【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
温泉に浸かった後は、そのまま大宴会場へ突撃。飯を食って酒の時間だ。
槍ニキやヘラクレスニキはすでに居ない。あの二人は俺らに連れ出され、前世ですら不可能な大人数でFPSで遊んでいる。
ああいう姿を見ると、古の英雄では無く〝黒札〟なんだな、と実感出来る。戦う事以外の楽しみを見出だしているなら問題無いだろう。
俺らのぎゃーぎゃー楽しげな光景を肴に酒を飲んでいると、ジャンヌネキと双子ニキ(弟)がやって来た。
二人の手には摘まみと酒が。どうやら逃げてきた様だ。
「おっすおっす!ガイア連合でも屈指の勝ち組乙女がやって来ましたよ~」
「ジャンヌネキのカテゴリは残念美人だろ」
「えー!こんなに美しいのに!うっふ~ん♪」
男が好きそうなセクシーポーズを披露するが、何処か残念感が漏れ出ている。何だろうな、コレ。何が悪いんだ?
「容姿は好みなのに息子が反応しない!」
「何が悪いんだろうな……俺も見た目は好きなんだが」
「たぶん所作じゃろ。儂らぐらいのレベルになると、無意識でも男だと感じてしまうのでは無いかの?」
『『成る程』』
グラ爺の言葉に納得していると、ジャンヌネキが適当な焼酎をカルピスで割ったカルピスサワーをイッキ飲み。
「っぷはぁ!死んだ後の一杯は格別だぜ!」
「こりゃ確かに女として見れんわな」
「残念美人の評価が残当過ぎる」
ちなみに俺も指摘されて初めて知ったが、残当は『残念だが当然』の略で、ネットスラングだそうだ。
言葉はこういう風に生まれたり消えたりするので、世代バレしたくない奴は気を付けた方が良い。
二人を加えて飲んでいると、話題は回りには回って新人俺達の話へ。俺と同じく日本神解放戦のヘルプに行った二人は、それなりの情報を拾ってきたらしい。
「新潟の田舎ニキ*1、宮城のようじょネキ*2、長野の馬ニキ*3、関西連合の魔王ネキ*4、後は黒札じゃないけど、くそみそニキの式神らしい霊山同盟の鷹村ハルカ君*5辺りが有望株だな」
「こっちは人伝で聞いた話だが、山梨修羅勢の一人の星杖ニキ*6、製造班からは面白いという意味でガンダムニキ*7、ペルソナ組からジョーカーニキ、催眠おじいさんニキ、昔から居るが転売ヤーニキ*8、後はウォレスニキ*9辺りは期待出来そうだ」
「ふむふむ。それじゃ後で編集部*10に情報渡して有名人wikiを更新して貰いますかね」
「頼むわ。終末後の楽しみだからな」
今はまだ刈り取るには早い蕾だが、いずれ美しい大輪の花を咲かせるだろう。早く実れよ……♠️
「セツニキが期待してるのは誰なんだ?」
「星杖ニキだな。槍ニキの話だとグラ爺の亜種らしいぞ」
「ほう……それは楽しみじゃの」
「ハルカ君とか他の期待株も居るが?」
「今だとまだ未熟だし、終末後に殺り合う訳にはいかんだろう。たぶん防衛の要になってるだろうしな」
「じゃあ宮城のようじょネキは?」
「終末時の宮城の防衛戦力がどれくらいかによるなぁ。要になってなかったらワンチャン遊びたいが」
まぁ、無理だろう。運命力ありそうだし。
「こうやって見ると、中々遊べそうな人が居ないねぇ」
「終末後に期待じゃの」
「いっそローマ辺りをメシア教から奪い返してコロッセオでも復活させるか?」
人間に負けても気にしない神を選ぶ必要はあるが、命の持ち逃げを禁止する代わりに信徒に対する人道的支援を付ければどうにかなるだろう。
現状、終末後に食料を過剰生産出来ているのはガイア連合とメシア教だけだろうし。
「今からじゃ駄目なのか?」
「俺らと戦える霊格の神を呼んだ時点で、間違いなく魔界に落ちるぐらいGP上がるぞ」
「むぅ。残念じゃ」
無念そうに杯を空けるグラ爺に釣られ、俺もコップに入ったウーロンハイを喉に流し込む。
コンビニで買える徳用焼酎に烏龍茶を雑に混ぜただけの安い味。摘まみもコンビニで買えるサラミやビーフジャーキー、ついでにくんさきやゲソという安値な晩酌。
毎日ロマネ・コンティを飲める程度の財力はあるが、酒という物は場面場面にあった酒こそ至高、というのが持論だ。
仲間内で騒ぐだけの晩酌に高い酒は要らない。というか前世の俺達の財力を聞く限り、高い酒を飲む奴には近寄りがたいらしいし。
割る種類を変えながら酒を飲んでいると、一階へと繋がる階段から
その姿に身構えたのは星霊神社からの御客様。
「ちょ、セツニキッ!何時からここはメシアに汚染されたんだ!?」
「落ち着けって。コイツらはメシアの天使じゃない。俺らが遊びで作り出した造魔だ」
「造魔……?」
「術スレに報告したんだが見てないか?コイツはキリスト教の聖書ぶちこんだ
十戒を一つでも破ると、主の激怒──モーセが体験した怒りをその身で味わう事になる。天使という存在である以上、それを避ける為なら死ぬことすら厭わない存在という訳だ。
そこへショタオジの式神術式をぶちこんだんだから、安全性という意味では嫁式神を越えている。
破られる=嫁式神も安全では無くなるので、心配するだけ無駄だ。
「星祭は何時もこんな事してんのか?」
「何時もでは無いが、似たような事は誰かしらやってんな」
「人造天使に関して言えば、余りまくってた天使の素材のせいだから」
「そうそう。破魔の〝色〟が濃すぎて回復薬に向かないし、かと言って吸光の塔だと馬鹿みたいに現れるしで、邪魔だったんだよね。槍ニキも余ってるっしょ?」
「……あぁ。確かに余ってんな」
まぁ、同じ山梨異界に潜ってるんだから素材事情は同じだろう。
「セツニキ様。そろそろ宜しいでしょうか?」
「おう。何の様だ?──
キャノの正式名称はキャノ・クリスタレス。名前の元ネタはコロンビアにある世界一美しい川だ。
高位天使の分霊素材を利用して作られた二体のガブリエルの内の一体で、見た目はグラブルのリミガブ。
他にも世界の美しい海から名前を取ったロタ*11や、普通の天使だが世界一美しい湖から取ったモーレン*12が居る。
ちなみにロタは『ロストディケイド』の秩序の天使・ガブリエルの姿で、ついに図書館となってしまった元資料室の司書をやっている。
モーレンは術スレで話題になった白黒天使で、旅館の機械関係全般のメンテナンスが主な仕事だ。
一応キャノとロタの二人は霊格的に戦力として数えられる強さなのだが、ハッキリ言おう。この旅館の住人の事を考えれば誤差だ。
強いて言うなら緊急時に中居やメイドを保護する存在かも知れない。ショタオジの結界を越えて、この旅館に辿り着ける悪魔が居るかは知らんが。
「アーチャー連盟の皆様から伝言を預かっております」
「んあ?アーチャー連盟?何でそんな所から?」
アーチャー連盟はアーチャーニキ*13を筆頭にシロウニキ、ボブミヤニキ、無銘ニキ等々、アーチャーっぽい能力を持つ黒札とシキガミが立ち上げた組織だ。
元ネタの性質なのかシキガミ共々正義の味方が多く、調理スキルが高く、女性難が
そんな奴等が俺に何の様だ……?
「言えば伝わると言われたので、そのまま伝えますね。『UBWについて詳しく聞きたい』らしいです」
「あー……」
そういう事か。