【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
──ドクン。
卵の形となった人間が不規則に脈動する。
──ドクン、ドクン、ドクン。
それは少しづつ早くなっていき──
──ドクンドクンドクンドクンドクンドクン!!
「くっそっ!すまんセツニキ!間に合わねぇ!」
俺らの誰一人として止める事は出来ず、肉卵がパカリと割れて──
「■■■■■ォォォォ!!」
──中から
ネフィリムは登場する聖書によって扱いの変わる、ある意味では人間に好き勝手弄られている存在だ。
『創世記』第6章1–4節によると、地上に人が増え始め、美しい娘達の誕生を知った神の子らが、自らの嫁として美しい娘を妻にしたとされている。
つまり『創世記』では、神の子と人間の間に生まれた神と人とのハーフを〝ネフィリム〟と呼んだ訳だ。ちなみにこの時の〝ネフィリム〟は大昔の名高い英雄達の生まれ変わりという扱いらしい。結局、ノアの大洪水で死ぬ訳だが。
ベルフェゴールと馴染みが深い『民数記』の第13章32–33節では、カナンを偵察したイスラエルの一隊の台詞の中に登場する。
『そこに住む民は巨人であり、ネフィリムである。彼らアナク人はネフィリムの出だ』と、モーセに語る場面があるのだ。『創世記』で滅んだ筈のネフィリムが生き延びてんじゃねぇか!!という気がしないでも無いが、聖書が変われば話も変わる。同じ題材でも話の内容が変わる事は、無料小説サイトを巡回していれば良く分かると思う。
『ヨベル書』第7章21–23節によれば、巨人達が人の娘を娶り、そこから〝ネフィリム〟が誕生したと書かれている。『創世記』では神の子であった筈の父親達が巨人となり、〝ネフィリム〟以外にも〝エルバハ〟〝ネピル〟〝エルヨ〟という三人の
『第一エノク書』7章では地上に降りて人間の娘と交わったグリゴリによって、巨人が生まれたという。巨人の体長は現代換算で1350メートル、人間の食べ物を食らい尽くし、最後は『ヨベル書』の様に共食いをエンドで終わる。
一応、太古の宗教書という物は時の王によって敵対的な他国や民族を神敵と描く事が多く、説明した聖書にもそう思わせる一文が多い。
深く突っ込むのは歴史家の仕事なので、俺はこれ以上の事に触れるつもりは無い。俺達
「ここで止めないと、食料食い尽くされて人類餓死エンドだな」
危険を感じたのか、俺らが触手チンポを避けながら巨人へ突撃を開始する。同時にハルトニキ達後方艦隊も砲撃を開始。
とはいえ敵のサイズは大体扇ノ山*1とほぼ同等だ。一撃必殺とは行かず、流石の俺らも苦戦している。
「主人公!御客様の中に主人公は居ませんか!?」
「居たとしても勝てるのってショタオジクラスの人修羅だけじゃね?【アナライズ】で情報抜いたけど、レベル百二十よ?」
「…………マジで?」
「マジで」
「母体が
まぁ、間違いなく地脈からなんだが。ここがFATEの世界なら抑止力案件だ。
「で、どーすんの?双子ニキもブッパしてるけど結構時間掛かりそうだよ?」
「最悪なのは目の前の〝ネフィリム〟じゃない。これから最低でも二百近く湧く事だ」
「つまり?」
「お前ら!卵の破壊優先しろ!ネームドは上位陣が相手取れ!!」
『『『了解!』』』
「これしか無いだろ」
「デスヨネー」
生まれた〝ネフィリム〟は驚異だが、一匹ならどうとでもなる。深層で良く殺り合っているレベルでしか無いのだ。むしろ的が大きいだけ狩りやすくもある。
逆に言えば、最大数が生まれてしまった場合、大人しくショタオジを呼ぶしか無い。たぶん俺らが相手取れるのは五十程。それ以上は
「古参組は乱戦の中でも戦えるけど、新人にゃちょっと辛いねぇ」
「回りを把握しながら戦うって大変だからなぁ」
「背中合わせで戦うのにも慣れが居るし、物語の様には上手く行かんよね」
「分かってるなら働け。動きが拙い奴への援護が止まってるぞ」
『『『うぇ~い』』』
魔型の俺らに混じって、動きの悪い俺らを守る様に呪符や霊符を飛ばす。レベル五十に抑えられている俺では火力が足りず、基本的に状態異常と結界でフォローする事しか出来ないが……それでも援護があるだけマシらしく、比較的安定して
「むぅ。流石はイイ男達だ!油断も隙も無いな!」
「理解したなら死ね!!テメェらの存在自体が視覚の暴力なんだよッ!」
「断るッ!!我らには日本を救うという主の願いが託されているのだからなッ!!」
「テメェは堕天使だろうがッ!!」
「人を犯していない以上、我は未だ天使なのだよ!!」
四方八方から放たれる触手を躱わしながら、蛮ニキが連撃を放ってシェムハザを追い詰めていく。だがシェムハザはそれを力任せに防いで吹き飛ばし、不敵に笑って叫ぶ。
「ラミエル!アラキバ!誓約に従い、同胞達を守れ!!そして主を信じる敬虔深き信徒達よ!【
「い、嫌だッ!!あんな風に死んで堪るかッ!!わ、わしは司教なんだぞ──ハイ、ワカリマシタ」
「ひっ!う、嘘ですよね……?私は敬虔なる主のしもべです!その私が──ハイ、ワカリマシタ」
「う、うわぁぁぁぁ!!──ハイ、ワカリマシタ」
「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」「ハイ、ワカリマシタ」
それは不気味を通り越して異様な光景だった。堕天使や俺らから逃げ惑っていた過激派の目が一斉に
「これだから天使は糞なんだよ!人間を何だと思ってやがるッッ!!」
叫びながら呪符を取り出し、過激派を囲む様に大地を隆起させる。天然の岩壁はそれ以上、先へ進ませる事を許さず、先頭の過激派が後続に押し潰されているが、それは必要経費だと割り切る──
「……くっそがぁぁぁッッ!!」
高位霊能者となって久しく感じなくなっていた〝怒り〟の感情。胸の内から溢れ出るそれを受け入れながら、星祭の護符を頭に当てる。正しく機能した護符はパリンッ!というガラスの砕ける音と共に【
「セツニキどうした!?」
「全員、星祭の護符を使え!!
考えてみれば、現状は
極め付けは──
山梨の修羅勢も、星祭の俺らも、独立勢の探究ネキの様な修羅達も。俺の言う事を粛々と受け入れる人間じゃない。最低でも誰かしら懸念を口にする。俺が上位者では無く、対等な関係なのだ。
「全員、過激派を皆殺せ!少なくとも死者を孕ませる事は出来ん筈だ!」
護符を頭に当てた者から現状のヤバさに気付き、即座に行動を開始する。今からでも間に合うか──?いや、間に合わせて見せる──!!
そんな俺の決意を嘲笑うかの様にシェムハザが告げる。──
「お前らの広めた