【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
『いや~スピリット・オブ・マザーウィルは強敵ですね』
『手前に居るグレートウォールすら倒せてないしな』
最後方からおたけさんでミサイル迎撃に従事している俺と、超遠距離砲撃をグレートウォールに叩き込むブーストニキ。
そんな俺らの眼前には地獄が広がっていた。
‹やべぇってこれ!AC連中の弱点カバーが的確過ぎる!›
‹我々が何度カーチャンや壁でタイムアタックしたと思ってるのかね!?›
‹だからって的確にカバーするなや!›
‹ママは私が守る!›
‹‹‹マザコンかよ!!›››
GP01*1と軽量二脚のACがぶつかり合う。
そのすぐ近くではデンドロビウムが複数のACに張り付かれ、そろそろ落とされそうだ。援護したい所だが……この機体はミサイルの付いた近接機だから何も出来ない。
『ブーストニキ。援護出来そうか?』
『デンドロビウムごと落として良いなら?』
『ワロス。さらばデンドロビウム』
デンドロビウムが爆発四散した。オタッシャデー!
‹ふっ。諸君!この私が来たからにはぐぁぁぁ!›
‹奴は四天王でも最弱!最強はこの俺ぐぁぁぁ!›
‹貴様らには任せておけん!私が出撃ぐぁぁぁ!›
‹‹‹せめて言い切ってから死ねよ!›››
全く持ってその通りだ。とはいえ俺達もやられてばかりでは無い。
‹な──速い!?›
‹ふっ。私が速いのでは無い。貴様が遅いのだ!›
‹ぐぁぁぁ!?›
『なんかすげー高機動な奴居るな。原作分かるか?』
『先生!速すぎてメインカメラに捉えられません!』
『俺らの機体は旋回速度捨ててるからなぁ』
呉支部を除くと、基本的にアニメや漫画の機体をACに被せただけなので、旋回速度はベース機体準拠だ。
俺なら重量二脚五機分*2。ブーストニキのウルトラザウルスに至ってはタンク十機分。回るのすら一苦労だぜ──っと。
『ブーストニキ!全力で右へ飛べ!』
指示を飛ばしながら俺は左に飛ぶ。
『いきなり──ぐぁぁぁ!』
『ブーストニキダイーン!』
カーチャンの主砲がウルトラザウルスに直撃。一発で大破か。流石はレイドボス仕様。馬鹿げた火力だな。
『お喋りしながら試験してて普通に芋砂だったわー』
『ゲームじゃなかったら死んでたな』
『HPが三桁無くても正常に動くのはゲームだよなぁ』
会話しながらちょこちょこ動き、武装のテストを続ける。残念ながら製造室にあるシミュレーターはプレイ料金が無料な代わりに試験以外だとログイン出来ない仕様となっている。
逆に戦場の絆ACはワンプレイ百マッカで、投入数を増やす事によって使える機体が増えていく。確かデンドロビウムは五百マッカだった筈だ。
俺はもちろんおたけさんのテスト中なのだが、ブーストニキはなんと1200mmウルトラキャノンだ。対艦巨砲主義万歳!
『試験結果はどう?セツニキ』
『ゲーム上では全部落とせてるが、現実だと七割らしい』
十発撃たれたら三発は核が降ってくるな。一機だけで迎撃する訳じゃないが。
『こっちはそもそも現実じゃ使っちゃ駄目だわ。シミュレート結果的に敵国で撃つのが正解かなぁ』
『敵国までウルトラザウルス運べるなら占有間近では?とセツニキはキメ顔でそう言った』
『誰だっけそれ』
『
再びカーチャンの主砲の気配。
『動くな!』
『了解!』
飛んでくるカーチャンの主砲を無視して応戦。俺はおたけさんから対空ミサイルを飛ばし、ブーストニキは1200mmウルトラキャノンを構える。
俺らのすぐ近くにカーチャンの主砲が着弾。大地を派手に抉り、粉塵を巻き上げるが、それを切り裂く一筋の閃光が隣から飛ぶ。──見事なもんだな。
メインモニターに映るのは、爆発大破したグレートウォールの姿。機関部には大穴が空いていた。
‹うおお!やっぱり対艦巨砲主義しか勝たん!›
‹ウルトラザウルスに続けぇ!›
‹くっそ!この距離で撃ち抜くのかよ!›
‹まだだ!まだ終わらんよ!›
『よっしゃ!MVPは貰ったぜ!』
『良くこんな超長距離で機関部を撃ち抜けたもんだ』
『テスト中の武装とは別に用意しておいた射撃システムが上手く行ったわー』
『まぁ、現実じゃ使えないし、作れないんだけどな!』
『それな!──っと、セツニキ。残念なお知らせです』
『ん?──あぁ、さらば戦友。俺は逃げるぜ』
ウルトラザウルスから距離を取る。あれだけ派手に暴れれば当然ヘイトが集まるわな。
‹貴様だけは!貴様だけはぁぁぁ!›
‹掛かってこいよウルトラザウルス!武装なんて捨てて掛かってこい!›
『野郎ォォォブッ殺シヤァァァル!』
即座にネタに乗る辺り実に俺達。でも、襲ってきたAC組は気付いてないな。あんな火砲満載な機体が爆発して無事な訳が無いというのに。
<よっしゃ!殺った────やべ!総員離脱!>
<へ、何で──そういう事か!>
<駄目だ!間に合わん!>
<まさかの自爆機能搭載かぁぁぁ!!>
『このブーストニキ!只では死なん!』
<<<ぐわぁぁぁぁ!!>>>
ウルトラザウルスが
ま、重砲過剰搭載機が至近距離で自爆すればそうなるわな。
◇
それから暫く膠着状態が続いた。何だかんだでウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーの支援砲撃は役に立っていたらしい。
俺は変わらずおたけさんで迎撃。実験データとしてはそろそろ十分なのだが、他にやれる事が無い。
機体を変えようにも試験兵装を用意していないので、ログイン出来なくなる。うーん、どうするか。
『待たせたな!』
『お、おかえり──ちょっと待て開発者。それは駄目だろう?』
機体がオリジナルなのは許そう。だがその背に付いてる Vanguard Overd Boostは許されないぞ!
『カーチャンに挑むならこれが無いと!』
『いや、それは確かにそうだが……まさか、この短時間で設計図引いたのか?』
『久々に全力でペルソナ使ったぜ!』
『馬鹿だ!馬鹿が居る!……ちなみに何処製だ?』
『インテリオル・ユニオンだ』
『目的地直前で爆発するじゃねぇか!』
傭兵は体の良い実験台か!?
『ちなみにセツニキの分もあるぞ☆』
───不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください。
『おぃぃぃ!?何か不明なユニットが接続されたんだが!?』
『VOBとセットでどうぞ☆』
『こんなものを繋げて喜ぶか!変態が!』
メインモニターに砂嵐の様な異常が発生。接続されたと思われる左腕の温度が急上昇中。一番の問題は──
左ならグラインドブレード*4だろう!そうだと言ってくれ!
『凄い真面目な話するとさ。俺、セツニキ見てたら気付いちゃったんだよね』
諦めて
『俺達をやる気にさせるにはさ。マッカを稼がせる方に舵を切った方が良いって事に』
『……これもその内の一つか?』
『もちろん。ただ遊ぶだけならワンコイン。だけどオーバードウェポンやVOBをオンライン*5で使うならお布施が必要。分かりやすいでしょ?』
『確かにな。ぶっちゃけ凄くワクワクしてるぞ』
左手に正体不明なユニット。背中にはVOB。これでわくわくしないならミグラントを名乗れない。まぁ、俺はレイヴンなんだが。
『二千マッカになります!機体代と合わせて二五〇〇マッカだね』
『おたけさん*6パージしてぇ!』
『駄目でーす!ま、そんな訳だから派手にやってよ』
『どうせやるなら
『いやいや。その機体でも使える事に意味があるから』
まぁ、殆ど全部ACに皮を被せただけだから、大抵の機体*7には接続可能か。……仕方ない。ここまでされたら俺も一つだけアドバイスするか。
『やるならショタオジと相談して覚醒者には能力制限掛けた方が良いぞ。じゃないと──
『やっぱ違う?』
『見せてやるよ』
意識を日常から
基本的に戦場の絆ACに登場する機体はネクスト*8なのだが、だからと言って本当に超音速域で戦うわけじゃない。
しかし、俺達覚醒者は違う。霊格が上がれば、その霊格に相応しい最高速度が出せる様になる。
〝速〟の成長値が普通の俺ですら音速機動は可能なのだ。それ以上の適性を持つ修羅勢にとって、非覚醒者が〝速い〟と感じる程度だと文字通り
‹くっそ!なんだあのネタ機体!当たらねぇ!›
‹VOBだからってあんな避けられるもんなのか!?›
俺達が放つ全ての攻撃を
故に背後からの攻撃であろうとも回避余裕でした。
『うは~……確かにこれは制限しないと駄目だね』
隣を並走するようにV.O.Bを吹かすブーストニキが呆れた様に呟く。
『まぁ、これ以上の速度で何時も
『…………あ』
『うぉい!?まさか気付いてなかったのか!?』
ショタオジと言い天才は何処か抜けてる*9なぁ!
『で、出来たのが嬉しくて……つい』
『気持ちは分かるが、このままだと俺達の攻撃を全て避けたくせにペナルティで墜落する舐めプになるんだが?』
『セツニキなら!セツニキなら何とかしてくれる!』
『いや、無茶言うなや──』
──V.O.Bに異常発生。安全の為、パージします。
『『インテリオル・ユニオンンンンン!!』』
さらに悪い事は続く。不明なユニットが起動時間の限界に達し、エネルギーが切れた。
『こうなったら伝説の台詞を言うしか無いな!』
『伝説?』
『ここは俺に任せて先に行け!』
『うは、了解!』
ブーストニキの機体が
<何かを言い残す事はあるか?嫌なヴァンツァー!>
どうやら最後の口上を待ってくれるらしい。なら、言うことはただ一つ。通話設定を共通に切り替え、告げる。
<二千マッカと機体費でお前らも使えるぞ!>
<<<宣伝かよ!>>>
突っ込みと同時に引き金が引かれ、俺の初プレイはここで終わった。
◇
高位覚醒者としての反応速度で何とかしていただけであって、パイロットとしてはギリ二流程度の腕しか無かったり(笑)