【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
「わふぅ?」
「ん?コイツらをどうするかって?」
「わん!」
「まぁ、助けなきゃ駄目だろう。『ペイルライダー』と違って餓えてるだけだしな」
魂を見た感じ、肉体改造はすでに定着してしまっている。肉風船二つが枯れ木に付いている様な酷い有り様だが、治療する事は可能な範囲だ。
一手間掛けないと駄目だが……理由の無い〝殺し〟をやりたい訳でも無い。頑張るとしますかね。
召喚銃を空に向けて構え、引き金を引く。悪魔合体を経由して呼び出すのは、こういう時に便利な焼き鳥だ。
展開された魔法陣から飛び出した
「糞みたいな世界にオレ参上www」
「相変わらず五月蝿いな、お前は」
「それがオレっちのアイデンティティwww」
「捨てちまえ。そんなもん」
溜息と共に懐から取り出したタバコに火を付ける。吐き出した煙と共に頭を切り替え──ここからは【デビルトーク】の時間だ。
「さて、フェニックス。時間も無いから手短に言うぞ?──本霊持ち出しでコイツらを治療してくれ。お代は
「…………ほう?」
先程までのふざけた姿は鳴りを潜め、フェニックスの雰囲気が悪魔らしい
その格は決して凡百の悪魔に劣る物では無い。
「この俺に
「違うな。お前が裏切るべきは〝最高神〟だ。いや、裏切る必要すら無い。知らない間に
女として終わった肉体を
そして今すぐにでも死にそうな生け贄達を治療する為には、フェニックスの権能で時間を稼ぐ必要がある。
もちろん、ガイア連合の負債とならない様にするなら、という但し書きが付くが。
「もし断ったら?」
「この砂漠に飲み込まれる死体が増えるだけだ。俺達ガイア連合は人類の味方じゃない。あくまでも互助組織だからな」
この『鳥取大砂漠地獄』の中で生きてる以上、最低ラインを越えた覚醒者である事は疑いようが無い。
「────ふむ。話にならんな」
「そうか。それならフェニックス。犠牲者に【ファイアブレス】だ。楽にしてやれ」
「なっ──!?待て待てッ!!決断が早すぎるだろう!?」
命令通りに動く身体を本霊からMAG配給してまで抗うフェニックス。馬鹿な奴だ。どうやら
「
「くそっ……!この悪魔めっ……!」
悪魔はお前だ。
「ところでお喋りしていて良いのか?新式の召喚術式は五分程度しか持たんが?」
「あああッ!!クソ!クソッ!!絶対に助けろよ!!俺達の
苛立ちながらも本霊からMAGを配給されたフェニックスが〝黄金の炎〟を周囲にばら蒔く。本来なら使えぬ筈の【サマリカーム】や【メシアライザー】を纏め上げた優しい焔は生け贄達の傷や飢えを
だが矮小な分霊でその様な行為をすれば、その代償はしっかりと払う羽目になる。
「限界か……!」
MAGの枯渇による強制送還。それは高位分霊であろうと抗う事は出来ず、分霊からMAGが少しづつほどけて行き、そう時を経ずに大気へと還った。
「ギン。交渉ってもんは相手の望みを看破して追い詰め、時間制限で焦らせ、考える時間を奪うのが大切だ。覚えておけよ?」
「わふぅ……」
呆れた様なギンの視線は気にしない。フェニックスは気付いてないが、俺達は
つまり、このまま
「ま、そんな事はしないけどな」
信用の価値は金より重い。だがこの道具は一度暴落すると、二度と高騰する事が無い難しい道具なのだ。
罪は一瞬、贖罪は一生。
許される事は無く、ただ背負い続ける人生なんて御免だぜ。
◇
「お久しぶりです」
「おう。少し地下の召喚陣借りる。連れてきた犠牲者の介護は任せた」
「畏まりました」
古式悪魔召喚用の魔法陣を始め、合体用の施設、それを管理、整備する為の人材の育成。
デモニカの生産から悪魔召喚プログラムやアプリの拡張や調整、霊装や霊薬、封魔管の生産まで。
温故知新の言葉通り、磐長一族が築き上げてきた全てのノウハウと最新の科学が詰まった場所であり、岩手の防衛結界を担うイワナガヒメの本拠地となった神社だ。
そんな場所でサクサク
「じゃ、本契約を詰めるぞ~。まずはガイア連合が認める最低ラインを提示する。それをベースに楽しい話し合いだ」
「もし、その時点で気に入らなかったら?」
「送還して別の神を降臨させる。お前らの代わりは幾らでも居るしな」
アズマが凄い目で俺を見るが、ガイア連合と他の組織ではそれぐらいの差がある。というかショタオジが後の世の為に配慮してるから
それぐらいショタオジは別格なのだ。何個か切り札らしき技こそ拝めたが、未だ修羅勢を纏めて完封できる程度には強い。
「まず
「待ってくれ。それでは本霊からMAGを持ち出したフェニックスが大損になるでは無いかッ!!」
「ハトホルちゃんが優しいwwwモテ期ktkrwww」
「フェニックスッ!!ふざけてる場合かッ!!」
激昂する『
「いや~真面目な話すると多少の損は受け入れるべき場面なんだぜ?そこに居る男は悪魔より悪魔らしいけど、ここの霊能組織を個人で作り上げる力量があり、契約を遵守してる限り
「契約を交わさずに魔界に還った焼き鳥にしては良い事言うじゃねぇか」
「
言いたい事を言ったのか『
俺を持ち上げるフリして〝釘〟を刺してきやがった。とはいえ元々そこまで酷い契約を結ばせるつもりは無い。
フェニックスとやり取りしている内にハトホルも落ち着いたみたいなので、契約の続きを口にする。
「わざわざこんな面倒な事をするのはエジプト神のカテゴリで
「成る程~。この場に居る神の所持している〝権能〟が近いのはその為ですか~」
「個神同士に繋がりがないと不自然だし、ついでに言えば
「目眩まし?」
思わず口に出してしまった『
世界三大美女の称号は伊達じゃないらしく、ただそれだけの動きでアズマの視線を奪うのは流石としか言いようがない。
「腐っても相手は最高神だ。お前らが自由に使えるMAGが増えたら流石に気付く。その時に親交のある日本神から貰ったと言い張れる状況が必要なんだよ」
「……徹底してますねぇ」
エジプトの神とは違い、劣化分霊を降ろしている木花咲耶姫は呆れた様に溜め息を吐き出す。
木花咲耶姫の本霊には俺の性格が伝わってるからなぁ。そらそういう反応にもなるか。