

 

 そう言うと、真央は鞄の中からワンピースカードのケースを取り出す。さらにその中から取り出したのはデッキトップにロロノア・ゾロと書かれているリーダーカードがあるデッキ。

 そのデッキを少し捲った後、ゾロのスーパーレアカードを取り出す。

 

「そもそも、相手に攻撃する方法だが、単純だ。右上の四桁の数字、これがパワーなんだが、それ以下のパワーのキャラクターに攻撃すればダメージは通る」

 

 ゾロのパワーは5000。分かりやすいようにめぐるのビッグマムに向けてカードを置き、わざと少し重ねながら説明してくれる。

 

「なるほど……じゃあ、5000同士だから、めぐるちゃんのリンリンさんに攻撃は通るんだ?」

「そういうこと。このままリンリンが攻撃を受ければライフのカードを一枚、手札に取らなければならない」

 

 つまり、負けに一歩近づく、と言うことだろう。このライフが5枚とも全てなくなった上で攻撃を喰らえば敗北してしまうのだから。

 

「で、それを阻止するために使うのが、この『カウンター』の効果を持つカードだ」

 

 そう言いながら、めぐるの手札から力餅のカードを見せる。

 このカードの効果は『【カウンター】自分か相手のライフの上から1枚までを見て、ライフの上か下に置く。その後、自分のリーダーかキャラ1枚までを、このバトル中、パワー+2000』と書かれている。

 

「重要なのは『その後』のあと。パワー+2000ってあんだろ? つまり、ゾロから斬られる前にマムのパワーが2000増えて7000になり、攻撃が通らなくなる。通らなくなるってことは? はい、八宮くん」

「ライフを取らなくて良い?」

「そういうこと」

 

 なるほど……と、めぐるは顎に手を当てる。そんな中、真乃が手を挙げた。

 

「せ、先生っ」

「はい、櫻木くん」

「パワー+2000というのはずっとなんですか」

「良い質問ですね。だが残念ながら、効果をよく読みましょう。『このバトル中』とあります。つまり、このゾロがマムを斬りつけて来る間だけ、と言うことになります」

「ほわ……つまり、一時的ってこと?」

「そういうこと」

 

 パワーに対してはさらにパワーを上げて防ぐ、と言うことだろう。……なんか、その脳筋感がすごくワンピースっぽい気がする。

 

「……ワンピースのカードゲームって感じだね」

「だろ? そこが面白えのよ」

「あ、あのっ、私からも良いですか?」

「はいどうぞ、風野くん」

 

 今度は灯織からの質問だ。力餅のカードを手に取ると、右上のコストの数字を指差す。

 

「ここにコストが書いてあるということは、相手のターン中にドン‼︎カードを消費しないといけない、と言うことですか?」

「そういうことだね。だから、敵からの攻撃に備えて、ドン‼︎カードを使わずに取っておくことも重要になる」

「な、なるほど……」

 

 つまり、100%脳筋ではない。温存と強化、そして攻撃をタイミングを見計らって行う。これが大事ということだ。……なんか難しい気もしてきた。

 

「あの、先生。もう一つ良いですか?」

 

 手を挙げたのは灯織。熱心だ。ワンピースカードゲームを強くなる前に目的を果たしていると言うのに。

 

「はいどうぞ?」

「キャラクターカードにもカウンター+1000ってあるんですが……これはどういう?」

「良いところに気が付きましたね。ハン……か、風間さん1ポイント」

「あの、風野です。あと何のポイント?」

「キャラクターカードのカウンターは便利なことにドン‼︎カードを使わずに攻撃されているキャラクターのパワーを上げられる。さっきのゾロとマムなら、めぐるの手札で言うフランペでパワーを無料で1000上げられる」

「確かに便利ですね」

「でもイベントカード同様、使えばトラッシュに行く。特定のカードの効果を使わない限りトラッシュのカードは戻せないから、ちゃんと選んで使うように」

「なるほど……分かりました」

「脱線したな。そろそろゲームに戻ろう」

 

 そう言って、ゲームに戻る。話を戻すと……要するに力餅は使えないということだろう。

 

「じゃあ私どうしたら良いの? ……あ、リーダーカードにもパワーついてるし、攻撃すれば良いの?」

「先行も後攻も1ターン目は殴れません。早い話、八宮はターンエンドしか出来ない」

「えー⁉︎ ドン‼︎増やして終わり⁉︎」

「終わり。手札消費しなくて良かったじゃん」

「むむむっ……」

 

 納得いかない。何も出来ないのってなんか歯痒い。

 さて、ターンは移り、真乃の番。それに伴い、真央と灯織も移動して真乃の後ろに回った。

 

「まずはドローして。デッキから1枚引く」

「う、うん……!」

「で、ドン‼︎デッキからドン‼︎を2枚追加」

 

 言われるがまま場を揃えた後、真乃は手札の一枚を抜く。

 

「この子出せる?」

「出せる。出す時は今、追加したドン‼︎カードをレスト……あ、横にして、この状態のカードをレストな。レストしてリーダーの前に置く」

「分かった……! じゃあ、ピーちゃん召喚!」

 

 そう言いながら真乃が出したのは、カルーだった。そのセリフを聞いて、横から静かに真央がツッコミを入れる。

 

「なんでもピーちゃん? いや確かに鳥だけどよ」

「攻撃……は出来ないんだよね。エンドしかない?」

「ない」

「じゃあ、エンド」

 

 とのことで、再びめぐるのターン。ドローしてドン‼︎を2枚追加。それにより、真央がこちらに戻って来た。

 引いたカードはフランペ二枚目だった。これで手札はカタクリ、フランペ、ゼウス、力餅、タマゴ男爵、フランぺ、そしてドン‼︎は3枚だ。

 

「……よーし、じゃあ早速……!」

「うん、フランペ出せる」

「フランペー!」

 

 ドン‼︎を2枚レストしてフランペを出した。これで場にはフランペとリーダーのリンリンがいる。

 

「攻撃出来るんだよね?」

「出来る。けどキャラカードを攻撃するには、相手のキャラがレストしてないと攻撃出来ないから、カルーは殴れないよ」

「じゃあ……リーダーだけ?」

「そう。あとキャラカードは基本、出したターンは動かないから、攻撃出来るのはリーダーのマムだけ」

 

 意外と制限あるんだ、と思いつつも、まぁ一人攻撃できるなら十分だ。

 

「よーし、じゃあリンリンで……!」

「あー待った。ドン‼︎カード見てみ。パワー+1000書いてあるでしょ」

「うん」

「これをマムにつければ、パワー+1000で6000で攻撃できるよ。そうなると、相手はカウンターに+2000使わないといけなくなる」

 

 なるほど、と理解。それは良いことを聞いた。早速、マムにドン‼︎カードを1枚つけた。

 

「リンリンでルフィを攻撃!」

「ほわっ……⁉︎ ど、どうしよう……」

 

 少し焦った様子で真乃は灯織を見る。すると、灯織は冷静な口調で肩に手を置いた。

 

「落ち着いて、真乃。今、ドン‼︎一枚残ってるから、このカード使えるんじゃない?」

「あ、そ、そっか……!」

 

 その後、真乃は場のドン‼︎カードを一枚レストにし、手札からカードを出した。

 

「むんっ、毛皮強化っ! ルフィ、パワー+3000」

「えー⁉︎ ち、ちょっと真央!」

「いや俺は案を出しただけでやれとは言ってないし。あと殴ったらマムレストさせて」

「う〜……」

 

 マムを渋々、レストさせる。

 

「……エンド」

「そんなしょんぼりするなよ。もう櫻木は毛皮強化を一枚使えねーんだぞ? 序盤で削れたのはデカいって思っとけ」

「はーい……」

 

 さて、次は真乃のターン。まずはリフレッシュフェイズ。誰もレストはしていないけど、ドン‼︎カードだけレストしているので縦にする。

 その後、ドローしてドン‼︎カードを2枚追加した。これで真乃のドン‼︎は4枚だ。

 真央も真乃の方へ移動して手札を見る。

 

「どうしようかな……」

「好きにやれよ。分からないことあったら教えるから」

「う、うん……ありがと」

 

 言われた真乃は、少し悩むように顎に手を当てる。その後で、リーダーに顔を向けた。

 

「あっ……そうだ、先生」

「次から俺のこと先生ではなくレイリーと呼ぶように」

「はい、レイリー」

「いや、レイリー先生? ……師匠?」

「あの、リーダーのルフィに書いてある『起動メイン』ってなんですか?」

 

 無視して話を進められている。面白いけれど、真乃にツッコミを期待してはダメだろう。

 

「あー、それはメインフェイズに使える効果のことだ」

「メイン……?」

「そう。……あ、言ってなかったな。前のターンで櫻木がカルーを出したタイミングと、さっき八宮がフランペを出してマムにドン‼︎カードをつけて攻撃した時、それをカウンターで防いだ時……全部メインフェイズな。召喚、攻撃、あと効果発動を自由に行える」

「ほわ」

「だから、このルフィの場合は……あー」

 

 リーダーのルフィを手に取って効果を読み始めた。その横から、灯織と真乃も気になって覗き込む

 ……なんか、寂しい。さっきのターンも思ったけど、ちょっと3対1みたいになっているのが嫌だ。

 なので、めぐるも前屈みになって真央の正面からルフィの効果を覗き込む。書いてあることは『【起動メイン】【ターン1回】このリーダーか自分のキャラ1枚にレストのドン!! 1枚までを付与する』とのこと。

 

「レストのドン‼︎がないと意味ないな。つまり……」

「あ、分かった! 誰かを召喚した時のドン‼︎カードが使えるんだ!」

「そういうこと」

 

 答えながら顔をカードから真央に向ける。それに伴い、真央もめぐるの方を見た。

 

「えへへー、正解〜」

「レストされたドン‼︎をパワーアップだけとはいえ再利用できる良い効果だ」

 

 にこにこのめぐるに、真央も何故かニヤリと不敵な笑みを浮かべながら答える。

 それは確かに面白い。つまり、今の自分の時だって、フランペ召喚に使った際の1枚と残りの1枚を併用して使えて、リンリンの攻撃力は+2000された、ということだろう。

 まぁこれはルフィのリーダー効果なので、リーダーを2枚以上編成することはできないから机上の空論ではあるが。

 

「面白いなー」

「こう言うのを利用してコンボを繋げるのがカードゲームの醍醐味よ」

「私もそう言うの見つけようっと」

「頑張れ。自分で見つけたコンボほど使ってて楽しいもんはねーぞ」

「うん、頑張る!」

 

 なんて2人で盛り上がっている時だった。ふと視界に入ったのは、いつの間にか左右に離れた灯織と真乃。少し頬を赤らめてこちらを見ている。

 

「……何?」

 

 めぐるが問うと、2人ともほんのり赤く染まったまま答える。

 

「い、いや、その……」

「2人とも……距離近くない?」

 

 言われて、めぐると真央は顔を向け合う。顔の距離はほぼ2〜3センチほど。少し押せばキスをしてしまいそうな距離感だ。

 ……だが、めぐるはハグが挨拶の帰国子女だし、真央はなんか色々とおかしい人だ。つまり……。

 

「「そう?」」

 

 キョトンとした顔のまま平然と返した。そうなれば、真乃も灯織も黙って下がるしかないわけで。

 さて、それよりゲームの続きだ。めぐるも元の位置に戻って、真乃を再び灯織と真央で挟む。

 

「あ、あの、日吉くん。パワーが低いキャラクターで高いキャラクターを攻撃したらどうなるの?」

「攻撃は出来るけど何も起こらないよ。この場合、カルーにドン‼︎も何も付けずにもレストになるだけ」

「なるほど……じゃあ、こういうことだね」

 

 一先ず、真乃はドン‼︎を一枚、レストにして手札からナミを出した。

 

「じゃあ……ナミさん」

 

 続いて、ドン‼︎をさらにレストにしてチョッパーを召喚。

 二人ともコスト1、パワー1000のキャラクターだ。ナミの効果は『【起動メイン】【ターン1回】自分のリーダーかキャラ1枚にレストのドン!! 1枚までを付与する』で、チョッパーには【ブロッカー】と書いてある。

 

「まず、ナミさんの起動メイン使います。召喚コスト1000をピーちゃんにつけます」

 

 言いながら、レストのドン‼︎をカルーにつける。これでカルーはパワー4000だ。

 

「続いて、ルフィの起動メインを使って、もう一枚つけます」

「…………あっ!」

 

 これで、5000になってしまった。つまり……ルフィを攻撃出来る。

 その上で、まだドン‼︎を2枚残していた。その2枚を全てルフィにつける。

 

「ピーちゃんでリーダーを攻撃」

「あ、え、えと……フランペのカウンター!」

 

 慌てて手札のフランペをトラッシュに置く。5000のダメージをガード。

 だが……次のルフィは7000だ。

 

「ルフィで攻撃っ」

「あ……えっ、と……」

 

 手札は残り、カタクリ、ゼウス、タマゴ男爵、力餅。カタクリにカウンターはついていないし、コストが残っていないので力餅は使えない。

 どうやったら凌げる? と頭の中が混乱する中……うっ、と涙目で真央に助けを求めるしかなかった。

 

「はいはい……見せてみ」

 

 こちらに来て手札を見ると、すぐに答えた。

 

「あーこれ無理。一発もらうしかない」

「えー⁉︎」

「別に良いだろ一発くらい。手札増えるんだぞそれでも」

「負けちゃうよ!」

「……あーじゃあよく見てみ」

 

 そう言うと、真央はカタクリのカードの効果が書かれている場所を指差す。

 効果は『【登場時】自分か相手のライフの上から1枚までを見て、ライフの上か下に置く。その後、自分のライフの枚数が相手より少ない場合、このキャラは、このターン中、【速攻】を得る』とのことだ。

 

「……速攻?」

「そう。さっきフランペは出したターン殴れなかったけど、カタクリは殴れるってこと」

「えっ、すごくない⁉︎」

「でも、そのための条件が、こいつを召喚した時にライフが相手のライフより少ないか否か。今、受けておけばこの効果は使えるってことだ」

「あ……な、なるほど!」

 

 しかも、カタクリはパワー6000。わざわざドン‼︎で盛る必要もない。

 

「よ、よし、ライフで受ける!」

「何処で覚えたのそのセリフ」

 

 言いながら、ルフィの攻撃をもらってライフを一枚、手に取る。引いたカードはブリュレだ。

 

「あ、トリガーじゃん」

「引き金?」

「だいたい合ってる。下の方に書いてある『トリガー』ってカードは、ライフから手に取った時にそのままコスト使わずに出せるんだよ。だからこのブリュレも召喚できる」

「あ……な、なるほど! 行け、クレームブリュレ!」

「シャーロットな」

 

 そんなわけで、さっそく出してみた。これで自分の場はリーダー以外にフランペとブリュレが揃った。

 すると、真乃が真央に声を掛ける。

 

「レイリー、私他に何かできる?」

「無理。コストないし。エンドしかない」

「じゃあ、エンド」

「よし、ドロー!」

 

 カードを引いた。来たのは、シャーロット・プリン。ひとまず手札に加えてからドン‼︎を2枚追加。これで5枚だ。

 カタクリのコストは4。つまり、さっきの作戦が出来る。すぐにドン‼︎をレストした。

 

「カタクリ召喚! カタクリのリーダー発動!」

「いや登場時効果な」

「速攻を得る!」

「1からちゃんとやれ。その前の効果があるだろ」

 

 言われた通り、効果を読んでみる。自分か相手のライフを見られるらしい。

 

「……これ意味あるの?」

「速攻得るには見るしかないよ」

「じゃあ……自分ので良いや」

 

 とりあえず自分のトップのカードを見ると……またトリガーだった。プロメテウスというカードである。

 そこで、ピンと来た。これをトップに置いておけば、次のターンまたわざと攻撃をもらえば確実に出せる、ということになる。

 

「よし、上に置いておこっと」

 

 何より、メインはここではない。めぐるがやりたかったことはここからだ。

 

「じゃあ、カタクリで攻撃!」

「ほわっ……レイリー、これチョッパーの『ブロッカー』って……」

「そう、凌げる。1000だから負けるけど」

「うーん……可哀想だけど、ブロックで」

 

 チョッパーはトラッシュに置かれる。さて、まだこちらの攻撃は終わらない。ドン‼︎カードの残り1枚をフランペにつけて攻撃。

 

「攻撃!」

「ウソップさんでカウンター+1000」

「リンリン!」

「ロビンさんでカウンター+1000」

「なんでよ⁉︎」

 

 まさかの全部防がれた。納得いかなくて声を漏らしてしまうめぐるに、隣から冷静な声音で真央が言う。

 

「そりゃ、とりあえず1000あれば凌げるからな、5000で殴っても。まぁこれで相手の手札は1枚になったし、次のターンは当てられるだろ何かしら」

「う〜……真乃、強い」

 

 ため息をつきながら、ターンエンドを宣言するしかなかった。

 めぐる、ライフ4。キャラクター、カタクリ、フランペ。

 真乃、ライフ5。キャラクター、ナミ、カルー。

 まだ押されているような気がする。

 真乃がドローをしてターンを始めたので場所を移そうとする真央の身体を止めた。

 

「えっ、何?」

「こっちにいて」

「は? なんで?」

「私の味方してて」

「いやルール教えに来たんですけど?」

 

 それは分かる。分かるのだけど……やはりやるからには負けたくない。まるで駄々を捏ねる子供のように「う〜……っ」と声を漏らして涙目で手を強く握ると、真央は小さくため息をついて仕方なさそうに言った。

 

「お前さ、ルフィがどうやって強くなったか知ってるか?」

「え?」

「ガープに厳しい環境に放り込まれながらも強い意志で耐え抜いたからだ」

「いや、あの……」

「味方にはなれません。フェアに教えてやるから自分でなんとかしろ」

 

 厳しかった。予想に反して。……いや、まぁ確かに言われていることはその通りなのだが……。

 仕方ない。事こうなったら、もう頑張るしかない。

 

「よーしっ、真乃。来い!」

「じゃあ……5ドン‼︎使って、ルフィ」

 

 ニコニコしながら手札からルフィを召喚した。

 5コスト、パワー6000。速攻。

 

「日吉くん、このルフィの効果なんだけど、【ドン‼︎×2】【アタック時】って……」

「そう、ドン‼︎が2枚ついてる時、攻撃した場合に発動するってこと」

「じゃあ……えっと、ナミさんの起動メインとリーダーのルフィの起動メインで、キャラクターカードのルフィにドン×2枚つけます」

 

 これでルフィのパワーは8000。カタクリを超えた。ニコニコした素敵でほんわかする真乃スマイルで、攻撃宣言をするようにルフィをレストさせる。

 

「カタクリさんを攻撃」

「えっ、ま、待って! えっと……!」

 

 手札には力餅、プリン、ゼウス、タマゴ男爵。いや、大丈夫。自分の場にはブロッカーがいる。

 

「ブリュレでブロック!」

「ごめんね、めぐるちゃん。ルフィの効果で、ドン‼︎が2枚ついてる時はブロックされないんだ」

「えー⁉︎ 何それずるい!」

 

 じゃあカウンターをするしかない。8000を凌ぐには+3000して6000のカタクリを9000にするしかない。

 力餅はコストがないので、使えるのはカウンターがついているキャラクターカード3枚。

 だが、これをすると……力餅以外の手札を全て使い切ることに……。

 

「うーん……」

「何悩んでんのかなんとなく分かるけど、プリンのカウンターの数字よく見てから悩めよ」

「え?」

「言っとくけど、カウンターカードは2枚でも3枚でも使えるからな」

 

 言われてよく見てみると……そこには「カウンター+2000」とある。つまり、この子は一枚で二枚分のカウンターをすることができるのだ。

 

「よ、よし! プリンとー……ゼウスでカウンター!」

 

 凌いだ! と思ったのも束の間、真乃はニコニコしたままリーダーのルフィをレストさせる。

 

「じゃあ、リーダーのルフィでリーダーに攻撃」

「え?」

 

 どちらにせよ手札のキャラクターはいなくなる……? と冷や汗。が、今度は灯織が冷静に口を挟んだ。

 

「めぐる、キャラクターカードのルフィの効果はバトル中だけだから、ブリュレでブロックできるよ」

「え? あ、ほ、ほんとだ! ブロック!」

 

 ブリュレをトラッシュに置いた。すると、真乃は少し残念そうな笑みをこぼす。

 

「あ〜……ダメか〜……ターンエンドっ」

「よ、よし、私のターン」

 

 ドローをしてドン‼︎を増やす。これで7ドン‼︎ある。少しずつできることが増えていく。ちょっと楽しくなってきた。

 ここで注目したのは、あまり見ていなかったリーダーの効果。よく読んでみると……『【ドン‼×2】【アタック時】自分のライフの上か下から1枚を手札に加えることができる:自分のライフが2枚以下の場合、自分の手札1枚までを、ライフの上に加える』だそうだ。

 

「……ライフが2枚以下の場合……」

「そうだな。まぁそもそも黄色は長期戦向きだし、のんびりやれや」

 

 いつの間にか自分の方に来ていた真央がそう言う。それなら……いっそ、わざとダメージもらっても良かったのかもしれない。

 ドローしたカードはペコムズ。ライオンのようなサングラスの男の人だ。

 出そうか、とも思ったけれど、タマゴ男爵の方がパワーは高い。召喚した。

 

「よし、タマゴ男爵!」

 

 これで残りは3ドン‼︎。1ドン‼︎は力餅のために残しておくとして……残りの2ドン‼︎は……せっかくだし、波状攻撃に使おう。

 まず、フランペ。そして、リンリンに1枚ずつ付ける。

 

「リンリンでリーダー!」

「うーん……もらいますっ」

 

 ライフからカードを一枚取る真乃。さらに、カタクリで一発入れた。

 

「カタクリ!」

「もらいまーす」

 

 さらに一枚。次が最後、フランぺだ。

 

「フランぺ!」

「それももらいます」

 

 結局、全ての攻撃が通ってしまった。これで真乃のライフは2。あと3回攻撃が通れば勝てる。

 

「ふっふーん、どうしたのー? 真乃。もしかしてカウンターいないのー?」

「じゃあ、私のターンで良い?」

「どうぞー?」

 

 真乃は1枚、カードを引く。迷いない手つきでドン‼︎を2枚、レスト。出て来たのはサンジだった。

 

「サンジさんを出します」

「あーそういうこと?」

 

 声を漏らしたのは真央。どうやら、真乃の狙いが見えたらしい。何も分からないめぐるは当然、気になる。

 

「どういうこと?」

「いや言わないよ」

「むー」

 

 まぁそれはそうか、と思うことにして真乃の行動を待つ。

 真乃はレストにしたドン‼︎を2枚、手に取った。

 

「ナミさんとリーダールフィの起動メインを使います。サンジさんにつけます。サンジさんの効果で、ドン‼︎が2枚ついたので速攻を得ます」

「……えっ?」

 

 なんか今、すごく困ることを言われた気がする。ぽかんとするめぐるを置いといて、さらにドン‼︎を2枚レストにした。

 

「サニー号を出します。サニー号の起動メインで、キャラクターのルフィのパワーを+1000します」

「……えっ?」

 

 さらに困ることを言われる中、残りの4枚のドン‼︎カードのうち3枚をキャラクターのルフィにつける。これで、パワー10000。

 

「ルフィでカタクリさん攻撃」

「えっ、ま、待って……!」

 

 手札を見る。力餅とペコムズだけ。どう考えても10000は届かない。カタクリが、殺された。

 

「……」

 

 無言でトラッシュに置くが、ニコニコと微笑んでいる真乃の攻撃は終わらない。サンジをレストにした。

 

「リーダーのリンリンにアタック」

「え、あ……じ、じゃあ……力餅!」

 

 なんとかそれで凌ぎつつも、ライフを覗いておく、さっきカタクリを出した時に見たのと同じカードなのでスルー。

 なんにしても、攻撃は凌げた……と、思った直後だった。今度はリーダーのルフィで攻撃してくる。

 

「フランペさんにアタック」

「……無理」

 

 フランペを渋々、トラッシュに置いた。これで、場にはタマゴ男爵しか残っていない。手札もペコムズだけだ。

 敵の場には、サンジにルフィにナミ。リーダーを含めればルフィが2人いることになる。

 

「ターンエンド」

 

 笑顔でそう言われ、次のターンについて、真剣に悩まされることになった。

 

 

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