【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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誤字報告何時もありがとぉぉぉ!

作者はひたすら書いてるので見直してないのがバレてる(笑)


出張!セツニキゼミ!その四

 

 

 先輩を引き連れて外へ出ると、俺達が口を開けて呆けていた。

 

 

「どうした?鳩が豆鉄砲食らった様な顔をして」

 

「い、いやセツニキさんッ!異界崩壊始めてんスけど!?」

 

「お前らが撤退した以上、責任を持って壊しておかないと駄目だろう」

 

 

 依頼を受けたのは俺なんだし。

 

 

「異界ってそんな簡単に壊せるもんなんですか?」

 

「俺、修羅勢。この異界より強度が高い悪魔達が普段の獲物だぞ」

 

 

『『『修羅勢スゲー……』』』

 

 

 素質だけで語るなら、俺と同等の領域に辿り着ける才能保証が〝黒札〟にはある。ただ、終末の〝引き金(トリガー)〟対策でショタオジを一時的にフリーにする為の人材は揃ったし、たぶんコイツらが俺らの領域に来る事は無いだろう。

 

 時間も、やる気も、覚悟も足りない。それは決して悪い事では無く、残り僅かな()()()()()を謳歌し、終末後をそれなりに楽む為の強さや知識を得る為に頑張っているのだ。

 

 ガイア連合に所属しながら覚醒する事すらしない奴らと比べれば、セツニキポイントはかなり高い。

 

 拍手一回で意識を切り替えさせる。異界内での授業は終わったが、これから反省会とドロップ品の取り扱いに関する授業だ。

 

 

「まずは覚えてる内に反省会だな。自分がしくじったと思った欠点を上げていけ」

 

 

『『『ウィッス』』』

 

 

 返事と共に俺達が自身のミスを上げていく。それを霊符から取り出した紙に記入し、終えたら【模写】のスキルでコピー。

 

 それを先輩を含む全員に配り、ついでにボールペンも渡す。と、そこで気付いた。

 

 

「んー……俺は慣れてるが、お前らは立ったままだとキツイか。ちょっと待ってろ」

 

 

 霊符を適当に撒き、術式を発動。使ったのは〝隆起〟と〝切断〟の二つ。出来上がったのは石材で作られた椅子と机。ビー玉を置いても転がらないぜ!

 

 

「……術者、無法過ぎません?」

 

「この程度なら毎日六時間しっかり勉強して、霊力操作を頑張れば一ヶ月ぐらいで出来る様になるぞ?」

 

 

 使い道がある奴はあるが、無い奴には全く無さそうだが。

 

 

「よっちゃん頑張って!」

 

「俺、霊符収納勉強中」

 

「あー……そっちも便利だしなぁ」

 

 

 話が逸れてきたので拍手で戻す。

 

 

「パーティ内での相談は後でな。まずは反省会だ。取り敢えず配った紙を読め」

 

『『『うぇ〜い』』』

 

 

 書かれてる内容としては的外れな物は無いし、パーティに対する不満も特に無い。負けた理由は順当に〝力不足〟だ。しかも、もう二人ぐらい同程度の戦力が居れば、勝てた程度の不足だ。

 

 

「まず、ここに書かれてる大半の問題は嫁さえ居れば解決出来る。足りない部分を補えるからな。敢えて助言するなら、盾役とアタッカーはヒーラー、後衛はタンク型にするとソロも出来てお得だぞ」

 

「って事は金を貯めろって事ッスか?」

 

「だな。今のメンツ()()でさっきの悪魔を捌きたいって言うなら話は変わるが」

 

「……出来たんですか?私から見ても厳しいと思いますが」

 

 

 先程実力を見せたからか、先輩の声に疑問は混じっていない。純粋な好奇心っぽいな。

 

 

「根本的な問題は俺や先輩が居た事による慢心だからな。お前ら、何時もは少数の悪魔を全員で袋叩きだろ?」

 

「え、知ってたんスか!?」

 

「動きを見れば大体読めるからな」

 

 

 というかタンク役が自身の抱えられる数を把握してない時点で、そういう事だと把握はしていた。その場での助言をしなかったのは、緊急時の動きを見たかったからだ。

 

 

「まずヒーラー以外は自分がソロで抱えられる〝数〟を把握しろ。それを把握しなきゃ戦術も糞も無いぞ」

 

「ソロで倒せる数って事ッスか?」

 

「違う。抱えられる数だ。相手しても死なない数と言っても良い」

 

 

 理解が及ばないのか首を傾げる俺達と、言いたい事が伝わった様に納得の表情になる先輩。ここらへんは経験の差か。

 

 

「タンクのお前の限界数はたぶん二だろう。それ以上の敵視を取ったら、ソロだと削り負けするだろう?。だから三匹目以降は仲間に任せれば良かったんだよ。脳死で【挑発】しないでな」

 

「……成る程。敵のヘイトを取ってれば良いって事じゃないんですね」

 

「もしくはそもそもの敵の数を減らすか、だな」

 

「というと?」

 

「逃げりゃ良かったんだよ。最低でも水場から離れれば良かったんだ。そしたらアズミは絡んでこなかった。その分だけ敵の処理が早くなり、増援が来る前に悪魔を狩れただろう」

 

「あ~だから慢心って言ったんスね」

 

「何時ものお前らなら逃げてる量だったろ?」

 

「面目無いッス……」

 

 

 素直に項垂れるだけ、山梨の高位霊能者(笑)よりマシだな。それにこればっかりは経験だし。

 

 俺らも最初の頃は良く逃げ時を見失って重傷を負っていたし、いわゆる素人あるあるってやつだ。

 

 

「ま、生きてるなら次に生かせ。それより時間も惜しいから次の授業に入るぞ」

 

 

 机の上に異界の素材を解放。さらに解毒薬と解呪符を用意。ついでに簡易アナライズが搭載されたモノクルを配る。最後にガイアラップ*1と使い捨てのビニール手袋*2が入った箱を置く。

 

 

「まずはモノクルを装備。次にラップで魔石を包んでいけ」

 

『『『分かりました』』』

 

 

 六人で黙々と魔石をラップに包んでいく。何というかシュールな光景だよな。とっても大事なんだが。

 

 

「セツニキさん。これにはどんな意味が?」

 

「大気中のMAGが少ないところに悪魔のドロップ品を置くと、時間経過でMAGが抜けるんだ。それを保護する為の道具が裏ジュネスで売ってるこのラップだ」

 

 

 ちなみにこれは修羅勢だけでは無く、古参のガイア連合員全員でテストした思い出の品だ。それぐらい素材からMAGが抜ける事が死活問題だったとも言う。式神の素材に使えなくなるし。

 

 

「これをやっておくと買取価格が一割ぐらい上がるぞ」

 

 

『『『まじっすか!?』』』

 

 

「マジだ。特に魔石はMAGの保有量が値段に直結するからな。面倒だがやっておくとお得になる」

 

 

 しかもガイア連合の補助金が入ってる消耗品の一つなので、円で買えるし、値段も五百円ぐらいで済む。

 

 さらに買取場のカウンターを汚さないので受付の好感度も上がる。少し面倒だが、やらない方が損をするのは言うまでも無い。残念ながら、レベル三十以降に対応するラップは存在しないが。

 

 何時もなら思業式神に行わせるが、今回は教導する事に意味があるので、全て人の手で行う。とは言っても、すぐに終わったが。

 

 

「次にビニール手袋を装着して同じ様に素材を巻いていけ。尖ってる素材も多いから慎重にな。コツは少し厚目に巻くと良い。円で買えるから無駄遣いは気にするな」

 

 

 指示を出しながらぐるぐる巻いていく。この作業の注意点としては、毒性のある素材や呪物化してる素材に注意する事だ。そこらへんの判断は簡易モノクル頼りだな。俺は覚えたが。

 

 

「これも初心者講習で教えてくれるんですか?」

 

「岩手と山梨は教えてるな。他はマニュアルに従ってるかどうかで変わるとしか言えん」

 

「所属する支部や派出所でも変わるって事ッスか……」

 

「初心者用スレでも最初の頃は教えていたんだが、最近の奴等が過去ログ追っ掛けてるか分からんからなぁ。マニュアルに従ってる支部なら常識だし、従ってないなら存在を知らん奴が多いと思うぞ」

 

「うへー……俺達みたいに知らない奴の方が多そうだ」

 

「少なくとも私達〝札持ち〟の多くは知りませんね。買える事すら初めて聞きました」

 

「それは〝黒札〟と情報の入手難易度が違い過ぎるから仕方ないんじゃないか?受付も見込みがある奴以外は基本的に切り捨てるだろうし」

 

「〝札持ち〟はやらかす奴が多いですからね……」

 

 

 先輩が溜め息を吐き出す様に嘆くが、こればっかりは俺にはどうしようも出来ない。精々、コツコツ信頼を積み重ねてくれとしか言えんわな。

 

 そんな事を考えながら素材にラップを巻いてると、教導を頼んできた俺達が疑問を投げ掛けてきた。

 

 

「霊符収納はどうなんスか?あくまでも持ち運びが楽になるだけ?」

 

「いや、ラップを巻いたのと同じだぞ。ただ、カウンターで解放すると机を汚すから事務課の好感度が下がる。余裕があるならラップを巻いた方が良い」

 

「好感度は大事ッスもんね……覚えておきます」

 

「それが賢いと思うぞ」

 

 

 その後は全員で黙々と素材にラップを巻いていき、三十分程で全ての素材を巻き終わった。残るは武具だけ。

 

 

「今回はスカウターを渡したが、それなりに高額だからな。無い場合の対処の仕方を教える」

 

 

 手に取ったのは、用意しておいた解毒薬と解呪符の二つ。まずは解呪符をペタペタと貼っていき、その上から解毒薬をぶちまけた。

 

 

「豪快ッスね」

 

「呪われてる場合は解呪符が反応するし、毒塗りなら解毒薬が反応するんだよ。どちらの反応も無かったら普通の霊装だから安心して使えるぞ」

 

 

 まぁ、毒塗りだったら解毒されてただの刃物になるが。

 

 

「今回は特に反応が無いな。まぁ、スカウターで見たから分かっていたが」

 

「そうッスね」

 

「ってことで、これはお前らで山分けして良いぞ。それが終わったら次の依頼に行くから手早くな」

 

 

『『『ゴチになりまっす!』』』

 

 

 霊符に素材を仕舞ってる間にも嬉しそうに霊装を山分けする俺達。それを一歩離れたところで先輩が見守っている。何気に現地民を見下さない〝黒札〟はレアなんだよな。

 

 願わくば、お互いに長い付き合いになってくれると良いんだが。

 

 

 

 

*1
ガイア連合製のラップフィルム。表ジュネスに売られている調理用品とは違い、裏ジュネスの雑貨屋にのみ販売されているオカルト品。

*2
これも裏ジュネスでのみ販売されているオカルト品。




有能な現地人と黒札を繋ぐのも組織人の仕事です!
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