【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
作者はひたすら書いてるので見直してないのがバレてる(笑)
先輩を引き連れて外へ出ると、俺達が口を開けて呆けていた。
「どうした?鳩が豆鉄砲食らった様な顔をして」
「い、いやセツニキさんッ!異界崩壊始めてんスけど!?」
「お前らが撤退した以上、責任を持って壊しておかないと駄目だろう」
依頼を受けたのは俺なんだし。
「異界ってそんな簡単に壊せるもんなんですか?」
「俺、修羅勢。この異界より強度が高い悪魔達が普段の獲物だぞ」
『『『修羅勢スゲー……』』』
素質だけで語るなら、俺と同等の領域に辿り着ける才能保証が〝黒札〟にはある。ただ、終末の〝
時間も、やる気も、覚悟も足りない。それは決して悪い事では無く、残り僅かな
ガイア連合に所属しながら覚醒する事すらしない奴らと比べれば、セツニキポイントはかなり高い。
拍手一回で意識を切り替えさせる。異界内での授業は終わったが、これから反省会とドロップ品の取り扱いに関する授業だ。
「まずは覚えてる内に反省会だな。自分がしくじったと思った欠点を上げていけ」
『『『ウィッス』』』
返事と共に俺達が自身のミスを上げていく。それを霊符から取り出した紙に記入し、終えたら【模写】のスキルでコピー。
それを先輩を含む全員に配り、ついでにボールペンも渡す。と、そこで気付いた。
「んー……俺は慣れてるが、お前らは立ったままだとキツイか。ちょっと待ってろ」
霊符を適当に撒き、術式を発動。使ったのは〝隆起〟と〝切断〟の二つ。出来上がったのは石材で作られた椅子と机。ビー玉を置いても転がらないぜ!
「……術者、無法過ぎません?」
「この程度なら毎日六時間しっかり勉強して、霊力操作を頑張れば一ヶ月ぐらいで出来る様になるぞ?」
使い道がある奴はあるが、無い奴には全く無さそうだが。
「よっちゃん頑張って!」
「俺、霊符収納勉強中」
「あー……そっちも便利だしなぁ」
話が逸れてきたので拍手で戻す。
「パーティ内での相談は後でな。まずは反省会だ。取り敢えず配った紙を読め」
『『『うぇ〜い』』』
書かれてる内容としては的外れな物は無いし、パーティに対する不満も特に無い。負けた理由は順当に〝力不足〟だ。しかも、もう二人ぐらい同程度の戦力が居れば、勝てた程度の不足だ。
「まず、ここに書かれてる大半の問題は嫁さえ居れば解決出来る。足りない部分を補えるからな。敢えて助言するなら、盾役とアタッカーはヒーラー、後衛はタンク型にするとソロも出来てお得だぞ」
「って事は金を貯めろって事ッスか?」
「だな。今のメンツ
「……出来たんですか?私から見ても厳しいと思いますが」
先程実力を見せたからか、先輩の声に疑問は混じっていない。純粋な好奇心っぽいな。
「根本的な問題は俺や先輩が居た事による慢心だからな。お前ら、何時もは少数の悪魔を全員で袋叩きだろ?」
「え、知ってたんスか!?」
「動きを見れば大体読めるからな」
というかタンク役が自身の抱えられる数を把握してない時点で、そういう事だと把握はしていた。その場での助言をしなかったのは、緊急時の動きを見たかったからだ。
「まずヒーラー以外は自分がソロで抱えられる〝数〟を把握しろ。それを把握しなきゃ戦術も糞も無いぞ」
「ソロで倒せる数って事ッスか?」
「違う。抱えられる数だ。相手しても死なない数と言っても良い」
理解が及ばないのか首を傾げる俺達と、言いたい事が伝わった様に納得の表情になる先輩。ここらへんは経験の差か。
「タンクのお前の限界数はたぶん二だろう。それ以上の敵視を取ったら、ソロだと削り負けするだろう?。だから三匹目以降は仲間に任せれば良かったんだよ。脳死で【挑発】しないでな」
「……成る程。敵のヘイトを取ってれば良いって事じゃないんですね」
「もしくはそもそもの敵の数を減らすか、だな」
「というと?」
「逃げりゃ良かったんだよ。最低でも水場から離れれば良かったんだ。そしたらアズミは絡んでこなかった。その分だけ敵の処理が早くなり、増援が来る前に悪魔を狩れただろう」
「あ~だから慢心って言ったんスね」
「何時ものお前らなら逃げてる量だったろ?」
「面目無いッス……」
素直に項垂れるだけ、山梨の高位霊能者(笑)よりマシだな。それにこればっかりは経験だし。
俺らも最初の頃は良く逃げ時を見失って重傷を負っていたし、いわゆる素人あるあるってやつだ。
「ま、生きてるなら次に生かせ。それより時間も惜しいから次の授業に入るぞ」
机の上に異界の素材を解放。さらに解毒薬と解呪符を用意。ついでに簡易アナライズが搭載されたモノクルを配る。最後にガイアラップ*1と使い捨てのビニール手袋*2が入った箱を置く。
「まずはモノクルを装備。次にラップで魔石を包んでいけ」
『『『分かりました』』』
六人で黙々と魔石をラップに包んでいく。何というかシュールな光景だよな。とっても大事なんだが。
「セツニキさん。これにはどんな意味が?」
「大気中のMAGが少ないところに悪魔のドロップ品を置くと、時間経過でMAGが抜けるんだ。それを保護する為の道具が裏ジュネスで売ってるこのラップだ」
ちなみにこれは修羅勢だけでは無く、古参のガイア連合員全員でテストした思い出の品だ。それぐらい素材からMAGが抜ける事が死活問題だったとも言う。式神の素材に使えなくなるし。
「これをやっておくと買取価格が一割ぐらい上がるぞ」
『『『まじっすか!?』』』
「マジだ。特に魔石はMAGの保有量が値段に直結するからな。面倒だがやっておくとお得になる」
しかもガイア連合の補助金が入ってる消耗品の一つなので、円で買えるし、値段も五百円ぐらいで済む。
さらに買取場のカウンターを汚さないので受付の好感度も上がる。少し面倒だが、やらない方が損をするのは言うまでも無い。残念ながら、レベル三十以降に対応するラップは存在しないが。
何時もなら思業式神に行わせるが、今回は教導する事に意味があるので、全て人の手で行う。とは言っても、すぐに終わったが。
「次にビニール手袋を装着して同じ様に素材を巻いていけ。尖ってる素材も多いから慎重にな。コツは少し厚目に巻くと良い。円で買えるから無駄遣いは気にするな」
指示を出しながらぐるぐる巻いていく。この作業の注意点としては、毒性のある素材や呪物化してる素材に注意する事だ。そこらへんの判断は簡易モノクル頼りだな。俺は覚えたが。
「これも初心者講習で教えてくれるんですか?」
「岩手と山梨は教えてるな。他はマニュアルに従ってるかどうかで変わるとしか言えん」
「所属する支部や派出所でも変わるって事ッスか……」
「初心者用スレでも最初の頃は教えていたんだが、最近の奴等が過去ログ追っ掛けてるか分からんからなぁ。マニュアルに従ってる支部なら常識だし、従ってないなら存在を知らん奴が多いと思うぞ」
「うへー……俺達みたいに知らない奴の方が多そうだ」
「少なくとも私達〝札持ち〟の多くは知りませんね。買える事すら初めて聞きました」
「それは〝黒札〟と情報の入手難易度が違い過ぎるから仕方ないんじゃないか?受付も見込みがある奴以外は基本的に切り捨てるだろうし」
「〝札持ち〟はやらかす奴が多いですからね……」
先輩が溜め息を吐き出す様に嘆くが、こればっかりは俺にはどうしようも出来ない。精々、コツコツ信頼を積み重ねてくれとしか言えんわな。
そんな事を考えながら素材にラップを巻いてると、教導を頼んできた俺達が疑問を投げ掛けてきた。
「霊符収納はどうなんスか?あくまでも持ち運びが楽になるだけ?」
「いや、ラップを巻いたのと同じだぞ。ただ、カウンターで解放すると机を汚すから事務課の好感度が下がる。余裕があるならラップを巻いた方が良い」
「好感度は大事ッスもんね……覚えておきます」
「それが賢いと思うぞ」
その後は全員で黙々と素材にラップを巻いていき、三十分程で全ての素材を巻き終わった。残るは武具だけ。
「今回はスカウターを渡したが、それなりに高額だからな。無い場合の対処の仕方を教える」
手に取ったのは、用意しておいた解毒薬と解呪符の二つ。まずは解呪符をペタペタと貼っていき、その上から解毒薬をぶちまけた。
「豪快ッスね」
「呪われてる場合は解呪符が反応するし、毒塗りなら解毒薬が反応するんだよ。どちらの反応も無かったら普通の霊装だから安心して使えるぞ」
まぁ、毒塗りだったら解毒されてただの刃物になるが。
「今回は特に反応が無いな。まぁ、スカウターで見たから分かっていたが」
「そうッスね」
「ってことで、これはお前らで山分けして良いぞ。それが終わったら次の依頼に行くから手早くな」
『『『ゴチになりまっす!』』』
霊符に素材を仕舞ってる間にも嬉しそうに霊装を山分けする俺達。それを一歩離れたところで先輩が見守っている。何気に現地民を見下さない〝黒札〟はレアなんだよな。
願わくば、お互いに長い付き合いになってくれると良いんだが。
◇
有能な現地人と黒札を繋ぐのも組織人の仕事です!