【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
やはり毎日更新は強い(断言)
自動的に開かれた門に導かれ、当たり前の様に館に到着。さっさと入って来いと言うかの様に開かれた門を潜れば、バタンと閉じられた。
念の為、ドアノブを掴んで回してみるが、ガチャガチャと鳴るだけで開かない。
「閉じ込められたな」
「予想の範囲内ね。──少し下がって」
愛宕ネキの指示通りに下がると、艤装の砲塔が動き、砲撃を開始する。
轟音と共に扉に叩き込まれる
「異界化してますね」
「じゃ、次俺な」
狙うはドアノブ。瞬間的に抑えていた霊力を開放して蹴りを叩き込むと、凄まじい轟音と共に玄関が吹き飛び、ついでに門までぶち壊しながら突き抜けていった。
「鍵は掛かってないな!ヨシッ!」
「ホラーが一瞬でコメディになったわね」
「いや、そうでも無いぞ?」
「えっ?」
「ほら、見てみろよ」
吹き飛ばした扉を修復しようと、破損箇所から赤黒い
「ここは館では無く、何かの体内だと思った方が良い様だな」
「古ぼけた館の内装は【変化】辺りかしら?」
「たぶんな。下手すればクトゥルフシナリオの可能性もあるぞ」
「勘弁して欲しいわ……」
心底勘弁して欲しいと言った様子で愛宕ネキが溜め息を吐き出す。首を捻る扶桑ネキはたぶんクトゥルフを知らない感じか。
レティ?レティはだからどうしたという自信を感じる。何が起きようが自分が揺らがない辺り、星祭に染まってるな。
「じゃ、まずは一階の探索からするか。どうせ地下室が本命だろうけどな」
「入ってすぐの部屋に黒幕が居ても良いのよ?」
「それだったら余った時間で温泉にでも行きます?」
「良いですね。気分が高揚して来ました」
レティが加賀の様な台詞を吐いた所で丁度良く部屋に到着。軽くドアノブを捻ると、特に抵抗無く回った。
「行くぞ」
ドアノブを捻って肩で開け、ベレッタを構えてながらクリアリング。……何だろうな、この違和感。
「客室……かしら?」
「何か違和感ありませんか?」
「たぶん
「ああ、それか」
レティのお陰で違和感が解消出来たので、最初の部屋の探索は三人に任せ、俺は一人隣の部屋へ続く扉の前へ。
ドアノブに手を掛ける直前、一旦離れ、代わりに蹴りを叩き込んだ。
「ちょっとどうしたの!?」
「何か有りましたか?」
「ドアノブに針が仕込まれてた。しかも隠蔽術式付きだ」
「間違いなく毒針でしょうね」
「だろうな。レティ、お前は治療の為に待機。愛宕ネキと扶桑ネキで探索宜しく」
『『了解』』
ドアノブを壊して侵入した次の部屋は、高級そうなベッドが置かれている寝室だった。枕元に置かれているサイドチェストを上から順番に開けていくが、何も入っていない。
続いて本棚に仕舞われている本に目を向ける。使われている言語は様々だが、共通しているのは医学書という事か。パラパラと捲っていくと、一枚のメモが滑り落ちる。
『Ich werde es mir auf jeden Fall holen und es euch zeigen.』*1
書かれてる言語はドイツ語。怒りに震える手で書かれたのか少し読みづらい。
残りの本もパラパラと読んでいくが特に何も無し。強いて言うなら客間と思われるこの部屋に置くには不自然な医学書ばかりという事か。
探索を切り上げ、愛宕ネキ達の元へ戻ると、そこには
大人しく客間を出る。どうやら知らぬ間に劇的ビフォーアフターされた様で、壁や天井が内臓の様に変わり、ビクビクと脈動していた。
取り敢えず寝室に戻り、扉を閉めてから再び開ける。
今度は別の場所に飛ばされた。ランダム転移か。面倒な。
それから出たり入ったりを繰り返すこと十分程。漸く愛宕ネキ達と合流出来た。
「この部屋入るとランダム転移されるぞ。たぶん他にもあるだろうから単独行動禁止で。それとこれを渡しておく」
霊符を二枚差し出し、愛宕ネキ達に渡す。
「これは?」
「下層でも通用する【
「分断されたら使えば良いのね?」
「ああ。その時には俺も教育から攻略に切り替える」
「安心感が凄いですね」
「そうね。保証があるのは良い事だわ」
大切そうに霊符を抱く扶桑ネキと即座に仕舞う愛宕ネキ。その嬉しそうな姿を見てレティが口を挟む。
「主様は罪な男ですね」
「他の男が頼り無さすぎんだよ。俺ぐらいとは言わんが、少し努力すりゃ俺の代わりに成れたのに」
「憧れてる間に主様がかっさらっただけでは?」
「だとしても会う時間を考えたら幾らでもチャンスはあった筈だぞ」
下層に潜り始めてから岩手に向かう回数はグッと減った。岩手支部が安定していたというのもあるが、特に用事も無く遊びに来る様な事をしていないのだ。
その隙に愛宕ネキ達の好感度を上げる時間はあったし、接近する余裕もあった筈。だから俺の結論としては男が悪いとしか言えない。
「普通そういう話を本人の前でする?」
ジト目で俺達を睨み付ける愛宕ネキ。扶桑ネキは頬を赤く染めて俯いてるので話にすら入れない。個人的には二人とも可愛らしくて好きなんだが、レティの意見は違うらしい。
「今回の様なチャンスを生かさないと高位霊能者は何時まで経っても独り身か、望まない結婚エンドですよ?流石に愛宕さんじゅうはっさいは嫌でしょう?」
「うっ……」
男の俺には理解出来ない感情だが、女性は幾ら見た目が若くても年齢を気にするんだよな。息子で考え、息子で動く俺とは大違いだ。
「レティさんはそれでも良いんですか?その……私達がセツニキさんと恋仲になってしまっても……」
「扶桑さん。良いことを教えてあげましょう」
レティが扶桑ネキの耳元に口を近付け、何かを語ると、ボンッ!と扶桑ネキの顔が真っ赤に染まる。
ついでに盗み聞きしていた愛宕ネキも赤くなってる辺り、夜会話(意味深)かねぇ。
「そういう訳で、私達は貴女達が哀れな子羊になる事を歓迎しますよ。主様を縛り付ける鎖は多い方が良いですから」
「……考えておくわ」
「が、頑張ります……」
話が終わった様なので、パンッ!と拍手一回。
「それじゃそろそろ意識を切り替えてくれ。たぶんこの部屋を出たら戦闘があるだろうしな」
『『『了解』』』
この辺りの切り替えの早さは流石だな。教導者としては楽で良い。
四人で固まりながら部屋の外へ出ると、やはりランダム転移を食らった。風景は古びた館の方では無く、何かの体内を連想させる肉壁だ。扶桑ネキは余り経験が無いのか少し顔色が悪い。
「扶桑ネキが慣れるまで真ん中で良いとして、愛宕ネキと俺が前、レティが後ろで良いか?」
「構いませんよ。扶桑さんが慣れたら主様と入れ替わりでしょうし」
「了解。扶桑、無理しないで良いからね」
「すいません……」
「気にすんな。ゆっくり慣れていけば──」
ベレッタを構えて発砲。頭に三発、心臓に二発。うん、腕は落ちてないな。
「良いさ。焦るような場所じゃないしな」
「会話しながらでも当てられるのね……」
「昔取った杵柄ってヤツだ」
「杵柄多すぎでしょう」
会話しつつ死体を検分。肉体を構成していたMAGの大半は大気へ還ったが、三割程度の残留物が肉の廊下にばら蒔かれる。
「やけに残ったな?」
「ドロップ品──というには、ちょっと可笑しいわね」
「それ、人間の肉体では?」
レティの言葉を受けて再び見てみると、確かに
「こんな事って有り得るの?私も支部長として敵対したデビルシフターを何度か狩った事あるけど、その時は全部還ったわよ?」
「俺もそうだな。食い残しのある現場は何度も見たが、倒した悪魔から人間のパーツが落ちた所は見たこと無い」
会話している内に残留物が肉の廊下に飲み込まれて消えていく。採取する様な物でも無いので後悔は無いが、今は情報が欲しい。
「次に出てきた悪魔を少し観察するか?」
「それが良さそうね。明らかにイレギュラーだし」
「医学的見地からの意見はお任せくださいな。職業柄見慣れてますので」
「優秀なお嫁さんね?」
「そのせいで良く色んな奴等に持ってかれるけどな」
「終末後に堕落した生活を送れるぐらい稼いでるんですけどね。人手が足りな過ぎてまだまだ現役になりそうです」
ムラサキもアイもゲストの護送に使われてるし、セリスはセリスで俺らに混じりながら後輩指導の役目がある。
唯一の人間である禊も星祭神社の代表としての仕事や神事があるので、実は他の黒札達の嫁と違って会える時間が少ないんだよな。
再び四人で進んでいると、廊下の突き当たりに肉壁に飲み込まれた扉が見えた。ドアノブは回るが、肉が邪魔で開かない。
「砲撃行くわ」
「任せた」
愛宕ネキの
「扉は開きそうですね。どうします?」
「入りましょう。いざとなったらセツニキ頼りよ!」
「愛宕……それで良いの?」
「岩手支部としてはセツニキが居る内に解決した方が良さそうな案件だもの」
そう言いつつ愛宕ネキが扉を開けると、向こう側は肉壁では無く古びた館だった。
◇
ちなみに何時だってギリギリだぜ!
更新止まったらついに終わったんだなって思ってください(笑)