【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
もちろん独自設定です。
マヨヒガとアメリカの繋がりを断ち切った翌日。伝承通りの古民家となったマヨヒガに突入し、ありったけの道具をパクリ、それを岩手技術班に提供。
それを事前に決めていた日程通りに繰り返し、MAGの残滓を含めて全ての〝縁〟を断ち切った事をイワナガヒメと確認した後、ムラサキと共に山梨へ戻った。
報酬として大型の
「よっし、完成」
パクった術式を冷蔵庫に刻み込み、旬の魚を叩き込む。そこへ霊力を注ぎ、増殖させる。限度はあるが、注ぐ霊力を増やせば、その分増殖速度が早くなるのは実験済みだ。
「……というかこれ、MAGで魚を構築してるよな?」
完成したのは、非覚醒者が食べられない劇物だった。取り敢えず焼き、いざ実食。
「悪くはないな、うん」
味は増殖元と大差無し。
増殖元と再び増殖した魚を凍らせ、両手に持ったまま星霊神社へ向かい、製造班に解析を頼む。結果は──
「これ、どういう事だ?」
「そのまんまだぞ?
「解析でそんな数字見たことねぇぞ」
「俺も無い。けど、予想は出来る」
解析してくれた古参製造班によると、検出された成分は確かに同じだが、肉体に与える影響は別らしい。
「中国の仙人は霞を食って生きてるって言うだろ?あれと原理は同じで、生きるのに必要な栄養素をMAGが代行するっぽい」
「つまり、これだけで生きていけるが、徐々に肉体がMAGに置き換えられると?」
「俺も最初はそう思ったんだけどな?生物に取り込まれると、ちゃんと肉体化するんだ」
「…………は?」
どういう事だ?
「俺ら自身が持ってる肉体に引っ張られて物質化するんだよ。医療班も同じ結論を出してる」
「なんつー便利な……」
「山の神からの贈り物は伊達じゃないって事だな。欠点もあるが」
「かなり高位の霊地じゃないと、持っていかれる霊力的に運用が厳しいか」
「俺の試算だとレベル十程度の黒札で一週間に一回、レベル三十以上なら三食ご飯一杯分食えるってとこだな」
自然回復速度が上回る俺らなら使えるが、一般黒札だと枯渇する方が早いか。
「コピーくれ。医療班のもついでに」
「そう言うと思って取ってあるぞ」
「流石だな」
手渡されたA4サイズの封筒を呼び寄せたアイに任せ、岩手支部へ郵送。終末後の食料の足しにはなるだろう。
「良し。そんじゃ邪魔しちゃ悪いから帰るわ。ありがとな──」
「あ、ちょっと待った」
「おん?」
足を止めて振り替えると、何やら書類の塔から物を探していた。
「何やってんだ?」
「製造班として信頼出来る星祭に依頼したかったんだが……依頼書何処やったかなー?」
「その有り様だと一緒にちひろネキの所へ行った方が早くないか?」
乱雑に積まれた資料や論文が散乱してる机から、
「ん~そうするか。じゃ、ちょっと待ってくれ。着替えてくる」
「ういお」
手持ち無沙汰なので待ってる間に思業式神を呼び出し、一緒に資料を整理する。アホ臭い資料から真面目な物まで幅広く、流し読みでも意外に楽しい。
流石、霊能の根源が〝メーティス*1〟なだけあるな。
「お待たせーって、整理してくれたん?」
「暇だったしな」
「さんきゅ。お礼はカラダでし・て・あ・げ・る♪」
「女レベル上げて出直してこい」
「むきー!」
床をダンダン鳴らして怒りを表現してるが、ハッキリ言ってやろう。
「付き合ってきた女の中でそんな事したヤツを見たこと無いぞ」
「アニメ知識じゃ駄目かー」
そら駄目だろ。空想の存在なんだし。
◇
「そっちじゃないぞ」
「おん?」
「ほら、早く入れ」
「えっ。何なんここ?初めて入るんだけど」
「だろうな。ここは修羅勢専用の受付に繋がってるんだよ」
入ってすぐにある階段を降りながら説明する。ちなみにそうなった原因は俺だ。というか一年前の事件が切っ掛けで、余計な被害者を作らない為に作られた。俺以外も霊力は抑えてるしな。
「俺、修羅勢に依頼出す時、何時も上で用紙貰ってたんだけど?」
「わざわざ修羅勢の為だけに書類分けるとか事務課がキレるだろ」
「なる」
契約書を使う依頼は基本的にショタオジ製だが。
階段を降りきった先にある重厚な扉を開けると、そこには薄暗いバーの様な雰囲気の部屋が。ここが修羅勢用の受付となる。
「雰囲気あるな~」
「満場一致で隠れ家的な部屋が良いって事でな。ちなみに受付からだと上と大差無い明るさだったりする」
「なんて無駄な技術」
「それが
「確かに」
受付で依頼表を貰い、近くの席で依頼主が記入を始める。それをただ眺めているのもアレなので、懐から煙草を取り出し、火を着けて煙を吐き出していると、
「おっす」
「こっちで会うとは珍しいな」
「セツニキも依頼?」
「おう。別件で製造班に用があったんだが、その帰りに拉致られたわ。何か製造班として星祭に依頼があるんだと」
「へぇー……それなら俺らも待つか?」
「俺はそれでも良いぞ」
「僕も問題ないよ」
「じゃ、そういう事で邪魔するぜ」
三人が俺の席の近くに座ろうとしたので、即座にネタで応戦する。
「邪魔するなら帰ってな~」
「おう、またな!……このネタ、今の奴等に通じんのかね?」
「知らん」
それから暫く雑談していると、依頼主が受付に向かったので俺らも向かう。
「そういやどんな依頼なんだ?」
「俺もまだ聞いてない。ただ、
「この依頼書を見る限りどっちもですね」
受付の俺達が見せてくる書類を三人で覗き込む。……成る程な。
「確かにこれは僕達向けの依頼だね」
「俺は苦手な部類だわ。一人だったらゼッテー受けねぇ」
「男鹿ちゃんはそうだろうなぁ。俺は結構興味あるぞ」
「蛮ニキは俺側の様に見えてセツニキと同じタイプだからなぁ」
「しゃーねぇーだろ?タイプが万能型なんだから」
ちなみに男鹿ニキは近接型、蛮ニキは万能型(毒特化)というイレギュラーだ。誠一郎ニキはタンクも出来るが、本質はサバイバー*2だったりする。
「真修羅勢はそもそも依頼を受けてくれないし、
「まぁ、
「うん。だから依頼先は満場一致だったよ」
「さよけ」
自分達の依頼で悪魔に魂を持って行かれたら精神的にヤバくなるだろうし、納得の選出だ。
「報酬スゲェな。これ何人分あるん?」
「依頼を受けてくれた人全員に用意するつもりだよ。というか下層の素材価値的にはこれでも安いんだよね」
「そうなん?」
「知らん。取ってきた素材の額を気にした事無い」
そう答えたのは蛮ニキだ。
「誠一郎ニキは?」
「一応、ちゃんと調べてるよ?」
「お!それなら今回の依頼が正当かどうかだけ教えてくれよ」
「難しいね。今まで僕達がボランティアでやってた事に改めて報酬が出るだけだし」
「どういう事だ?」
「男鹿ニキ、そっから先は俺が説明するよ。と言っても、別に難しい事じゃないけど。古参修羅勢の皆が製造班の為に格安で素材を提供してくれてるでしょ?」
「そうなのか?」
「知らん!俺はそこら辺の面倒事は受付任せだぜ!」
「……えっと、セツニキ?」
「諦めろ。星祭の大半は狩ってる間に式神*3が拾ってる素材を買取担当に投げてるだけだ」
「希少だったり、非覚醒者だと対応出来ない素材が多くて毎回大変なんですよ。量も凄いですし」
『『『
受付で話を聞いていた疲れた顔の
俺はちゃんと処理してから霊符に封じ込め、ムラサキ達の【ハイアナライズ】情報を記入してから渡してるので、万が一事故っても事務課の問題だ。
社会人はリスクから逃げるのが得意なのだ。
「ま、人集めついでに掲示板に書き込んでやるからそれを読め」
『『りょ』』
「完全にノリが俺達なのに、他の黒札と隔絶した差があるのは詐欺だよなぁ」
「だから
「わかりみしかない……」
◇
隔離されてました(笑)