【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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悪魔感染(デビルハザード) 陸

 

 

「おー……流石にこれだけ集まると壮観だな」

 

 

 鬼手一族に所属している事を示す〝鬼の手〟の刺青。それを顔に、肩に、太股に、腕に入れている集団が一堂に集い、少数に別れて談笑している。

 

 扶桑ネキの話では最初の頃は一族内で手柄争いがあったらしい。それも黒札を直接見るまでの短い間だったらしいが。

 

 俺ぐらいとは言わないが、レベル二十ぐらいの黒札はたくさん居るからな。そら、なけなしのプライドも折れるわ。

 

 

「それで?これからどうするの?」

 

 

 俺と一緒に鬼手一族を眺めていたセリスが疑問の声を上げた。

 

 

「作戦の総指揮は扶桑ネキにさせる予定だから時間まで待機だな。今日の俺達は指導員だ」

 

「成る程。だから昨日はあんなに()()()()()くれたのね」

 

「ストレスも溜まってたからな。久々に自分勝手に楽しんだぜ」

 

 

 ミナミィネキや探求ネキから回ってきた房中術に一族の秘伝にスケベ部の新技術に掲示板の与太話を実現させた術式。

 

 それら全てを磨き、纏め上げ、嫁達に合わせたパーフェクトプランを提供しつつ、魂を視認しながら反応に合わせて微調整。

 

 はっきり言おう。

 

 

 物凄く楽しかった。

 

 

「私達も少しは貴方を楽しませる事が出来ると思っていたのだけど……」

 

「ふっ。俺の性技はガイア連合と共に進化してるぜ」

 

 

 真面目な話、ガイア連合のエロ関係の進歩速度が可笑しい。下手すりゃ戦時中の科学の発展速度並みに日進月歩を突き進んでいる。

 

 その筆頭がミナミィネキなんだが、その影に隠れて多くの俺達が暴れてるんだよな。

 

 探求ネキの〝卵の種*1〟とかスケベ部の〝息子ワープ〟や〝透視メガネ*2〟とか普通にあるからな。可笑しいだろ。

 

 ちなみに俺が一番コイツらやべぇと思ったのは〝無限振動(インフィニティバイブレーション)〟と名付けられた()()()()だ。

 

 人肌程度の温度で発電可能だから電池切れの心配無し!!しかも小型だから持ち運びやすいぞ!!気が済むまで気になるあの娘を虐めよう!という頭の可笑しい謳い文句と共に発売されたこれは、明らかに〝オーパーツ(人類には過ぎた物)〟だった。製作レシピ、使用素材、術式の全てが封印指定になったのは言うまでも無い。

 

 ついでに言っておくが、封印指定される様な術式や品物をガイア連合で一番作り上げてるのがスケベ部だ。

 

 ショタオジが『使うならせめて終末後にして』と呆れていたと言えば、そのヤバさが伝わるだろう。

 

 

「何というか貴方達は自分に素直よね」

 

「じゃなきゃ式神(お前ら)なんて作らねぇよ」

 

「……それもそうね」

 

 

 呆れた様にセリスが溜め息を吐き出す。思えば、長い付き合いになったもんだ。

 

 

「そうだ。丁度良い機会だから聞きたかったのだけど、貴方は私の姿に満足しているの?確か流れで作られたのよね?」

 

「そうだな。でも、その胸は俺の好みをもろに反映してんぞ」

 

 

 両腕で胸を支える仕草が好きなんだよな。伸びをした時に強調されるのも良い。胸が邪魔で足元が見えない何て愚痴を聞いた日には理性が崩壊するぜ。

 

 

「髪色や顔、瞳の色は?」

 

「好みに決まってんだろ?」

 

「……嘘は無いようね」

 

「そら本心だしな」

 

 

 というか金髪碧眼の爆乳美女が嫌いな奴なんて居るのか?貧乳が好きって奴はたくさん居るが、金髪碧眼爆乳美女が嫌いって断言する奴は見たこと無いぞ。

 

 

「褐色黒髪はどうなの?」

 

「大好きだぞ。というかな、セリス。男は美女美少女が大好きなんだよ。余程性格が糞じゃない限り、好きと答えるに決まってんだろ」

 

「世の中には特殊な性癖の人も居るじゃない?」

 

「お前やムラサキ達で楽しんでるのに?」

 

「……それもそうね」

 

 

 大きく溜め息を吐き出し、セリスが頭を下げる。

 

 

「御免なさい。少し不安だったの。私は貴方の役に立つ為に生まれたのに、少しも役に立ててる気がしなくて」

 

「俺は優秀だからな」

 

「本当にね。嫌になるぐらい優秀だわ」

 

 

 前世と今世合わせて一世紀近くの経験がある俺に対して、見た目以下の年齢であるセリスが勝てる訳が無いんだが……割り切れるならそんな()()を浮かべないか。

 

 セリスの頭に手を置き、少し乱雑に撫でる。せっかく整っていた髪を崩す事に優越感を感じるのは男の性か。赤の他人にやったらビンタは免れない。

 

 

「少しづつ学んで行けば良いさ。幸いな事に俺達の人生は長そうだしな」

 

 

 このまま行けば、たぶん終末が来るより先に超越者の領域に踏み入るだろう。

 

 そうなれば、寿命なんてあってない物だ。この世の全てを知る為に生きても良いし、好き勝手生きて死んでも良い。

 

 未来が明るいって最高だな!前世の最期とは大違いだぜ!

 

 

 

 

「時間ですね。皆さん、集まってください」

 

 

 良く通る扶桑ネキの声が館の前の広間に響き渡る。ゾロゾロと集まりだした鬼手一族達を眺めながら、次の言葉を静かに待つ。

 

 

「突然の召集に応じて頂き、感謝致します。まずは召集理由について説明しますね」

 

 

 俺が報告した内容を簡単に纏めて扶桑ネキが語り出す。メシア教の名前が出た時、全員が『またお前らが元凶かよ……』と嫌そうな顔をした時は、笑いを堪えるのに必死だった。

 

 

「────という経緯となります。何か質問は御座いますか?」

 

 

 話終えた扶桑ネキがそう尋ねると、初老に入った老人が手を上げた。……顔に〝鬼の手〟か。ファンキーな奴だな。

 

 

「ムラサキさんやセツニキさんの指導を受けながら人海戦術で館を探索するという方針は理解したんですが、本丸は数の暴力で討伐ですか?」

 

「いえ。敵の首魁までの道が開かれたらセツニキさん達が動きます。私達は道作りがメインですね」

 

「……今回の妖は其ほどまでに強力なのですか?」

 

「岩手の支部長である愛宕より上だとガイア連合は判断しています」

 

 

 その言葉に鬼手一族がガヤガヤと騒ぎ出す。しかし扶桑ネキも慣れている様で、良く響く拍手で鎮めた。

 

 

「貴方達が努力をしている事は理解しています。ですが、この業界は才能が全て。貴方達の様な貴重な術者を失うぐらいなら、プライドを捨てて頼む事が一番一族の利益となると確信しています。もしその判断に異論があるのならば、何時でも掛かってきてください。相手になりますよ」

 

「いえ。私は当主様の判断を尊重します」

 

「それは良かったです」

 

 

 艶やかな笑みに少しだけ惹かれそうになったが、我慢して扶桑ネキの隣に飛ぶ。

 

 

「ここからは俺が説明する。まず始めに──」

 

 

 説明するのは全体の流れだ。

 

 まず始めに俺が術者を保護する為の結界を張る。この時に【ラスタキャンディ】や【消費MP軽減】等も同時に展開し、低レベルの鬼手一族でも長期間式神を維持出来る様に能力の底上げと場を整える。

 

 続いて小型の飛行蟲*3を放てるだけ放ち、異界の地図製作に入る。

 

 飛行蟲には扉の開閉が不可能、さらに戦闘能力が無いので、俺と嫁達*4で思業式神と擬人式神を放つ予定だ。数こそ少ないが鬼手一族の上達も使えるので、こちら側に割り振る。

 

 地図がある程度完成したら、次はギミック看破に挑む。

 

 地図作成中にある程度の情報が集まると思うので、それの確認作業になると思うが。

 

 

「────って流れになる。何か質問はあるか?」

 

 

 特に挙手は無し。理解力が高いのは良いことだ。

 

 

「それじゃ結界張るぞ──」

 

 

 霊符を百枚程ばら蒔き、いざ起動しようとしたその瞬間──

 

 

「危ねー!間に合った!?」

 

「たぶんセーフ!」

 

「やっほ!セツニキさん手伝いに来たよー!」

 

 

 術者スレで交流のある黒札達がやって来た。

 

 扶桑ネキに視線で尋ねると、首を横に振られた。って事は名家俺達がスレに書き込んだ感じか。

 

 

「手伝ってくれるのは助かるが、報酬出ないぞ?」

 

「良いよ!俺達セツニキさんの指導目当てだし!」

 

「この異界攻略終わったら指導してくれるんだよね!?」

 

「まぁ、お前らがそれで良いなら構わんぞ」

 

 

『『『やったー!!』』』

 

 

 何というか無料で強力な戦力が手に入ったな。これ、物量で押しきれるんじゃないか?

 

 

「後から来た訳だし、取り敢えず擬人式神辺り放てば良い?鳥型の式神も飛ばせるよー!」

 

「私も二十人までなら思業式神出せます!」

 

「取り敢えず陣張るから少し待ってろ」

 

 

 ばら蒔いた霊符を動かし、陣形を形作る。そして手元の霊符に霊力を流し──起動。

 

 

『『『おぉ……』』』

 

 

 メガテン的に言えば【聖域(トラエスト)】をベースに【大魔脈】や【食いしばり*5】等を複合させた物となる。

 

 双子ニキ(兄)がやっていた【地脈接続】やそれを利用して霊力の回復速度を上げる為に【霊地活性】も組み込んだが、流石に山梨ほどの効果は無理だ。精々体感出来る程度だろう。

 

 

「──良し、準備完了。それじゃ各自始めてくれ。俺達は好きにして良いぞ」

 

 

『『『了解ッ!!』』』

『『『りょうかい!』』』

 

 

 今日中に何処まで行けるかねぇ。

 

 

 

*1
卵殻形成式整理用品。多目的の実用品として売れている人気商品らしい。もちろん楽しんだ。

*2
残念ながら全てを透過出来る程の高位霊装では無いので、透視を楽しむには嫁に市販の服を着て貰う必要がある。ガイア連合産の衣類だと半々の確率で透けない。

*3
蚊の様な見た目の小型式神。レベル1でもそれなりの数を使役出来るが、壁にぶつかった程度で死んでしまう弱さを抱えている。

*4
セリス達も磐長一族なので術式はある程度修得している。力量的にはムラサキとアイがトップ、最下位がセリス。

*5
式神が破壊された時の保険。

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