【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
「Ich kann nicht anders, Junge. Ich habe dich in eine Rolle gezwungen, die mir nicht gefiel.」*1
「تۆش وەک ئێمە نابیت. "دۆڕاو" مەبە کە نەتتوانی ئەو کەسانە بپارێزیت کە پێویستە بیانپارێزیت.」*2
「Don't worry. I'm strong. I'll survive to the end of hell. ──See you in the next life.」*3
特殊弾を装填したバレッタの引き金を引く。銃声が物語の
俺が辿り着いた時には全てが解決していた。
故に
「ショタオジが良く言う運命力ってもんを感じるな。──糞が」
物語が終わった後に救う事など出来はしない。そもそも脇役に出来る事など何も無かった。
まるで台本通りに進む劇の様に──この館の事件は終了していた。
── 一時間前。異界最深部。
「ここが一番酷いな」
生物の体内の様な異界の景色から近代的なシェルターの様な内装。そこに飛び散る生々しい闘争の痕跡。
百を優に越える人間が肉片となり、散らばったのだろう。壁や床に飛び散った血痕や肉片は黒く乾いていており、犯人の容赦の無さを俺に伝えてくる。
「残留思念は恐怖、苦痛、神への祈り。散ったのは過激派だな」
腐りかけの遺体には拷問の跡が。床に転がっている頭部には首を螺切られた痕跡が残っている。
人間に与えられるありとあらゆる苦痛を与え、最後に生きたまま脊髄を引き抜いたらしい。
資料を読んだ人間の感想としては、そらそうするわな、で終わるが。
取り敢えず一番近い部屋の扉を蹴り開ける。中にあったのは──倉庫か。
霊能品は無し。実験に使うであろう素材も無い。主に生活空間の快適さを維持する為の道具──電池や洗剤等の消耗品と掃除用具ばかりだった。
部屋を出てそのまま正面の部屋へ。そこは多数の銃器の残骸と最低限の寝具が置かれた簡素な部屋が。
「警備室……辺りかね?」
侵入経路の関係で一番最初に接敵する場所だからな。あっても可笑しくは無いか。
銃器は軒並み螺切られて居たが、幸いな事に鎮痛剤を始めとする薬と弾薬の入った箱は無事だった。有り難く頂いて次の部屋へ向かう。
「……十字路か」
似たような景色が続くこの基地の構造は悪くない。侵入者は余程の記憶力が無い限り、現在地を見失うだろう。どうやら過激派にしては防犯をしっかり考えた秘密基地だったらしい。──血痕によって違いが分からなければ、だが。
左の通路には血痕が無く、通路も床も無機質な白い素材のままだ。右の通路は遠くの方に血痕が残っており、たぶん非番だった奴等や援軍が駆け付ける為の道だろう。つまり、宿舎の様な部屋がありそうだ。
正面は──間違いなく重要な施設に繋がるんだろうな。バリケードが置かれてらぁ。
────ピンッ!
「裏か。まずは汚れの無い左だな」
弾いたコインをポケットに仕舞って左の道を進む。入り口近くに漂っていた腐臭はかなり薄れてきたが、奥からも僅かに香る辺り、闇召喚士は徹底的に殺したらしい。
防衛用の設備も破壊され尽くしてるので、最低限の警戒だけで済むのは助かるぜ。
暫く道なりに進んでいると再び十字路が見えた。通路の端から左右を慎重に覗き込むが、敵影は無し。
左と正面には扉がある。右はさらに奥へと続く道がある。まずは左側の部屋に入ると、そこには積み重なる様に殺されている死体の姿が。
「女子供にも容赦無し、か」
死体を無視して家捜しをした結果、ここはどうやら居住区という事が判明した。
一番手前の部屋に住んでいた事から幹部の家族では無いだろう。その証拠に写真に映る姿は普通の一般人と大差無い。
「……いや、普通の一般人で間違って無いのか」
平日は普通に会社で働いて、日曜日にミサへ向かう程度の典型的なキリスト教徒だったんだろうな。神を信じているし、教義をちゃんと守っていたのも間違いない。
──たった一つ。たった一つの〝不幸〟によって日常を壊されてしまっただけだ。
俺の目の前にはメシア教の配布した物と思われる
覚醒者ならともかく一般人が抗える筈も無い。
部屋を出る前に死体を焼いてやる。御経や念仏代わりに
家捜しついでに遺体の処理をして回る。幹部達の区画ですら糞聖書が見付かった。天使なのか過激派の幹部なのか知らんが、主犯の人数はそう多くなかったのかも知れない。
他の黒札なら四文字を信仰してる時点で同類と認定しそうだが。
特に気を引く物も無かったので、今度は最初の十字路を右へ進む。バリケードのある道は最後だ。
こちらの道は主に兵士と思われる人間の宿舎の様だ。武器庫や戦闘糧食等が置かれている倉庫があった。
使えそうな物を片っ端から頂いていると、ロッカールームで面白い物を見付けた。
「死人には必要ないからな。生者である俺が貰っていくぜ」
本場の無修正エロ本は貴重だぜ!お前らは天使で見抜きでもしてれば良い。すでに死んで勃たないだろうがな!
「……ま、糞みたいな事実も明らかになったんだが」
エロ本を必要とするという事は、
その証拠に──最奥の部屋には、前世で良く見た醜悪な光景がそのまま存在していた。
人間の
それが雑に壁に並べられており、その身体には打撲と落書きの跡が腐敗して尚分かる程度には未だに残っている。
「死因は心臓への一突きか。
歴史上でそう扱われた〝歴史〟のあるスティレットには、もちろんそういう効果が宿る。
ゲーム的には敵が瀕死時に致命ダメージを与えるってところか。
暗殺者が良く使う毒を仕込めるアサシンダガーとは違い、残念ながら暗殺には効果が無い。
そういう不便な歴史も込みで〝
そこらへんに転がる死体は放置して、融合体は燃やして祈りを捧げる。
祈る相手を選ぶ神職は信用しない方が良いぞ。そういう人種は大抵ロクデナシで、後ろぐらい事を平気でやる。俺が良い例だろ?
奪うものを奪って、遺体の処理は終えた。帰り道に変化は無く、悪魔どころか融合体すら出てこない。
些か緊張感の欠ける探索だが、何時の世も油断した者からあの世への切符を渡される事は変わらない。
故に一度煙草を吸って気分をリセットした後、バリケードのある最後の道を進む。
最も激戦区だったであろうバリケード付近を越えると、そこから先は背後から殺されたと思われる白衣の科学者の遺体が目立つ。
白衣に汚れは無い。研究環境としては悪く無かったのであろう。やってる事を考えれば、とてもじゃないが称賛は不可能だが。
先程までと同じ様に手前の部屋から開けていき、中を探索していく。一番最初の部屋は
印象としては豪華な理科室だな。ホルマリン漬けにされている物も小動物ばかりで、異形な物は何一つ無い。
適当に資料を漁り、ついでに隣の更衣室と薬品庫を漁る。薬品庫には危険な薬品が大量に有ったが、目ぼしい物は特に無かった。
更衣室も多少の私物があるだけで、殆ど何も見付からない。
次の部屋も、その次の部屋も。素人が調べてもそれなりの成果を得られそうな似たような部屋が多かった。
多少の違いこそあれ、前世知識的には過去の研究結果ばかりだ。外科、内科、薬品研究。人体実験を行っている秘密基地の割に研究機関なら出来た事の延長でしか無い。
再び現れた十字路を左に曲がり、さらに見えて来た十字路を左折する。その先にあった扉を少しだけ開き、中を覗き込む。すると扉から洗剤の香りと腐臭が漏れてきた。
大量に置かれた業務用の洗濯施設。その中に詰め込まれた研究者の遺体。……いや、見た感じ隠れている所を殺された感じか。
ここまで来ると一人も逃さないという執念を感じるな。
「過激派に正気のまま所属してる連中は
恐怖を感じたまま逝った表情を見ると、全く考えても居なさそうだが。
得るものも特に無いので次の部屋を目指す。最奥までの間にあったのは、浄水設備や発電設備等の科学的な施設に繋がる部屋ばかりだった。
そこに隠れていた研究者は一人残らず死体となって居たが、一人だけ隠れて融合体を犯していた研究者が居た。死因は背後からの一撃。研究者の背骨を折り、融合体に傷一つ付けない無いその実力は、見事としか言いようが無い。
もちろん研究者の遺体を蹴り飛ばし、融合体を弔っておいた。俺は客を選ぶ不良宮司だぜ。
そして問題の最奥。
そこに有ったのは──大量の