【カオ転三次】最速で出会った俺らのガイア連合活動記録   作:Lilyala

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今回はガイア連合でショタオジと並ぶ大切な人の登場です!

前回の感想が今までで一番多くて草




ギルニキの決断

 

 

 星霊神社本殿のさらに奥。もはや鎮守の杜の中だろうと呼べる場所には俺用の喫煙小屋がある。

 

 ショタオジに許可を取ってコソコソと一人で建てたここは、式神達も知らない俺だけのマイホーム。

 

 そこでプカプカ煙を吐き出していると、コンコンと扉を叩く音がした。

 

 

「空いてるぞ」

 

「失礼する」

 

 

 入ってきたのは金髪の偉丈夫。確か──

 

 

「ギルニキ*1、だったな。適当な所に座ってくれ。今、珈琲でも淹れてやるよ」

 

「感謝する」

 

 

 適当にパパッと淹れた珈琲を二つ持って、一つをギルニキの前に置き、その正面に座る。

 

 

「わざわざ遠いところ御苦労様。ショタオジに頼めばすぐ向かったのに」

 

「いや、他の俺達が居ない所で話したかったのでな。逆に好都合だったぞ?」

 

「ほーん?ま、気楽に行こうぜ?同じ俺達なんだ」

 

「同じ、か」

 

 

 意味ありげに言葉を区切り、珈琲を見詰めるギルニキ。考えてそうな事は分かるが、これは俺から言うべきかね。

 

 

「たぶん聞きたい事は分かるから先に言っておくが、俺達の勝利条件はギルニキが思ってる以上に楽だぞ?」

 

「と言うと?」

 

「終末に対して楽観的な俺達が多くて不安なんだろ?でもな、()()が俺達に求めてるのは覚醒までなんだよ。式神の燃料電池としてな?」

 

「つまり、覚醒さえすれば俺達がどう動こうと問題無いと?」

 

「もちろん手伝ってくれる人間は多い方が良いけどな?分かりやすく言うと、俺達はモブで、ショタオジが主人公なんだ。終末が何を引き金にして起きるか分からんが、その時にショタオジが動けるだけの余裕さえ確保出来れば、この山梨に居る限り終末後も()として生きていけるんだ」

 

 

 それが許されるだけの〝力〟がショタオジにはある。

 

 

「国内の他の場所は駄目か?」

 

「そこは俺達の頑張り次第だな。少なくとも俺は興味無い。もちろん()()の中でここは守りたい!って奴が居れば手伝うけどな?」

 

「つまり、富豪組の俺達が山梨以外で生き残りたいならセツニキ達修羅勢に投資するべきなのか?」

 

「どうだろうな。たぶん俺らは金では動かないぞ?ただ山梨を便利にしてくれるなら()()()()()()()全力を出すと思うが」

 

「厄介だな、貴様ら」

 

 

 呆れ混じりの溜め息を吐き出したギルニキの気持ちも分かるが、俺らはあの厳しい修行を共に乗り越えた仲間だ。お金よりも友情で動く奴らしか居ないのは当然だろうに。

 

 

「俺達富豪組も産業を纏めて山梨に一極集中しようって話が出てるんだが、やはり簡単に動けない奴も多くてな?」

 

「そこらへんは覚悟と優先順位の差だろう。俺の会社はすでに移転準備してるぞ?」

 

「ちょっと待て八歳児。会社持ちなのか?」

 

「株式会社『磐長カンパニー』を裏で操ってるのは俺だぞ?」

 

「たった二年でIT分野のトップに立った大企業じゃないか!」

 

 

 そらそうだ。俺とショタオジにはベルフェゴールが付いている。ありとあらゆる科学分野で負ける方が難しい。──まぁ、全部が全部上手く行った訳じゃないが。

 

 

「そう呼ばれるのは今年までだな。終末を知らない一般の経営陣は社長の方針に反対でな?見事に割れたからこっちで一からやり直しだ」

 

 

 一般向けの掲示板サービスなんかはあちらに残し、こちらは新たに一から出直しだ。とは言っても必要な技術者は契約で縛ったし、付いてきてくれる一般人には終末後も変わらぬ人生を約束するつもりだ。そもそも社長やその手足は俺のペット。何の問題も無い。

 

 

「簡単に今の地位を捨てるんだな?」

 

「そもそもギルニキ達富豪組と金を稼ぐ理由が違うんだよ。俺とショタオジは金が欲しかったのでは無く、ネットを普及させて転生者を集めたかった。その目的を達した以上、わざわざゴタゴタを纏め上げるのも時間の無駄だ」

 

「愛着は無いのか?」

 

「無いな。俺の目的についてショタオジから聞いたか?」

 

「石長比売とベルフェゴールの神話を改編しようとしてるとだけ」

 

「それだけ分かってれば十分だな。俺の目的はそれだけで、それ以外は手段なんだよ。だから不必要になったら切り捨てるし、邪魔なら潰す。その覚悟で俺は動いてる」

 

「俺達にもそれぐらいの覚悟を持てと?」

 

「いや?」

 

「は?」

 

 

 呆けた様な声を上げたギルニキに断りを入れてから煙草に火を付ける。

 

 

「勘違いしてるみたいだが、俺とショタオジがこれから作る組織は大学の趣味サーみたいなもんだぞ?だからギルニキが何かしたいなら仲間を集めてそれに邁進すれば良いだけだ。興味があれば俺らも手伝うし、無ければ放置するだけ。俺らの力を借りたいってだけならともかく、最初から当てにされても困るってのが本音だな」

 

 

 煙をギルニキの居ない方向に吐き出し、ついでに火曜サスペンス(火サス)で凶器になってそうなガラスの灰皿に灰を落とす。

 

 

「成る程、そういう事か。つまりセツニキは幹部でも何でも無く、決定権がある訳でも無い。神主の手を空けるという組織の〝共通目的〟以外は個人個人の意思になるのだな?」

 

「その〝共通目的〟も怪しいけどな?これから先、星霊神社以外に行く俺達も増えるだろうし、組織が大きくなったら当然意志疎通も厳しくなる。転生者全員が熱意ある人間なんてギルニキも考えてないだろ?」

 

「うむ。だからこそここに来たのだ」

 

 

 だろうな。というかたぶん男鹿ニキとモブニキの喧嘩を目撃して不安になったって感じか。

 

 

「俺とショタオジは基本的に手を組んでるが、それでも完全に一致してない。だからギルニキも俺達(転生者)全員に支援するんじゃなくて、ギルニキの望みを手伝ってくれそうな人間()()に支援すれば良いんだよ。考えるのが面倒ならショタオジに全ブッパで問題ないけどな?」

 

「そうなのか?」

 

「ショタオジを支援したらショタオジ自身も動くし、俺らも動くからな。この場合の俺らは霊視ニキやカヲルニキも含むショタオジ派(真面目に終末の事を考えてる奴ら)な?」

 

「つまり、悩むぐらいならショタオジに賭けろと」

 

「競馬で例えるならショタオジがレースに出てるのに誰も気付いてないから万馬券確定してるようなもんだぞ?俺は全ブッパ余裕でした」

 

「そういえばセツニキはショタオジと会った時点でコロンビア状態と言ってたな」

 

 

 あの場に居たのか。まぁ、富豪組はショタオジと話すことも多そうだもんな。

 

 

「覚醒すれば簡単に分かるんだが、ショタオジは俺達に与えられた〝チート〟みたいなもんだぞ。ショタオジで無理なら四文字でワンチャンあるぐらいだ」

 

「そんなレベルなのか……」

 

 

 非覚醒者だと分かりづらいよな。何かスゲーで止まるというか比較する物差しが無いと言うか。

 

 

「まぁ、どうせギルニキが代表して聞きに来ただけで、他の富豪俺達も気になってるんだろ?」

 

「分かるか」

 

「俺がそっちの立場なら気になるからな。積み上げてきた物を捨ててまで賭ける価値があるのかどうか。だから、この場で分かりやすく言ってやるよ」

 

 

 煙草を消して灰皿に捨てる。こういう場面は真剣さが大事だからな。

 

 

「グラ爺がレベル一、俺が三十だとしたら──ショタオジの式神は三桁前後、ショタオジ本人は二百以上あるのは確実だ」

 

「……は?」

 

「俺もショタオジの霊格の強さが正確には分からないんだよ。ぶっちゃけ四百とかカンストしてても不思議じゃない」

 

「そんなに……なのか?」

 

「そんなに、だ」

 

 

 だからこそ俺は全ブッパして来たんだし。

 

 疲れたように背もたれに体重を預けるギルニキの為に新しく珈琲を淹れる。終末後の為に買い貯めするか、それとも産地を確保するか。悩ましいな。

 

 

「ほれ」

 

「助かる」

 

 

 両手で受け取った珈琲を飲んで机に置く。……迷いは無くなったようだな。

 

 

「少なくとも(オレ)はショタオジに全賭けする事にした」

 

「一文無しになったらなったで覚醒すりゃ良いだけだしな」

 

「確かにそうだな」

 

 

 ご来店して初めての笑みは想像していたより若かった。富豪ニキ達も苦労してるな。なら、ここから先はサービスだ。

 

 

「ま、終末後には円じゃなくてマッカが通貨になるだろうけどな?」

 

「……!そうだ、忘れていた!円の価値は無くなるじゃないか!」

 

「おう?気付いてなかったのか?」

 

 

 意外だな。気付いてるもんだとばっかり思ってた。

 

 

「気付いてなかったぞ!セツニキも言ってくれれば──いや、悪い。セツニキとショタオジはそれを想定して動いてるから金集め()を手段にしてたんだな」

 

「俺達覚醒した人間にしてみれば、マッカの方が使いやすいんだよ。悪魔との交渉に使えるし、額を貯めれば聖剣だろうが魔剣だろうが買える上に素材にもなる」

 

「ゲーム通りならそうなるか。……珈琲、美味かったぞ。我はすぐに他の富豪俺達に伝える為に失礼する。選択肢は無かったぞ、とな?」

 

「選択の自由ぐらいはくれてやれよ?自分の城と共に沈むのも人それぞれだ」

 

「分かっている。それでは失礼する」

 

 

 玄関まで見送り、扉を閉める。そして珈琲の残りを飲みながら煙草に火を付けると、ショタオジが座っていた。

 

 

「悪いね。相談役任せちゃって」

 

「気にすんな。俺は全掛けした人間だからな」

 

 

 ショタオジの為に珈琲を淹れてやろうとふとポットを見ると、自分で淹れていた。

 

 

「ショタオジ、インスタントコーヒー淹れられるのか……!」

 

「君、それは流石に失礼じゃない?」

 

「いや、前世の金持ちっぽい所作と今世の式神頼りの生活を見てれば誰だってそう思うぞ?」

 

「え〜そうかなぁ」

 

 

 ふて腐れた様に珈琲を一口飲んで、砂糖を入れる。さらに一口飲んで、ミルクを投入。味の変化を楽しみすぎだろ。

 

 

「ギルニキを含む富豪ニキ達は闇召喚士と多少は繋がりがあったみたいでさ。そんな彼らが恐れるメシア教に俺が勝てるか不安だったみたいでね?」

 

「あー金を派手に富士山近く(日本屈指の霊地)に注ぎ込めばそうなるか。何なら富豪ニキ達の為に星祭の巫女を派遣するか?アイツらなら二、三人居りゃパワーにも勝てるだろ」

 

「頼める?話はこっちで通しておくから」

 

「ういうい」

 

 

 折り紙型の霊符に当主からの命令を書き、その紙で鶴を折って息を吹き掛けるとパタパタ羽ばたいて飛んでいく。これで良し!

 

 

「然り気無く新術見せるのやめてくれる?すっごい興味あるんだけど?」

 

「式神術とゴーレム使役術の合の子だな。燃料(霊力)をそこまで積めない代わりに物凄くお手軽に出来るのが利点だ」

 

 

 説明しつつ折り紙を渡す。受け取ったショタオジがワクワク顔で鶴を折り、息を吹き掛ける。

 

 

「ショタオジ、これ鶴やなくて不死鳥や」

 

「ワンチャン鳳凰じゃない?」

 

「受け取った人間が燃え死ぬぞ」

 

「術式が簡単過ぎるが故にダイレクトに力量が反映されちゃうみたいだね」

 

「そうなるのはお前だけだぞ、絶対」

 

 

 たぶん推奨レベルは二百以上だろ、これ。

 

 

「あ、やば。居なくなった事が分身にバレた」

 

「早く戻ってショタオジ。ここが分身や式神にバレたら隠れ家が無くなるぞ」

 

「くっそーもう休憩は終わりかー」

 

 

 名残惜しそうにショタオジが【転移】する。……ゲームをする為にわざわざ星祭から電気通したのに、結局やる前に組織が出来るとか何というか呪われてるな、アイツ。

*1
本家様SSより セッツァーが居ない世界線ではこの人を中心とした富豪ニキ達がガイア連合を支えています




主人公がどれだけチートっぽくてもショタオジが全てを薙ぎ払うから書きやすくて仕方がない。

以下感想返し

腐海に沈んでた人達も地獄に送られて更生しました。というか修行中はほぼ全員全裸になるか精神的な苦痛が酷すぎて気にしてられません。

R18指定が怖くて詳細な描写を省いたんですが、流れとしてはこんな感じ↓

前世から求道者やってる人達はヤバいと思った時点で皆から離れて自身の四肢を折りました。

そしてマリンカリン発動。

男多めの肉欲カーニバルが開催されて、四肢折れてるのに向かおうとする求道者達

ヤリ死んでる内に何人か覚醒して、最後にミナミィネキが覚醒、修行終了。

その時に距離を取るのが甘かった求道者は参加して、遠くまで逃げた求道者は手足が折れてる分だけ辿り着かなかった感じですね。

だから終了時には血と汗と骨とカルピス(意味深)の酷い修行場になってました。

ちなみに参加した人間はショタオジに記憶を記録に変えて貰ってます。自衛隊ニキネキがされた処置の亜種です。

イメージとしては自分出演のAVを見せられた感じ(実感が無いので勝手にナマモノカップリングされた風に受け止められる)

目覚めた人は居るというか両刀になった人が多くなった感じですかね?女が好きだけど可愛い男ならイケる程度かな?たぶん

主人公が覚醒するタイミングを読めるのには理由があるんですが、また次回が気が向いた時にでも。

昭和の時代にスポーツしてた人間なら何となくわかるんじゃないかな。
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