【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

105 / 322
これが権能の正体DA!


セツニキゼミでやった所だ!試走編6

 

 

 【権能】とは文字通り神の域に至った技能の事を指す。スキルを越え、〝概念〟を押し付ける領域まで達した状態の事を指すのだが、修羅勢の多くは使うまでのタイムラグが無くなり、何か耐性とか色々無視して別のスキルっぽい効果がたくさん付く様になった程度の認識しか無い。

 

 10㎞先の的を何十発も()()()しようが、海の中で()()が出来る様になろうが、本人すら何で出来るか分からないけど出来た!という状態で納得していて、それ以上を考えない。

 

 その〝出来るから出来た〟で問題無い現状が、理論先行系俺達の頭を悩ます原因となっている。

 

 話は変わるが、ジョジョの奇妙な冒険の四部に登場する『ザ・ハンド』という幽波紋(スタンド)がある。

 

 能力はシンプルに〝右手で触れた物を削り取る〟という物で、空振りすると空間を削り取り、物を引き寄せたり、削り取った分だけ距離を詰めて瞬間移動する事が出来る強力なスタンドなのだが、削り取った物が何処へ行ったのか本人にも分からないらしい。

 

 そして削り取った物はまるで最初からそうだったかの様にぴったりとくっつき、壊れていない状態となる為、例えば空き缶の真ん中を削り取ったとしても、四部の主人公のクレイジー・ダイヤモンド*1では元の姿の空き缶に治すことが出来ない。

 

 まさに修羅勢の【権能】だな。【権能】はスタンドだった……?

 

 一応、真面目に説明する事は出来る。例えば【アギ】を放つのに一秒掛かるとしよう。

 

 その一秒を十分割して、十ターンとする。

 

 覚えたての頃は十ターン掛かっていた【アギ】の発動が慣れや霊格の上昇により、五ターンで発動出来るまで練度が上がったと仮定しよう。

 

 そうなると、残り五ターンは好きな事に使える様になる訳だ。ここに発動まで五ターン掛かる【コンセントレイト】を詰め込めば、【アギ】+【コンセントレイト】を一秒で放てる術者の完成だ。

 

 これが修羅勢の良く言う、使うまでのタイムラグが無くなり、ついでに何か色々な効果あるんだけど!という状態の正体となる。

 

 ついでに説明すると、これが0.1秒で十ターン、0.01秒で十ターンと、どんどん加速していってるのが修羅勢の領域だ。だから1秒の世界ではターン消費無しで発動出来る権能でも、0.1秒の世界では九ターン掛かる練度しか無かったりとかは普通に起こりうる。

 

 死ぬまで鍛えろ、で終わる話だが。

 

 ちなみに【スキル】という〝概念〟を大量に詰め込めば、その分相手の()()()()()()()()()を上回り始める訳で。

 

 これが【貫通】を使ってないのに相手の【無効】や【吸収】を破れる正体となる。霊格+権能+α - 相手の霊格+耐性+αがプラス値ならその数値分だけ通る、マイナス値なら無効化される訳だな。

 

 カヲルニキの【ラグナロク】なんかは、たぶんパッシブ含めて二桁以上のスキルが大量に詰め込まれていると思う。だからこそ〝概念〟が強固となって〝アイツ〟や〝ギミック〟の強度を上回り、焼ける程の威力となっている。

 

 これが俺達が〝専用スキル〟と呼ぶ物の正体だ。

 

 ちなみにショタオジはこんな小細工を使っていない。霊格が高過ぎるが故に必然的に〝概念〟も強まり、ただの【アギ】ですらレベル五十程度の【火炎吸収】を抜ける。カヲルニキの様に【スキル】を詰め込んだ場合、魂すら残らないだろう。

 

 やはり霊格。霊格さえ上げれば【権能】なんてオマケよ。

 

 では、本題に入るとする。

 

 秋雨ニキが〝ギミック〟持ちと思われる白虎をどうやって倒したのか?その答えは簡単だ。

 

 封印された【鎧通し(権能)】は使わず、新たに【貫通擊】を【権能】の領域まで押し上げて使っただけだ。詰め込める限界まで【スキル】を詰め込んだのは間違いないが、たぶん【概念破壊】も含まれていた。

 

 これから先、秋雨ニキと模擬戦する時は通常攻撃*2が【鎧通し】と【貫通擊】の効果を持つようになるのか。胸が熱くなるな。

 

 ちなみに豊穣神等が持つ豊穣の権能は【スキル】に無いけど使えてるじゃん!という疑問はカヲルニキが解決してくれる。

 

 星を作れる【偽・土星創造*3】持ちなんだよなぁ……。まぁ、ゲームには無かった【スキル】もたくさんある訳だ。

 

 

「──で、その説明は現状の役に立つのです?」

 

「■■■■────!!」

 

 

 やけに大きい玄武の【踏み付け】を飛び退いて躱わす。先程から色々しているが、どうやら〝無敵〟らしく、こちらからの攻撃が一切通って無い。

 

 

「結局の所〝ギミック〟や〝耐性〟は強固な概念な訳だ。だからそれを上回る概念をぶつければ、ダメージを通す事は可能になるんだよ」

 

「それが出来ないからこんな事になってる訳ですけどね……っと!」

 

 

 探求ネキと別れて【アイスブレス】を回避。首が向いたのは──俺の方か。

 

 取り敢えず走って範囲外に逃げていると、首を引っ込めて紫色のオーラを纏い始めた。

 

 

「【会心の覇気】だ!【必中】注意!」

 

「了解ッ!」

 

 

 正面なら【噛み付き】、龍頭の尻尾なら【ハードヒット】辺りか。さて、何が来るか──って、おい!

 

 

「【薙ぎ払い】かよっ!」

 

「痛ッ!」

 

 

 【必中】の効果により、ザンギエフも真っ青な吸い込みによって直撃を食らった俺達へ玄武が追撃の【マハブフ】を放つ。

 

 

「容赦無いですね……!」

 

「【ディア】とついでにこれも食らえッ!」

 

「回復ども!」

 

 

 運悪く対象となった探求ネキに試験管(中位傷薬)を投げ付けつつ、ポケットから取り出したのは黒いダーツ。

 

 

「これは俺の奢りだぜ!」

 

「■■■■ッ──!?」

 

「お、通った?」

 

 

 投擲したダーツは見事に玄武の片目を潰したが、ダメージとしては微々たる物。やっぱり駄目か。

 

 

「さっきのは何なんです?」

 

「中層の素材でキャパシティ特化型のダーツを作って、そこにゴミみたいな概念を摘め込んだ物だ」

 

「ゴミみたいな概念?」

 

「マッスルドリンコの余りとか武具製作時に出る霊的素材の端材だな。マジで〝ゴミの概念〟だから特別な効果は一切無い!」

 

「でも概念強化の足しにはなった感じですか」

 

「ま、そんな感じだ」

 

 

 取り敢えずあるだけ取り出して探求ネキに半分渡す。

 

 

「余裕のある方が目か鼻か耳(感覚)を潰す感じで行くぞ」

 

「了解です」

 

 

 二手に別れ、挟み込む様に動くと、玄武の尻尾が俺の方に伸びた。……チャーンス!

 

 

「正攻法で〝ギミック〟を破ってやんよ!」

 

 

 龍頭の突撃を躱わして首を掴む。力が解放されていて良かった。じゃないと()()は不可能だったからな。

 

 

「ムロフシハンマー!」

 

 

 力任せに山から投げ落とす。それと同時にパリンッ!と何かが砕ける音が響き渡った。

 

 

「四神の司る地相からの〝追放〟ですか!」

 

「このまま止め刺すぞ!」

 

「了解ッ!」

 

 

 二人で急な山の斜面を駆け降り、貯めたストレスを解放するかの様に大技を放つ。

 

 

『『【浸透勁】!』』

 

 

 絵面的には二人で掌底(しょうてい)を叩き込むだけという地味さ。だが効果は予想以上にあった。

 

 

「何か手応えが可笑しいッ!退避!」

 

「了解!」

 

 

 二人で全速力でこの場から逃げ去ると、玄武の身体がボコボコと膨れ上がり──そして。

 

 

『『たっまやー!』』

 

 

──大爆発を引き起こし、血肉の雨を降らせた。

 

 

 せっかくの美しい桃源郷の光景が赤で彩られて行くのを眺めていると、玄武の残骸がMAGに還った。同時に鮮血で彩られた赤も消え去り、元の美しい光景に戻る。

 

 

「内部でかち合った結果だと思いますが、予想以上に派手に吹き飛びましたね」

 

「いずれは一人で引き起こしたいもんだな」

 

「ですねぇ」

 

 

 二人でのんびり会話していると、山から淡い光を放つ宝玉が飛んできた。それはすぐに俺達の身体に取り込まれ、体力の制限を外す。

 

 

「うーん……何というか、どんどんヌルゲーになっていくのは新鮮だ」

 

「普通のゲームなら解除されて尚苦戦するボスが出てくるんでしょうけど、私達はレベル五十まで行ってますからねぇ」

 

「やっぱり時間制限は必要だな。緊張感がどんどん無くなっていくし」

 

「ですね。あ、そういえば知力って何処行ったんですか?」

 

「霊力とセットで解放だった筈だ。とは言っても、知力を解放しても俺達にはあんま意味無いんだよな」

 

「と言うと?」

 

「【マルチタスク】とか【罠解除】とか頭脳系スキルに影響が出るんだが、俺は霊力がなけりゃ脳筋になるだけだし、探求ネキもそうだろ?」

 

「ですね。つまり、魔型や斥候型以外には微妙な制限って事ですか」

 

「だな。逆にアイツらは力を制限されても痛くないが」

 

「妙な所でバランスが良いですねぇ」

 

「本当にな」

 

 

 ちなみに俺達万能型はどちらのデメリットも食らってる。とは言っても万能型なので対処も楽なのだが。

 

 

「あ、せっかく受け取ったダーツどうしましょう?」

 

「やるよ。朱雀にでも投げれば良いんじゃないか?」

 

「わーい」

 

 

 いそいそと収納バッグに仕舞う探求ネキ。使われる機会はあるのかねぇ……。

 

 

 

 

朱雀のギミックは〝無限霊力〟だった。しかも空から魔法を連打する上に降りてこない糞ムーヴを決められた。──が。

 

 

「力こそパワー!」

 

 

 俺が投げ飛ばした探求ネキが制限解除された体力を武器にダメージを無視して突っ込み、地相から強引に蹴り飛ばした。〝ギミック〟が割れれば後は簡単。二人掛かりでボコボコにするだけだった。制限解除は知力&霊力。

 

 そして青龍は──

 

 

「何というか憐れよな」

 

「セツニキに霊符を使わせてはいけないとあれ程……!」

 

「使ってすら無いんだが?」

 

「【睡眠(ドルミナー)】しただけですもんね」

 

 

 〝無限再生〟のギミックを引っ提げて鳴り物入りで登場したまでは良かったが、レベル三十の異界で使うにはギミックが強すぎた為、帳尻を合わせるかの様に状態異常耐性が低くなっていた。

 

 そこを突いて外まで運び、処理して終了。制限解除は速*4だった。

 

 

「これ、正規手段は状態異常掛けた後に地相外に運ぶっぽいです?」

 

「そうっぽいな。俺らは強引にやっちまったが──っと、ついにボスのお出ましだ」

 

「麒麟か黄竜、どちらですかねー?」

 

 

 四方から眩い光が飛び立ち、中央に集う。それはそのまま空からゆっくり降り立ち──()()()()()()()()

 

 

「いや、俺の期待を返せよ!」

 

「ホントですよ!しかもギミック無いから余計に弱くなってますし!」

 

 

 【アナライズ】で情報を抜いたのか、苛立ち混じりに探求ネキが突っ込む。それに追従しつつ拍手一回。

 

 

「【煩悩即菩提】」

 

 

 まず青龍が寝た。白虎は混乱して玄武に襲い掛かった。朱雀は魅了されて俺の指示通り玄武を襲ってる。

 

 そこへ探求ネキがエントリー!

 

 

「火栗*5をセットして【アギダイン】!」

 

「普通に【アギダイン】だけじゃ駄目だったのか?」

 

「セツニキがやってるのを見て真似したくなりまして」

 

「いや、別に良いんだが」

 

 

 明らかに過剰火力で焼かれた玄武がMAGに還る。ついでに白虎が正気を取り戻し、他の二匹も治ったっぽいので再び拍手一回(煩悩即菩提)。今度は俺ら+朱雀 vs 白虎の対決だ。

 

 

「弱点は【ザン(衝撃)】系統です!」

 

「俺に弱点属性を付ける力は無い!」

 

「これだから万能属性組は……!」

 

 

 文句を言いつつも前衛をやってくれてる探求ネキの後ろで白紙の(ブランク)カードを取り出す。そして俺達支援の一環で大量に購入したザンストーンから〝衝撃〟の概念を抜き取り、詰め込めるだけ詰め込んで投擲した。

 

 

「■■■■■──!?」

 

「……衝撃系は無いって言ってませんでした?」

 

「無いぞ?でも霊符は解放されてるからな。対応出来るのは当然だろう?」

 

「術者はこれだから……!」

 

 

 文句を言いつつも【ザンダイン】で白虎を削り切る探求ネキ。残るは朱雀と青龍な訳だが……

 

 

「消化試合感がやばいですね」

 

「それな」

 

 

 スキルを使おうとする度に【睡眠(ドルミナー)】で寝かせ続けた青龍、同じく【魅了(マリンカリン)】し続けた朱雀がMAGに還ったのは、それからすぐの事だった。

 

 

 

*1
死者蘇生こそ出来ないが、それ以外は何でも〝治せる〟スタンド。

*2
修羅勢の領域での話であり、オンギョウキやカヲルニキクラスだとパッシブでは無くなる。

*3
どくいも様SS 小ネタ 修行用異界と専用スキル で判明したカヲルニキの独自スキル?っぽい物。それ創星神系の権能では……?

*4
器用さ含む。

*5
探求ネキの魔改造植物の一つ。完熟するとアギラオと同程度の火炎属性攻撃が出来る栗。




出来るから出来た!は無意識の内に望む効果のスキルを多重発動してるだけでした。

うちの主人公なら【ソウルドレイン】を撃つとき、実は【万能ブースタ】や【万能プレロマ】等のパッシブに加えて【魔法貫通】【ガードキル】【概念破壊】等を無意識で使ってます。描写面倒なので〝権能化〟で纏めましたが!

ちなみに修羅勢の権能化スキルは同格や+10ぐらいまでなら〝相手に認識されない内に使える〟になりますが、オンギョウキやカヲルニキクラスにはスキルの構築過程が見えるので、やろうと思えば発動を妨害出来たり、破壊出来ます。

ショタオジなら〝止まって見える〟レベルなんじゃないかな……。

レベル1とレベル50のスキル発動速度や威力が同じとは考えられなかったので、こんな風に独自解釈した感じですね。

作者の考えだとボンコッツ様のハルカ君は闇落ちショタオジにワンチャンあるらしいので、たぶんバランスブレイカークラスの倍率を誇る【ダーク特攻】がショタオジに通じるレベルの権能になってます。たぶん刹那の世界でも0T発動出来るレベル。流石ライダー!

黒焦げ様の人魚ネキは【子守唄】の熟練度の上昇により、【安眠】【精神治癒】【貫通】辺りを一般人や本人が気付けないレベルで無意識同時発動しています。

主人公が探求ネキや秋雨ニキを天才扱いするのは、権能になる前から複数同時発動しているからですw

作中で主人公も語ってますが、レベル200オーバーの【アギ】はレベル50程度の権能化したスキルや装備では基本的に防げません(主人公は霊符の枚数増やして〝概念〟を強化してごり押した)し、こちら側の攻撃も通りません。

主人公が対ショタオジ戦の時に【ソウルドレイン】を使わなかったのはこの為でした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。