【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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最悪のピタゴラスイッチ

 

 

 降()確率10%の四日目は何事も無く終わった。ただ待っているというのもアレなので、可能な限り異界のMAG──というか悪魔を修羅勢総出で狩り尽くし、二割ぐらい削った段階で業務終了、帰還した。

 

 

──そして降核確率30%の五日目。

 

 

「迎撃用意!来るぞ!」

 

 

 不運と言うべきか30%を見事に引いてしまい、世界中からここへ向けてミサイルが発射された。

 

 本命は太平洋を巡航中の潜水艦だ。そこからメシア製核ミサイルが発射されるという情報は得ている。残念ながら、何時発射するかは過激派(あちら)の気分次第だが。

 

 

「ヒャッハー!核如きで俺を殺せると思ったら大間違いだぜ!!」

 

「なんというパワーワード」

 

「それを言えてしまう俺らよ」

 

「強くなったなぁ。昔が懐かしいぜ!」

 

 

 駄弁りながらも上空に向けて魔法やスキルを連打して対空迎撃網を形成。過激派も馬鹿では無いようで、先程から破壊出来ているのはダミーの通常ミサイルらしい。

 

 

「小癪な真似をッ!メシア教のクセに!メシア教のクセに!」

 

「ミカエルは戦略も行けるからな。この程度は初歩だろう」

 

「儂が言うのもなんじゃが、メシア教の戦略は間違っておらんからのう。敵を殺せるだけの量を用意出来れば、どれだけ敵の質が高くとも殺せてしまう事は歴史が証明しておる」

 

「まぁ、この世界(俺ら)って間違いなくメシア教に敗北してるしねぇ」

 

 

 個々の戦場では勝ちを拾えているが、全体で見るとぼろ負けしている。それがこの世界の現状だ。

 

 せめて第二次世界大戦ぐらいの時期に転生出来ていたらなぁ。ライドウを生かす事も出来たし、多神連合を纏め上げる事も出来た。たらればを語っても仕方無いけどな。

 

 

「よっしゃ!一番乗り──って、もう迎撃戦始まってる!?くそっ、俺の手柄が!」

 

「退いてろ!MVPは俺のもんだ!!」

 

「これだから野蛮な男神は……!MVPは私の物です!」

 

 

 降り注ぐミサイルを迎撃していると、どうやら多神連合の神々も到着したらしく、ミサイルの迎撃に参加し始めた。

 

 時折、仲間である筈の神を巻き込む様に動いているのは流石悪魔と言うべきかね。容赦が無いというか協調性が無いというか。

 

 こりゃメシア教に勝てん訳だな。仲間割れして勝てる様な勢力じゃねぇし。

 

 

「セツニキ。俺らはどーする?」

 

「譲ってやるか。迎撃に成功さえすれば、術式は起動するしな」

 

「了解。通達しておくわ」

 

 

 最悪なのは地脈に突き刺さる事と、地脈と繋がっている〝ダゴン〟に干渉される事であり、それ以外なら必要経費として受け入れる。

 

 多神連合が手を出してくる事は元々予想していたのだ。それ故にこうなる事も想定はしていた。……数が多過ぎてどの神が来るのか分からないから高度な柔軟性により臨機応変に対応とかいうふざけた作戦になった訳だがな!

 

 

「…………!セツニキッ!私の【危険察知】に反応が!」

 

「聞いたな?総員、戦闘準備!」

 

 

『『『了解!』』』

 

 

 闘気と活性化したMAGが混ざり合い、修羅勢の居る空間を震わせる。常人では耐えきれない程の圧力が秒単位で増していき、弱者の存在を否定する。

 

 それは多神連合の木っ端な神々も例外では無く──

 

 

「くっそ!人間が出して良い圧力じゃないだろこれ!」

 

「凄まじいな!是非とも魔界に連れ帰り、本霊と命を賭けた戦いをしたい物だ!」

 

「これだから武神は……!どう考えても種馬にして信徒を孕ませて貰った方が良いだろ!」

 

「雑魚共はとっとと引っ込んでろ!潰されんぞ!!」

 

「五月蝿せぇ!お前が引っ込んでろ!!」

 

 

 賢い神々は下がる事を選び、一部の柄の悪い奴等が仲間割れを始めた。その光景に一抹の不安を覚えながらも、いざという時の為の迎撃準備だけして成り行きを見守る。

 

 さて、どうなるかね──

 

 

「っしゃぁッッ!MVPは貰ったッ!!」

 

「あ、テメェ!俺のMVPだぞ!!」

 

「仲間割れしてる奴が悪い!!核を迎撃したのは俺だ──うおおおお!?」

 

 

 核の迎撃に成功した事により、仕込んでいた術式が起動。海底火山が周辺一帯を激しく揺らしながら噴火し、新たな陸地を作り上げていく。

 

 

「セツニキ~。何人か火山弾に当たって落ちたんだけど、どーするー?」

 

「見捨てる訳にも行かないから回収しておいてくれ。あんな奴等でも信徒が居る筈だしな」

 

「了解~」

 

「じゃ、俺達は放射能汚染の除去を始めますかね」

 

「了解よん」

 

 

 ヒーラー組が除染作業に動き始めるのとほぼ同時。〝ダゴン〟が主をしている異界に動きがあった。

 

 

「……黒い卵?」

 

 

 ポツリと呟いた俺らの言葉通り、物理的にも視覚化された異界の形は正に卵と呼べる形をしている。ピータンにも見えるそれは、すぐに活動を始め──

 

 

「うおおおおっ!?吸い込まれる!?」

 

「退避!退避ィ────!」

 

 

 多神連合を含め、周囲の悪魔を渦を描きながら吸い込み始めた。

 

 

「吸引力の変わらないただ一つの掃除機!」

 

「このまま多神連合も全滅すりゃ良いのに」

 

「随分辛辣だな?何かあったのか?」

 

「俺の現地嫁を犯そうとしたんだよね」

 

「怒りに正当性がありすぎて擁護出来ねぇ!!」

 

 

 そんな会話をしていると、黒い卵から()()が高速で吐き出された。それはひらりと一回転して勢いを殺し、出来たばかりの島に着地すると、そのままもう一度大地を蹴って〝女王艦隊〟の甲板に着地する。

 

 

「セツニキッ!少し不味いぞ!」

 

 

 艦橋の壁を壊しながら突入してきたのはシエラ婆だ。ぱっと見た感じ多少の汚れこそあるが、怪我は無い。

 

 しかしその表情には余裕が無く、何かを伝えようとする必死さしか見えなかった。

 

 

「どうした?何か問題でもあったか?」

 

「〝カーマ〟じゃ!核の迎撃に成功したのはヒンドゥー教の〝カーマ〟じゃった!」

 

「〝カーマ〟……?」

 

 

 カーマはヒンドゥー教の愛の神であり、釈迦の瞑想を邪魔したマーラと同一視される事もある神だ。

 

 マーラはメガテン的には男性器を模したその見た目で度々話題に上がる大物の神であり、俺らの知名度はかなり高い。確か関西支部の方にも分霊が居た筈だ。

 

 

「いや、それが何の影響がある?シエラ婆が焦る程なのか?」

 

 

 迎撃に成功した神がなんであれ、元々一つに纏まった悪魔を叩く基本戦略は変わらない。

 

 それをシエラ婆も理解している筈だが……?

 

 

「分からんか!?……いや、済まぬ。()()を見なければ分からぬのも仕方がない」

 

「ちょっと待て。何が起きているんだ?そんなに取り乱すような事なのか?」

 

「核に搭載されていた〝大天使〟。〝ダゴン〟──厳密に言えば、深きものどもの〝異種姦〟好き。それに止めを刺す様に追加された〝カーマ〟の〝愛〟。……ここまで言えば分かるじゃろ?」

 

「……オイオイ。まさか──」

 

 

 その答えを言葉とする前に、異界そのものであった黒い卵が割れる。膨大なMAGを撒き散らしながら、まるで祝福されたかの様な光が天から差し込み、新たに生まれたのは──

 

 

 男性器が触手となった堕天使の群れ

 

 

 端的に言えば、悪夢の様な光景だった。

 

 

「斥候組ッ!」

 

 

 即座に斥候系俺らに指示を飛ばし、同時に【解析の魔眼】を発動。情報を抜きながら報告との擦り合わせを行う。

 

 

「【ハイ・アナライズ】!……最悪だ!先頭に居る悪魔は堕天使 グリゴリ!レベルは八十!スキルは──【強制妊娠】!」

 

「もちろん男女関係無し!触手を差し込まれた場所にネフィリムの卵を植え付ける効果!」

 

「ちょ、強制孕ませプレイ!?」

 

「そういうのは同人誌だけにしろよ!!」

 

 

 文句を言いながらも俺らが甲板から陸へと移り、戦闘を開始する。だが強制孕ませ機能付き触手チンコが怖いのか、微妙に動きが悪い。

 

 だが、厄介事はこれだけでは終わらなかった。

 

 

「セツニキさんッ!コイツら人間しか狙わない!!式神には一切反応しない!一匹でも逃がしたら文明が終わる!!」

 

「しかも伝承的にコレ終末案件臭い!一匹でも逃がしたら人類の食料全部食って共食いエンドだ!」

 

「後、糞ギミック引き継ぎの上に何か別のギミック追加されてる!触手が切れねぇ!!」

 

 

 正に阿鼻叫喚としか言えない惨状を目の当たりにして、思わず煙草に火を着けて煙々羅を召喚して火山灰に対処。考える時間は殆ど無い。さっさと手を打たないと(俺らの貞操的な意味で)大変な事になる。

 

 

「まずは斥候組。アレのギミックを抜いてくれ」

 

「了解つ!」

 

「その内容次第でショタオジを呼ぶ。後、探究ネキに伝達。グリゴリを逃がさない様に周辺海域の封鎖を頼む」

 

「了解!伝えておく!」

 

「海域封鎖に成功後、後方待機組に砲撃要請。ハルトニキなら上手くやるだろ」

 

「情報の共有はこっちでしておくよ?」

 

「おう。いざとなったら俺らを見捨てて逃げるようにも言っておけ」

 

「了解」

 

「シエラ婆は一旦休憩。で、グラ爺は孕ませられそうな奴のフォローを。ついでに万が一の為に沸いたネフィリムの処理を頼む」

 

「「了解じゃ」」

 

「クロネキ達ヒーラー組は待機。他の奴等はギミック抜けるまで足留め宜しく。妊娠注意な!」

 

 

『『『そんな注意喚起、初めて聞いたぞ!!』』』

 

 

 俺だって初めて言ったわ。

 

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