【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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原作持ち故の苦悩、人魚ネキの功績3

 

 

 Fateシリーズにおいて公式が公開した情報に加え、生前に見たwikiの情報を元にした『無限の剣製』を術式に落とし込むと、以下の要素が必要不可欠になる。

 

 

 原作同様、ありとあらゆる〝剣〟の要素が内包された空間の作成。これはMAGに〝剣〟の色を与えれば済む。

 

 続いて作成した空間内に生成した物品を仕舞い、維持する機能。これはショタオジや探求ネキが得意とする【異界作成】で大丈夫だ。

 

 ブーストニキの【空間拡張】は残念ながら存在する空間を広げる術式の為、別の世界を持って来るに等しい無限の剣製には向いてない。

 

 解析に関しては努力しろ!としか言えんな。一応【アナライズ】が得意な製造班は霊具の仕組みを把握出来るし、【解析】持ちなら通常の物品を含めて仕組みを知る事が出来る。

 

 合わせて所持してるなら本家と大体同じ効果だろうな。たぶん。

 

 

 投影魔術に関しては三パターン用意した。

 

 

 一つ目は展開した異界から実物を取り出すパターン。原理的には探求ネキの〝壺中天地〟を物凄くカッコ良くしただけなので、簡単では無いが理論だけなら昔から出来ていたりする。

 

 注意点としては取り出す剣が無料では無いという事か。原作の様に派手に扱うと、一瞬で戦力を喪失し、ついでに財布も空になる。

 

 二つ目は【鍛冶】【錬金術】【魔術知識】【魔晶変化】を併用して『UBW』内のMAGを使い、【即席錬成(インスタントクリエイト)】で作成する方法だ。

 

 利点は貯蓄してる〝剣〟属性のMAGがそのまま残弾となる事。欠点は使える様になる(完成する)までかなりの時間を要する辺りか。

 

 式神なら【即席錬成】を差し込むだけで完成する。必要キャパシティとスキルカードの値段は察しろとしか言えないが。

 

 三つ目は俺が良くやる自身の霊力を〝剣〟の形に変えるだけの、一番つまらない方法だ。

 

 必要な物は【霊力操作】のみ。レベル三十まで遠征抜きで来た俺達なら普通に出来るので、難易度としては一番楽だ。代わりに浪漫が無い。ついでに時間経過と共にMAGに還るので『UBW』を発動しても〝何もない丘〟となる。

 

 ちなみに宝具のコピーに関しては原作より格段に楽だ。別に英霊と会う必要も無ければ見る必要も無い。

 

 製造班にマッカを積めば良い。もしくは術式を学んで自作だな。ショタオジに頼めば原作と同等の品が出てくる気もするぜ。

 

 

「──って訳で、やる事一杯だぞ☆」

 

 

 製造班の実験室へ向かう途中に目標とする『UBW』の詳細について語る。お供はもちろんアーチャーニキ、無銘ニキ、ボブミヤニキだ。

 

 

「もっと早くに相談するべきだったか。そうすれば、我々も肩身の狭い思いをせずに済んだかも知れん」

 

 

 がっくりと肩を落とすアーチャーニキ。それを励ます様に無銘ニキが口を開く。

 

 

「しかしアーチャーニキ。セツニキですら最近作り上げたと言っていた難易度だぞ?頼めば応えてくれたかも知れんが、その代償が計り知れん可能性もある」

 

「まぁ、岩手支部を手伝う余裕は無かったな。……ところでアーチャーニキも無銘ニキも見た目は〝エミヤ〟な訳だが、どちらが見せ筋なんだ?」

 

 

『『おっと……心は硝子だぞ?』』

 

 

「どっちもかよ!それで良いのか無銘ニキ!」

 

「私は長髪versionの無銘*1では無いからな!」

 

「お前ら……元気なのは良いが、ちゃんと出来てんだろうな?無駄足を踏むのはごめんだぞ?」

 

「そうは言うがな、ボブミヤニキ。昔からここに居る我々にとって悲しいことに条件反射に近いのだ」

 

「うむ。ガイア連合の俺達にとっては一回だけだが、俺達にとっては俺達の人数分だけ繰り返されたネタなのだよ。それ故に問われたら答える領域になってしまったのだ」

 

「……お前らも苦労してんだな」

 

 

 この冷や水を浴びせようとして同情してしまう辺り、根っこの善人部分は〝エミヤ〟なんだな、と納得してしまう。……あ、そうだ。

 

 

「アーチャーニキ達に頼みがあったの忘れてたぜ」

 

「頼み?私達に出来ることならば引き受けるが?」

 

「いや、そこまで固い依頼じゃない。そこのボブミヤニキを料理に誘ってくれってだけだ」

 

「セツニキッ!おま──」

 

 

 俺の口を塞ごうと動いたボブミヤニキを呪符で麻痺させ、そのまま担いで歩き出す。

 

 

「ボブミヤニキは前世と今世の環境の違いから来るストレスで味覚障害を患ってたんだが、治療し終えた今でも頑なに調理場に立たないんだよ。俺の手は汚れているから料理を作る訳には行かないってな」

 

「……気持ちは分かる。私も手を汚した経験はあるからな」

 

「闇召喚士達はこちらの事情なんて気にしてくれないからな。だがセツニキ。それはお節介が過ぎるのでは無いか?」

 

「俺もトラウマになってんならこんな事を言わねぇよ。コイツは星祭の面子連れて行ったライブキッチン*2で料理人の不手際にイラつくぐらい未練タラタラなんだわ」

 

 

 腕を組んでトントン叩くのは気が散るから止めて欲しい。お陰で美味しく料理を頂いてしまったでは無いか(鋼の意思)

 

 

「それは……確かにお節介を焼かれても仕方ないな」

 

「うむ……弁護のしようが無い」

 

「…………ッ!」

 

 

 麻痺した身体を無理矢理動かして暴れようとするが、残念ながら俺の魔の手から逃げるには霊格が足りん。俺の筋力はA+*3だ。

 

 話している内に目的地に着いたので、片手で扉を開ける。その先には──

 

 

「あ、漸く来ましたか」

 

 

──()()()()が手持ち無沙汰な様子で待っていた。

 

 

「悪いな、人魚ネキ*4。待たせたか?」

 

「まぁ、少しだけ。でもチケット*5を使われた以上お仕事ですから」

 

「セツニキ。彼女は?」

 

「HNは人魚ネキ。今回の件の協力者であり、悪夢に(うな)される非覚醒者俺達の女神で、TS組の俺達だ」

 

「ああ。掲示板で噂の」

 

「噂は予々(かねがね)。掲示板では無銘を名乗っている者です」

 

「自分はアーチャーです。今日は宜しくお願いします」

 

「こちらこそ」

 

 

 イケメン二人が美女人魚と挨拶を交わしてる内にボブミヤニキを下ろして麻痺を解く。即座に全身のバネを使って起き上がり、襲い掛かって来たので、足を払って転倒させてから背中を踏みつける。

 

 

「……全く見えませんでした」

 

「まぁ、俺もボブミヤニキも高位霊能者だからな」

 

 

 何時までもこの状態という訳には行かないので足をどかして隅に移動すると、深い溜め息を吐き出しながらボブミヤニキが手を差し出した。

 

 

「掲示板ではボブミヤニキと呼ばれている。ガイア連合に所属して日は浅いが、海外の方で暴れていてな。そこに居る糞爺に引っ張られてきた元傭兵だ。今日は宜しく頼む」

 

「宜しくお願いします」

 

 

 差し出した手を握り返す人魚ネキ。何というか犯罪みたいな絵面で笑う。とはいえ人魚ネキの時間を奪ってる以上、何時までもふざけてる訳には行かないので思考を切り替える。

 

 

「まずはそこに置いてあるデモニカに着替えてくれ。着替え終わったらそこにある装置付きの椅子に着席な」

 

「説明は無しか?」

 

「詳細は()()()の方が分かりやすいってのもあるが、体験しないと納得出来ない部類なんだわ」

 

「あ。これから私が【子守唄】を歌いますが、抵抗しないで受け入れてくださいね」

 

「良く分からんが分かった。着替えて座って子守唄を聞けば良いのだな」

 

「まぁ、今は言う通りにしよう。ボブミヤニキも良いか?」

 

「おう。術式に関してはそこの爺を信頼してるからな」

 

 

 本来ならば人魚ネキの視線を気にして部屋を出て別の場所で着替えるか、出て貰うかするべきかも知れない。

 

 だがここに居るのはガイア連合基準で〝修羅〟と呼ばれる存在達だ。最低限のパンツ(モラル)さえ履いていれば、人魚ネキを含めて誰一人として気にしない。

 

 そんな訳でパパッとデモニカ(ランスロット)になったアーチャーニキ達が椅子に座る。

 

 

「それじゃ人魚ネキ。頼むわ」

 

 

 お願いすると同時に術式を展開。別室に居るエドニキ達が観測している室内で、人魚ネキが高らかと【子守唄】を歌い出す。

 

 

────効果は直ぐ様現れた。

 

 

『セツニキ。三人が()()()()に飛んだ』

 

 

 室内に備え付けられたスピーカーから聞こえてきたエドニキの声に一度頷き、額に霊符を当てた。

 

 

「じゃ、人魚ネキ。時間まで頼むわ」

 

 

 発動した術式の名は──〝夢幻抱擁〟

 

 

 母の胸の中で眠る赤子の様に対象を〝夢〟へと導く安眠術式。その術式から来る眠気に身を任せ、俺もゆっくり目を閉じた。

 

*1
たぶんガイア連合には長髪versionの無銘も居ると思う。

*2
シェフが目の前で料理をしてくれる店。作者は肉料理と焼きそばの店しか知らない。寿司屋が入るかは知らん!

*3
真偽不明

*4
黒焦げ様作 【カオ転三次】終末に向けて準備するとある転生者の話 の主人公。歌と舞に特化した修羅勢っぽいエロイTS爆乳人魚シフター!

*5
正式名称は人魚ネキに対する歌のリクエスト券。主人公を含む術者や製造班からは人魚ネキ召喚権として認識されており、無知な俺達から破格の値段で買い取りまくった独自設定がある。

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