【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
動き出すガイア連合1
自衛隊ニキを発端として始まった事件は、安価で決まった刑罰によって一応の終息を見せた。
TS快楽落ちAVという俺達らしい刑罰には笑ったが、罰は罰。有り難く購入し、イワナガにマッカを積む。
「世界が終わるまで保存出来る様によろしく」
「容赦無いですね」
「流石に今回の件は擁護出来ないわ」
ショタオジとまだ出会ってない頃、俺も自衛隊を国防組織に変える案を考えた事はある。だがショタオジと出会っておきながら
ただ今回の件で俺らも利益を得てるので、これで手打ちにするつもりだ。
自衛隊との模擬戦で、ショタオジがペルソナユーザーだという確証は得られた。俺らも想定こそしていたが、事実として確定出来た事はこれからの勝率に大きく影響するだろう。
ついでに一体だけデモニカが無料になったのも有り難い。お陰で星祭の面子から権利を買い取り、そのまま鬼手一族に横流し出来た。
武術の腕に自信があっても、霊才が欠片も無い奴が多かったからな。外付けとはいえ霊才は霊才。お陰様で岩手支部の防衛戦力が跳ね上がったぜ。──それこそ、終末後に黒札が居ても大丈夫だと思える安心出来るレベルまで。
ちなみに星祭の防衛戦力は完全に式神頼りとなっている。
一族のデータベースも兼ねている陰陽師や風水師。
俺達が死んだ後も子孫に技術を残す為のアイテム師。
医者も兼任予定の薬師に科学知識も含めた動く図書館予定の学者。
格闘技術を教えるモンクや斥候技術を教える教官役のシーフまで、権利の数を生かして大量生産しておいた。
ジョブチェンジシステムはやっぱり最高だぜ!カラーリングを変えるだけで容姿に悩まなくても済むしな!
まぁ、今はまだ星祭の鍛練用異界でレベリング中なので、役立つのは未来の話だが。
「──って訳で、岩手支部に行く機会は減ると思う。俺も
「それは良い事を聞きました」
現在時刻、正午過ぎ。ここ最近の忙しさの反動からか、珍しく何もやる気が起きず、ゴロゴロしていた時にやって来た禊と二人だけの御茶会中。
禊の話によれば、皆さんが
「星祭の方はどうだ?」
「皆様の御子様も元気に育ってますし、海外からやって来た方々を取り込んでますからね。死を覚悟していた昔と比べれば、夢の様な環境ですよ」
「さよけ。そら良い事だ」
実際、星祭の直系の巫女達が死ぬ事は無いだろう。ショタオジのお陰で現状でもレベル五十の霊能者が十人、黒札との子供が育てばさらに増える。
懸念は次代に相応しい英傑が現れるかどうかになるか。最悪、岩手の親方様の息子か娘を貰うか?
「あっ」
「ん?」
「いえ。少しだけ問題になりそうな事もあるのですが……」
「?」
「その……黒札の皆様は夜伽の腕が素晴らしいので……子を産んだ後も……もう一度と望む方が……その……多いと言いますか……」
「………………」
頭の中のミナミィネキが『私が育てました』と看板を掲げてる気がする。
いや、考えてみれば当然なんだよな。日頃俺らが相手取ってるのは、淫魔を鼻で笑えるスキル持ちの嫁なんだ。
そりゃ箱入り娘達には劇毒だろう。身体を売って生き抜いて来た女達には優しさが染み渡るし、火遊びを楽しめる層ですら俺ら程の経験値は無い。
取り敢えずスマホを取り出し、この話を掲示板に投げておく。気が向いたら誰かしら相手してやるだろう。
「ちなみに禊はどうなんだ?」
「も、求めて頂けたら……何時でも答える準備は出来ています……」
俺の嫁が可愛い。
「それじゃ美味しく頂きますかね」
「あっ……」
修羅勢の身体能力で机を飛び越え、お姫様抱っこで布団まで運ぶ。まだ御天道様が輝く時間だが関係無い。
昔から言うだろ?──思い立ったら吉日だと。
◇
室内風呂で怠惰で愛欲に塗れた痕跡を洗い流し、ついでに部屋を浄化。浄化だけでも十分綺麗になるんだが、風呂に入るのは日本人の性かねぇ。入らないと落ち着かないんだよな。
そんな事を考えながら掲示板を巡回していると、面白い情報を見付けた。
人魚ネキ*1と呼ばれている黒札の話だ。
「へぇ……爆乳のマーメイドシフターか」
これは胸が熱くなるな!という訳で過去ログも含めて情報を漁る。こういう時、ガイア連合wikiの有名人一覧*2は便利だ。
掲示板で話題になってる奴なら大抵載ってるから調べる手間が省ける。
「何というか俺達と同じ匂いがするな」
腕を切り落とされても気にしない辺り、確実に修羅勢な香りがしてる。俺らとの違いはギャーギャー言いながら慣れた俺らとは違い、最初から覚悟ガンギマリだと言う事か。
どちらかと言う真修羅勢か?
「……お」
人魚ネキ繋がりで下位スキルカードを上位に変換するカード合体の記事を見付けた。執筆者はエドニキ。専用スキルカードを作る実験の過程で生まれたらしい。
術者を名乗る以上、これを試さない訳には行かないな!
未だに寝ている禊に置き手紙を残し、一人素材庫へ向かう。
「およ?セツニキじゃん」
「双子ニキ(兄)か。製造か?」
「んにゃ。深層の素材仕舞いに来ただけ。セツニキは?」
「面白い論文見付けたから試しに来た」
「面白い論文?」
先程まで見ていた内容をそのまま語ると、興味を惹かれたのか双子ニキも同行する事に。
取り敢えず数の多い桃源郷素材を適当に拝借。そのまま第十鍛練場を目指す。
「鍛練場でやるんだ?」
「俺の予想が正しかったら実験室だと危ないんだよ」
「まぁ、仕組み的に悪魔呼べそうだもんね」
「〝概念〟を高めていく訳だから仕方無いっちゃ仕方無いが、流石に実験室を吹き飛ばすのはなぁ」
「あそこは俺が全力出しても壊せないぐらい強固だけど、計測機器やらは普通に吹き飛ぶもんねぇ」
「実験室の箱自体はイワナガの加護下にあるが、中身の計測機器は加護が付加されてないからな」
ガイア連合傘下の機器メーカーが未だに設計・開発・改良を繰り返しているので、今の性能で〝不変〟にするのは勿体無い。たぶん終末後が加護付与のタイミングになるだろう。
「そういや最終目標は決まってるの?」
「バリオンのスキルカードを狙おうと思ってる」
「あーセツニキにとってはお手軽火力アップに繋がるのか」
「うむ。アギ系は諦めてるんだが、せめてムドとハマは欲しい」
一度完成さえすれば〝概念〟の構成を
「専用スキルは狙わんの?」
「性能的に【ファイナルヌード】辺りは欲しいが、嫁の裸を他人に見せるのもアレだろ?」
「あーそこらへんは
「下手すりゃ戦争になるしな」
男二人で思春期らしい会話をしている内に鍛練場に到着。深層に潜り始めてから地形や悪魔に足らない部分を突き付けられる事が多く、今日も自主練に励む俺達がそれなり居た。
彼らの邪魔にならない様に隅を陣取り、持ってきた素材を展開する。
「見事なまでの桃源郷」
「三十から通える関係で一番量が多いんだよ。それこそ星祭所属なら
知らぬ間に出来ていた暗黙の了解の一つに、新人は先輩が投げ込んでる桃源郷産素材で装備を整え、中層に挑む、というのがあるらしい。
桃源郷に挑める様になったら借りた素材と同じ量を倉庫に戻すまでがルールらしく、その素材はさらに下の新人の装備に変わる様だ。
もちろん装備を作る為の素材集めが好きな俺達も居るので、倉庫から素材を一切借りない奴も居る。ただ安全面を考えると、素直に使って欲しいというのが先輩の考えだ。どうせ駄々あまりしてるし。
「んー……この属性だとハマやムドはきつくない?他の属性なら四神ので行けそうだけどさ」
「安心しろ。もちろん用意してある。というかお前も大量に持ってんだろ」
バサッと地面に投げ捨てたのは、百枚単位で縛られている霊符の束。その数──いっぱい。
数えるのが面倒なぐらいの霊符の中身は、全て下層に出てくる天使共の戦利品。【ハマ】系統による即死が怖い*3ので、見掛けたら切り捨てる勢いで処理してるからかドロップ品の数もやけに多い。
決して天使の存在自体がムカつくから狙ってる訳では無い。ホントダヨ、セツニキ、ウソツカナイ。
ドサッという音と共に俺と同等の量の霊符の束が視界に入る。さらに回りで眺めていた俺らからも提供された。
「……取り敢えずハマバリオンから目指すか。いい加減使い道を考えないと、このゴミの処理が追い付かん」
『『『異議無しッ!』』』
そういう事になった。