【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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ロボ関係は他の支部が引き受けてくれるから、うちの主人公は〝天使〟を提供するぜ!




動き出すガイア連合3

 

 

「これって残滓次第で別の種族に変わるん?」

 

「たぶん変わると思う。が、噛み合わせが悪いとマジモンのスライムになるだけじゃないか?」

 

「あー」

 

「本気で変えたいなら〝天使〟の因子を抜くしか無い感じか」

 

「天使と堕天使を混ぜ合わせて片翼だけ堕天使とかやりたかったんだけどなー」

 

「んー……」

 

 

 因子の位置に気を付ければ行けるか?……いや、無理だな。最終的には混ざって堕天使側に寄る気がする。

 

 

「俺とセツニキなら幾らでも量産出来るし、取り敢えず試せば良いんじゃね?」

 

「素材も一杯あるしねぇ」

 

「あ、この天使どうする?」

 

「契約結んでないし処理でいいぞ」

 

「了解」

 

 

 スパッと放たれた【ムド】に蝕まれ、消える天使。ドロップは無しだった。

 

 

「赤字だな」

 

「まぁ、次行こ」

 

 

 取り敢えず人数分の白スライムを作り上げ、【強制契約】を差し込む。

 

 

「そういやセツニキはショタオジのプロテクトに挑まんの?」

 

「NTRが嫌いってのもあるんだが、下手に外すと俺達が五月蠅そうでなぁ」

 

「あー……秘密は漏れるもんね」

 

 

 個人的にチャレンジ自体はやってみたい。ただ、得る物も少なく、影響を考えると安易にやる訳には行かない。俺は一般黒札なんだけどなぁ。

 

 

「良し、出来た。そんじゃ各自好きな因子組み込んで後で報告な」

 

 

『『『うぇ〜い』』』

 

 

 適当な場所に散らばり、作業開始。俺の目標は──天使と堕天使の両立辺りにしておくか。

 

 まず始めに取り出したのは、もちろん淫魔(サキュバス)の素材。そこから属性(因子)を取り出して白スライムに挿入。

 

 

「堕天するの早すぎだろ」

 

 

 出来上がったのは黒い翼を持つ美女だった。

 

 解析してみると、天使の因子を淫魔の因子が侵食していた。これを何とか食い止めないと、両立は不可能だろう。

 

 

「んー……どうするかね」

 

 

 ほんの少量組み込んだだけでここまで明白(あからさま)に変化されると、原因を突き止めたくなる。

 

 という訳で、今度は淫魔の因子を細かく解析。原因はすぐに分かった。

 

 

「セツニキー?進捗どうー?」

 

「進捗駄目です!」

 

「だよね。淫魔の因子が強すぎるのか一滴にも満たない量で堕天したわ」

 

「その原因、分かったぞ」

 

「お?」

 

 

 【強制契約】を作成した堕天使に投げ込みながら、聖書の一文を面白おかしく語る。

 

 

「正常位飽きた!騎乗位が良い!え?女は下?この粗チン野郎が!もう私はお前を捨ててイケメン(悪魔)に乗り換える!事件の影響だぞ☆」

 

「あー……リリスか。納得」

 

 

 古代ユダヤの伝承では悪魔、悪霊、子供を食べる獣。聖書ではアダム共に作られた最初の女性とされ、後に楽園を追放されて夜の魔女になる。

 

 俺達にも人気なヱヴァンゲリヲンにも登場する死海文書やfateで有名なギルガメッシュ叙事詩にも登場しており、その中では夜の妖怪とされていた。

 

 

 そんな幾多の神話に登場する悪女の総称──それがリリスだ。

 

 

 ハッキリ言って当時の男尊女卑が分かるぐらい徹底的に貶められている女性*1なんだが、今回の件は聖書に登場するリリスの影響を強く受けている。それも当然なんだが。

 

 簡単に神話を説明すると、最初の人類として生まれたんだから私達は平等だ!と叫んだリリスに対し、アダムと神はテラワロスと返した。

 

 その結果、コイツらと何てやっていけねーとリリスは翼を生やして紅海に逃げ、悪魔と運動会(意味深)を行い、子供*2を百人以上出産。

 

 その事を知ったアダムは神に直訴。それを聞き届けた神はアダムの元へ帰る様に三人の天使を使わせ、帰らないならお前の子供を殺すと脅した。

 

 それに対して中指を突き立てたパターンと、脅し返したパターンと、怒り狂って子供を食い殺すパターンに別れるが、今は関係無い。

 

 天使が即堕天する原因になっているのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()という事が世界的な共通認識となっているせいだ。

 

 つまり、天使に〝女〟の属性を組み込むと、どうやっても堕天する。メガテン世界(この世界)の天使が男か雌雄同体しか居ないのは、たぶんその影響なんだろう。

 

 

「これって世界の認識をねじ曲げるか改変しないと無理っぽい?」

 

「一応、ガブリエルに寄せるなら行けるっぽいぞ。──ほら」

 

 

 白スライムが光を放ち、眼鏡の似合う知的な女天使に進化する。ただ胸は慎ましいし、好みからは外れるので、ハッキリ言えば失敗作だ。

 

 

「おー。でも欲しいのは淫乱天使なんだよなぁ」

 

「ハッキリ言って厳しいぞ。──ほら」

 

「うへぇ。一瞬で堕天したね」

 

 

 ほんの僅かな〝淫魔〟の因子でこうなる以上、豊胸天使は不可能に近い気がする。

 

 

「ちなみに組み込んだのは何の因子?」

 

「本から抜き出した〝知恵〟と経典から抜き出した〝悟り〟だな。税込三千円の安い女(?)だぜ」

 

 

 ちなみに一神教系だと〝最後のラッパ〟と〝死者蘇生(サマリカーム)〟辺りが該当すると思う。厄ネタな上に容量を物凄く食う為、必然的に使う素材は高価な物となる。糞だろ。

 

 ついでに説明するが、中東系は〝彼〟らしいので、今回は除外した。ジブリールの名前は好きなんだが。

 

 

「何とか裏技を見付けたいねぇ」

 

「だよな。メシア教のせいで声を大にして言えないが、俺は女天使や敬虔なシスターを快楽調教するのも守備範囲(大好き)だぞ」

 

「それが嫌いな男なんておりゅ?」

 

 

『『『それなッ!』』』

 

 

 散らばった筈の俺達がそれだけ言う為だけに集まり、再び自分達の作業に戻っていく。何というか本当に馬鹿ばっかりだ。もちろん、俺も含めて。

 

 

「取り敢えず俺も作業に戻るわー」

 

「おう。俺も別のアプローチ試してみるわ」

 

「期待してる。双子ニキですら堕天使量産してるし、流石に零からは無理だ~仕組みさえ分かれば俺でも行けそうだけどね~」

 

「ま、目標の為に頑張るしかないわな」

 

「デスヨネー。じゃ、また後で」

 

 

 手をひらひら振って俺らが去っていく。それを見送り、俺も作業に戻る。

 

 失敗作は……後でミナミィネキに買い取って貰うかな。

 

 

 

 

 幾多の素材を堕天使に変え、無数の屍*3をひたすら積み上げて前へ進む。

 

 

 目指すは理想の女天使ただ一つ。

 

 

 胸を盛れば堕天し、女体にすれば堕天し、パンチラ画像から抜いた〝色欲〟の因子程度で堕天する糞雑魚ナメクジ天使を何とか生かそうと、ひたすら実験を繰り返す。

 

 途中で他の俺らもやって来たので、俺達が用意した天使の素材は一瞬で無くなった。代わりに十倍以上のお代わりが追加されたが。

 

 その素材すら消え失せようとした時、俺らの一人が禁断の扉を開いてしまった。

 

 

「ぶっちゃけさ。式神体に入れた後で盛ったり、性別変えれば良くね?」

 

 

『『『そんな事は最初から分かってんだよぉぉぉ!!!』』』

 

 

 突如として発生した大規模バトル。上手く行かない実験で貯まった鬱憤を晴らすような全面戦争。

 

 取り敢えず素材を守るために結界を張ろうとした──その時。

 

 

「お前ら動くなッ!!」

 

 

 戦闘の余波でたまたま素材に触れた白スライムが予想外の進化を遂げた。

 

 

「セツニキ?」

 

「そうか、そうだよな。善悪で堕天判定されるなら()()()()()存在を挟めば良い」

 

 

 俺の眼前に居るのは、()使()()()()()()()()モコモコの毛玉。分類的には聖獣になるだろうが、この際無視だ。コイツは天使、コイツハテンシ。

 

 

「〝獣〟に善悪は無く、あるのは神に定められた〝本能〟だけ。ついでに言えば、楽園に居る事が聖書にもちゃんと記されている。当然、天使との相性は悪くない」

 

「つまり、獣から女天使に進化させれば良いと?」

 

「猿から進化した存在が人間という説は世界的に根強い。さっきまでと違って可能性があると思わないか?」

 

「……行けそうだね」

 

「よーっしッ!そんじゃ各自で実験再開な!」

 

 

『『『応ッ!!!』』』

 

 

 先程までの殺意が嘘の様に消え、代わりに性欲に基づいた煩悩が場を支配する。

 

 

「ロリ天使ロリ天使ロリ天使」

 

「貧乳……巨乳……爆乳……魔乳……」

 

「実はセツニキの作ったガブリエルもどきの知的OLっぽい天使が好みだった」

 

「分かる」

 

「見た目は良いけど胸無さすぎだろ」

 

「四文字も何で貧乳を推したんだ。欧州は金髪巨乳の聖地だろうに」

 

「巨乳は色欲に繋がるからな。だから駄目なんだろ」

 

「産めよ増えよ地に満ちよ!お前の言葉だろうがッ!」

 

『『『それなッ!』』』

 

 

 一応四文字の弁護をしておくと、当時の人口は今とは比べ物にならない程に少なく、子供の死亡率も決して低くなかった。

 

 戦争=数だった時代でもあるので、当然、少しでも大人の数を増やす為に子供の母数を増やし、生き残る確率を上げる必要があった、という訳だ。

 

 

「おっ!……駄目か。でも手応えはあるな」

 

「さっきよりは全然マシだよ。途中までは好みの姿になるし」

 

「〝猿〟の因子から〝人型〟を組み込むまでは上手くいくけど、〝女〟を入れると即堕天するのは何なん?」

 

「バッカだな!お前!〝雌猿〟から行かないからそうなるんだよ。ところで誰か豊胸成功した?」

 

「〝牛〟から行けるぜ。ただ髪の長さや色、身長入れると〝女〟判定食らって堕天するんだが?」

 

「〝毛長雌猿〟からいけば!と考えたら猿顔になったわ」

 

 

『『『ブホッ!!』』』

 

 

 騒がしい俺らの声をBGMに白スライムで実験を繰り返す。もう少しな気がするんだが……何かが足りない。

*1
女性権利団体のシンボルになるレベル。

*2
リリンは子供達の総称。

*3
雌雄同体最小サイズ実験の破棄品や因子を組み込みすぎてスライム化した失敗作。




メシア教の天使は糞だけど、キリスト教や人造天使ならセーフ!という理論の理由付け頑張りました。

雌雄同体じゃないのはメシアとは違う!と言い張る理由付けです。

そんな訳で、人魚ネキのスキルカード昇華から脇道に逸れて出来上がったのがこの章です。

何でこうなったのかは作者も知らん。
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