【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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読者の期待を裏切る作者の屑にしてFF信者の鏡(コロンビア)


終末へのカウントダウン8

 

 

「貴様に相応しい悪魔(ソイル)は決まったッ!」

 

 

 拙速は巧遅に勝ると言う言葉通り、過激派拠点へ襲撃を掛ける。まずは新潟支部の管轄近く。田舎ニキには知らせず、単独での強襲だ。

 

 

「黒く染まる霊鳥の輝き!オンモラキグレー!」

 

 

 凶鳥『オンモラキ』の入った封魔管を指で弾き、リボルバーにセット。

 

 現実だと決めシーンの最中にも襲撃を受けるが、ひらひらとマシンガンから射出される弾を避ける。大切なのは、絶対に完遂するという意思だ。強引にでも召喚するという覚悟だ。

 

 

「争いを整える堕天の黒!ハルパスブラック!」

 

 

 二つ目の封魔管をリボルバーにセット。封入されている悪魔は堕天使『ハルパス』となる。

 

 街や塔を建築し、武器弾薬の補充を行うとされる悪魔で、その姿はヒメモリバトまたはコウノトリに酷似しているらしい。

 

 また軍勢を望んだ場所へ送り届ける能力もあり、マルファスと同一視される事もある悪魔だったりするマイナー悪魔だ。

 

 ちなみに原作のFF:U*1だとリボルバーに三種の弾丸(ソイル)を入れないと召喚出来ないが、これはブーストニキが設計図を描き、俺が考案し、ショタオジが契約に立ち会った新型召喚術式を使う為のCOMP。()()()()の仕様上、セットする封魔管(弾丸)は二つでも可能となっている。

 

 

罪人(つみびと)達に色欲と怠惰による終わりを与えよ!二身合体!ベルフェゴール!!」

 

 

 召喚銃にセットしたニ体の悪魔が合体され、その成果が銃の前に展開された魔法陣からゆっくりと現れる。

 

 

「フフフ……フハハハッ!!この私をメシア教に当てるか!分かっているじゃないかッ!セッツァー!!」

 

 

 恐れ慄くメシア教徒達を前に高らかに笑う()()()()()*2

 

 もはや便器の上で考える悪魔では無い。いや、そもそも『地獄の辞典』は比較的新しい書物であり、ベルフェゴールはカナンの地にてイスラエルの民を誘惑したモアブの娘のイメージから来る妖艶な美女と描かれている事も多かったのだ。

 

 さらに付け加えるならば、ベルフェゴールは古代神時代は慈雨と豊穣の神とされたバアル・ペオルだったと伝わる高位悪魔。そして豊穣は地母神が持っている権能として有名である。

 

 これだけの情報が出揃えば猿にでも出来る。むしろこれだけ情報改変しやすい素材が集まって、どうやったら美女化イメージの普及に失敗出来るんだ。

 

 

「くそっ!!やはりガイア連合は悪魔の尖兵だった!!皆の者ッ!!この戦いは今この時を以て主の教えを守る聖戦となったッ!!怯むなッ!主の威光を今こそ知らしめろッ!!」

 

 

『『『全ては主の為に!!』』』

 

 

 司教の演説によって高まった過激派の士気。死を恐れず、こちらへ銃撃を放ちながら突撃する狂信者の軍勢は、人として根源的な恐怖を覚えるぐらいには()()だった。

 

 そんな光景と相対するベルフェゴールは、率直に言って醒めていた。まるでつまらない映画を見る様に。恐れも見せず、ただ侮蔑の視線を向けている。

 

 

「くだらぬ。主の教え?貴様らは誰一人として守ってなんざ居らぬでは無いか。まだガイア連合のキリスト教徒の方が守っているぞ」

 

「……なんつーか意外だな。もうちょっと何かあるのかと思ってたわ」

 

「あの()にも、この私を醜い姿に変えた一神教にも恨みはある。……が、教えを守る誠実な信徒は神として好ましい事は否定は出来ぬ」

 

「そんなもんか?」

 

「そんなもんだ」

 

 

 聖別された銃弾を食らっておきながら平然と会話を交わすベルフェゴールは微動だにしない。

 

 とはいえ召喚銃による召喚は時限性、このままだと何もしないまま還る事になってしまう。

 

 

「ベルフェゴール。そろそろ頼む」

 

「了解した」

 

 

 右手をゆっくりと過激派へと向けたベルフェゴールから迸る、紫電を纏った黒いMAG。それは即座にベルフェゴールが望む〝力〟となり──放たれた。

 

 

「【マハムドオン】」

 

 

 本家本元の悪魔が放つ呪殺魔法。それは【呪殺ガードキル】の混じった本物の魔法であり、権能であり──()()だった。

 

 

「施設に傷一つ付けず、無傷で全滅させるか」

 

「そこらの雑魚と一緒にして貰っては困る。私はこれでも『怠惰』と『色欲』を司る大悪魔だぞ?」

 

「契約で縛ってるとはいえ、そんな大悪魔がこれから()()()()()()になる可能性が生まれるとはな。これだから人生は面白い」

 

 

 俺の召喚銃は封魔菅を使っているが、実は一般的なCOMP──悪魔召喚プログラム入りのスマホさえあれば、同じようにベルフェゴールを呼び出せる仕組みとなっている。

 

 召喚陣こそ特殊な専用術式を使っているが、COMPとしてそこまで難しい事をしていないのだ。

 

 マッカボックスでもある専用の弾倉(マガジン)に百マッカ金貨を十枚セット。この千マッカが召喚用の燃料となる。

 

 後はベルフェゴールとフェニックスの二人が専用術式用に作った()()()()()()()()を封魔菅かCOMPにインストールすれば準備完了。望むタイミングで引き金を引けば『ベルフェゴール』の力を短時間だが借りる事が可能だ。

 

 利点は『オンモラキ』も『ハルパス』もレベル十の悪魔なので、金札のCOMPでも大丈夫だと言う事。

 

 欠点はとにかく費用が高い。マッカ千枚に加えて特殊分霊二体分の費用が掛かる上、五分程度で召喚した『ベルフェゴール』は消えてしまう。

 

 しかも『ベルフェゴール』が狩った悪魔や人間から得られるMAGは全て『ベルフェゴール』の本霊に行く。ドラクエで例えるならニフラムと同じ訳だ。

 

 もちろん分霊も戻ってこない。当然だな。

 

 金札程度でも安全にレベル四十五の『ベルフェゴール』の力を借りられる代わりに、御財布に氷河期をもたらす〝切り札〟。それが──召喚銃だ。

 

 

「話を持ち込まれた時は面倒だと思ったが……成る程。これは確かに効率が良い」

 

「ピンチの時に呼ばれるから信仰心を楽に稼げるし、使う時は基本的に強敵と対峙してる時だからMAGも期待出来る。それにデビオクに登録してる特殊分霊は消耗品だ。合体悪魔を分霊化してスキル一回撃つだけで稼げるにしては()()()()()()だったろ?」

 

「ああ。何より長時間()()()()()()()()のも良い。──っと、時間か」

 

 

 ベルフェゴールの身体がゆっくりと透けていき、身体を構築していたMAGが大地に還っていく。

 

 

FF式召喚術式だったか。短期で稼ぐには素晴らしい召喚術式だ」

 

「メインはお前の神話改編だけどな。信仰稼ぎやマッカはオマケみたいなもんだ」

 

「くくく。特殊分霊やマッカ代を合わせてもトントンだからな。信仰心で半永久的な収入を稼ぎ、敵対する者達のMAGで辛うじて黒字になる。良くもまぁこんな契約を私に飲ませた物だ」

 

「お前が積み重ねてきた信頼の成果だよ」

 

 

 合体先の悪魔はガイア連合への貢献度が高く、ついでに損得計算を出来る奴だけに絞っている。

 

 人間を家畜の様に思う事は別に良い。だが金の卵を産む鶏を守らず、鶏肉として喰う馬鹿は論外だ。

 

 そういう意味では『ベルフェゴール』は大当たりの部類に入る。大悪魔にも関わらず、FF式召喚術の時間内程度なら我慢出来る人格者(?)だからな。

 

 

「ふっ。今のうちに分霊を作っておかねばな。では、さらばだ。我が親友(とも)よ」

 

「おう。またな。──親友」

 

 

 魔界に還るベルフェゴールを見送った後、軽く召喚銃をチェック。流石に一度使った程度では問題無かったので、新たに『ノヅチ』と『ジャックフロスト』の封魔菅をセットしておく。

 

 ちなみに『ジャックフロスト』は井氷鹿(イヒカ)。『ノヅチ』は闇淤加美神(くらおかみのかみ)の分霊だ。合体で現れる高位分霊はフェニックス。

 

 最近は〝火の鳥〟と名を変え、賢く立ち回ってるエジプトの神だ。

 

 準備を終えたので、死屍累々となった命無き過激派拠点へ突入する。

 

 監視カメラの類いは未だに稼働しているが、それを使うべき人間がすでに死者となっている以上、警報は騒音でしか無い。無視して奥へ奥へと進んでいく。

 

 施設の中は想像以上に()()だった。ベルフェゴールが配慮してくれたのか死体は一切損壊しておらず、まるで眠る様に死んでいる。

 

 

(……いや、これが本当の【呪殺】なんだろうな)

 

 

 外傷は一切無く、〝死〟という概念だけで殺す。見事なもんだ。

 

 まぁ、俺には損壊した死体に興奮する性癖なんて無いし、そのお陰で【洗脳】され、利用されていた穏健派の死体を綺麗な状態のまま回収出来るのだから文句無いが。

 

 こいつらだって望んでガイア連合に敵対した訳では無いしな。それなら教会の墓に入る権利ぐらいはあるだろう。

 

 道中で資料や帳簿、計画書を回収しながらひたすら進む。アメリカから横流しされたと思われる銃器も一つ残らず回収。怪しい薬も、禍々しい本も、日本の名家から奪ったであろう霊装も含めて何もかも奪っていく。

 

 勇者ムーヴを決めている内に最奧へと到達。閉じられた鋼鉄製の扉を切り捨て、強引に開門。

 

 

 目に飛び込んできたのは──メシア式召喚陣と無数の術者の死体。そして……

 

 

「……ここは『レッドライダー』か」

 

 

 赤く塗られた馬の死体と、大きな剣が突き刺さってきた。

 

 

過激派(お前ら)は誰の為に動いてるのやら。今更こんな事をやっても、誰の得にもならないだろうに」

 

 

 過激派の死体を蹴って退かす。目的は壁一面の凹みに設置されているMAG電池──ホルマリン漬けの脳缶。

 

 その内の一つを地面に落として踏み砕き、床に散らばった液体に【解析の魔眼】を使う。

 

 

「メインは興奮剤。脳缶自体には闘争本能を刺激する【狂化】の術式。レッドライダーを呼ぶには十分か」

 

 

 残る三ヶ所もロクな事になってなさそうだ。

 

 

 

 

*1
ファイナルファンタジーアンリミテッド

*2
ファンキルのベルフェゴール。

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