【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録 作:Lilyala
終末後はフリータイム。投稿時間もフリーだぜ!
俺の名はセッツァー・ギャッビアーニ!
何処にでも居る賭博師の黒札だ。趣味はダーツと対人ギャンブル全般と酒。好みの女は乳がデカイ女。一応、副業で術師と修羅勢をやっている。
そんな俺は式神遠征(下層)で稼いだお金を握り締め、開店前の黒札専用のパチスロ店に並んでいた。
持ってきた額は何と驚き10万マッカ。
流石に開店から閉店まで現金投資は無理だが、勝負するには十分な額だ。
まぁ、一天井分*1以上は〝ダメンズ同盟〟の鉄の掟により投資する事が許されていないので、使えて四、五万マッカ*2なんだが。
「お、セツニキじゃ~ん。新台狙い?」
「前作が神台だったからな。嫁をパシらせた金で勝負しに来たぜ」
「ちなみに何分掛かったの?」
「索敵込みで十分。戦闘自体は秒で終わったって言ってたぞ」
「スロットがマジで娯楽で草なんよ」
「本気出せば時給100万以上余裕だからなぁ」
深層素材は価値が高いのだ。使えるレベルまでMAGを抜けば中堅でも使えるし。
「俺も嫁が中層に行ける様になったお陰で稼いでる方なんだけど……やっぱ修羅勢には勝てんわ」
「お、ついに辿り着いたのか。おめでとう」
「俺は無理だけどね?試験受ける気もしないし!」
「……相変わらず
「うん。一時間以上勉強してると発作起きちゃう」
「そっか」
目の前に居る男には行き過ぎた教育家庭に生まれ、勉強する事を強制された前世がある。
そのせいで机に長時間座ると過呼吸となり、ロクに集中出来ないために今世ではロクな仕事にありつけず、その日の暮らしにも困る日々。
ガイア連合には騙されたら自殺する覚悟で来たと言っていた。
まぁ、早い話が俺達には珍しい
〝ダメンズ同盟〟はそんな奴等の受け皿であり、同時に疲れた奴の逃げ場となっている。
もちろん普通に駄目な奴も多い。むしろ八割ぐらい普通に駄目な奴らだ。だが残る二割は何かしらのトラウマ持ちであり、式神遠征に頼らなければ生活出来ないぐらい辛い前世の記憶を持ってる奴や、今世で失敗して自殺未遂を行った奴らが居る。
そんな彼ら、彼女らに対して沼の底から手を伸ばし、バブみを教え、ヒモ生活に落ちようぜ~と引き摺り込んだのが〝ダメンズ同盟〟の面々だ。
そのお陰で多少なりともメンタルが改善の傾向に向かった為、ちひろネキから運営費を引っ張り出したという偉業を成し遂げた組織でもある。無駄に有能で笑うわ。
ちなみに会長は居らず、地獄湯に本拠地があるだけだ。嫁式神達には託児所と呼ばれてるが。
何でも家に居られるとイチャイチャしちゃって家事が進まないので、家事をする間だけ預ける場所という認識だそうだ。
旦那達は旦那達で同じ預けられた者同士で遊ぶWINWINな関係という訳だな。それで良いのかお前らは。
そんなダメンズ同盟と会話をしていると開店時間になった。俺の順番は前から30番目。新台は50台入れたってメールが届いてたから余裕で座れるだろう。
10人単位で入店していく人の流れを今か今かと眺めていると、漸く俺の番になった。店員に黒札を見せ、新台目掛けて一直線に進む。
座れたのは角台と呼ばれる隅っこだ。平成初期の頃は箱を積むと他の客に
この店でもそれは一緒──と言いたい所だが、残念ながらランダムだそうだ。
【幸運】スキル持ち対策でそうするしか無かったらしく、ガチャと同じ仕様らしい。せっかく〝うさぎの足*3〟を持ち込んだのに。
「お、隣はセツニキか。今日は勝てそうだぜ」
「言ってろ。隣で万枚出してやんぜ」
「前回もそんな事言って普通に負けてたじゃん」
「イカサマ抜きだと俺の運って悲しいぐらい無いんだよなぁ」
「よく知ってる」
常連のダメンズとそんな会話を交わしながらマッカを投入し、煙草に火を点けて一服。吸い終わったら勝負開始。
本日打つ台の名は──
転生したら黒札だった件
~半終末を迎えて~
前作の~設立!ガイア連合!~の次作だ。
通常時はスイカを引いて高確*4に入れ、強小役*5を引いて
それ以外だと一回転ごとに貯まる画面右側の覚醒ポイントを一定値を越えるまで貯め、その後に一定確率で突入するCZチャレンジの4Gで当選すれば、晴れてCZに突入する。
基本的に突入時点で合否が決まってるので、4G間に小役を引かない限り、大抵ガセだが。
ちなみに打つ台によってはCZやAT中ならともかく、通常だと引く意味の無い小役があったりもする。
この台に限って言えば弱チェリーはゴミだ。
覚醒ポイントを大量に獲得出来る特化ゾーン当選確率が1%未満であり、ボーナス当選率はそれ以下。1/96~109を引いてこれは酷いとしか言えん。
まぁ、引いたんだが。しかも三連続。
「セツニキの糞運、相変わらずスゲェな!」
「ほっとけ」
隣で笑っている奴を尻目に回していると、気付けば覚醒ポイントが100を越えていた。
覚醒ポイントが100の時のCZ当選率は滞在モードによって変わるが大体75%だった筈。つまり普通
「ぶっちゃけ、ここで入らない方がモードA*8否定で美味しいよな」
「この台はモードAだと天井高くなるもんねぇ」
「ま、入るんだが」
「ワロス」
という訳でCZだ。突入時の約90%は緩い修行の方に進み、10%で厳しい修行に進む。
二つの違いはCZのゲーム数だ。緩い修行は10
ゲーム数を消化し終えるまでにベルと小役を引きまくり、最終ゲームのレバーオンで覚醒すればAT突入、失敗すれば終了で通常に戻る、といった流れになる。
当然、修羅勢である俺は緩い修行に進む。クソが!
「前作と変わらず、この黒札はあまあま過ぎるね。ショタオジも厳しい方に投げ込んでくれれば良いのに」
「高設定だと緩い修行の後に復活演出で容赦なく投げ込んでくれるけどな」
「あれは初見だと笑うわ」
黒札が店長を務める、黒札専門店にしか置かれていない台*9を打ちながら、黒札ならではの会話を交えつつCZを消化していると──
『右から狙うにゃ!』
画面一杯にネコマタが現れた。
「……ガイア目*10のカットインなのは分かってるんだが、いきなり来るとビビるな」
「え、なんで?ネコマタ可愛いじゃん」
「厳しい修行受けた奴は一人残らずコイツに【マリンカリン】くらってんだわ」
「あー……」
台の指示する通りに右からガイア目を狙う。この台はチャンス目だけが光るタイプなので、目押しが楽で良いな──っと。
「珍しい。右止まったぞ。……右中ってどうだっけ?」
「突入率50%かな?左のみよりは高かった筈」
「そんなもんか」
その後は特に何もなく、CZを消化し終える。そして運命のレバーオン。
『おめでとう。今日から君も覚醒者だ』
「おい、今作ショタオジのボイスあるぞ」
「前作は周囲の俺達が祝うだけだったのに!」
というか良く収録する時間あったな。そっちの方が驚きだわ。
とはいえモブ男君が覚醒してくれたのでATに突入だ。まず始めに10G間の〝緣の刻〟に入る。
この10G間はハズレ*11を除く全ての小役で他の黒札の参戦を抽選しており、知名度の高い黒札が参戦してくれると基本的に熱い。
逆に〝ぼっち〟はAT終了の可能性が高く、出来れば避けたい感じとなる。
「前作は野生のネクロマンサーが大暴れしてたよね」
「カス子ネキが出るとにっこりしたよなー」
前作のカス子ネキはベルやリプレイでも参戦する可能性のあった黒札で、小役を引けない糞運持ちの強い味方だった。
弱小役以上から出現する霊視ニキも現れた時点で継続確定なので、恐山支部にお世話にならなかったダメンズは居なかったりする。
ちなみに強小役からは修羅勢が飛び出す。大抵ミナミィネキの強予告*12から現れるので、ダメンズには悪魔しょうかん帰りと言われていた。
「お、小役ナビ*13」
「弱以上確定だけど、中チェ*14くるとびっくりするよね」
「そんなミラクル起きた事ねぇよ」
「今日は来るかもよ~?」
「だと良いがな」
会話しつつBARを狙い、左のボタンを押す。止まったのはチェリーだった。
「ガイア目来い……!*15」
「AT中ですら期待出来ないもんねぇ」
祈りながら真ん中のボタンを押す。止まらず。最後に右のボタンを押す。止まらず。
「ありあしたー」
「笑う」
「どうせモブ太かモブ子だしなぁ」
「だろうねぇ」
俺らの予想通り画面が大音量を鳴らし、
『仲間が駆け付けてくれた!!』
という表示と共に黒札が一人参戦する。
「お、目隠れちゃん参戦モブに昇格したんか」
「人気だったしねぇ」
ちなみに青文字の期待度は10%以下だ。二人居ても30%しか無い。居ないよりはマシだけど……って奴だな。
その後は特に何もなく、10Gの消化を終えて任務の選択に移る。
『貴方にオススメの依頼はこちらです!』
「任務選択画面にちひろネキほど相応しい人間を俺は他に知らねぇ!」
「オススメの依頼はルーレットで決めるけどね!」
ダメンズが言った通り〝緣の刻〟を終えると、ちひろネキが任務書を四枚見せてくれる。その中から一枚選び(選べない)、モブ男が任務に出発するという流れになる。
この時に選択される任務の種類は青、黄、緑、赤、特殊柄、虹の六種類。
特殊柄や虹は特定の条件を満たさないと基本的に現れず、現れた時点で激熱、選ばれた場合は継続+α確定だ。
他の色は青10%、黄30%、緑60%、赤90%の確率でATが継続する。──つまり、だ。
「センセー!依頼書が真っ青です!」
クズ運だとこういう事が良く起きる。クソが。
「来世に期待するしか!」
「ほんまそれ。というか前作にあった一枚だけ黄すら無くなってるのな」
「選ばれた時点で継続確定だったからね。実質虹だったし、そりゃ切られるよとしか」
「それもそうか~」
目押しは意味が無いので、ささっとPUSHボタンを押す。選ばれたのは──餓鬼討伐戦。
30G以内に餓鬼を百体倒せば継続、失敗したらAT終了となる。
ベルを引く度に攻撃こそしてくれるが……基本的には小役を連打するか、強小役を引かない限り終了する。それが青任務の期待度だ。
という訳でさっくり150枚ぐらい出して終了。再び通常画面に戻った。
この後は追加投資したり、出したり飲ませたりを繰り返し、最終的にプラマイゼロで終了。ダメンズに終える事を告げ、景品交換所に向かう。
「こっちは普通に交換で。後、俺は
「……畏まりました」
テキパキと動く女の店員に景品と交換して貰い、
さて、釣れると良いんだが。
◇
「~♪」
鼻唄を歌い、景品を見せびらかす様に持って店を出る。換金場は基本的には店の外にあるので、ダメンズ同盟には換金する時は絶対に嫁が来てから行けと口が酸っぱくなるまで言い聞かせた。
理由?それはもちろん──
「ちょっと良いかい?
地獄湯に流れ着いたチンピラや
「何か用か?こっちは急いでるんだ。手短に頼む」
「何、話はすぐに済むさ。──その景品を譲って貰うだけだからよぉッ!!」
中年のチンピラがCOMPを操作して悪魔を召喚する。ついでに隠れていた仲間が三十人ばかりゾロゾロと現れた。
「死にたくなかったらそれを寄越しな。兄ちゃんも金で助かる命を失いたくはないだろ?」
「………………」
懐から煙草を取り出し、口に咥えて火を付ける。空に向かって煙を吐き出した後、改めてチンピラに視線を移す。
「断ったら?」
「俺らの小遣いが兄ちゃんの
「そうか」
流石、地獄湯だな。終末後とはいえ良くもまぁここまで見事な悪人が湧くもんだ。
「それで、答えは?」
「そう焦るな。煙草ぐらいゆっくり吸わせろや」
「舐めてんのかテメェ!?」
金髪をウニの様に逆立てた若いチンピラが俺に睨み付ける。が、すぐに年配の作業服を着たチンピラが止めた。
「若いのがすまんの、兄ちゃん。とはいえ俺達も堪忍袋の尾は長くないんだ。まだ死にたくないならさっさと渡した方が身の為だぞ?」
「…………ククッ。御丁寧にどうも」
脅迫される立場ってのも新鮮だな。こんな事を俺にやる奴は滅多にいねぇし。
「まぁ、答えは最初から決まってるんだけどな。──殺れ、煙々羅」
吐き出した煙が人型の美女となり、周囲を煙で覆い尽くす。煙の匂いはもちろんキャビンマイルド。俺の愛煙している煙草だ。
「──くそッ!テメェ悪魔召喚士かッ!殺れッ!お前らッ!下手すりゃこっちが殺されるぞッ!!」
「全てが遅い。──
バタバタとチンピラ達が倒れていく。誰一人苦しむ事すら無く、全員纏めてあの世行き。それが煙々羅の恐ろしさだ。
俺がやった事は単純、
火山噴火時に良く話題に上るので知ってる奴も多いと思うが、二酸化炭素は摂取濃度によって症状が異なる人体には有毒な気体だ。
2~10%なら視力障害、耳鳴り、チアノーゼ。
3~6%なら数分から数十分の吸入で、過呼吸、頭痛、めまい、悪心、知覚の低下。
10%以上なら数分以内に意識喪失し、放置すれば急速に呼吸停止を経て死に至る。──そして。
25%以上なら即時に昏睡状態に陥り、死ぬ。
体内で変換したので、本人達は何が原因で死んだのかすら分からないだろう。覚醒者なら生き残れる?馬鹿言っちゃいけない。今回呼んだ煙々羅のレベルは30。低位の神と同じだ。
そんな悪魔を相手に群れて恐喝する事しか出来ない雑魚が生き残れる訳が無い。そもそも生き残れる力があるなら悪魔を狩った方が稼げるのだから。
「……俺だ。こっちの仕事は終わった。
『りょうかーい。すぐ行くね~』
スマホからその様な返答が来た直後、背後に【トラポート】特有の時空振が。
「おっすおっす!可愛いカス子ネキさんが来ましたよ~っと」
「じゃ、後は頼むわ」
「おーけー!ショタオジの心労を減らす為にも、地獄湯の治安向上の為にもおばちゃん頑張るぜ!」
パパっと死体を
「んー……コイツら元黒札の個人シェルターからの追放組っぽいね。市民へ圧力掛けて設立者の黒札を追い出す事には成功したけど、同時にガイア連合との繋がりが切れて困窮。市民が団結して追放、流れに流れてここに来たっぽい」
「自業自得じゃねぇか」
「それな!とりま、アタシはこのまま残る奴等を処理してくらぁ」
「手伝いは?」
「アタシ一人でも過剰戦力ッス」
「だよなぁ」
しかも人海戦術が得意なカス子ネキだ。マジで後ろからトボトボ付いていくだけで終わる。
「じゃ、俺は報告してから帰るわ。報酬は振り込みで良いか?」
「うい。じゃ、急ぐからまたのー!」
死体を散歩させてアジトへ強襲しに行くカス子ネキと別れ、当初の目的通り換金所へ向かう。
「
「…………コク」
小さく頷いた汎用式神*16からマッカを受け取り、帰路につく。
次に来る時は大勝したいもんだ。
◇
カード、タロット、ダーツ。
そしてセッツァーを名乗る存在として忘れちゃ行けないスロット。
最初は秤金次の賭博術式を改良しようとしたけど、スロットだとテンポ悪すぎて残念。
なので、この話を書き上げました。
転スラのスロットアプリを打ってる最中に『そういやうちの主人公スロットやってないな』って事に気付いたんだけどなッ!
セッツァーを名乗る以上やらせない訳には行かなかったんや!!
ちなみに現実でのプレイを推奨しません。どうしてもやりたいならアプリで我慢するべき。
少なくとも作者は勝った額より飲まれた額の方が多い。むしろ最後に勝ったの何時だ……?レベルだよ!