【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
まぁ、続きは白紙なんですけどね?
「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」
行きとは違って電車とバスを使わず、山梨への道無き道を
道中で見掛けた異界を全て叩き潰し、喧嘩を売ってくる闇召喚士達を組織ごと滅ぼし、勧誘してくる天使を食い殺し、山の主と相撲を取って温泉に浸かる。
「あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ」
心の底から声が出た。やっぱり温泉は最高だな!
相変わらずの秘境温泉だが、枯れ行く山の侘しさが切なさと散り行く美しさを表現していて、個人的にはかなり得点が高い。うちの祀神は山の神様なので、俺達一族はどんな山の景色でも好きなのだ。ついでに女体。
「まさか儂が負けるとはの……これでも金太郎と良い勝負していたんじゃぞ?」
「おい、風呂に
「む、うるさいのう」
ぼふん!と音を立て、山男の様な姿になるクマ。
「見苦しい。ここは混浴だぞ。普通は女だろ」
「はいはいわかったわかった」
ぼふん!と音を立て、月の輪熊の色彩を残す美女に変わるクマ。うむ、これで良い。
興味が無くなったので、再び山の景色に目を移し、山を駆け抜ける風の音に耳を澄ませる。
やはり山の澄んだ空気と森の匂いは最高だな!二度と東京なんて行きたくねぇ。
「いやいやいや、せっかく女体になったんじゃよ?何かあるじゃろ?ほれ、ほれ」
「はいはいでかいでかい。満足したら離れろよ。俺は温泉を堪能するのに忙しい」
「お主、胸を押し当てても反応しないとは……衆道か?」
ムカついたので温泉から力任せのまま放り投げる。……ちっ、流石は森の神だな。木々を傷付けずに戻ってきやがった。
「ちょ、おま、いきなり過ぎるじゃろ!?」
静かに温泉に入らないのが気に入らないので、今度はより遠くに放り投げ捨てた。その間に符に仕舞っていたタオルで体を拭き、新しい服に着替え、洗濯物を纏めて収納して出発。
本当は茨城県の
道中の異界はもちろん滅ぼす。地元の霊能組織が何を言おうが気にしないし、相変わらず洗脳してくる
途中で〝ぼく〟の故郷に帰省して、汚いお金を手順書と共にママに渡してきた。知ってるか?
ちなみに〝母親〟の同僚達は無事だったみたいで、俺が生きてる事を喜んでくれたのは素直に嬉しかった。
そうやって汚いお金を掻き集め、使えそうな霊能組織に手順書と共に託しつつ進み、長野に入った頃には──世間はジャパンカップをスルーしたシンボリルドルフが出走予定の有馬記念で盛り上がっていた。
前世とは違い、三冠時に凱旋門賞に挑む事を宣言したからか、ミスターCBとの三冠対決の人気はほぼ同等。
確かジャパンカップを取ったカツラギエースも居た筈だし、これはリアタイするしか無いな。と思った直後に自分の居る地名を思い出す。
冬季の長野なら、確か前世の旅行雑誌情報では諏訪大社や諏訪湖がオススメされていた気がする。
上高地に癒やされるのも良いし、
だが軽井沢高原教会は、この世界だと危険かも知れないのでオススメ出来ないな。前世ではオススメ出来る良い場所だっただけに
食い倒れの旅をするなら信州そばや戸隠そば、そばがきは外せない。市田柿やこしあぶら、ソースカツ丼もアリだ。
馬肉を食べる事に抵抗が無ければ、確か馬肉を食べる文化もあった筈。
「まぁ、大人同伴じゃないから何処にも行けないんだが」
悔しかったので八ヶ岳を踏破した後に
アサマかセンゲンか。
つまり、石長比売の〝同じ思いをする
元々アサマは火山を示す言葉で、日本全国にある
しかし、センゲンという呼び名が広まる前に建てられた神社は〝アサマ〟読みなのだ。
つまり、先に生まれた〝姉〟である石長比売はこの浅間山に居ても可笑しくない。……少し無理があるか。
というのも妹の木花咲耶姫は富士山の御神体やってるからか、神格に〝山〟〝火〟〝酒造〟を持っている。御利益はさらに多岐に渡るのだが、姉の石長比売は違う。
所持している神格は〝岩石〟と〝寿命
ま、まぁだからこそ月水石神社に行きたかったのだが……
道を逸れ、浅間山の山頂を目指す。
何故、山に登るのか。そこに山があるからだ。
イギリスの伝説的な登山家、ジョージ・マロリーが口にした言葉だ。実際にはそこにエベレストがあるからだ、らしいが。
この言葉を哲学的に捉える人間や深読みする奴等はたくさん居るが、言った本人はただ登りたかっただけだろう。
誰も居ない、手付かずの大自然の中で。
自分だけがここに存在している。
その孤独を感じるような、優越感を得ている様な不思議な気持ちは、誰も居ない山を登った人間にしか得られないのだから。
とはいえ未だに活火山であり、定期的に噴火しては人に自然の脅威を教える故に、道中にちらほら見える異界が目障りだ。
だからこそギンと二人で異界狩りをしているのだが、中々歯応えのある悪魔が飛び出てくる。
でもフレイミーズとチンがセットで出てくるのはどうしてだ?チン、お前
そしてイッポンダタラ。お前はせめて
悪魔のいい加減さに呆れていると、漸く頂上に辿り着いた。一般人では通れない道を通り、覚醒者故に苦労も無く、そもそもここに居る事自体が誉められた事では無いが──
「来て良かったな」
目の前に広がる雪景色は美しく、東京で溜まった穢れが溶けていく気がする。──だからこそ。
「出てこい、クソ天使」
「おやおや、まさかこの私に気付くとは。良いですねぇ、追ってきた甲斐がありました」
東京からここまで、俺に付き纏っていた
調べれば調べる程、本霊封印されてる土地何処だよ!ってなるのはギャグかな?