【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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何時から私が〝朝〟と〝昼〟にしか投稿しないと錯覚していた?

まぁ、その分明日の投稿は白紙なんですが。


やっちまったぜ。

 

 

「で、その後はどうしたの?」

 

 

 シンボリルドルフが無事に有馬記念を勝ってからしばらく。年越しは絶対に星霊神社(ウチ)ですると言い張る当主様たっての希望で星祭神社の面々と共に星霊神社を訪れていた。

 

 

「磐長式封印術の後の話か?」

 

「うん。一人の陰陽師としては気になるからね」

 

 

 そう言いながらネコマタに酒を注がせる当主様。もちろん有り難く飲み干し、赤い(さかづき)を空にする。中々良い酒だな。美味い。

 

 

「大陸式の封印術で壺に作った異界に封印石を投げ込んで、壺ごと()()()封印術で〝隔離〟して、浅間式封印術で封じた後にまた天草式で封印したぞ」

 

「マトリョーシカじゃん」

 

 

 ツボに入ったのか大爆笑する当主様を見ながらそばの具材として用意された山菜の天ぷらを盗み食い(味見)。うーん美味い。

 

 

「いや~それにしても危なかったね?最初から本体で当たってたら死んでたんじゃない?」

 

「それな。幾ら予想外の情報をぶちこまれたとはいえ、硬直するとはまだまだ未熟だな」

 

 

 腕を切り落とされた時、()()()()()()事に気付かれなくて良かった。ちなみに【エナジードレイン】を始めとするスキル各種は擬人式神ではまだ使えない。

 

 使えたらもうちょっと殺せたんだが。

 

 

「あ~それ結局なんだったの?君が戸惑うってかなりヤバイ話?」

 

「ヤバイっちゃヤバイんだが、結構、重い話になるから年越しにする話でも無いんだよな」

 

「いやいや。それこそ今年の内に、じゃない?」

 

「んーそれもそうか」

 

 

 今度は手酌で注いだ日本酒を飲み干し、喉を潤す。

 

 

「俺の予想も結構混じってるがな。あのパワー、たぶん()()()()()()()()()()()()だった」

 

「……へぇ?そう思った理由は?」

 

「アイツ、このご時世でメシア教では無くキリスト教徒を迷える子羊って言ったんだよ。キリスト教徒はワタクシとして迎え入れないともな。後はそうだな、俺の後を追ってた時期に出たアイツの被害者はメシア教関係者のみってのも理由の一つだ。ついでに大気中の霊力の薄さを考えると、移動中は人間の姿で追ってただろうしな」

 

 

 戦闘中に【目星】に成功したのが敗因と言えば敗因か。式神に込めた霊力の漏洩を止められなかった。

 

 

「それにそもそもレギオン如きじゃパワーには成れないだろ?じゃあ何で成れたかを想像すると、な?」

 

「最初から悪魔では無く、デビルシフターとして天使を喰らい続けて変質した、って事か」

 

 

 その言葉に無言で頷き、ついでに茄子の天ぷらに手を出す。さらに再び酒を手酌しようとした所で、無言のまま話を聞いていた禊が注いでくれた酒を飲み干す。良い女を侍らせて飲む仕事の後の一杯は最高だな!

 

 

「たぶん元々はメシア教の被害者なんだろうな。そして天使を復讐の為に食い続けた結果としてマグネタイトがLAWに染まってパワー化。もしくは似たような姿の緣を辿られてアズライールに()()されたか。東京で俺を見付けたのは偶然だと思う。悪魔なら今の世界では上澄みな俺の霊力に惹かれるだろうしな」

 

「それが本当ならやるせないね。彼は日本に有益な存在だったし」

 

「俺にしてみればまたメシア教(お前ら)かよ、で終わるけどな」

 

 

 今回の件についてはメシアの尻拭い感がヤバイ。お陰で酒が進む進む。次は蕎麦が出来るまでのお摘みとして置かれているお土産の馬刺しにするか。

 

 

「う~ん……やっぱり転生者(同類)達の中にも現れるよね?」

 

「デビルシフターか?」

 

「うん。霊的素質は千差万別だけど、だからこそ現れると思うんだよね」

 

「まぁ、現れるだろうな。下手すれば終末案件と繋がる可能性もあるんじゃないか?」

 

「うげぇ……最低限遮断出来る用意はしないと駄目かぁ」

 

 そう言いながら、こちらをチラリと見る当主様に告げる。

 

「デビルシフターの素質ごと封印するならともかく、本霊からの通信(アクセス)だけを防げる技量は俺に無いぞ。まぁ、頑張れや日本一の陰陽師」

 

「そんな称号要らないから手伝ってよ~」

 

「いや、流石にここ最近働き過ぎて疲れたから七草粥食うまでは寝かせろや」

 

「俺、未だに異界で働いてるんだけど?分身体だけど」

 

「頑張れ日本一の陰陽師。まぁ、今日ぐらいは楽しもうぜ」

 

「よっしゃ!最低限の抑え以外は引き上げてゲーム祭だ!」

 

 

 ゲーム祭と銘打っているが、残念ながらテレビゲームでは無い。麻雀に双六、花札にジェンガ。その他様々なボードゲーム(ボドゲ)だ。それに山程のお菓子と、ソフトドリンクを含む飲み物各種。

 

 覚醒者故に全員一徹ぐらい余裕だが、巫女組は適当な所で切り上げさせて帰らせないとな。神社は正月が一年で一番忙しい。

 

 

 

 

 

「やっちまったな……」

 

「やっちまったねぇ……」

 

 

 初日の出の光が差し込む富士の山頂。そこで俺と当主様(本体)は、遠い目をして初日の出から目を逸らしていた。

 

 

───三十分前。星霊神社。

 

 

「初日の出拝みに行こうぜ!」

 

「んじゃちょっと異界で全力出してくる〜」

 

 

 端的に言えば、俺は酒に酔っていて、当主様は場に酔っていた。冷静に考えればメシア教に喧嘩を売る行為なんだが、この時の俺達は忘れていた。

 

 

「準備オッケー!二時間は待てるぜ!」

 

「よっしゃ行くぜ!」

 

 

 そして覚醒者の身体能力で富士山を五分で登頂し、ワクワクしながら初日の出を待っていた。──そして。

 

 

「んふふ。極東の猿共は馬鹿ですねぇ?貴方達の信じる神は私達メシア教に封じられているというのに」

 

 

 信仰を掠め取っている天使(こそ泥)が、一般人に姿が見えない事を良いことに初日の出が出る位置に陣取ったのだ。

 

 

──それに当主がキレた。

 

 

「……【■■■】」

 

 

 スン、とした据わった目で何らかの術を発動。聞き取れなかったのはたぶん高位の〝言葉〟だったから、だと思う。

 

 しかし──見ただけを伝えるなら簡単だった。

 

 

「スピリット・オブ・ファイアだ!!」

 

 

 たぶん【マハラギバリオン*1】と【マハフレイバリオン*2】を発動後に()()()()にしたんだと思うが、元ネタを知らない筈なのに見た目が余りにも似ていた。

 

 そんな本物そっくりのコスプレを見た俺のテンションはうなぎ登り、その反応を見てテンションを上げた当主様が派手に天使を焼き払う。

 

 あれだけの規模の術を一般人に感じ取らせない術の制御は凄すぎるし、ついでに御利益がありそうなぐらい空気が清浄化されたんだが、逆にそれが冷静になる切っ掛けになった。

 

 

「やべっ!俺はメシアにバレないように結界貼るわ!」

 

「オッケー!こっちは偽パワー作るね!」

 

 

 俺が四方を結界で覆い、すぐに当主様がパワーの中身無しを生成、その後、即座に結界を解除。

 

 時間にして一分未満の出来事だが……たぶんセーフだろう、うん。

 

 

 

──そして現在。富士山本宮浅間大社奥宮()異界内。

 

 

 

「で、どーする?このまま封印解除するか?」

 

「うーん、メリットもデメリットも大きいから悩むね」

 

 

 目の前にあるメシア式の封印術を前に二人で頭を悩ませる。ちなみに偽パワーは邪魔なので隅で体育座りだ。

 

 

「君はどうなの?木花咲耶姫様は推しの妹でしょ?解除したい?」

 

「推しの妹と推しは違うからなぁ。股間の息子が反応するぐらい肉欲的だったら解放したいってぐらいだ」

 

「自分に正直だねぇ」

 

「神話的に可愛い系だから好みから外れるんだよな。それよりそっちはどうなんだ?」

 

「木花咲耶姫様より富士山全体(ここ)の霊地の管理権限が美味しいかな。手間も増えるけど、その分出来る事も増えるし、転生者(同類)の覚醒のしやすさにも影響するからね」

 

「あー……管理権限はデカいな」

 

 

 都会の一等地が手に入ると言えばその価値の高さが伝わると思う。とはいえ近隣に厄介なお隣(メシア教)が居るから頭を悩ませているのだが。

 

 

「もし解放するとしてさ~お世話任せても平気?」

 

「主祭神にしろって言われたら星祭を出て星霊神社で暮らすぞ?」

 

「推しじゃないもんね」

 

「うむ」

 

「それなら星祭の主祭神を石長比売様にして良いよって言ったらどう?俺としては星祭神社(そっち)は棚ぼたみたいなもんだし」

 

 

 その言葉に少し考える。俺も含めて一族は石長比売の強火ファンしか居ない。だから前世だったら無条件降伏していただろう。

 

 とはいえこの世界の石長比売は、一族が推していた石長比売様では無いので、性格や見た目が気に入らなかったら、とも思う。……聞けば良いだけか。

 

 

「見た目や中身が先祖の〝理想〟と違ったら、権能目当てのビジネスライクな付き合いで良いか?」

 

「それでも良いよ~こっちは異界が忙しくて神様の世話は無理だし」

 

「それなら引き受けた。メシア教にバレないように結界宜しく」

 

「あいさ~。というか今思ったんだけどさ」

 

「おう?」

 

「俺らですらノリで初日の出見に来たし、他の転生者も同じ事をしない?」

 

「……確かに」

 

 

 もしかしたらさっき見た一般人の内の何人かは転生者って事も有り得るな。

 

 

「選択肢無かったね。管理者不在で悪魔に乗っ取られるのもアレだし」

 

「だな。んじゃ俺は誤魔化し用の結界用意するわ」

 

「よろしく~俺は解除やってるね」

 

 

 ここ数日でコツコツ作った霊符を組み合わせ、天草式の隔離結界を用意する。正直言えば、天草式とメシア式の術は微妙に違う。海鮮塩ラーメンと鶏塩ラーメンぐらい違う。とはいえ現場に出てくる様な術師だと塩ラーメンだな!ヨシッ!で見過ごすと思う。神学者辺りが出てきたら諦めだが。

 

 

「そっちどう~?こっちは何時でも良いよ~」

 

「こっちも準備出来た。何時でも」

 

「おっけー。それじゃ御開帳と行きますか」

 

 

 さも当然の様に術式を弄り、もはやスペアキーを持っているのか疑うレベルの速度で封印が解錠される。

 

 メシア教が毎秒感知術式を走らせていたとしても、この速度じゃ計測ミスだと疑うな。俺ならそう判断する。この天才め。

 

 

其方(そなた)達が私を──」

 

「そういうの良いから早く出ろや」

 

「えっ?」

 

 

 木花咲耶姫を封印の中から引っ張りだし、隔離結界を発動。それに当主様が偽装を施す。

 

 

「俺は先に戻って星祭神社に仕込みしてくるね」

 

「こっちも出来る限り隠蔽して連れてくわ」

 

「えっ?えっ?」

 

 

 【転移(トラポート)】で消えた当主を見送り、混乱している木花咲耶姫に霊符を巻き付けて担ぎ上げる。──そして。

 

 

「口は開けるなよ舌噛むぞ」

 

「─────!?」

 

 

 富士山の山頂から飛び降りた。

 

*1
アギ系最高位の全体魔法

*2
フレイ系最高位の全体魔法。創作魔法




本家様のSS見てると甘いなぁって感じる今日この頃。

レッドさんぐらいの性癖破壊しなきゃ(使命感)
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