【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
それは人類の歴史から君へのプレゼントだ。
FAN○Aやpix○vで検索する時にでも使ってくれ。
きっと、世界もそれを望んでいるさ。
俺の運の無さはかなりのもんらしい。
「まさか三桁超えても全解除まで行けないとは……」
「私とミナミィネキは全解除まで行けましたけど、秋雨ニキとセツニキは運が無さ過ぎですよ」
「面目無い」
「武器だけなら十連続で引いたから俺の方が運が良いだろ!」
「九回も無駄引きしたって事ですよね?」
「現在調査中により、返答を控えさせて頂きます」
「不祥事起こした会社のテンプレ回答文はやめなさい」
「はい」
まさか全解除出来ないとは……この俺の目を持ってしても読めなかった。
「それで、どうします?そろそろお昼の時間ですけど」
「まだ時間はあるし、二手に別れるか?」
「それが良いかも知れませんね。私達はともかくショタオジ達に無駄足を踏ませるのもアレですし」
「じゃ、俺は拠点待機の方で。ちょっと試したい事があるんだ」
「試したい事?」
尋ねてきた探求ネキに〝偽桃〟を見せる。
「これに火を通した場合、どうなるか気になってたんだよな」
「成る程。仙桃の増強がどれくらいの上昇量なのかも気になりますし、私も拠点待機にしようかな。ついでに昼食も作っておきます」
「それなら私とミナミィネキでモモタロウを狩ってこよう。二人は実験と昼食を頼む」
『『了解』』
秋雨ニキ達が装備分向上した身体能力でこの場を去る。空いてるキャパシティがあったらステ系スキルカードを差すのは当然として、最初からステータス向上を狙う基礎値こそパワーな修羅勢も居る。
ここらへんは戦闘スタイルや好みで分かれるが、俺は万能系の欠点である器用貧乏を補う為に力や魔のステカードを差す事が多い。
手数は霊符さえ使えれば大体何とかなるのだ。今回は霊力制限のせいで使えないが。
「ところでセツニキ。器具も無しでどうやって加熱するつもりです?流石の私も調理器具ならともかく調剤器具は持ち込んで無いですよ?」
「岩手支部の秘密兵器を使う」
「秘密兵器?」
内ポケットから取り出したのは、岩手支部のマッカボックスをさらに小型化した物だ。もちろん違法改造品となる。サイズは煙草の箱と同じに揃え、使用回数は改造前よりさらに減って三回。しかも壊さないと
その代わり生み出す霊力をマッカ投入者の霊力に
「岩手支部も面白い物を作りましたね」
「発想が術者じゃなくて科学者なのが良いよな。着眼点が違うから参考になる部分も多い」
「私達だと術で解決しますからねぇ」
「だよなぁ」
探求ネキと会話しつつ霊符から調薬セットとキャンプセットを取り出して準備を始める。
「まずは皮あり、無しぐらいか」
「揚げたり煮たり潰したりは後回しですね」
チャチャッと二人で準備を終え、火で焼いていく。そして出来た物がこちら。
★火の通った偽桃
皮付きのまま火を通された事により、猛毒が中心部の種に集まった。果肉部分は食用可。種を上手に加工すれば、強力な解毒薬になるだろう。
★猛毒の偽桃
皮を剥いて焼いた事により、猛毒を発する様になった偽桃。取り扱い注意!
もちろん猛毒の偽桃はヤバイ気配を感じた時点で遠くへぶん投げた。
「実験も命懸けだな」
「いきなり即死罠化するのはやめて欲しいですね」
こうなる事が分かっていたのか、ショタオジは大爆笑して居て、それを見たイワナガ達に引かれている。だが、逆の立場なら俺も笑ってたから責める気は無い。
「そういえば花や霊木の方は素材にしないのです?」
「花は思考誘導微弱付きで、霊木は乾燥させて火を着けると媚薬代わりになるらしいぞ」
所謂ピンクな雰囲気を作り出せるアイテムだ。しかもレベル三十相当の威力を持っている。ハッキリ言って、取扱危険物過ぎて手を出す気力も起きない。
「今の能力制限下だとヤバイですね……」
「まぁ、間違いなく死ぬまで乱交だろうな」
「火炎属性は使わない様にしましょう」
「同意だ──っと、出来たぞ」
猛毒の種をくり貫き、果肉を切り分けて皿の上に。最初に食べたのはショタオジだった。
「美味っ!熱が通った分だけさらに甘さが増してるよ!」
「霊的効果はどうだ?」
「普通に回復効果あるから今の二人だと死ぬね☆」
「だと思った。イワナガ達で処理してくれ」
皿をそのまま渡し、今度は霊草を加工していると、探求ネキがポツリと呟く。
「目の前で美味しそうな物を食われると、中々辛い物がありますね……」
「美味っ♪美味っ♪」
「分かってて美味しそうに食べるショタオジがさらにムカつくよな」
「ですねぇ……!」
今度、目の前で神奈川のソウルフードらしいニュータンタンでも食べてやろうか。
そんな事を思いつつ霊草を磨り潰し、仙桃の汁と混ぜた物、探求ネキに頼んで果肉を磨り潰して貰った物と混ぜた二通りを作る。で、出来た物がこちら。
★中級回復薬+1
回復効果のある霊草と仙桃の汁を混ぜ合わせた回復薬。通常の品より回復量が多い。桃味。
★極・劣化ネクター
回復効果のある霊草と仙桃を果肉ごと混ぜ合わせた飲み物。テロメアの再生効果がある。桃味。
「おい、寿命伸びる薬が出来たぞ」
「テロメアって再生して良い物なんですか?」
「いや~流石俺達。ノリで作って良いもんじゃ無いでしょ、それ」
「むしろ最初の仙境で出来るなよ」
「ですよね」
「まぁ、桃源郷だしね。寿命長寿に関してここ以上は中々無いんじゃないかな?」
「後は本場ぐらいですか」
「そんなもんだろうね」
「一応、レベル三十以下が使うと過剰再生で癌まで行くのが救いだな。ガイア連合から漏れても特殊な毒薬扱いで済む」
「試作とはいえ鍛練用の異界だからねぇ。〝コレ〟のせいで潰すには勿体無いし、制限あって良かったよ」
ホントだよ。取り敢えず危険物をショタオジに任せる。使い道は適当に考えるだろう。
「取り敢えずこんな所ですかね?」
「だな。二人が戻ってくるまでの間に飯でも作るか」
「あ、料理の素材出しますよ。装備制限解除されたのでアイテムバッグ解禁されてますし」
「助かるわ。献立は──中華にするか」
「了解です」
探求ネキが収納バッグを漁っている内にキャンプセットに入っていた机を組み立てる。異界の中でキャンプすると悪魔が釣れるので、俺らの大半は引き寄せアイテムとして所持している。釣れなかった休憩すれば良いだけだしな。
「この食材だと──俺は餃子の気分。探求ネキは?」
「周囲が中華ですし、麻婆豆腐とご飯でも炊きます」
「了解。んじゃ始めようか」
マッカボックスにマッカを投入して、この場に居る全員を【浄化】した後、調理を始める。
「あ、ショタオジ。今のうちに二人に戻ってくる様に伝えてくれるか?」
「了解~」
お、懐かしの火の鳥メール便。……ちょっと待て。
「ショタオジ、俺ら、レベル一。OK?」
「…………あ」
「さらば秋雨ニキ、ミナミィネキ。君達の死因はショタオジのうっかりです」
「いやいやいや!大丈夫だって!」
飛んでいった火の鳥を凄まじい速度で叩き落とし、そのまま二人を一瞬で回収して戻ってきた。
何が起こったのか理解してないミナミィネキの油断した惚け顔は可愛いな。
「取り敢えず座っててくれ。すぐに作るから」
「手伝いは要らないか?」
「んーじゃ、ご飯頼むわ」
「了解した」
秋雨ニキにご飯を任せてる間に食材を刻み、餃子の種を作っていく。それを皮に包んでいると、ショタオジから視線を感じた。
「作ってみるか?」
「えっ良いの?」
「別に失敗した所で不味くなるようなもんでもないしな。ほら、こうやって包むんだ」
「んー……こう?」
「そうそう。初めてにしては上出来だな」
二人で包んでいると、また視線を感じた。
「イワナガ達もやるか?」
「やるやる~♪」
「……良いのですか?」
「構わねぇよ。最悪冷凍すりゃ良いしな」
「では、お言葉に甘えて」
四人でどんどん包んでいき、百を越えた辺りで種が無くなった。
「じゃ、焼いていくか」
フライパンに適当に油を引き、餃子を乗せ、少量のお湯を突っ込んで蓋をする。後は気が向いた時に揺する程度だ。
「何というかセツニキの料理って男の料理って感じがしますね」
「前提が違うんだよ」
「前提?」
フライ返しを使って餃子をひっくり返す。フライパンにくっついて破れる事もあるが、気にしない。大切なのは火がちゃんと通っていて、美味ければ良いのだ。
「俺の料理は飯じゃなくて摘まみだからな。早く飲みたいのにちんたら分量なんて計るわけが無いだろ?」
「成る程。確かに前提が違いますね」
「腹を壊さなくて美味ければ良いの精神よ」
「ある意味では真理ですねぇ」
調理しながらその様な会話をしていると、餃子が先に焼き上がった。麻婆豆腐はそろそろ出来るみたいだが、御飯はまだ掛かりそうだな。
「でもそんなの関係ねぇ!俺は食うぜ!」
「と言いつつ秋雨ニキの分は別皿に避けるんですね」
「先に食うだけだしな」
大皿にドカン!と餃子を乗せ、机に置く。小皿を配り、ついでに醤油やラー油を置いていく。キャンプセットに纏めておいて良かった!
「取り敢えずサクヤ。秋雨ニキの分を保温よろしく」
「了解です~」
「それで良いんですか?木花咲耶姫様」
「秋雨ニキはお姉ちゃんと私の信徒ですから問題無いですよ~」
「気にするより早く食べた方が良いぞ?さっきからショタオジが凄い勢いで食べてるから無くなるぞ」
「美味っ♪」
「ショタオジの食事シーンって何気に珍しいですよねぇ……」
不思議な物を見るような探求ネキの視線を気にせず食べるショタオジ。俺は土産を持ち込んでるから結構見てる気がするが、改めて言われればレアだな。
それから暫くして御飯が炊き上がり、麻婆丼にして食べる。美味し!そして無言のまま食べ進み、食後へ。
お茶は探求ネキ提供のジャスミン茶だ。
「で、モモタロウはどうだった?」
片付けを【浄化*1】で終わらせ、一服しながら尋ねると、ミナミィネキが紙に包んだ何かを二つ置いた。
「スキルと魔法解除でした。物凄く不味いので、ジャスミン茶で飲み込んだ方が良いですよ」
「私達は川の水を飲むわけにも行かず苦しんだからな」
「下層行くときは水筒やカロリーバーを霊符に仕舞わない方が良さげだな」
二人の犠牲を無駄にしない為にもジャスミン茶片手にごま団子を飲み干す。
「……セツニキの眉間が寄るとか相当不味いんだ?」
「まさか地方の霊薬を越す物があるとは……」
「これは不味い……」
探求ネキの眉間にも皺が寄る。不味いよな、これ。
「そういえば結構狩ったんですが、刀が一本も落ちませんでしたね」
「ギミック解除してない時の限定装備かもな。装備としては優秀だったし」
「あー成る程。ちなみに【アナライズ】しました?」
「実験の途中にな。確か──」
★童子切安綱・レプリカ
対鬼特攻《オーガキラー》・中
人工的に作られた桃源郷に現れる桃太郎が所持していた刀。本物とは比べ物にはならないが、名前の通り確かな退鬼の力を宿している。
「──だったな」
「中層の刀として見ると破格ですねぇ」
「ただ制限下だとモモタロウはキツいぞ。この面子で危ないって相当だからな?」
『『『確かに』』』
「俺としては秘匿情報にして欲しいかな。安全面に配慮してるとはいえ異界は異界だし」
「俺は賛成。お前らは?」
「私も賛成だな」
「もちろん賛成しますよ」
「賛成しますけど、それ以前にここって修羅勢に解放するんですか?」
「あーそういやそうだな」
長寿の薬が出来たから普通に解放するもんだとばっかり思ってた。
「ここを攻略後にこれから作る本命に進んで欲しいかな〜?難易度的にも良い感じだし」
「そうか?」
「制限下での活動自体が訓練になるし、自力解除に挑めば自然と知識も得るでしょ?」
「あ~確かにそうだな」
そう考えると、ここを利用するのはアリか。
「よし、それじゃとっととクリアしますかね。製作者がクリア出来ないゲームは太古の昔からクソゲーだしな」
異論は認めない。何であんなバグだらけのゲームを発売しやがった……!
「スキルと魔法が解除されたのでかなり楽になりましたし、今日中に最後まで行けますかね?」
「行けるのではないかな?」
「ですね。パッシブスキルって素晴らしい!」
「俺は相変わらずヒーラーだな。権能解放されるまでドレイン耐性やドレインカウンターがキツすぎる」
「耐性は貫通で何とかなるとしても、吸収する霊力に毒を仕込まれてますからねぇ……」
「式神に【
「それも含めて勉強になるでしょ」
それを言われたら何も言い返せんな。
◇
考えてみれば、現実にはアカシックレコードにドラゴンカーセックスの文字を刻んだ勇者が居るんだよな……。全知全能の鳩にも刻んだし、ゼウスにも刻み込んでる。
全知全能ってぶっちゃけ呪いでは?