【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
絶対うちの主人公と気が合いそうw
くそみそニキとの密談から三日後。俺はショタオジの部屋に居た。
「って訳で、遊ぼうぜ?」
「良いよ!」
満面な笑みのショタオジ。ストレス溜まってんなぁ。
「ルールは簡単。俺はくそみそニキの占術をフルで活用し、全力でカンニングする。ショタオジは占術でそれを看破、オンギョウキに予め指示を渡して潰すだけだ」
「これさ、実は俺対くそみそニキだよね」
「まぁ、そうなるように動かしたからな。未来が読める者同士のぶつかり合いは俺の認識外だし、経験しておきたいんだよ」
これから先の領域は場外乱闘の方が多いだろう。時間を止め、運命を書き換え、未来を読み、過去を変える。
それを経験出来るなら、下層へ行く時間を遅らせる価値があると思う。絶対的な幸運に殴られた経験はあるから二度目は御免だが。
「テストの結果を問わず俺を落とすのは確定として、他に何かルールで決めておきたい事はあるか?」
「俺とオンギョウキだとセツニキ達が不利じゃない?ハンデ居る?」
「んー……じゃ、占術の対象は俺かくそみそニキのみな」
「おっけー」
さて、これでゲームの舞台は出来た。後は全力を尽くすだけだ。
「じゃ、帰るわ。次の試験の時にまた会おう」
「またね〜」
緩く手を振るショタオジに見送られ、部屋を出る。〝個〟としての強さはまだ勝てないが、〝群〟の率い方ってもんを魅せてやんよ。
◇
まず向かうのは製造班。入り口に居た俺達にエドニキ達古参の居場所を聞き、その場所へ向かう。
「おいっす」
『『『確保!』』』
椅子にぐるぐる巻きで縛り付けられた。
「ふっふっふっ。まさにカモネギ!ペルソナ降霊出来る術者がこんな所に!」
「手伝うのは別に構わないが、俺の手伝いも頼めるか?」
「何やるん?」
「ショタオジと勝負だ」
手短に流れを説明。俺を含む星祭に来れる奴等がここ一年の間に挑み過ぎた*1からか、製造班からは驚きの声すら上がらない。
「成る程ね。セツニキはくそみそニキの〝本命〟を通せば勝ち。通せなければ負けか」
「って事は、俺らはダミーを大量に作ってばら蒔けば良いん?」
「いや、お前らにも〝本命〟を作って貰うつもりだぞ?というか、俺としてはそう言うしか無いんよ」
「あ~的中率ハーフの【占術】に【過去視】持ちのショタオジが相手だもんな」
納得した様に声を上げたエドニキに対して溜め息を吐き出す。
「正直、やるなら下層で鍛え上げてからの予定だったんだ。最上位クラスの占術師が落ちるって結果を出したから大人しく従う以外の選択肢がねぇのが悲しい」
「製造班だと余り理解が追い付かないんだが、実際どれくらいなんだ?」
「忘れ物や予習を頑張り、満点取れる状態でテストを受けるとする。移動は両親や友人に頼み、前日から絶対に遅刻しない状況まで持っていく」
「おう」
「そこまでキッチリ対策すると、車道を走る車
『『『ぶほっ!マジかよ!』』』
マジなんだよなぁ。これが〝未来が読める怖さ〟って奴だ。
「詳しく聞くか?」
「出来れば聞いておきたいな。俺達の多くには関係無いが、修羅勢の装備や道具を作ってる俺らは知らんでは済まされんし」
「俺も俺も~。何時か神剣クラスを作る為の参考にしたい」
「防具担当の私も何に対処すれば良いか知りたい~」
「ういうい。縄を解いてくれ。ついでにホワイトボードの準備よろしく」
「OK」
俺は……自由だ……!と叫びながら身体を動かす。短時間だったし、特に影響は無いな。
「じゃ、まずは前提条件からな。この世界だけなのか、それとも実は前世に存在していたのか知らんが、この世界には因果律ってもんがある。あ、もちろんAの地点から投げた物がBの地点に落ちる事を指す訳じゃないぞ?」
「おけおけ。オカルト的な因果律って事な?」
「いえす。これを決めてる物が【未来視】や【過去視】で見てる物の正体だ」
「はいっ!セツニキ先生!質問です!」
「うむ。何かね?アルフォンス君」
「その決めてる物って何なのか分かってるんですか?」
「正解かどうかは知らないが、少なくとも大きく間違って無いと予想される物は分かってる。その仮説を元に術式を組み立てた結果、正常に作動したからな」
「えっと、それって聞いても大丈夫?ノリで聞いたけど秘伝だったりしない?」
「大丈夫大丈夫。概要だけならみんな知ってるしな」
ホワイトボードに円を描き、その中にAと書き込む。さらにその右上、真ん中、右下に同サイズの円を描き、B、C、Dと書き加えていく。
「このAがこの世界として、残りの三つは平行世界とする。所謂パラレルワールドって奴だ。で、これに追加で書き加える」
Aには今と、Bには一時間後、Cには一日後、Dには一日前。
「【占術】や【未来視】が見てるのは〝
但し、馬鹿げた霊格か因果律に逆らえるレベルの運命力が必要だが。
「成る程。確かに量子力学の世界じゃパラレルワールドの観測方法なんて物は存在してない。だから平行世界とこちらの世界が同じ時間、同じ時を刻んでるとは限らず、知る術も無いから
「そういう事だ」
「でも、それなら因果律は何処行ったん?今の説明で【未来視】や【過去視】の仕組みは理解出来たが、このままだと因果律は関係無いだろ?」
「それも説明する」
一旦ホワイトボードを全て消し、新たに十個の円を描く。その上に一時間後と書き込む。
「これは〝今〟から一時間後の世界のみを纏めた平行世界群だ。この内の八つで俺が死ぬとする。さて、〝今〟を生きる俺が生き残れる確率は幾つだ?」
「2/10だろ──って、そういう事か」
これが【占術】や【未来視】を始めとする〝未来予知〟の怖いところだ。別の世界とはいえ未来で既に発生した事象は、俺が生きている〝今〟にも確実に影響を与えてくる。それが因果律と呼ぶ物の正体だ。
「これは俺の予想になるが、ショタオジの【占術】は広く浅い代わりに起こり得る全てを視れるタイプだ。単純に観測数が多いから平均値に寄り、
そのショタオジが終末は来ると断言した以上、ほぼ全ての平行世界で観測出来たんだろうな。糞が。
「その場合、くそみそニキはどうなるんだ?」
「観測出来る事象は少ないが、かなり深い。だから視える物は基本的に因果律が強い物となる。もしくは
「さっきの例だと十個中十個で起きた事、百個中百個で起きた事象だけが見える訳か。そりゃセツニキも諦めて事後対処するし、ショタオジの【占術】を越えるわな」
「因果律が殺しに来るのを避けるよりも、一度死んで甦った方が遥かに楽だし、安いからなぁ」
下手すれば周囲を巻き込むので、俺が逃げたらくそみそニキは殺しに来るだろう。それを確信出来るぐらいの付き合いがある。
「全てを視て判断するショタオジ vs 視た予言を外さないくそみそニキの対決か。……ハッキリ言って良いか?俺ら、要らなくないか?」
「いや、凄く重要だぞ?」
「というと?」
「〝今の世界〟が製造班が動かないルートで確定すると、ショタオジは観測してる平行世界郡から製造班が起因となる事象を除けるんだ。つまり、本命を見破られる可能性が凄く高くなる」
「あ~だから全員が〝本命〟で〝ブラフ〟になるのか。凄く納得した」
「俺には視る才能が無いからな。ショタオジの負担を増やす為に手段の総数を増やすしか手が無いんだわ」
この後もブラフを交えて友人達に依頼するつもりだ。それでも運命力で正解を引き当てて来そうだが。
「ま、俺の金で製造班の技術力をショタオジに見せ付けてやる機会だと思えば良いさ」
「セツニキが指定したらバレるし、俺らで考えて形にする必要があるのか」
「セツニキと会うのは当日まで避けた方が良いよな?」
「ハンデのお陰でセツニキとくそみそニキを避ければバレないが、会ったらそこを起点に〝視られる〟もんな」
「未来視対策糞面倒だな!いや、逆に平行世界との〝緣〟を絶ってから動けば良いのか?そうすりゃ〝今の世界〟は不確定になるだろ」
『『『それだ!』』』
確かにそれはアリだろう。本来なら影響を与えてくる未来の平行世界から来る干渉を防げば、この世界の結果は
「ベルフェゴールの権能を借りずに行く必要があるぞ?それでも大丈夫そうか?」
「ん?借りちゃ駄目なの?」
「高級式神に入ってるからショタオジが【視覚同調】出来るんだよ。ついでに元々が高位悪魔だから、契約の関係で報告を嘘偽り無く上げる必要があるんだ」
これは占術以外も使ってる感じになってしまうが、高位悪魔への警戒を外す方が問題なので、仕方の無い部分でもある。
「あーそれがあったか」
「まずはショタオジの干渉を切る、または薄くする結界の開発からか?」
「くっそ!楽しくなってきたなぁ!」
「まずは書庫から使えそうな情報を引っ張り出すか!そこから試作だな!」
『『『了解!』』』
楽しそうだが、俺は俺で動かないとな。
「じゃ、俺は次の〝本命〟を仕込んでくる。試験までには間に合わせろよ~」
「おう!期待しててくれよな!」
エドニキに見送られて向かうは医務室だ。さて、フェイスレスニキは居るかな?
◇
全部本命!という暴挙。必殺技が当たらないなら当たるまで連打出来るぐらい必殺技をたくさん用意すれば良い!な精神ともいう。
作者のせいでくそみそニキは吉凶だけでは無く、未来予知までしてる気がするけど気の所為です。たぶん【占術】した時にヴィジョンが見えたとかそんな感じ?