【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
「うっし、片付け完了。じゃ、行くか」
食べ終えたゴミを霊符に仕舞い、立ち上がると、タイミング良く
「お、セツニキだ。らっきー♪」
「京四郎ニキか」
肩に
「その姿を見るに戦闘後か?」
京四郎ニキの装備である和風の着流しには、所々
「ヘラのギミック*1的には楽だったんだけどね。やっぱ全域攻撃は反則ッスよ」
「アイツらの卓ならアリなんだろう。俺もふざけんなって言いたいが」
「
「世界を終わらせて私も死ぬ!を地で行くからなぁ。……って、後ろの修羅木綿の〝切り札〟は使わなかったのか?」
「盾がクロネキでした」
「把握」
死んでも問題ないなら切らんか。あれ使うと、他の奴の同行が必須になるか、ゼウスで死ぬし。
「ところで厄介な事になってんね?何この藤壺?」
「皆大嫌いなクトゥルフだぜ!」
「うへぇ。素材処理糞面倒な奴じゃん」
「状態異常もな。──っと、合流するか?するなら待つが」
「お願いしようかな。深層ソロはソロで楽しいけど、一人だと限界あるし」
「了解。そういう訳だからまた休憩な」
食事は先程軽く取ったので、適当に摘まめる物を霊符から取り出す。……今日は柿ピーか。悪くない。
「ほんの少し前の情報だが、侵入してる俺達は四十八人、主神級は残り六らしいぞ」
「ハデスとゼウスとポセイドンとデメテルは確定、残り二かぁ。セツニキは何だと思う?」
「アルテミスの〝隠れんぼ〟、デュオニュソスの〝クソゲー〟、アレスの〝大戦争〟、ヘファイストスとヘルメスの〝金策〟辺りかねぇ。他は戦闘だと大した事無いし」
「アテナの〝一騎討ち〟は?」
「あれは大人気で即落ちだろ」
〝一騎討ち〟はその名が示す通り、式神抜きで純粋にアテナと勝負するだけのギミックだ。その性質上、修羅勢の中でも血の気の多い奴等が最初に飛び込むので、最初か次くらいに確定で落ちる。
アフロディーテのギミックは【精神異常無効】持ち式神の波状攻撃で落とせるし、デメテルはハデス討伐後のドロップを持ち込めば
「ペルセポネの神話的にあり得ない話じゃないけど、良くこんなギミック見つけたよねぇ」
「グッドサインしながら消えていくデメテルを初めて見た時は笑ったな」
ペルセポネの神話を簡単には説明すると、処女神なのに強姦された悲しき女神、と言うのが適切か。
流れとしてはこうだ。デメテルの娘のベルセポネはオーケニアデスの乙女達*2と共にボイオーティア*3のニューサの野*4で花を摘んでいた。
そこへペルセポネに一目惚れしたハデスがゼウスに無駄な入れ知恵を貰い、ペルセポネを襲撃、地下世界に誘拐した。
それだけにしておけば良いものを冥界の柘榴を騙して食わせ、一年の内の約四ヶ月、冥界に居なければ駄目だと強弁。
もちろん母親であるデメテルはぶちギレた。そらもうゼウスですらどうしようも出来ないぐらいぶちギレた。
太陽神ヘリオスから事の詳細を聞いたデメテルは仕事を投げ出してオリュンポスを出奔。大地に豊穣の季節が来なくなる。
人類にとってはとんだとばっちりだな──かと思いきや、娘を探す旅をしていたデメテルを乳母にしようと画策した人間も居たりするので、余り同情は出来ないんだよな。これが古代ギリシア神話の面白さなんだが。
その後は作物が実らなくなって困った人間からの陳情でゼウスが動き、なんやかんやあって娘が地上に居る間だけはデメテルが働く様になって終わりだ。
もちろんデメテルはペルセポネが冥界に居る間は作物を実らせない。これが冬という季節になり、彼女が帰ってくる=春が来るという事で、ペルセポネは春の女神と呼ばれる様になった訳だ。
「時々本霊っぽいデメテルも来てるし、あの今でも許してないという確固たる意思を感じる動きよ」
「母親から子供を取り上げて性奴隷にしたようなもんだからな。そら残当としか言えん」
「ちなみにスケベ部の制作班が黒札限定に公開してる地域別売り上げを見ると、ギリシア神話には強姦からの純愛物が人気らしいよ?」
「ゼウスは強姦魔、ハデスは誘拐犯、ポセイドンも嫁を誘拐したしな。貢いで承諾して貰ったって説*5もあるが、血筋的に信じられないという」
「草生える」
信じろって方が無理だろ。一番上が性欲の塊なんだし。
「よっし、休憩終わり!武器の手入れも終了!何時でも行けるよ」
「了解。それじゃ片付けて行くか」
「あ、ドングリ*6預かって貰っていい?」
「ムラサキかアイなら問題ないぞ。他は全員動き回るからな」
「ういうい。それじゃムラサキちゃん任せたわー」
「畏まりました」
京四郎ニキの肩から右腕を通り、ムラサキの肩に陣取るドングリ。その後ろには修羅木綿が漂っている。
纏まって生活してたからか、式神同士の仲は良好だ。
「ちなみにドングリ、あの見た目で三桁乗ったぜ」
「俺らより高くて笑うんだが」
「三老の皆はほんっと上がらないよねぇ。別に成長限界って訳じゃ無いんでしょ?」
「貯まってる感覚はあるんだなこれが」
レベル九十九で止まった俺らもチラホラ出てきたが、話を聞く限り俺らとは違い、MAGを
だから単純に九十九から百までに必要なMAGの量が多いだけだと思うんだが……こればっかりは俺にも分からん。
「ゲームだとあんまり疑問に思わなかったというか、制作チーム次第って事で納得してたけどさ。レベルカンスト組と俺らの違いってやっぱ根幹の違いなの?」
「いや、どちらかと言うと根幹が強すぎるせいだと思うぞ?」
「ん?どういう事?」
「例えば四文字クラスが根幹だとする。でも俺らは全知全能には程遠い存在。つまり、魂の成長が追い付かない訳だ」
「あー……知識や経験を得て魂を広げないとどうしようも無いって訳ね」
「俺ら三老は別の理由だけどな」
「と言うと?」
「
前世で長生きをしたからか、意識が人間に寄っていると言うべきかね。自分の中の霊力を何処か
早い話が
「さっきからバッサバッサ
「刈り取っているのに、だ」
やはり純前衛の火力は凄いな。俺が一体狩る間に三体ぐらい持っていってらぁ。
「その証拠にグラ爺は生死を司る権能より人間として前世で磨いた武術に頼ってるだろ?シエラ婆も俺もな」
「あ~確かにそうだね、っと」
京四郎ニキの【八相発破】が完全にカエルと深海魚の合成生物と化した悪魔を凪ぎ払う。【ヤブサメショット】をばら蒔いているが、要らねぇなこれ。
「いやー、楽で良いね!脳死ブッパしても何の問題も無いよ!」
「修羅木綿型が四人も居れば、敵を引き寄せるのも隔離するのも自由自在だしな。そら集めた悪魔に叩き込む作業になるさ」
さっきやらなかったのは単純に火力不足だからだ。集めた悪魔を処理仕切れなくて死ぬのは馬鹿らしい。
「空間系は快適な狩りには欠かせない!アイテム真面目に拾ってる黒札居るってマジ?」
「一反木綿にマッカ入れるぐらいなら嫁をもう一体か、作っても盾役ルートに進むみたいだぞ?」
「oh...せっかく異世界俺ツエー出来るのに勿体無い」
「俺は典型的な踏み台主人公だったわ。序盤強くて終盤脇役的な?」
「セツニキは
「その言い回し、最近流行ってるけどどうしてだ?」
「セツニキが使ってたのを真似した結果、想像以上に使いやすくて広まったんだと思うよ?修羅勢とか【アナライズ】詐欺しかおらんし」
「あー……ロボットで暴れてる奴とか居るもんな。単純に〝強さ〟を比べにくいのか」
「双子ニキ(兄)とか準備整ったらサテライトキャノンみたいな砲撃するしねぇ。遠距離から撃たれたら何も出来ずに溶けるわ」
「あ、それ最近進化したぞ。グラビーム*8凪ぎ払いみたくなったらしい」
「mgsk!そら厄介な──っと。宝箱……いや、ミミックか」
足を止めた京四郎ニキに合わせて足を止め、視線をT字路の真ん中に置かれた宝箱に向ける。……うん、あれは絶対ミミックだ。花京院の魂を賭けても良い。