【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
先輩が回収した残留MAGを追跡用の道具に加工する為、途中に見えた神社に立ち寄り、道具を借りる。
それを俺達に見学させていると、鬼手一族の一人が挨拶にやって来た。
「お久しぶりです」
「おう。久しぶり」
軽い近況報告から始まり、情報交換。湾岸地域の結界を張り終えた後、穏健派は契約通り撤退したらしい。残念ながら
そいつらの監視や捜索に鬼手一族が掛り切りになってる関係で、少し異界が増加傾向にあるようだ。
「……成る程。じゃ、壊して欲しい異界の場所に印を付けておけ。新人教育のついでに壊してやるよ」
「ハッ!感謝します!」
深々と頭を畳に付ける鬼手一族に軽く手を振って下がらせる。上座に座ってるというのもあるが、当主だった頃を思い出すな。
それから少しして、先輩が追跡用の術式を完成させた。残留MAGが本体へ戻る様に働き掛けるシンプルな術式だが、描かれている術式の丁寧さは鬼手一族の上位陣に引けを取らない。
んー……扶桑ネキに推薦しておくか。魂の色も悪く無いし。
そんな事を考えていると、外から俺達の歓声が聞こえた。残留MAGを墨に溶かし、術式で〝烏〟に変えて飛ばすだけの術式だが、スキルには無いので目新しく映るのだろう。
「……ふぅ。後は式神に付けた発信機の反応を追えば大丈夫です」
「お疲れ様ッス!いや〜やっぱ先輩は頼りになるッスねぇ」
「セツニキさんが選ぶだけの事はあるよな〜」
「有難う御座います。ですが、彼程の活躍を期待されるのは困りますよ?」
『『『それは分かってます』』』
楽しそうに会話をしている俺達を尻目に、この神社の神主へ御礼を済ませる。ついでに手慰みで作った護符をプレゼント。
石長比売の〝色〟は出していない。なので、この神社の御神体からもそこまで反感を買わないだろう。
終末後なら崇める様に強制出来るが、石長比売自身が信徒をそこまで望んでないんだよな。
アイツが望むなら石長比売の野望をリアルでプレイしても良いんだが*1。
◇
──星祭神社・本殿。
「そういえば、姉さんは信仰をそこまで求めてませんよね?何か理由があるんです?」
お茶を飲みながら茶請け話ついでに日頃の疑問をサクヤが振ると、イワナガは深い溜息を吐き出した。
「私が本気で求めれば、星祭の方々は動いてくれるでしょうね」
「やらないんですか?チャンスですよ?」
他の神は封印されていて居ませんし、とサクヤが信玄餅を口に運びながら訊ねるが、イワナガの表情は渋いまま。
「サクヤ。良いことを教えてあげましょう。磐長一族は神としては喉から手が出る程に優秀ですが、同時に神へ求める立ち振舞もそれはそれは厳しい物なのです。もし、安易に卑しい振る舞いをすれば……」
「すれば?」
「次の
「……祀神として崇められてるんですよね?」
「ええ。しっかり信仰心は届いてますよ」
「それでも?」
「それでも」
◇
「くしゅん」
先輩の式神の位置情報を頼りに北東へ車を走らせてる最中。急にムズムズしてくしゃみが出た。
「薄着で異界壊しに行ったからか?いや、何か性癖ズッポシな銀髪褐色の爆乳美女に噂された気もするな」
「セツニキさんなら普通にありそうで反応に困るんスけど」
「狙ってる鬼手一族も多いって噂だしね〜」
好き勝手言ってる俺達を尻目にスマホに目を落とす。久慈市か。随分遠くまで逃げてきたな。
取り敢えず先輩の追跡がバレたので〝俺〟の式神から【束縛】を叩き込み、床に転がしておく。
さらに逃げられるのも面倒だし。
「……っと、すいません。バレました」
「あら。ちょっと不味い感じッスか?」
「ある程度の場所までは絞り込めましたが……移動されるかも知れません」
「後は足で探すぞ。現地の鬼手一族に聞けば、目撃情報ぐらい出るだろ」
『『『了解』』』
市街地に入って適当な場所に車を止める。そこで二手に別れて捜索開始。
組分けは俺とそれ以外だ。というか居場所を知ってるしな。
隠形を使って気配を断ち、そのまま屋根の上へ着々。そこから屋根伝いで
予想到着時刻は二時間程。鬼手一族から情報を貰い、しらみ潰しに霊痕を辿るならそれぐらい掛かると見ている。
この予想を覆してくれるなら楽なんだが……無理だろうな。
暇なのでスマホを取り出し、
続いて開いたのは掲示板だ。
★【鬼手と】岩手支部スレ65【共に】
1:名無しの転生者
ここは岩手県を守る為に集まった岩手県民の俺達用スレです。
定期的に保守をお願いします。マジでお願いします。
現地民に対する感情は〝黒札〟ごとに違いますが、岩手スレでは貴方の胸の内に留めてください。
岩手防衛を統率の取れない霊能者だけでやりたくないんです……!
キリスト教とメシア教は違うので注意。一纏めに扱いたい人は岩手に合ってないかも。
メシアを名乗る犯罪者を見付けたら即座に支部へ連絡を。怖い俺達が即座に駆けつけてくれるぞ☆
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630:名無しの転生者
黒札襲った闇召喚士は未だに逃亡中?
631:名無しの転生者
久慈市に逃げ込んだのは確認済み。で、鬼手一族が全力で市内封鎖してる
632:名無しの転生者
他県から来てくれた俺達も率先して参加してくれてるし、俺らも邪魔にならない様に発煙筒持って巡回してるよ
633:名無しの転生者
最近来た俺氏、鬼手一族の連携に困惑。というか名家が何で連携取れてるんすか……?
634:名無しの転生者
名誉岩手県民様が一度全員叩き潰して纏めたからだぞ☆
635:名無しの転生者
才能は悲しいけど、割り切って俺らのフォローに特化してくれてるから凄く楽よ
636:名無しの転生者
ん、その情報古い。今は下手な俺達より強い
637:名無しの転生者
えっ?
638:名無しの転生者
はっ?
639:名無しの転生者
束縛符×人数×アガシオンやぞ。今の鬼手一族
640:名無しの転生者
え、良くそんなアガシオン確保出来たね?
641:名無しの転生者
エロアガシオンイベントの出来損ないを格安で回してくれたんよ
642:名無しの転生者
尚、星祭製
643:名無しの転生者
見た目はちょっと教育に悪いし、普通のより当たり外れ多いけど、必要なのはレベル十前後のアガシオンによる数の暴力だからね
644:名無しの転生者
本体は複合結界で安直居座りの暴力です
645:名無しの転生者
大陸で天使がやってる事の劣化版か
646:名無しの転生者
だからこそ強さが分かるという
647:名無しの転生者
それは見下せねぇわ
648:名無しの転生者
ちなみに〝ピエール*2〟〝スラリン*3〟〝はぐりん*4〟〝ナギサ*5〟はハッキリ言って大半の俺らより強いぞ 平均レベル20だぜ
649:名無しの転生者
ナギサってエドニキとセツニキが遊んだスペシャルじゃないの?良く回ってきたね
650:名無しの転生者
鬼手の未来の当主が〝黒札〟庇って重傷負ってな。それの報奨品として下賜されたんよ
651:名無しの転生者
元々は初代エンジェルをゲルっぽいので作ってメシア教から俺達を引き離そうぜ!って作られたやつなのが笑う
652:名無しの転生者
スケベ部は暇をもて余した神々の遊びを地で行くから……
653:名無しの転生者
おい、久慈市に居るやついるか?
654:名無しの転生者
ノ
655:名無しの転生者
居るぞ
656:名無しの転生者
俺も
657:名無しの転生者
セツニキさんが行ったっぽい。探索より封鎖メインでよろしく
658:名無しの転生者
うっは……闇召喚士終了のお知らせ
659:名無しの転生者
了解。逃がさないようにするわ
660:賭博師
もう縛って指導中の俺達の到着待ちだから警戒解除していいぞ。
661:名無しの転生者
はやいんよ……!
662:名無しの転生者
というか指導とかうらやま!
663:名無しの転生者
岩手支部で暇してたセツニキさんに俺も声かけりゃ良かった……!
664:現当主
>>660 了解です。一族を下げて処理した異界の確認に回します。
665:名無しの転生者
あれ?セツニキさん異界潰したの?
666:名無しの転生者
ん、ほんとだ。派出所も依頼票剥がしてる
667:賭博師
岩手の利益にならない異界は式神で処理したぞ。あってもGP上げるだけだし
668:高尾山
助かりました。念のための確認を終えたら報酬を振り込んでおきますね
669:名無しの転生者
修羅勢やベー……
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「こんなもんかな」
懐にスマホを仕舞いながら監視を続けていると、後ろから抱き付かれた。頬を掠める
「アイか。山梨便の仕事は終わったのか?」
「はい。最近は〝黒札〟や【転移】可能な
後輩の稼ぎを奪うわけにも行きませんし、とはアイは俺を抱き締めながら口にする。
「本気でやったら一瞬だもんな」
「お金に困ってませんし、譲るべきところは譲らないと。御主人様と一緒に居られる時間も増えますしね」
独占出来るのが余程嬉しいのか、抱き締める力こそ弱めたもののアイが離れる気配は全く無い。そんな可愛らしい嫁の胸を背中で味わい、
「相変わらず干した布団の匂いのする良い尻尾だな」
「お手入れ頑張ってますから」
もふもふに顔を埋め、大きく深呼吸。ここが自室ならこのまま押し倒すが、残念ながら俺には依頼がある。