【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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新しいカオ転が投稿されたので急いで書いた(笑)

カス子ネキと会えるのは何時だろうか……。


霊能組織ホグワーツ

 

 

「御辞儀をするのだッ!セッツァー!」

 

「して欲しければ力付くでやってみせろやッ!ヴォルデモートッ!」

 

 

 緑色の【ムドバリオン(アバダケダブラ)】が乱れ飛ぶ戦場を駆けながら〝名前を言ってはいけないあの人(トムニキ)〟に向けて剣型の【ソウルドレイン】を射出する。

 

 終末を迎えて暫く。俺の方に漸く暇が出来たので、散歩がてらイギリス支部に足を運び、欧州の修羅勢との楽しい模擬戦を行う運びとなった。

 

 今、目の前で戦っているトムニキもその一人。メシア教過激派による拷問によって原作のヴォルデモートの様な容姿となりながら、それでも挫けず天使(糞鳥)と戦い続け、メシア教過激派達から文字通り〝名前を言ってはいけないあの人〟となった戦闘能力は凄まじいとしか言いようが無い。

 

 

「クハハハッ!!見事な腕だセッツァー!あの時に貴様が居れば、俺様もここまで苦労する事は無かっただろうにッ!」

 

「そっくりそのまま返すぜッ!何かとメシアの糞共と緣があったからなぁッッ!」

 

 

 お喋りを楽しみながらも攻める手は緩めない。まるでコマ送りの様に短距離【トラポート(姿表し)】を行使しながら魔法構築をミスらない辺りは流石ラスボスだ。

 

 こっちは呪符や霊符をばら蒔きながらギリギリの綱渡りの連続だっつーのに。

 

 

「どうだッ!俺様のホグワーツ(学舎)で教師をせんかッ!?貴様なら大歓迎だぞ!?」

 

「悪いなッ!欧州系の魔法は教えられる程の知識がねぇ!」

 

「謙遜をッ!」

 

「事実だ──よっ!」

 

「むっ!?」

 

 

 自身にバフを積み、戦闘速度を跳ね上げる。魔型のトムニキには悪いが俺は万能型。相手の土俵で戦えるだけの力量差は無いので、近接も交えて押し込む。

 

 呪符を投げ付けつつ、こっそり霊符も混ぜる。そのまま適当に撒いた霊符がトムニキの背後に来る様に位置調整。

 

 後はタイミング良く自身と入れ替え、背後を取り、そのまま右手に霊力を集めて──

 

 

「そらっ!これで終わりだッ!──【黒龍撃】!」

 

「ちぃッ!【テトラカー(プロテゴ・マキシマ)──くそっ!俺様の負けだ」

 

 

 ぎりぎり俺の右手がトムニキの腹部を貫く。正直、二度目は通用しないだろう。このまま勝ち逃げだな!

 

 

「見事な物だ。流石は噂に聞く山梨支部の修羅勢だ」

 

 

 腹部を即座に治療しつつ呟いたトムニキに肩を竦めて見せる。

 

 

「日本の霊能系統が専門じゃなかったら負けてたのは俺だったろうな」

 

 

 〝呪移し〟が便利過ぎる。

 

 

「それも含めての修羅勢よ。取り敢えずGG*1と言っておこうか」

 

「おう。また何時かやろうぜ」

 

「次は負けんぞ」

 

 

 お互いの拳を軽く当て、讃え合う。……〝呪移し〟が無かったら普通に死んでたな。身代わりの護符が燃えてらぁ。

 

 

「──さて。貴様らが見ての通り、遥々日本からやって来てくれた客人は少なくとも俺様と同等以上の強さを持っている。挑むことを止めはせんが、挑むなら覚悟をする様に」

 

 

 観戦していた地元の霊能者(ギャラリー)達の目は驚愕と畏怖に染まっている。メシア教と正面から戦い続けた彼らの英雄が負けるとは思っていなかったのだろう。

 

 彼らの立場に立ってみれば気持ちは良く分かる。魔型でありながらソロで幾つもの過激派拠点を落しているのだ。磨き上げられた【呪殺】特化能力が恐ろし過ぎるわ。

 

 俺だから何とかなったが、下手すりゃ星祭でも勝てる奴等が少ないぞ。即死ごり押しは駄目だろう。常識的に考えて。

 

 

 

 

──魔法学校〝ホグワーツ〟

 

 

 イギリス支部所属のトムニキがEU内の地元霊能組織を纏め上げ、破棄された古城を改造して作られた教育学校。生徒、教師のみならず、メシア教の迫害を逃れる為に多くの霊能者が集った隠れ里の一つだ。

 

 現在では終末後の人類生存拠点も兼ねており、原作とは違って大人の姿も多く、何というか不思議な気分になるな。

 

 個人的にその中でも特に違和感があるのが──ダンブルドアとヴォルデモートが並んでる絵面だったりする。

 

 

「なんつーか原作知ってると違和感がスゲェ」

 

「他の黒札の方々も似たような事を仰られてたのう」

 

 

 苦笑しながら慈愛の目をトムニキに向けるダンブルドア。何でも霊能者としての師匠だそうだ。

 

 

「俺様も最初から最強だった訳では無いからな。子どもの頃は掲示板に居る俺達と大差の無いオタクでしか無かった。その頃に世話になり、今に続いている感じだぞ」

 

「羨ましいこって。俺なんて最初からクライマックスだったぞ」

 

 

 すぐにショタオジと合流したので、結果だけ言えば凄く恵まれた環境だったが。

 

 

「まぁ、隣の芝生は青いという訳だな。……ところで先程の依頼に対する返答はまだか?」

 

「欧州系の役立つ霊能知識の教導だったか。完全に専門外なんだよな」

 

 

 魔眼系統の知識はあるが、欧州系のメジャーな術式は浅い知識しか持っていない。それでも地元霊能者よりはあるのだろうが……トムニキを超える程では無い。

 

 

「だが俺様達の知識だけでは何れ頭打ちとなる。何分日本は遠いからな。こういう機会を細かく拾わないと、行き着く先は袋小路だ」

 

「言いたいことは分かるんだけどなぁ。探求ネキを始めとする術スレ制作の教本のコピーだけでは足りんか?」

 

「あれはあれで有り難いが、やはり未来を見せねばな」

 

「閉鎖環境故にってやつか」

 

「うむ」

 

 

 終末が到来してから人類の生存領域は大幅に縮小を余儀なくされた。日本ですら国土の半分以上は悪魔の手に落ち、点在するシェルターでの生活を余儀なくされている。

 

 欧州はメシア教の被害が凄まじいだけあって、日本以上に()()()()()らしい。──それこそ、ほんの僅かな希望を持たせる事すら出来ない程に。

 

 

「……しゃーねぇか。術スレで何時かやろうとしていた授業をホグワーツでやってやるよ。必然的に黒札も混ざるが問題ないよな?」

 

「ああ、構わん。むしろ黒札の興味を惹けるなら大助かりだ」

 

「何処の霊能拠点(シェルター)も黒札頼りは変わらんか」

 

「この様な世界で未だ文明を維持しているのだ。仕方なかろう」

 

 

 肩を竦めたトムニキに苦笑いを返す。

 

 正直言えば、当初の予定より黒札の価値が高くなり過ぎてるのは不味い。神の如き権力はあれども、ガイア連合全体を見渡せば()()()()()()()()()()()()奴は少数なのだ。

 

 驕った奴が殺され、報復にショタオジが動くとかいう悲しい事件すら起きかねん。オーバーキルどころじゃ済まないぞ。

 

 

「取り敢えず俺は授業の準備に入る。明日の早朝からで問題無いな?」

 

「うむ。任せたぞ」

 

「お願いします。希望者に対しての連絡はわしの方で手配しておきましょう」

 

「頼んだ」

 

 

 さて……どんな風に進めるかな。

 

 

 

 

「ああ、さよう」

 

 

 コツコツと足音を響かせ、生徒*2達の合間を縫って教壇に立ち、全体を見回す。

 

 今回の授業はオンライン参戦している奴等も居るので、空中には投影したモニターが浮かんでいる。

 

 その先で真面目に授業を受けようとしている一人を選び──ニヤリと笑みを向けた。

 

 

「田舎ニキ。我らが新しい――スターだね」

 

『俺ぇッ!?』

 

『田舎ニキがポッター役かぁ』

 

『このネタ、黒札以外には通じないだろ』

 

「でも逆の立場ならお前らもやるだろ?」

 

 

『『『当然!』』』

 

 

 ホグワーツで授業をするならスネイプ先生は外せないのだ。

 

 取り敢えず拍手一回でざわつきを静め、頃合いを見計らって口を開く。

 

 

「この時間では錬金術に必要な知識と、厳密で繊細な調整によって成り立つ芸術を学ぶ」

 

 

 ちなみに探求ネキの〝錬金釜〟は別枠だ。原理的にヴァルキリープロファイルの『原子配列変換』だろう、あれ。

 

 

「杖を振り回すようなバカげたことはやらん。そこで、これが錬金術かと思う諸君が多いかもしれん。フツフツと沸く大釜、ゆらゆらと立ち昇る湯気、人の血管の中をはいめぐる液体の繊細な霊力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力……諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。我輩が教えるのは名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である──ただし、我輩がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであればの話だが」

 

 

 ここで一拍空け、油断を誘う。大切なのはこの〝間〟だ。これが無いと、望んだリアクションは得られない。──今だ。

 

 

田舎ニキッ!

 

『ほわっ!?』

 

「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる?」

 

『えーっと……睡眠薬だっけ?』

 

「…………田舎ニキの無礼な態度でグリフィンドールは一点減点だ」

 

 

『理不尽ッ!!』

 

 

「答えちゃったら原作再現が続かないからな。……さて、くだらない茶番はここまでだ。真面目に授業を始めるぞ。授業前に配布した資料の1ページ目を開いてくれ」

 

 

 教卓の上の資料の最初のページを開く。デカデカと書かれているのは──『賢者の石』の文字。

 

 

「さて、生徒諸君。君達は『賢者の石』について何処まで知っている?──そこの青年、答えてくれ」

 

 

 俺の問い掛けに手を上げた青年を指名する。画面の向こう側で探求ネキも空高く手を上げているが無視だ。というかハーマイオニーレベルならまだしも、ダンブルドアクラスの奴に答えさせたら授業にならん。

 

 

「はい、先生。『賢者の石』は多くの錬金術師が求めて止まない伝説の中の存在であり、〝不老長寿〟や〝物質を金に変換〟する力があると伝わる品です」

 

「正解だ。答えてくれた君の所属するハッフルパフに一点やろう」

 

 

 大多数の人間が想像する『賢者の石』はこれだろう。とはいえ、これだけでは〝答え〟として不完全だ。

 

 

「他に詳しく知っている者は?──エドニキか。まさか受講してるとはな」

 

『俺の原作から言って必須だからなッ!』

 

「確かに。それじゃ答えてくれ」

 

『おうっ!──錬金術の基本概念である〝等価交換の原則〟を()()出来る品の総称だ。分かりやすく説明するなら1の価値しか無い品で2以上の価値を持つ品を錬成出来た場合、1の価値しか無いその品は『賢者の石』だと定義出来る』

 

「うん、流石はガイア連合製造班のトップだな。正解だ。薩摩藩に一点やろう」

 

 

『『『俺ら薩摩藩なのっ!?』』』

 

 

「どう考えても薩摩藩かスリザリンだろう。マホウトコロと迷ったが」

 

 

 そんな会話をしつつモニターから出てこようとする探求ネキを押し止める。このハーマイオニー強すぎるんだが。霊格的にも負けてるし、勝てる気がしねぇ。

 

 

「実は後二つぐらいあるんだが分かる奴は居るか?──お、少佐ニキ*3か。それじゃ頼むわ」

 

『了解。……製造系俺達にとっては夢の様な、ありとあらゆる霊的要素を持った人工精製可能な万能物質の名称だ。精製に必要な技術的難易度、必要素材との費用対効果的に滅多に使われないが、手に入りづらい素材の代替として使用可能なので、終末を迎えた世界(現在)の価値は計り知れないと品だと言えよう』

 

「正解だ。薩摩藩に一点やろう。ついでに補足しておくが、高位生産品を作る際の加工時間の圧縮にも使われる品となる。特にエリクサーの様な精製に全属性が必要な品だと必須となる。メモっておけよ」

 

 

 予め『賢者の石』として必要な霊的属性を纏めておかないと、時間内に工程を終わらせられない事も多々あるのだ。

 

 その場合は基本的に精製したい物に特化した『賢者の石』作りから行うのだが、面倒なら全属性の『賢者の石』でも大丈夫だ。不要な属性は抜けるし、抜けないならそもそも技量が足りないからな。

 

 

「それじゃ最後の一つだ。説明出来る奴は──探求ネキ(ハーマイオニー)だけか」

 

「やっと私の出番ですね」

 

「途中でハーマイオニー役から降りると思ってたんだが、結局最後まで粘ったな」

 

「私も途中で止めようと思いましたけど、降りる時が見付からなくて」

 

「さよけ」

 

 

 当たり前の様にモニターからニュルっと飛び出して来た探求ネキに呆れた視線を投げつつ、雑に霊符をばら蒔いて新たに机と椅子を生み出す。

 

 そこに座って改めて手を上げた探求ネキを指名し、答えて貰う。

 

 

「石ころを金に変えられる程の知識や話術を指します。例えば炭素を圧縮してダイヤモンドを精製、それを悪魔と【デビルトーク(交渉)】してマッカに変える。他には積み重ねてきた知識を使って薬を作り、それを販売して(かね)を稼ぐ。〝不老長寿〟の為にスポーツドクターの知識を使うなら、その知識は『賢者の石』と呼べますし、私の様に仙人に至る知識なんて正に『賢者の石』と呼んでも間違い無いでしょう」

 

「正解だ。アカデミーに一点やろう。──さて、今上げて貰った四つが『賢者の石』と呼ばれる物だ。今日はその内の一つ、三つ目の〝万能素材〟の精製について説明する。資料の二枚目を見てくれ」

 

 

 二枚目に書かれているのは二重円の中に正方形、さらにその中に菱形の書かれている魔法陣。空いてる部分にはルーン文字を書き込んである。

 

 

「これは一神教が指定する四大元素である火、水、風、地の四つの霊的素材から『賢者の石』を精製する為の錬金陣だ。これ以外にも幾つか精製する為の錬金陣はあるが、今日はやらない」

 

 

 予め調整しておいた四つの魔石を内円と正方形の交わる場所に置き、精製開始。

 

 三十秒程で紙の中心部にプルプル震える()()()()が精製された。

 

 

「これが万能素材の『賢者の石』だ。お前らにはこれからこれを作って貰う。三枚目、四枚目の資料にはそれぞれ奪魔陣と挿魔陣の二つを描いてある。その二枚を使って素材の調整をしつつ『賢者の石』の精製を目指せ。──それでは始め」

 

 

 ちなみに現地の素材は俺が用意したが、オンライン受講してる奴等は自腹だ。とは言っても山梨支部なら普通に在庫過多だし、黒札なら簡単に手に入るレベルの魔石で問題無いが。

 

 それから一時間ほど生徒達にアドバイスしながら指導し、最後に精製した『賢者の石』から〝麦〟を精製して授業終了。

 

 魔石から食料を作り出せるだけでも〝希望〟にはなるだろう。少なくとも飢え死にする事は無くなるしな。

 

*1
Good Game の略。主に海外で使われている。

*2
大人も居る。

*3
どくいも様SS カオス転生

ごちゃまぜサマナー 外伝 とある製造系転生者 に登場する製造班系俺達




次話は田舎ニキのところのゲヘナ白モップかマグロか。

幼女ネキの誕生日話も書こうか迷ってる(笑)
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