【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
未来からの贈り物1
あれから数日が経った。未だに面白──糧になる試験の落ち方は思い付かない。
仕方無く勉強していると、ひらりと紙が舞い降りた。上を見上げても、見えるのは旅館の天井だけ。ショタオジの結界に反応していない以上、危険物では無いのだろうが……念の為に呪詛対策してから覗き込む。
「……成る程。これは面白くなってきたな」
取り敢えず紙に記入を開始。埋め終わったら、右上に小さく〝A〟と書く。これで準備完了。
脳内でやる事を纏めながら部屋を出る。ついでにスマホを弄り、俺らに質問する。
★【運命に】星祭神社総合スレ194【抗え!】
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600:名無しの星祭
修羅道ぉぉぉ!
601:名無しの星祭
下層でお金を貯めて修羅道に挑む!……逆転してない?
602:名無しの星祭
レベル除けば修羅道のギミックは下層中盤と同等かちょい上よ。実際は常に格上を相手にする関係で上だと思う
603:名無しの星祭
ですよねー
604:賭博師
ちょっと良いか?下層の一般試験受けた奴、試験時の担当誰だったか教えてくれ
605:名無しの星祭
最初は利用料金安いなって思ったけど、薬品代やら神護符代やら含めると序盤は赤字よね。狩れる様になると素材の特殊性から黒字になるけど
606:名無しの星祭
お、セツニキだ
607:名無しの星祭
俺の時はオンギョウキだったな。一芸以外は基本オンギョウキだった筈
608:名無しの星祭
俺もオンギョウキだった。一芸はショタオジだったかな
609:名無しの星祭
一回だけネコマタだったらしいけど、基本はオンギョウキが監督だよ。ショタオジの分身を使うまでも無いしね
610:名無しの星祭
カンニングしても苦労するのは自分だけだしなぁ
611:名無しの星祭
ところで何でそんな質問を?下層の試験一般で越えたけど、セツニキなら普通に受かると思うよ?
612:賭博師
くそみそニキの占術で落ちるって運命を引いたっぽくてな?どうせ落ちるなら遊んでやろうかと
613:名無しの星祭
www
614:名無しの星祭
www
615:名無しの星祭
www
616:名無しの星祭
試験を受けに行くフリして試験で遊ぶのかwww
617:名無しの星祭
幾ら落ちるからってそれは酷いwww
618:名無しの星祭
まぁ、落ちる運命の消化終わったら一芸で越えれば良いだけだしね
619:名無しの星祭
下手にフラグ抱えてるのも危険だしなぁ(御神籤で火に注意で大変な事になった事ある)
620:名無しの星祭
俺も忘れ物注意で食事抜きになった事あったな
621:名無しの星祭
星祭の御神籤引いて出た運勢が凶だったら諦めて翌日行くよね
622:名無しの星祭
今日の運勢だから翌日にはフラグ消えるしなぁ
623:名無しの星祭
大吉引いた時のフィーバータイムがヤバい。稀少な素材やスキルカードがごろごろ出る
624:名無しの星祭
逆に大凶引いた時はヤバいけどね?嫁と大人しく自室から出ない以外に対処法が無い
625:名無しの星祭
無理に行くとまじもんのショタオジ案件になるからな
626:名無しの星祭
下層どころか地方遠征ですら大悪魔とかち合ったんだっけ?
627:名無しの星祭
本殿にも入れなかった昔の話だけど、当時は高位だったパワーに普通に会ったよ(レベル11だった)
628:名無しの星祭
良く生きてたな……
629:名無しの星祭
セツニキが駆け付けてくれたからねぇ
630:賭博師
大凶引いた奴が動いたら連絡する様に言ってたからなぁ。あの時は間に合って良かった。運命の妨害が糞うざかったが
631:名無しの星祭
具体的には?
632:名無しの星祭
あ、俺それ知ってる。大雨で通行止めとかされたやつだよね
633:名無しの星祭
崖崩れじゃなかった?
634:名無しの星祭
強風で大規模停電もじゃね?電車止まったし
635:賭博師
全部だぞ☆ついでに言うと、当時は一反木綿だったムラサキ達も捕まらなくてギン乗ってBダッシュしたぜ
636:名無しの星祭
うはー……大凶酷すぎる
637:名無しの星祭
そういやギンちゃんってどうしたの?確かレベル制限到達しちゃったんだよね?
638:名無しの星祭
え、そうなの?
639:名無しの星祭
まぁ、地方を見れば上限3とかもいるし、むしろ野良の犬神で良く40越えたられたよね
640:名無しの星祭
ちょっと特殊なんだっけ?
641:賭博師
>>637 レベル56で上限行ったっぽいから本犬(?)と話し合って高級式神化する事にした。三桁行けるか微妙だが、その時は魔界に居る犬や狼系の本霊から核を奪うさ
>>639 ギンは元飼い主の仇を取った犬神達から使わなくなった力や才能を託された感じなんだよ。犬神としての概念を強化した感じだな
たぶんギンだけの素質なら20行かなかったと思う
642:名無しの星祭
地方組織が羨みそうな話だ
643:名無しの星祭
力や才能を託して貰うしか……
644:名無しの星祭
努力しないで力を得たいならミックスゾンビや母子合体魔人みたいな合体系かレギオンに取り込まれるしか無くないか?
645:名無しの星祭
偽典は駄目でしょう!!
646:名無しの星祭
力が必要だ……!大切な人をあれにしない為には力が……!
647:名無しの星祭
闇落ちとかいう気軽なパワーアップイベントに見えて遅延罠イベやめろ
648:名無しの星祭
闇落ちしてる時間が無駄というね
649:名無しの星祭
ショタオジやセツニキが試練を用意してくれるしな
好き勝手言われているが、望むなら用意する事に抵抗は無い。努力する人間は好きだしな。
俺らにお礼を言って掲示板から抜ける。ついでにスマホから取れる様になったアポを取り、ショタオジの時間を予約。後は……くそみそニキに電話か。
『もしもし?俺だ』
『その様子だと決まったのか?』
『ああ。全力で遊ぶ事にした』
『……詳しく話せ』
頭の中の草案をくそみそニキに伝える。
『成る程。面白そうだな』
『製造班やら俺らやらみんな巻き込んで盛大にやってやろうかとな』
『くくく。セツニキらしい。分かった。詳細を詰めよう』
『了解。前回と同じ場所で良いか?』
『星霊神社だとオンギョウキにバレる可能性が無いか?』
『バレても良いんだよ。バレ無くても宣戦布告するだけだしな』
ショタオジどころかオンギョウキにすらまだまだ届かない身だが、負けっぱなしで居られる程、俺は大人じゃない。どうせやるなら正々堂々勝負してやる。
『時々、修羅勢の思考回路が読めなくなる』
『俺らはどうせ負けるなら納得した上で負けたいんだよ。全力を賭して勝てないなら、負けを受け入れるしか無いからな。そこまでしないと負けを認めない人種とも言えるが』
『随分と難儀な生態な事で』
『ま、そういう感想になるわな。集合は二十時ぐらいで良いか?』
『問題無いぞ』
『じゃ、また後で』
通話を切り、続いて式神達とのLILINにメッセを入れる。……これで良し。さて、勉強に戻りますかね。
◇
星霊神社の周辺の開拓は未だに進んでいる。場所によっては東京に負けない程の都会になっている場所もあるし、山梨第二支部辺りは越えている気もする。
とはいえ星霊神社から見える星空は相変わらずの美しさを誇っていて、排気ガスに汚された空では無く、昔と変わらず田舎で見上げた時の様な美しさのままだ。
占星術辺りに影響が出てしまうので、当然と言えば当然なんだが。
「お、嫁さん同伴か?」
「あっくん!!ねぇあっくん!!聞いた!?今の台詞聞いた!?」
「隣に居るんだから聞こえてるよ、シノ」
全身で喜びを表現しながらくそみそニキに抱き着く美女。掲示板ではシノさんやら束ネキやら呼ばれてるガイア連合が誇る才女の一人で、デモニカ技術からライダースーツを作ろうとしている*1って噂があったな。
「ま、取り敢えず入るか──っと、その前に嫁の方は煙草平気なのか?」
「大丈夫だよ~。あっくんも吸うしね?」
「成る程。初キスは煙草の味だったか」
「何で分かったの!?」
「そこまでべた惚れで煙草を嫌がらない女は経験上、煙草の香りが良い記憶に繋がってる奴が多かったからなぁ」
「うわ~女を泣かせてそうな感想だ~」
束ネキの発言に力強く頷く式神達を無視して店内へ。初老のマスターに案内されるまま奥の個室に向かい、ついでに注文する。
「俺は前回の酒で。お前らは?」
「今回は御茶にしておく」
「私は珈琲で~」
二人の注文と共に式神達の飲み物と適当に摘まみを注文する。セリスは毎回違う物、ムラサキとアイは緑茶サワー、レティは生のみ、オオマチはカルーアミルクやスクリュードライバー等の女殺しを好んでいる。まぁ、酔う事は無いんだが。
それから少しして、飲み物と摘まみが揃った。取り敢えず乾杯。そして軽く喉を潤してグラスを置く。
「さて、それじゃ真面目に話し合いするか」
「不真面目な話だがな」
「違いない」
くそみそニキと共に肩を竦める。試験で遊ぶ話なんて、普通ならするもんじゃないしな。
「あっくんからある程度の話は聞いてるけど、何でそんな事をしようと思ったの?」
「束ネキはあんまり実感無いと思うけどな?くそみそニキの占術って破るのが面倒なんだよ」
「面倒?というか破れるの?」
「頑張ればな?」
俺の霊格の方が高いし、〝未来予知〟に抵抗する術は〝一族〟でも研究されていた。だから破ろうと思えば破れる。……のだが。
「占術にも色々種類があるんだが、くそみそニキの占術は基本的に受け入れた方が良い類いなんだよ。受け入れた後にひっくり返した方が楽というか」
終末が来るという結果が出たとして、ガイア連合の俺達の尻を叩いて阻止に向かうより、大人しく終末後に文明を残す方向に舵を切る方が楽なのと同じだ。
阻止した所で別の〝原因〟が動き出すだけだしな。
「そういえばマヨヒガの時も同じように手を打っていたな」
「岩手支部を借金まみれにするより〝凶兆〟を受け入れた方が楽だったからな。ショタオジ案件に繋がらないなら変える意味も無いし」
「セツニキは変わらんな」
「俺の終末対策は何時だってショタオジを終末の原因にぶつける事だからな」
困った事にショタオジをフリーにするには実力が足りないが。
「……セツニキ、実はあっくんと親しかったりする?」
「掘られてないから安心しろよ。一緒に山梨の温泉に浸かった仲だけどな」
「後は地獄湯に居る咲ネキの遊び相手だった仲でもある」
「む。あっくんの口から知らない女の名前が出た」
「男女の関係では無いぞ?どっちかって言うと……生贄?」
「あぁ、確かに生贄だったな」
どれだけ未来を読もうと。どれだけイカサマをしようと。信じられない幸運の前には無駄な抵抗だと言うことを身を持って教え込まれたし。
「どうしよう。話が全く分かんない」
「気にしない方が楽よ?どうせ二人とも大切な事は自分の胸に秘めて私達には語らないでしょうし」
パクパクと摘まみを口に運びながらセリスがアドバイス。そんなに秘密主義なつもりは無いんだが。
「貴女はそれで良いの?」
「側に置いて貰えるなら都合の良い女で満足だもの。私にとって最悪なのは見捨てられる事だけで、それ以外は全部些事よ」
「それは式神としての意見?」
「惚れた男が自分の信念を貫くタイプだった女の意見ね」
「……参考にさせて貰うわ」
「ふふっ。頑張って頂戴。他の女に取られるならまだしも、男に取られるのは
「すっごい分かる」
一瞬で打ち解け、盛り上がる女性陣。
「オタクの嫁、うちの
「諦めろ。昔からこういう時の男に人権は無い」
「だよなー」
二人で肩を竦め、煙草に火を着ける。落ち着くまでは黙って飲むかな。
正直、モルペコし過ぎた感じがするけどヨシッ!
最近、他の方の更新多くて嬉しい。毎日更新してくれても良いんじゃよ?