【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
二日か三日後辺りに投稿予定ですが、遅れたら色々試してると思ってください。
一族の知識を写本する事になった。
理由は〝その方が面白そう〟だったから。
これで世界の為とか言われたら断っていたが、面白そうなら仕方ない。俺達一族は楽しい事が大好きなのだ。
ちなみに報酬は乱入式神の排除。正確に言えば、俺の鼻が天狗になった時以外はしないようだ。もちろんネコマタは荒れてた。怖いなぁ、戸締まりしとこ。
そんな訳で朝一で写本→飯食って異界でハクスラの流れが一日のルーチンに組み込まれたのだが、まぁ出ない。
いや、正確に言えば出るのだが、欲しい付与が付いている装備が出ないのだ。例えば二層の序盤で低確率で落ちる『ヌンチャク』は霊的な強さがジャックナイフとほぼ同等な代わりに時々二回攻撃する。普通のヌンチャクも落ちるのだが、ごく稀に【連擊】の付与が付いているのだ。
効果は単純で、一撃与えるとその衝撃が二回分になるというシンプルな物。その程度なら俺も手に入れたし、スルーするのだが、なんと禊が手に入れたヌンチャクには【四連擊】という一撃が四発に増える、色々悪用出来そうな付与が付いていたのだ。
それを横で見た瞬間、今まで取ってきた装備をムラサキ*1に見て貰ったのだが……そんな良さげな装備は存在していなかった。残念。
だからこそのハムハムなのだが……まぁ、出ない出ない。
そもそもドロップ率は大体二割ぐらいで、その内訳は霊力が固まり、意味を持った物*2 > 倒した悪魔の素材 > マッカ > 武具だ。そしてドロップした武具の内、
そんなゴミ山を乗り越えた先にあるのが【連擊】であり、俺はユニーク装備だと思っていたんだが……まさか【四連擊】まであるとは。
ちなみに巫女達がヌンチャクを使えるのは別に習っていたから、では無い。ヌンチャクに付く付与効果の中に【武術の心得・壱】という手に持つと何となく〝型〟がわかる便利装備があるのだ。
そのお陰で巫女服姿でヌンチャクを振り回す姿が夕飯前に良く見られる。その内、刀や西洋剣になるだろう。
防具の方も落ちるのだが『ヘッドギア』や『サバイバルベスト』、『レザーグラブ』や『レザーブーツ』等のミリタリ色の濃い装備しか出ない上に巫女服を越えられない。これは周辺の霊能組織に輸出され、円に変わっている。
売れなくなったら集める予定の転生者達の初期装備となり、それも必要無くなったら付与効果抜きの練習素材にでもなるだろう。
ジャックナイフ片手に悪魔に襲い掛かるミリタリ系転生者か……何処のチンピラかな?
そんな事を考えている内に今日の分の写本が終わった。それを星祭神社の本殿に置き、他のドロップ品と共に後で都に持って行って貰う。つまり、仕事は終わった。後は周回するだけだ──
「失礼致します。ナナシ様、少しお時間を頂いても宜しいでしょうか?」
どうやら仕事が生えたらしい。糞が!
「どうした?何か問題が起こったのか?」
極力顔に出さない様に振り向き、禊に尋ねると、禊自身も首を捻りながら問題を語り始める。
「当主様の占術によって早めに対処した方が良いと出た東北のとある地方の異界に人を向かわせたのですが、何やら問題が発生した様で、定時連絡の時に援軍を要請されたのです。ただ部下の実力で問題が出たとなると、私達では……」
「みんな一緒に覚醒したから実力差は余り無いもんな」
むしろ神社の表も裏も統括をしている禊が一番霊格が低いまである。本人は時間を作って頑張ってるし、他の巫女達もそれで増長したりしてないが。当主様が強すぎて俺ですら巫女達と大差無いから鼻が伸びる暇もねぇ。
「わかった。ムラサキ達の【転移】の登録がてら行ってくるわ」
「有難う御座います」
深々と頭を下げる禊の横を通り抜け、自室に戻って着替える。着替えたのは神主の姿でお馴染みの狩衣だ。
この
今では後進の育成に全力を出している辺り、俺の一族の様に星霊神社の強火ファンな気配がしている。やはり推しの為に働けるのは
念話で呼び戻したムラサキ達を巻物に戻して適当なリュックに仕舞う。霊符を仕舞う革製のカードケースも準備オッケー。さぁ、出発だ!
「何度も来るとは恥知らずな!ここの異界は我らの一族が命懸けで管理してきた異界だ!貴様らの様な女子供が気軽に手を出して良い場所では無いわ!」
帰りたくなってきた。
東北各地をマーキングしながら北上する事はや数日。漸く秋田県に入り、そのままギンの背に揺られて目的の場所へ。先任の巫女と合流して挨拶を交わし*3、身体の疲れを取った翌日。取り敢えず挨拶しに行くか、という事で巫女の先導の元に着いた地元の名家での一幕。
「ですが皆様では手に負えていません!それにすでに街に邪気が漂い、妖の姿が目撃もされているのですよ?もはや一刻を争う自体なのです!」
「煩い!女が知った様な口を聞くな!」
怒りに任せて巫女に手を上げようとした爺と巫女の間にトランプを割り込ませ、防ぐ。覚醒者としての力量はうちの巫女の方が遥かに上だが、まだ一般人としての感覚が抜けていない巫女では年上相手は辛いだろう。
だから、代わりに前に出る。
「死なない程度には加減してやる。──覚悟しろよ」
右手に力を込めて腹パン。もちろん爺は門をぶち抜き、家をぶち抜き、その先で泡を吹いて倒れた。
「な、ナナシ様!?不味いです──」
「
力無き正義は無力。弱者は何も得られないし、何も守れない。誇り?歴史?そんな物を悪魔は考慮してくれない。
「異界に行くぞ。俺は早く帰ってハクスラしたいんだ」
返事を待たずに屋敷の奥の裏山に向かい、登山を開始する。山頂にあったのは──
「考えてみれば、当然だよな」
この世界が平行世界だとしたら《俺》の前世にあった神社も当然ある。そして、この世界には前世に無いメシア教による根切りが起きた。だから、これは当然
「ナナシ様……?」
「この神社はさ。俺の年離れた親友の神社だったんだよ」
一から作り上げた会社を退任して、取り敢えずこの国の神主の資格は取っておこうと大学に通った時に出会った同期。稲荷系神社の跡取りで、好きな女性のタイプは玉藻前と宣言していた馬鹿な奴。
でも、石長比売を推す俺を馬鹿にする事も無く、俺が神主になったら配神にしてやるぜとまで断言してくれた、年の離れた大親友だった。
そんな奴の神社が惨たらしく破壊され、廃社となって異界の入口となっている。年齢を考えれば、アイツはこの世界に生まれてこないだろう。この世界では絶対に会えない。それは仕方ない事だ。
「花月。お前は先に帰れ。ここは俺が〝討滅〟する」
メシア教の根切りも分からなく無い。他国に大陸を超えて呪殺可能な術者が居るという事は、大陸間弾道ミサイルが常に飛んでくる可能性があるのと同義。自国を守るために敵国に術者が産まれてくる可能性を限りなく低くする事は、国防の為の手段の一つだ。
許すかどうかは別として、理解はしている。
だから──この怒りは、メシア教やアメリカには向いていない。
俺がムカついているのは──
軽く頭を振って感情をリセット。何もかも後で考えれば良い。取り敢えず
名前を付けようか一瞬迷ったが、原作キャラどころかマジモンの真作がありそうな気がするので辞めた。
取り敢えず『ファイアブランド(仮)』か『フレイムタン(仮)』辺りが妥当か。結局、炎剣呼びする気がするが。
そんな事を頭の片隅で考えながら式神を全て呼び出し、異界に突入する。俺を出迎えたのは──
「まぁ、そうなるよな」
枯れた稲穂にひび割れた大地。そして、たぶん親友の一族が使役していたと思われる憎悪に染まるクダだった。
前世とパラレルならこういう話も書かないと!の勢いで書きました。
前世長生き組の俺達はこういう経験してそうだよね。