【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
「ガイア連合山梨支部所属一般黒札のセッツァー・ギャッビアーニだ。好きなウマ娘はマルゼンスキー」
「ガイア連合長野派出所所属の黒札、
始めましての挨拶と共に握手を交わし、好きなタイプを告げる。カワカミプリンセスか……イイネ!
個人的に勝負服は水干撫子より普通の方が似合ってると思う。あの魔法少女の様な、女王様の様な絶妙なデザインが好きだ。
「ちょっと意外でした。セツニキさんみたいな修羅勢はスマホゲーとか興味無いもんだとばっかり」
「今世だとログイン勢の奴も多いが、前世はお前らと変わらん奴の方が多いぞ?まぁ、同じぐらい今世で初めてオタク文化に触れた奴も多いが」
グラ爺はこの例だな。前世も武人だったらしいし。秋雨ニキは要領良く楽しんでいたみたいだ。
「ガイア連合に居る限り、完全に避ける事は難しいですからね」
「だよなー」
喋ってる内に目的地に着いた様で、馬ニキがこちらに振り返り、手招きする。というか……
「派出所?」
別所温泉駅を降りた時から何となく感じていたが、これは予想外だったな。
別所温泉は長野県上田市にある温泉だ標高約570mの高地にあり、〝信州最古〟と伝わる温泉地と呼ばれていたりする温泉旅館だ。
第八十四代
伝承だと
まぁ、三日月に尼子家再復興を祈願した山中鹿介の『願わくば、我に七難八苦を与えたまえ』*6的な意味で、七難離を味わっても入りたい温泉、という意味なんだろうが。
余談だが、温泉街に近接して安楽寺、常楽寺、北向観音といった塩田流北条氏ゆかりの古刹があることから『信州の鎌倉』と呼ばれているらしい。
「えっ。はい。派出所ですけど……?」
「あれ……?長野って支部無かったか?ちょっと失礼」
「あ、はい」
断りを入れてスマホで検索。……うん、有名人wikiの情報が間違ってんな。
取り敢えず編集部に訂正する様にメールを飛ばし*7、スマホを仕舞う。
「よし、解決。待たせて悪いな」
「いえ。それでは中へどうぞ」
案内されるまま馬ニキに着いていき、旅館の一室へ通される。そこで待っていた馬ニキの嫁である『ヒメ』*8に出迎えられて着席。早速、鞄から取り出した資料を机の上に置く。
「馬ニキが牧場を開いてくれて助かったぜ。ダメンズ同盟の馬鹿共は終末を想定してなかったらしくてな?慌てて預け先を探してたんだ」
「えっと……取り敢えず質問良いですか?」
「おう。何でも聞いてくれ」
「ダメンズ同盟って何ですか?」
そこからか。いや、あれって山梨のシェルターでエンジョイしてる奴らだし、知られてなくて当然か。
「分かりやすく言えば、駄目なおっさんの集まりだな。飲む!打つ!買う!+嫁を抱くのが大好きな連中だ」
「…………えっと」
「ああ、無理にフォローしなくて良いぞ?アイツらは駄目なおっさんである事に満足してるんだよ」
前世は社畜で楽しむ物も無く過労死して、今世では終末が来る事を知り、自暴自棄な生き方をしていた連中だ。
そんな連中にベルフェゴールやその仲間達*9、ミナミィネキと共に
その性質上、スケベ部や呑兵衛の会を兼任してる奴も多く、実は富豪ニキネキの一部まで参加していたりする。
ちなみに地獄湯で阿紫花ニキの嫁であるえーきっき*10に会うと、普通に怒られる奴と前世の苦労を感じ取って小言で終わる奴の二タイプに別れる。
俺はもちろん怒られる方だぜ!
「流石ガイア連合と言うべきですかね」
「前世の生き方を考えれば仕方ない奴も多いし、アイツらもダメンズ同盟として扱われたがってるからな。気にしたら禿げるぞ」
「肝に銘じておきます」
そこまで真剣に考える事でも無いんだが、馬ニキの性格の良さとして受け取っておこうか。
「取り敢えず、取り急ぎ預けたいのはこの三頭だ。ガイア連合が所有してる馬で、繁殖入り出来なかった奴らだな」
「ガイアスズカ、ガイアライス、ガイアブライアン……?あれ?この三頭って……」
「平行世界に転生したチート転生者による歴史改編の結果だ」
サイレンススズカは1997/11/1の天皇賞(秋)。
ライスシャワーは1995/6/4の宝塚。
ナリタブライアンは1998/9/27は三石家畜診療センターで胃破裂。
時間と原因が分かっていれば、ガイア連合の黒札なら動くわな。
「……凄いですね。ガイア連合」
「前世でウマ娘が人気だったから募金が集まったってのもあるし、故障が発生した直後に超遠距離から回復出来る技能持ちが居たってのもある。ナリブに関しては不法侵入したらしいぞ?」
「そこまでやるか俺達……!」
「残念ながら本馬は無理だったから、その子供達だが。ちなみにオグリやCB、ルドルフの子供達も居るぞ!競走馬としては最高でオープンまでしか行かなかったらしいがな」
「あれ?良く馬主権限取れましたね?」
「あー馬ニキは前世若かったんだっけか?」
「まぁ、ウマ娘にハマったぐらいですから」
「それじゃ知らんわな。昭和の時代の社長ってのは
「……お金の無駄では?」
「付き合いって奴だ。馬主権限が一種のステータスで、競馬場には馬主席が用意されている。何の為に使われるか、馬鹿でも分かるだろ?」
「成る程。一種の社交界の場だったんですね」
納得した様子の馬ニキに一度頷き、契約用の書類を新たに取り出す。
「これが富豪ニキ達とダメンズ同盟からの契約書*11だ。基本的に配合も含めて好きにやっていいが、寿命が尽きるまで面倒を見て欲しいらしい」
「支払いはマッカか現金。世話をしてる間は防衛のヘルプにも駆け付けてくれるんですか」
「星祭所属の馬好きも居るから下手すりゃ三桁の奴がヘルプに来るぞ☆残念ながら定住は厳しいけどな」
「それでも助かりますよ。サインはここで良いですか?」
「ああ。そこに頼む」
さらさらと契約書にサインした馬ニキから契約書を受け取り、控えを渡す。原本は回収して後で配送だ。
「じゃ、先に渡しておくわ」
霊符からマッカを解放。これは俺のポケットマネーでは無く、ダメンズ同盟から預かって来た物になる。俺の金も多少は入っているが。
「取り敢えず前金で十年分な。現金は税金逃れの為に馬ニキに空依頼を発注するらしいぞ」
「現金が不足したら依頼を受ければ振り込まれるって認識で良いです?」
「ああ。ガイア銀行なら振り込み履歴を消せるからな」
つまり裏金余裕でした。脱税も余裕だぜ!
「何というか何でもありですね」
「転生者に霊能の才能を与えれば、そらこうなるさ」
「それもそうですね」
お互いに苦笑いを浮かべ、この場は解散。馬ニキは馬の受け入れの為の手配の為に部屋を後にし、俺は別所温泉を堪能してから山梨へ帰還。
ダメンズ同盟に提出する用の契約書のコピーを星霊神社で取っていると、馬主の一人が現れた。
「セツニキ。ちょっと良いか?」
「ギルニキか。どうした?」
「実は新潟支部から出資の嘆願があってな?その事について聞きたい」
「ちょっと待ってろ。すぐ終わる」
コピーした契約書を整え、それを事務課の俺達に言伝と共に渡す。こういう細かい事を頼めるのは日頃の好感度上げの成果だな。
「個室借りるか?」
「すでに借りてある」
「了解」
ギルニキの後ろに着いていき、依頼斡旋場で借りられる有料の個室へ。本来は打ち合わせなんかに使われる場所だが、今回の様に密談にも使われる防諜完備の部屋だったりする。
「新潟は山梨支部から見れば北東、鬼門に当たるから、きっちり霊的防御を整えておかないと山梨支部にも悪影響が出かねない!というのが彼らの言い分なのだが……事実か?」
「事実っちゃ事実だが……大丈夫か新潟支部」
高位霊能者の言霊はマジで効果発揮するぞ。
「どういう事だ?」
「鬼門の考え方は陰陽から風水まで色んな分野に渡ってるんだが、何処を中心とするかは個人依存だったんだよ。今まではな。それを新潟支部の連中が
「……つまり?」
「本来なら山梨に振り掛かる災厄まで引き受けてくれるぞ☆」
「不味いでは無いかッ!!」
椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がったギルニキを余所に、スマホを弄って新潟の地方防衛スレの過去ログを漁る。
「っと、見付けた。この1011:名無しの地方転生者は新潟支部の戦犯だな。仲間割れされてもアレだし、ベルフェゴールに削除申請しておくか」
「……随分余裕だな?」
「あそこは田舎ニキが居るから何とかなるだろ。ロボ部の総本山だし、戦力としてはかなりのもんだ。それに……」
「それに?」
「探求ネキや呉支部とも繋がりがあるからどう考えても最悪な事態にはならん。むしろ戦力的な意味では過剰だぞ」
噂だと宮城支部の新星であるようじょネキとの繋がりもあるらしいし、霊山同盟とも繋がりがある。
馬ニキの居る長野と霊道を繋げる話も出てるから大丈夫だろ、たぶん。
「ただ鬼門になった事は確かだから、防衛設備の為の融資はしてやって欲しい。何なら名義だけ貸してくれれば俺の財布から出すぞ?」
「いや、それには及ばん。山梨の災厄を引き受けてくれるなら富豪俺達を説得出来る」
「さよけ。まぁ、俺の方も気にかけておくわ。いざとなったら星祭を動かせば何とかなるだろ」
「うむ。その時は任せた」
「任された」
頑張れよ、田舎ニキ。俺は山梨の地から応援してるぜ!