【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
「セツニキ~頼むよ~!」
「わぁーったからくっつくな。連絡だけはしてやっから」
溜め息を吐き出しつつスマホを取り出す。連絡相手はブーストニキだ。
『もしもし。俺だ』
『セツニキから連絡とは珍しいな?何かあったか?』
『大した事じゃない。あのシミュレーター*1が欲しいって俺らが煩くてな?十台ばかり頼めないか?』
『特許はオンライン上で公開してるし、山梨の製造班でも作れるだろ?』
『今すぐ欲しいらしいんだよ。代わりに代金は言い値で払うってさ』
『それが言える修羅勢スゲ~……とはいえ俺も暇じゃないんだよな。異界の管理もあるしさ』
『だよな。無理言って悪かった──』
『『『話は聞かせて貰ったぞ!』』』
床を傷付けない様にヒーローポーズのまま降ってきたのは、俺らの中でもロボが好きな一団。何を言うか大体分かるが、顎で続きを促す。
「つまり異界を壊せば良いんだな!」
「あそこはブーストニキの管理異界だっつーの。壊すのは駄目だ。それだけなら切るぞ」
「あー!待って!もう一回!もう一回!」
「早くしろ。ブーストニキは忙しいんだ」
『いや、流石に聞く時間ぐらいはあるぞ……?』
俺のログには何も無いな。
「時間さえあれば作ってくれるんだろ!?それなら作ってる間は俺らで管理するよ!異界を壊さない様に狩れば良いんでしょ!?」
「それだけじゃ駄目だな。ブーストニキが一族を慰安旅行に連れて行けるだけの時間も追加だ。それ以上はびた一文負けん」
『『『了解!』』』
『って事で、制作頼むわ。コイツらは今送る──もう行ったみたいだな』
『えっ!?嘘だろ──『『『来ちゃった♥️』』』マジかよ!』
全員
『じゃ、そういう事で終末来る前に慰安旅行でも行ってこい。せっかくの機会だしな』
『いや、それは助かるけど……良いのか?』
『抜けた分は俺がカバーに回る。ま、ゆっくりしていってね!』
『唐突なゆっくり!』
ブーストニキの言葉を最後に通話を切る。くくく……流れで押し切ったぜ。しかも俺は異界で遊んでればプレイ出来る環境が手に入る。
これが〝年の功〟って奴だ。
◇
「って訳で、俺は暫く修羅道*2に籠る。その間お前らは好きにして良いぞ」
「着いて行っては駄目かしら?」
「主様。今回は自分も参加を希望します」
「仕事の方を疎かにしない範囲なら良いぞ」
「分かってるわ」「はい」
本日の相方はセリスとアイか。原作を知ってると金髪コンビの様に感じるが、アイは白髪なんだよな。
ちらほら東方組の
「あの、主様?私の顔に何か付いていますか?」
「いや、最近はアイの本物を見掛ける様になったなって考えてただけだ」
「確か八雲藍でしたか。私を初めて見る時は優越感に浸る目をする娘が多いのですが、暫くすると羨む目に変わるんですよね」
「俺は問題ないが、髪色を変えたり、
俺らだと日給どころか時給で行けるが、上層だと少し厳しい。遠征組ならさらに厳しい。
「私の偽物は見掛けないのよね」
「偽物言わない。俺達の嫁なんだから」
「私の原作的に弱かったら駄目じゃないかしら?将軍だったのだし」
「それでもだ。……いや、ちょっと待て。元ネタプレイしたのか?」
「ええ。スマホで配信されたからやってみたわ」
「私もやりましたよ?ムラサキ達もやっていた筈です」
「なんでまた?」
「貴方の原作だもの。……ちょっとイメージと違ったけれど」
「そらまぁ、そうなるだろうが……」
原作だとスロットぶん回してナンボだったし。
「一周目の時はシャドウ*3を殺しちゃったのよね」
「ああ、私も殺したな。というかアレは気付けないだろう」
「私はげんじのこて*6とかいでんのあかし*7の二刀流で八回攻撃したな」
「何というか意外だな。俺の式神とはいえ霊器は女型だし、興味ないもんだとばっかり思ってた」
正直、困惑の方が強い。
「貴方のプレイを後ろで眺めてるのも好きだけど、話に付いていけないのは悲しいじゃない?」
「まぁ、私達はオオマチの真似をしただけなんですが」
「あ~」
オオマチは遊ぶ事をちゃんと〝知ってる〟んだよな。だから一緒に旅館地下のゲーセンで酒飲みながら脱衣麻雀した事もあるし、一緒にゲラゲラ笑った記憶もある。……ここまで言われたら仕方無い。
「じゃ、夜まで籠って、その後はゲームでもするか。パーティー向けのソフトなら幾らでもあるし」
というかガイア連合の俺達ならどのゲームも無料でダウンロード出来る。利権は現在進行形で買い漁ってるしな。
「ふふ。言ってみるものね」
「そうだな。今夜は長くなりそうだ」
「油断して死んだら無しだからな」
『『了解』』
ま、いざとなったらフォローすれば良いか。
◇
「と、言うわけで。ゲーム大会の開催だ」
『『『 YEAHHHHH!! 』』』
俺ら星祭所属者の大半が良く集まり、駄弁りながら寝落ちする場所。温泉二階に休憩所として作られた筈の大宴会場は、ハッキリ言えば俺らの〝集会場〟となっていた。
ちなみに会議室はちゃんとある。たぶん星祭で一番使われてないが。暇人はここに湧くので仲間を集めるのもここで良いし、作戦会議もここで良い。
今更、隠す様な事なんて無いのだ。
「今回の企画は俺が用意した数々の友情破壊ゲーを共にプレイする事で、仲間や式神との仲を深める(?)事にある。だから是非修羅場を生み出して俺の酒の肴になって欲しい」
「ちょ、セツニキひでぇ!」
「うっわ、ドカポンや桃鉄、イタストまで揃ってやがる……!」
「友情はコボルトよりも弱く、トーレナ岩よりも消えやすい……!」
「パラノイア*8や世界中のボドゲまであるぞ……!」
「Happiness is Mandatory」
「え、いきなり英語?」
「貴様!反逆者だな!ZAP!ZAP!ZAP!」
「有無を言わさぬ処刑。マジパラノイア」
「次の俺らは上手くやるでしょう」
「よっし!最初はパラノイアやるか!そこの壁組*9もこっち来いよ!一緒にギスギスしようぜぇ~?」
「え、あ、うん……」
古参俺らの大半は今世で初めて友人を手に入れた奴等が多い。それ故に
「こっちはF-ZERO99にするか。全員の嫁入れれば何とか出来るだろ」
「すげぇ!これオフライン対応なのか!」
「いや、これマリカとか他のレースゲームも多人数対応になってるぞ」
「オンライン以外で揃う事なんてまず無いのに何て無駄な機能……!」
「でも揃ったな」
『『『それな!』』』
ゲラゲラ笑いながらガイアステーション*10を起動する俺ら。それを眺めていると、隣で〝奇跡〟が起こっていた。
「ふふふ。貴様の命も次のターンで最後よ」
「くぅ。それでも私は負けない!デスティニードロー!」
その瞬間、女俺らの手が光り、デッキから光輝くカードを引いた。
「えっ!?マジで引けたんだけど!?てか何これ!?」
「ネタに世界が乗ったのは笑う」
「セツニキジャッジー!説明お願いシャッス!」
「〝運命〟関係の権能だな。文字通り〝引けない〟筈の運命を変えて〝引ける〟運命を引っ張ってきてるぞ」
「ちょ、マジモンのデスティニードローじゃん!とりま新しい権能おめ!」
「いや、こんなもんで目覚められても……!取り敢えずカードをセットしてターン終了!」
「くぅ……!こうなったら!俺のターン!シャイニングドロー!」
その瞬間、俺らのデッキトップが光り輝く。
「二連続は笑う」
「これが遊☆戯☆王の世界か……!」
「これ書き換えてる途中に引いたら中途半端に混ざるのかな?」
「面白そう!俺は書き換えが終わる前に引くぜ──ちょ、いきなり高速化やめろ!」
『『『…………!』』』←笑い過ぎて呼吸困難。
まだ始まったばかりだというのに、すでに
ムラサキ達と飲みながら主にカードゲームを楽しみ、ちょくちょく巻き起こる
ジェンガで〝不変〟の権能を手に入れた物、人生ゲームで〝未来予知〟の権能を手に入れた物。
ドカポンに至ってはまだスキルだが、全員【殺意の領域】を獲得した様だ。流石はドカポン。友情破壊ゲーの代名詞は伊達じゃないな。
「私達だけで遊ぶものだとばっかり思っていたけど、これはこれで良いわね」
「そうねぇ。俺らの皆さんは見ていて飽きないわ」
「パラノイアってゲームは知らないけどさ。あれってあんな笑いながら揚げ足を取るゲームなのかい?」
「笑いながら出来ないならやらない方が良いらしい。確か主様がそう言っていたぞ」
「そうなのかい?」
「失言に対して即処刑するから、本来なら少しづつギスギスするんだよ。で、お互いに疑心暗鬼になった結果、殺し過ぎるとああなる」
視線で促したのはパラノイア組だ。
「この程度の簡単な任務を達成出来ない貴方達は処分します。次の貴方達は上手くやるでしょう」
『『『ぎゃー!』』』
「というかチュートリアルで全員残機ゼロで全滅って殺り過ぎだろ!」
『『『こいつが悪い!』』』
楽しそうに責任を押し付け合う姿は俺らって感じがするな。
「任務達成の為には協力が必要なんだが、パラノイアは笑いながらお互いを殺し合い、最後の任務失敗の処刑に耐え切り勝ちを狙う方が笑えるんだ。大抵は蹴落として生き残っても処刑されて終わるがな」
仲間を蹴落とし、処分し、俺は生き残ったぞ……!からの
「最初から任務は投げ捨てる物なの?」
「大抵はクリア困難な難易度になってるんだ。しかも、舞台設定的に敵対組織も外部からの敵なんてものも居ないからな。実は失敗しても何の問題も無い事が多いし、成功してもロクな事が無かったりする」
「何というか凄いゲームね」
「あれのGMは簡単だが難しくてな?普通にやるとつまらないんだよ。それをあそこまで笑いながらプレイさせたのは才能だと思うぜ」
終末が来なかったら新たなるUV様に成れたかも知れないな。
笑い声を聞きながら式神達と遊び、酒を飲む。たまにはこんな日も悪くない。
◇
この世界線でのブーストニキは、戦場の絆ACの開発者 兼 科学系統に強い俺達 兼
製造班所属のペルソナ(エジソン)ユーザーですね。
マキナにはまだ辿り着けてないので、戦場の絆ACは電脳異界を使った仮想空間で遊べる物では無く、アーケード+オンゲー程度まで劣化してます。