【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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実は今回の話は小さめなイベント。

毎月一日にある『本大会』は多くの本殿許可書持ちが予定を合わせてくる為、今回の数十倍は酷くなる。


終生の親友(ライバル) 壱

 

 

──星祭神社 第一鍛練場

 

 

「これで終わりだッ!」

 

「ぐっ──!次は負けねぇぞ!セツニキィィィ!!」

 

 

 【ソウルドレイン】を心臓に差し込み、そのまま力任せに振り払う。それが止めになった様で対峙していた俺らの身体がグラりと揺れ、地に伏せた。

 

 すると即座に鍛練場全体に仕込まれた【転移陣】が発動して場外へと遺体を運ぶ。星祭総出で作り上げた術式は今日も絶好調らしい。

 

 

「これで漸く7ポイントか。全く……楽しくて思わず笑みが浮かぶぜ」

 

 

 世界全体で見れば、とても落ち着いたとは言えないぐらい悪魔が跳梁跋扈し、日々何処かで誰かが死ぬ事は珍しい事では無くなった。

 

 だが俺ら星祭にとっては漸く終末後のゴタゴタが落ち着いてきたという事もあり、深層を荒らす日々を過ごす傍ら、午後は自由行動と言う名の下に模擬戦で汗を流す日々を過ごせていた。

 

 この第一鍛練場で毎日行われている『バトルロワイヤル』もその一つ。一部の愛され勢と一般修羅達の差が予想以上に詰まり、接戦を繰り広げる様になったお陰で、下手すれば深層より危険な場所になった疑惑のある楽しいイベントだ──

 

 

「きぃやぁああああ嗚呼アアアアア!!!!」

 

「ッ──!チェストニキ*1か!」

 

 

 ビルの上から猿叫を上げながら降って来たチェストニキの刀を受け流す──なんて事はしない。というか出来ない。

 

 一太刀で敵を殺す事に血潮を撒き散らしてきたチェストニキの袈裟斬りは、防御型以外で受け止められないのだ。

 

 だから俺が取るべき選択は一つ。

 

 

(おい)の刀身を軸にして──!?」

 

「取り敢えずふっ飛べやっ!」

 

 

 袈裟斬りに合わせて刀身に手の甲を当て、そこを軸に蹴り飛ばす、だ。

 

 ビルをぶち抜きながら吹き飛ぶチェストニキに追撃の【ソウルドレイン()】を射出。あのギリギリの状況で俺の蹴りに腕を挟まれた事は間違いない。だからこその追撃なのだが──正直、望み薄だ。

 

 俺とチェストニキ……というか深層に到達した修羅勢に圧倒的なまでの差なんて物は存在しない。

 

 探究ネキすらチェストニキに殺られる事もあるのだ。俺も人魚ネキに殺された事があるし、グラ爺や秋雨ニキも掲示板で無名な修羅勢に殺された経験がある。だからこそ楽しいんだが。

 

 

「──おっと。今日はスナイパーも居るのか。キノネキ*2辺りか?」

 

 

 無音で飛来した頭部狙いの銃弾を首を傾げて躱わし、そのまま狙撃ポイントに霊符と呪符(コウガオンとエイガオン)を投げ返す。ムドやハマの対策しない修羅勢なんていない。つまり俺の攻撃手段の大半が修羅勢には通らない。だからこその【祝福】と【呪怨】なのだが……これもそこまで通りが良い訳も無く、手応えは皆無だった。

 

 大通りで暫く立ち止まって修羅達を待って(釣って)いると、不意に空間が揺れた。深層の鍛練も兼ねているこの場所は環境がコロコロ変わる。市街地が溶けるように消え失せ、代わりに新たな戦場が構築された。

 

 

「……げ」

 

 

 新たに構築された戦場は──何処かの山の〝火口〟

 

 炎と熱気と毒ガスが満載な、対応を間違えた奴を絶対に殺す殺意に満ち溢れた領域(エリア)だ。

 

 当たり前の様に噴火し、火炎弾を撒き散らし始めたので即座に撤退を開始。エリアが切り替わるまでの間は逃げの一手だ。というか〝火山〟で誠一郎ニキを筆頭とする不死鳥系俺らは殺せないせいで、逃げるしか無い。何度殺しても死亡判定にならず、文字通り不死鳥の様に甦ってくるのだ。

 

 一応、領域で塗り潰せば殺せるのだが……漁夫の利をわざわざ敵に与える意味も無い。なので、大人しく逃げるに限るという訳だ──

 

 

「────ッ!」

 

「チィ──!!」

 

 

 火炎弾を飛び移りながら黒い影と交差する。こちらは脇腹、あちらは右腕。お互い致命には程遠いが……

 

 

「やってくれたな団長ニキ(だんちょう)*3……!」

 

「あのタイミングで片腕を持っていかれた俺の方が言いたい台詞だ……!」

 

 

 即座に()()()()()()()()()して斬り掛かる。だがタイミング悪く、魔型の修羅が雑に放った空爆(アギバリオン)の雨に阻まれる。

 

 

「第一目標は逃したが、第二目標は達成した。だから──またな!セツニキ!」

 

「くっそ!覚えてろよテメェ!」

 

 

 良い笑顔で立ち去る団長ニキに呪符を投げ付けるが効果無し。片腕を喪失した程度で動きが鈍る修羅は居ないのだ。それにしても……

 

 

「どーすっかねぇ……これ?」

 

 

 現在の状況を簡潔に説明すると、俺の【ソウルドレイン(権能)】を──()()()()()()()

 

 別に団長ニキの【スキルクラック】を食らったという訳では無い。本型式神の『盗賊の極意』の効果という訳でも無い。というかアレは【スキルクラック】した奴を保管しておく為の倉庫だ。

 

 では、俺は何を食らったのか?

 

 その答えは──()()()()()()()()だ。

 

 

 団長ニキ……というか万能型修羅勢の多くは特化型に劣る部分をカバーする為に術式を組み上げる事が多い。今回食らった【盗賊の極意(スキルハンター)】もその一つ。

 

 効果は単純明快。権能を封印してる間だけ他人の権能を利用出来るというだけだ。

 

 ゲーム的に説明するなら敵が状態異常の時に効果を発揮するスキルの亜種だと思えば良い。術式故に解呪も簡単で、五分もあれば修羅勢なら解呪出来る*4程度でしか無い。それ故に実戦だと盗んですぐに使う事が多かったのだが……

 

 

「この修羅勢が跋扈する戦場で五分は長すぎる……!」

 

 

 只でさえ【火炎弱点】の俺に厳しいエリアだ。そこで五分も微動だにせず解呪に専念なんて不可能だろう。これが深層なら仲間や星祭の護符で解除するだけで済むんだが……バトルロワイヤルではどうしようも無い。

 

 軽く頭を振って思考を切り替える。もはや俺の命は風前の灯だと割り切るべきだ。

 

 それを前提にすると、今からでも取れる選択肢は二つか。

 

 一つ目は猟犬の如く戦場を駆け抜け、倒せそうな奴を狩ってポイントを稼ぐ事に専念する事だ。この選択の利点は優勝へと道を繋げる以外に無い。欠点は誰かに敗北すると団長ニキにも妨害ポイントが入ってしまうぐらいか。

 

 二つ目は──俺がバトルロワイヤルに参加する理由である強敵との模擬戦を楽しむ事だ。

 

 

「……どちらを選ぶかなんて愚問か」

 

 

 グラ爺を見付けられたら最高だ。探究ネキでも楽しめる。秋雨ニキでも良いし、参加してるか分からないが槍ニキでも良い。他にも楽しめそうな獲物は多く、むしろ外れは深層の空気を味わいに来た下層組ぐらいだろう。

 

 

「俺達はガイアだしな」

 

 

 好き勝手生きて、好き勝手死ぬ(脳筋万歳)

 

 

 今更、権能を封じられたぐらいで怯むなら修羅勢なんてやってないぜ。

 

 

 

 

──ドォォォォン!!

 

 

 爆音と共に切り替わったばかりの戦場が吹き飛んだ。直前の光景は煌びやかな大聖堂。【破魔】属性有利な戦場なのだが、ガイア連合所属の黒札にとっては忌み地に等しい。そら開幕で吹き飛ぶわな。

 

 瓦礫と化した廃墟を警戒しながら歩く。戦場の再生も平行して行われているせいで視界はすこぶる悪く、ついでにMAGも乱れてるせいで感知系スキルは死んでいる。

 

 こういう戦場で大暴れするのは斥候型なんだよな。双子ニキ(弟)辺りは嬉々として罠を張って異界を好き勝手作り替えている頃だろう。

 

 とはいえ警戒ばかりしている暇も無い。団長ニキのベンズナイフに塗られていた毒は俺の身体を蝕み、現在進行形で命のカウントダウンを進めている。

 

 というか俺の【ディアムリタ(回復魔法)】で治らないクラスの毒って、これゼッテー深層産の毒だろ。回復特化には及ばないが、これでも根源的に回復系は上澄みなんだぞ?俺。

 

 

「こりゃ早いところ誰かと──お?」

 

 

 五感に反応は無い。第六感(直感)にも反応は無い。だが戦い続けて来た()()()()が違和感を叫んでいる。つまり、だ。

 

 

「ヒャッハー!その首を置いていけッ!」

 

「──!?セツニキかッ!」

 

 

 虹色の霧(不安定なMAG)の先に斬りかかると、直前まで気付いていなかった筈の修羅が腕を硬化させて受けきった。

 

 

「元気良いねぇ!阿良々木ニキ(アララギくん)*5ッ!何か良いことでもあったかい!?」

 

「忍野の真似は止めろやッ!」

 

 

 呪怨刀と血を黒くなるまで硬化させた阿良々木ニキの拳が交差する。うーん……こりゃ厳しい。

 

 

「……?【ソウルドレイン(いつもの)】はどうしたんだ?」

 

「団長ニキに盗ま(パクら)れた」

 

「うへ。今日は団長ニキも居るのかよ」

 

 

 お互いに会話を交わしながら刀と拳で火花を散らす。下層レベルでは見ることすら叶わない速度で殺り合っているが、深層組(俺達)にとってはそこまで早い速度でも無い。光の速度で蹴ってくる奴も居るしな!

 

 まぁ、お互いに万能型で、タイプも似ている。属性的には【祝福】が通りやすい俺が短期決戦なら有利、長期戦だと【ソウルドレイン】持ちの阿良々木ニキが有利と言った感じだ。……うん。

 

 

「余命わずかな俺が狙う獲物として上等だな!」

 

「死にかけなら大人しく死んでろッ!」

 

「そう言わずに付き合ってくれよアララギく~ん!」

 

 

 呪怨刀(呪符刀)から祝福刀(霊符刀)に切り替え、ついでに周囲一帯に【浄化】の霊符をばら蒔く。

 

 血霧になったり、肉体をコウモリに分割して逃げたり、俺とは違う意味で生存力のある高位吸血鬼だ。

 

 だから確実に殺す為の手をこっそり進めていたのだが──残念ながら相手も修羅勢だった。

 

 

「悪いなセツニキッ!そのネタは嫌になるほど修羅勢(お前ら)に食らったんだよ!」

 

 

 自らの心臓を抜き出し、そのまま握り潰す。固く握った阿良々木ニキの拳の隙間から垂れる血が【浄化】を上回り、世界を汚していく。

 

 その隙を狙って祝福刀を振るうが──残念ながら祝福刀すら侵食して溶かし始めた。

 

 

「俺だから良いものを常人なら死んでるぞ?」

 

「そこは人として大人しく死んでろよッ!」

 

 

 【マハムドバリオン】クラスの呪詛で世界を汚し終えた阿良々木ニキが肉体の方へ血液を回し、強力な蹴りを放つ。

 

 防御は間に合った。だが勢いを殺すまでは行かず、未だに不安定な虹色の霧を突き抜け、ガラスより脆い足場が砕けていく。さらに受け身を取ろうとした僅かな時間に差し込む様に追撃の血の槍が飛んできた。

 

 

「これだから修羅勢は……!」

 

 

 霊符を前方に投げ、陰陽結界を展開。さらに追加で十枚ばかり投げて結界を補強、そこで漸く血槍が止まった──

 

 

「貰ったッ!!」

 

「舐めんなッ!!」

 

 

 血槍の柄を押し込むように蹴りを叩き込んできた阿良々木ニキとほぼ同じタイミングで、血槍の側面に蹴りを叩き込んで軌道をズラす。さらにそのまま蹴り終えた利き脚を軸に回し蹴りを叩き込む。

 

 

「っ──ぶねぇ!殺す気か!」

 

「お互い様だろうがッ!」

 

 

 一度距離を取り、新たに霊符刀を二本生み出す。するとそこへ新たな乱入者が。

 

 

「────【牙突】」

 

「壬生狼ニキ*6か!」

 

 

 結界ごとぶち抜いてきた突きを躱わし、そのまま()()()()()()()()()()()霊符刀を構える。上下左右逆さまで戦うなんて日常茶飯事だし、そもそも深層に信頼出来る足場なんざ存在しない。

 

 必然的に修羅勢は何も無い場所にMAGを固め、足場を作る技術が磨かれるという訳だ。地獄かな?

 

 

「最初から仕留められるとは思っていなかったが……気付いていたのか?」

 

「いや、あのタイミングで奇襲を食らったのが27回目ってだけだぞ」

 

「……成る程。俺もまだまだ未熟だな」

 

「あのタイミングで仕掛けてくるのは武神系(上澄み)ばかりだけどな」

 

 

 グラ爺や星杖ニキ、秋雨ニキや槍ニキ。他にも武神系の頂点争いしてる奴だけがあの僅かな間に当然の様に差し込んで来る。

 

 普通の奴なら速度や威力が足りず、カウンターを差し込めるんだけどな。時々それを織り込んで突いてくる諜神系も居るが。

 

 

「ま、今はそんな話どうでも良いだろ?お互いに殺り合う意思があって対峙してるんだ。会話するならぶつかり合ってる時で良い」

 

「それもそうか」

 

 

 お互いに刀を構え、緊張感を高めていく。切っ掛けを待つのも一興。だが今日の俺は『ガンガン行こうぜ』以外の指示は聞こえない。

 

 ちなみに阿良々木ニキはすでに逃走済みだ。壬生狼ニキが俺を狙った時点で即座に転身したのは見事と言うしか無い。

 

 相性の悪い相手から即座に逃げるのも必須技術だからなぁ……これだから修羅勢は。

 

 軽く溜め息を吐き出し、目の前の敵に集中する。集中力が切れた時が俺の命の終わり。目の前の相手は──それほどの相手だ。

 

 

「んじゃま──楽しませてくれよッ!」

 

 

 初手は二刀の投擲。もちろんこれで殺せるなんて欠片も思ってはいない。だが対処を強制する事は出来る。

 

 

「今日の俺は銃使い(ガンスリンガー)だぜ!」

 

 

 刀を避けた隙に霊符から銀色のベレッタ(銀ベレ)を二丁取り出し、即座に引き金(トリガー)を引いた。

 

 

「面倒な……!」

 

 

 眉間に眉を寄せた程度で当然の様に銃弾切りを披露する壬生狼ニキ。刹那の間に片方15発、両方で30発叩き込んでるんだが、全く問題としていない辺り修羅勢だなぁ。

 

 再装填の為にベレッタからマガジンを排出。その隙に距離を詰められるが、真横に立っていた利点を生かして空の上まで駆け上がり、霊符から取り出した新たな()()()マガジンを装填。今度は頭上から弾をばら蒔く。

 

 

「無駄だッ!」

 

「一つ、忠告をしておこう」

 

 

 ()()を見ると説教臭くなるのが老人の悪いところだな。今更、改められんが。

 

 

「俺達修羅勢が戦闘技術を磨いてきた様に──()()()だって腕を磨いてたんだぜ?」

 

「────ッッ!!」

 

 

 ガイア連合製造班謹製、特殊弾シリーズ。

 

 

──状態異常弾(ステータスエラー)

 

 

 それが俺がばら蒔いた弾の正体だ。

 

 例えば、田舎ニキの【氷結】のMAGを凍結(FREEZE)方面に特化させる。言うだけなら簡単だ。しかし高位霊能者──しかも他人の扱い難いMAGを弾丸に加工する難易度は、わざわざ説明するまでも無い。

 

 それを可能にするまでコツコツ技術を磨きあげた製造班の努力は、俺ら修羅勢が深層に辿り着くまで血反吐を吐き捨てながら積み上げた努力に劣る訳も無く、むしろ生産性があるだけ俺らよりも世の役に立っていると個人的に思っている。──つまり、だ。

 

 

「壬生狼ニキ。今日は俺の勝ちだ」

 

「…………チッ」

 

 

 身体を霜が覆い、時折意思に反して痙攣する壬生狼ニキへ向けて空を()()()。体内には蛮ニキの毒も回っているし、このまま見守るだけでも殺せるだろうが──

 

 

「悪いね、セツニキ。邪魔するよ」

 

「ッ!【召喚(コール)】──ギリメカラ!」

 

 

 予期せぬ方向から飛んできた斬擊を封魔管から呼び出したギリメカラで反射する。そのまま一旦距離を取って視線を下手人へ向けると──そこには片腕から血を流す京一郎ニキの姿が。

 

 

「……まじかー。物理反射されたの久々だわ」

 

「修羅道産のギリメカラ*7をさらに【物理反射】方向へ尖らせた奴だからな。牽制じゃ抜けないぜ」

 

「あ~あそこの奴か。納得したわ」

 

 

 何かに納得した様に頷きながら京一郎ニキが刀を左手に持ち変える。俺の方もギリメカラを送還&銀ベレを仕舞い、代わりに煙草に火を付け、こっそり煙々羅を呼び出す。……今日は良く邪魔が入る日だな。まぁ、こんな日もあるか。

 

 

「さて、そろそろ良いか?」

 

「オッケー。取り敢えず説明から入るね。今回の俺の標的って壬生狼ニキと星杖ニキなんよ。だから譲って欲しいんだよね」

 

「対価は?」

 

「グラ爺に付けたマーキングあげる」

 

 

 そう言って投げてきた人形(ヒトガタ)を受け取り、警戒しつつ軽く【霊視】で覗く。……確かにグラ爺の霊力だな。

 

 

「おっけー、取引成立な」

 

「よっしゃ!そんじゃ壬生狼ニキ、回復するから動かないでね~」

 

 

 京一郎ニキが深層産のソーマとアムリタソーダを投げ付けると、壬生狼ニキが眉間に皺を寄せながら口を開いた。

 

 

「……礼は言わんぞ」

 

「俺は俺のやりたい様にやってるだけだから。それに──」

 

 

────キィン!!

 

 

「お礼は壬生狼ニキの命で良いよ!」

 

「この戦闘狂がッ!」

 

 

 俺が未だこの場に居る事を気にせず斬り合い始めた二人を眺めながら、口に咥えた煙草を深く吸って煙を吐き出す。

 

 ついでに袖から取り出した霊符を適当にばら蒔いて隔離結界を張り、一騎討ちに邪魔が入らない様に手を回しておく。

 

 勿論、二人の為では無い。

 

 そもそも修羅勢ならぶち破って乱入するので、これは深層体験組への配慮だ。

 

 

「……っし、ニコチン補充完了。俺もそろそろ向かいますかね」

 

 

 吸い切った煙草を燃やし、ついでに取り出したのは──片鎌十文字槍。

 

 

 突けば槍、払えば薙刀、引けば鎌。そう謡われる武器の恐ろしさを教えてやんよ。

 

 

 

 

 

 

 

*1
ふなぐち又兵衛様作 しがない一転生者の徒然 より。このキャラで終末後に修羅勢止めてたら笑う

*2
山親父様作 【カオ転三次】世界が終わるまでのバイク旅 の主人公。お借りするぜ!

*3
バッパラ様作 【カオ転三次】今更転生ごちゃまぜサマナーより。HUNTER×HUNTERの幻影旅団の団長似の芸大生で、組織至上主義のLAW属性らしい。

*4
三桁の修羅勢の感想。下層レベルだと永続。

*5
実は三次書くときの主人公候補だった一人。流れとしてはメシア教に狩られかけたヴァンパイアに血を吸われて(を助けて)覚醒、屍鬼(グール)から人に戻る為にショタオジを頼り、修羅の道を進む感じだった。原作の化物語と話の流れがほぼ同じになりそうだったので断念した。

*6
こちらもバッパラ様作 【カオ転三次】今更転生ごちゃまぜサマナー より。修羅勢多いと書いてて楽しいぜ!

*7
みんな大好き隻眼青象な悪魔。修羅道で勧誘してきたコイツはスキル使用不可、物理以外全属性が弱点になっている代わりに【物理反射】だけは修羅勢でも隙が出来るぐらい溜めないと耐性が抜けないギミック持ちだったりする。【貫通】あるから平気だろwwwと増長した修羅勢の鼻を何度も折っている為、一部では先生呼ばわりされていたりもする。






ワンプレイ1000マッカ。リトライ可。

敵を殺した時に獲得出来るキルP、誰かを一定以上回復した時に獲得出来るヒールP、強化した人間が誰かを殺した時に獲得出来るバフP、弱体化した人間が殺された時に獲得出来るデバフPを誰よりも早く100まで貯める事がオマケ程度に設定されてる基本ルール。

殺された場合は保持していたポイントを()()()()という修羅勢歓喜の設計になっている為、大抵日付が変わった時に最もポイントを持っていた人間が優勝する。

ちなみに優勝商品は参加者達が支払ったマッカ総額の半分。残りは星祭神社や旅館、鍛練場の維持費に回される。

実はルール上何でもアリだが、暗黙の了解的な雰囲気で()()()()アイテム使用禁止があったりする。

これは元々体力や霊力の管理を身体で覚えさせる為に使っていた縛りがそのまま定着した。たぶん古参から新人に伝わり、そのまま何となく皆守ってる。
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