【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
でも凄くサブイベ感あって好きだったり(笑)
個人的に確保していたインドローズの株の一部を探求ネキに渡し、俺とショタオジは富士周辺をベースとして生成された異界の中へ。
長々と語ったが、実は神代木を作るのは意外に簡単*1だ。崖崩れ等の自然災害による埋没か、火山噴火による火山灰で森林を埋めれば良い。
つまり、富士周辺の環境を
「まずは地滑りによる埋没かな?」
「取り敢えず珪化木になる事を覚悟して、地下水が豊富な所を埋めるか」
「了解」
という訳で、ショタオジが地滑りを起こして森林を埋めた。神様かな?
「時間かそーく!」
「当然っちゃ当然だが、埋め立てられた上に森が出来たな」
「掘り出すの大変そうだねぇ」
二人で雑談しながら暇を潰していると、チンッ!というパンの焼けた音が鳴った。
「なんでこの音……」
「分かりやすいでしょ?」
「まぁ、確かに」
二人で森を掘ってみるが、成果は余り芳しく無い。
「大半がバクテリアに分解されて土に還ってるな。出来た物も微妙に珪化してたり、土砂崩れで折れたりして楽器に使えるかと言うと……」
「まぁ、最初だしね。こんなもんでしょ」
そんな訳で二回目。途中で温泉が湧いた。
「oh...」
「富士は火山だからな。そら湧くわ」
「火山の近くには温泉が湧くって〝概念〟が強すぎる!」
「
それから何度か試してみたが、温泉が俺達の行く手を何度も遮る。火山+地下水 = 温泉の概念が強すぎる。流石、日本人──いや、これ違うな。
「これ、銭湯に良く描かれている富士山の〝概念〟も混ざって無いか?」
「……やけに温泉が湧くのはそのせいかー」
という訳で、地滑り式は断念。このまま続ければ候補地を見付けられるだろうが、地滑りを起こす関係上、異界は大型化している。ハッキリ言って割に合わない。
「維持費的にも川底に眠らせる方が良さそうだね」
「だな。というか問題なのはケイ素な訳だから、それを好んで吸い込む植物でも作るか?」
「あー最初からそうすれば良かった」
「俺が説明したのも悪かった気がするな。すまん」
「いや、神代木の正しい成り立ちに寄せないと〝概念〟が弱くなるからね。説明自体は有り難かったよ」
「さよけ。じゃ、俺は異界から出て探求ネキに発注してくるわ」
「了解。俺は富士山が見える旭川でも作っておくよ」
なんか凄いこと言ってるが、ショタオジだしなで受け入れる。気にする時間が無駄なのだ。
異界から出てスマホで探求ネキに電話を掛けると、こちらに向かって居た探求ネキが電話に出る姿が見えた。向こうも気付いたみたいだが、無視して電話で喋り掛ける。
『もしもし?俺だ』
『意地でも直接会話しないつもりですか』
『おう。さっきまで神代木の生成実験してたんだが、ちょっと魔改造植物が必要って結論に達してな?頼めるか?』
『元々は私の依頼ですし、構いませんよ。どんな植物をお望みで?』
『ケイ素を吸収しやすい蓮だな。ついでに炭素も吸い込んでくれると助かる』
『ケイ素はともかく炭素もですか?』
『ケイ素を吸い込んだ物を珪化木、炭素を吸い込んだ物を石炭って言うんだよ。こっちは生成に時間が掛かるから出来たらで良いんだが、どうせなら蓮も売れる品にした方が良いだろ?』
『……成る程。そういえば石炭には黒いダイヤモンドの異名がありましたね』
『水晶かダイヤモンドになるなら触媒としても使えるし、見た目も良いから美術品としても売れるだろ』
『分かりました。一旦戻って作ってきます。ついでに試作品の〝
『頼むわ』
電話を切り、再び異界に戻ると、琵琶湖程では無いが十分広い湖が出来ていた。
「おっかえり~」
「湖を囲んでるのは桃の木か。湿気に弱いのに大丈夫なのか?」
「改造済みだよ☆」
探求ネキですら時間が掛かってるのに……!
「真面目な話すると、仙桃にしちゃえば利益も出るからね」
「あ~俺も探求ネキに水晶とダイヤモンドか石炭になる様な蓮を頼んでおいたわ」
「ガイア連合作ってから俺も利益を考える様になっちゃったなー。一番は俺達の安全だけどさ」
「まぁ、金が必要なら俺が幾らでも稼いでくるさ。だからお前は好きにすりゃいい」
金稼ぎは得意だ。しかも、今世は富豪俺達という強い味方も居る。
「皆でずっとワイワイ出来れば良いんだけどねぇ」
「その為に頑張ってるんだろ──っと、そうだ。ここの管理者*2はどうする?桃娘でも引っ張ってくるか?」
「見た目はそれで良いとして、式神にするよ。分身を派遣するレベルでも無いし」
「じゃ、俺は製造班にマッカ積んでくるわ」
「セツニキが作ってくれても良いんだよ?」
「作ろうと思えば作れるが、本職には勝てないしな。それに製造班の新人に仕事を割り振らなきゃ何時まで経っても育たないだろ?」
ここの管理に必要な【スキル】はそう多くない。【園芸】【伐採】【植物学】【浄水】【豊穣】【地変】【水擊】ぐらいだ。
契約者はたぶんガイア連合。連合の資産異界化する感じだな。神代木の生成にはショタオジの【時間加速】が必要だが、それ以外の仙桃と宝石蓮華*3の回収は毎年一定量期待出来る筈。
「お爺ちゃんは次代を育てるのに熱心だねぇ」
「何時まで生きてられるか分からんしな。何時か出来る子孫の為に頑張るのは当然だろ?」
「ん~俺はまだ実感無いや」
「自分の子供が産まれれば分かるさ。そんじゃ、行ってくる」
「行ってら~」
後ろ向きに手を振りながら異界を出る。さて、これから忙しくなるな。まずはガイア連合としての契約書をちひろネキから貰って、そのまま製造班にマッカ積んで式神を発注。
そしたら異界を調整しながら探求ネキの桃紅木を神代木にする実験を繰り返す。納得の行く出来の物が出来たら、今度はそれを三味線に加工。
んー……修羅道で大量に確保してきた四神素材*4を提供するか。
道教関係なら間違いないしな。
◇
試作、調整、試作、調整。新たな物を生み出す為に、ひたすら根気のいる作業の繰り返す。
「本命とは全く関係ないけど、何か凄い物が出来ましたね」
仙桃が実る果樹に突如として現れた水晶っぽい見た目の桃。数としては百本に一個という程度だが、見た目がどう見ても……
「如意宝珠もどき*5と呼ぶべきかね?」
「軽く加工してみる?」
「……いえ。製造班に投げておきましょう」
『『了解』』
問題が発生すれば、調整、調整、調整。
「バクテリアがぁぁぁ!」
「ショタオジすら翻弄する微生物ってすげーよな」
「いずれ微生物界の神になりそうですね」
「二人とも喋ってないで手伝って!」
『『う~い』』
安定すれば、試作、試作、試作。
「川底に埋めた時にバクテリアの活動温度にならない事が大切だったね」
「酸素が無くても活動出来る嫌気性菌なんてもんがいるとは世界は広いな」
「ここ最近でバクテリアについて物凄く詳しくなった気がしますよ」
「俺もだ。んじゃ始めるか」
「了解で──」
「俺のターンッ!探求ネキを押し退けて引っこ抜いてきた黒柿*6を川を塞き止めた後に作った穴にセット!ターン終了だ!」
「次は俺のターンッ!魔界の樹木系悪魔から今日取ってきた新鮮な原木をセット!ターンエンド!」
「では、私のターンですね。改良に改良を重ねた桃紅木を穴に置いてターンエンドです」
穴に泥を被せていき、ショタオジが【時間加速】する。そして掘り出してみると……
「…………」← 神代黒柿の生成に成功。
「…………」← 神代魔界樹の生成に成功。
「…………」← 失敗。バクテリアに食われた。
き、気まずい……!何でこのタイミングで……!
「……ふぅ。零度でも繁殖するバクテリアも居るんです。異界に適応したバクテリアが居ても可笑しく無いですよね」
「そ、そうだな。じゃ、俺はまた川を塞き止めて来るから」
「あ、セツニキ狡い!」
背後でショタオジが何かを叫んでいるが、聞こえないフリをして疾走。
実験の為に何度も通ってる道だが、ショタオジの生やした仙桃の樹以外にも、探求ネキの
新人お手製の式神達も楽しそうにお世話をしているので余り気にしてなかったが、少しは加減した方が良いかね?
だらだらそんな事を考えつつ上流に向かう。到着してすぐに陰陽結界で遮断。最初の頃は術式で岩壁を作ったり消したりしていたが、面倒なので手を抜いて行く内にここまで簡略化出来る様に。俺もこんな事が出来るようになっちまったか。
川の水位が下がったのを見届けた後、再び来た道を戻っていると、懐かしき【デビルピーチ】が沸いていた。
「レベルは──十ぐらいか?やけに高いな」
いや、仙桃が出来る異界と考えると逆に低いか。取り敢えずダーツを投擲して仕留める。ドロップは無かった。
「おかえりなさい。遅かったですね?」
「もう悪魔が沸いててな。レベルが十前後だったから少し考察してた」
「仙桃が出来る異界だからね~それなりに大気中の霊力が濃くなるのは仕方ないよ」
「水晶蓮や金剛蓮も出来ますからね」
「ま、ここに居る面子には関係無いか」
後でちひろネキに一言伝えておけば大丈夫だろう。勝手に入って怪我する俺達は知らん。自業自得だ。
「お、そろそろ水の引きも良い感じだね」
「了解です」
やけに使い慣れた【マグナ】で穴を掘り、探求ネキが収納バッグから取り出した桃紅木を並べていく。そして避けておいた泥を再び被せる。
戻ってきた泥塗の探求ネキに【浄化】を飛ばし、結界を解除。すぐに上流から水が流れてきた。水位が戻ったのを確認した後、ショタオジが時間を加速させる。待ち時間は雑談タイムだ。
「正直、俺はもう要らないよな」
「まぁ、この距離なら俺が結界で塞き止められるからね」
「セツニキの居ない間に調整しましたし、たぶんこれが最後ですよ」
「じゃ、打ち上げの為にサクヤの酒でもパクってくるか」
「良いですねぇ。私はトリコ食材出しますよ」
「あ、食べ物で思い出した。セツニキ、蒙古タンメン食べたよ」
「お?ジャンニキに渡しておいたパチモンレシピが役立ったのか」
「皆も久々に食べたかったみたいでさ。次郎系、家系、御当地ラーメンまで【料理】スキル持ちがゴリ押しで完成させてね?」
「あーだから一時期、山梨支部の食堂メニューがラーメンばっかりになったんですね」
「……何か口が酒よりラーメンになったな。打ち上げは食堂でするか?」
「メニュー豊富ですし、私は構いませんけど……」
ちらりとショタオジに視線を向ける。本人はその視線に気付いて苦笑い。
「俺が行くと五月蝿くなる俺達が居そうだけど、隠形張れば平気でしょ。ジャンニキの所は個室あるし」
「有名人は大変ねぇ」
「ですねぇ」
「セツニキはともかく探求ネキは有名人でしょ」
「いや、何でセツニキを除外するんですか?私と同じぐらい派手に暴れてますよね?」
「俺は非覚醒俺達に恩恵のある事をやってないからな」
逆を言えば、覚醒者には知られているが……基本的に星祭に居るので最近の俺達とは余り面識が無い。
「おっと。雑談してる間に出来たね」
「それじゃ回収してきます」
「行ってら。俺は先に予約取ってくるわ」
「お願いね~」
二人と別れて異界の外へ。ジャンニキの食堂の空き具合をスマホでチェック。……うん、大丈夫そうだな。
現世より遥かに便利になったスマホで予約を取る。時間は──三十分後で良いか。
────この後、バクテリアに再び阻まれ、打ち上げが出来たのは五時間後だった。
◇
ちなみに暫くは先達との日常回です。
もうちょっとで幼女ネキや田舎ニキや馬ニキや人魚ネキが解禁される……!